金融資産とは?種類と実物資産との違いを紹介!不動産はどちらに含まれる?

昨今は将来に向けた資金確保のニーズが高まっています。ライフプランに合わせて十分な金融資産を確保したいと考える方もいるのではないでしょうか。とはいえ、「金融資産」と表現しても、さまざまな種類があります。 そこで今回は、金融資産の意味や実物資産との違い、不動産はどちらに含まれるのかを解説します。

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金融資産とは

金融資産とは、実体には価値を持たないが換金のできる資産のことです。代表的な金融資産として挙げられるのが、現金です。1万円札自体は紙ですが、紙そのものに1万円の価値はありません。しかし、政府から「1万円の価値があるもの」として認められているため、売買に利用できます。

金融資産の主な8種類

代表的な金融資産として、下記の8点が挙げられます。

・現金

・預貯金

・株券

・債券

・投資信託

・生命保険

・商品券

・小切手

現金や預貯金には、外貨も含まれます。同様に株券・債券・投資信託なども、国内外両方とも金融資産です。投資信託には不動産投資信託(REIT)などが、債権には社債・地方債・国債などが含まれます。

ただし、生命保険に関しては、満期金や払戻金のある貯蓄型生命保険のみが金融資産とみなされます。また、掛け捨て型の生命保険や既に給付を受けた分については、金融資産に含まれません。

不動産は実物資産!金融資産と実物資産の違い

実物資産は、実体がありその商品自体に金額と同等の価値がある資産のことです。不動産は金融資産ではなく、実物資産に含まれます。

そのほか、代表的な実物資産として、金・銀・プラチナなどの貴金属、美術品なども挙げられます。

金融資産のメリット・デメリット

金融資産を保有するメリット・デメリットは下記の通りです。

メリット

デメリット

・少額から保有できる

・ハイリターンが狙える

・流動性が高い

・分散投資に向いている

・価値の変動が激しい金融資産もある

・インフレに弱い傾向がある

・リターンが低くなる場合もある

・価値がゼロになるリスクがある

誰でも手軽に保有できる資産であり、使い方次第ではハイリターンが見込めます。流動性が高いので短期的な判断をしやすいこと、分散投資に最も向いていることなど、多数のメリットが存在します。

一方で、価格の変動が激しい金融資産の場合、ハイリターン・ハイリスクになる傾向が強いです。インフレに弱く、金融資産自体の価値が増減する可能性があることも知っておきましょう。

株券などは特に値動きが激しく、一瞬で爆発的な値上がりをすることもあれば、一瞬で無価値になってしまうこともあります。会社が倒産すれば、保有していた株券の価値がゼロになることもあります。

実物資産のメリット・デメリット

実物資産のメリット・デメリットは下記の通りです。

メリット

デメリット

・長期運用に向いている

・インフレに強い

・価格変動のリスクが小さい

・老後資金にできる

・税金対策できる

・保有にコストがかかる

・資産としての流動性が低い

・災害時に損失するリスクがある

・ものによっては盗難にあうリスクもある

実物資産は、実体があるので、価格が下落した場合でも完全に資産価値がゼロになることはありません。固定資産税などプラスの出費が生じることもありますが、運用次第では節税対策として成立することもあります。そのため、老後資金用として長期運用を前提に実物資産を活用する人が増えました。

ただし、実物資産は地震・家事・台風など災害での損失や、盗難・破損・汚損のリスクがある点に注意が必要です。事前に各種保険へ加入することでカバーできるケースもありますが、必ずしも満額補填されるとは限りません。

金融資産と実物資産はどちらを持つべき?

金融資産にも実物資産にもメリット・デメリットがあり、運用方法次第でリスクは変化します。税制により適した投資手法が変わることも多く、一概にどちらがベストといえないのが現状です。

ただし、金融資産・実物資産それぞれに向いている人の特徴があるので、下記で紹介します。どちらの資産を所有・運用すべきか悩んでいる方は、向いている人の特徴と自分自身の状況を照らし合わせて判断しましょう。

金融資産の投資に向いている人の特徴

金融資産の投資に向いている人の特徴は、下記の通りです。

・資産に余裕がある人

・少額から資産運用したい人

・自分で情報収集できる人

・他人の意見に惑わされない人

・機械的に利益・損失の確定ができる人

金融資産はハイリスクハイリターンな投資手法であり、万が一損失を被っても生活に影響が少ない人に向いています。資産にある程度の余裕がある人や、自分で情報収集しながら投資できる人向きといえます。

ただし、少額から投資できるので投資初心者に向いていることも事実です。1万円から低リスクで始められる手法もあるので、まずは投資方法の基本を学びたいと考える方におすすめです。適切なタイミングで利益を確定し、時には損も確定できるような人であれば、少額からでも確実に収入を上げられます。

まずは少額からチャレンジして、慣れたら多様な金融資産にチャレンジしてみる人も多いです。

実物資産の投資に向いている人の特徴

実物資産の投資に向いている人は、下記の通りです。

・安定した収入源をもつ人

・長期的に資産運用したい人

・合理的に判断できる人

・行動力や決断力がある人

実物資産は、高価な貴金属・美術品・不動産などを購入するので、安定した収入源を持つ人向きです。

不動産など一部の実物資産を購入するとき、場合によってはローンを組むこともあります。収入の安定性・職業の社会的評価・保有している金融資産の額によってはチャレンジできない可能性があることを知っておきましょう。

また、長期的に資産運用することが前提の手法なので、短期的な利益に考えを振り回されず合理的に判断できる人向きともいえます。市場価格が前後する度に売り買いをするなど、短期的な運用ができるものではないことを理解したうえで、長期的な視野で運用計画を立てられるかどうかが重要です。

一方で、慎重になりすぎると、好条件で売買できるタイミングを逃してしまいます。多額を一度に動かす行動力・決断力も必要です。

まとめ

金融資産と実物資産にはそれぞれメリット・デメリットがあり、自分がどんな投資をしたいか次第で手法を変えるのがおすすめです。不動産投資は実体のある実物資産であり、ある程度の長期運用を前提にして合理的な判断をすることが求められます。

どうしても不安な場合は、金融資産と実物資産の両方を活用して分散投資することもおすすめです。可能な限りリスクを減らしながら確実な収益を確保する手法を探るためにも、引き続き情報収集していきましょう。