ワンルームマンション投資は得か損か?「得」にするための方法とは

マンション一棟への投資ではなく、1部屋単位でマンションに投資することをワンルームマンション投資といいます。ワンルームマンション投資は、得だといわれることもあれば、損だといわれることもありますが、なぜでしょうか。ワンルームマンション投資は得か損か、それぞれの事例を取り上げながら解説していきます。

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ワンルームマンション投資は『得』か『損』か

ワンルームマンション投資が得か損かは、投資する物件のニーズやリスクの大きさなどの状況、投資を始める目的によって変わってきます。

ワンルームマンション投資が『得』といわれる理由

ワンルームマンション投資が得だとされる理由のひとつが投資額です。マンション一棟に投資する不動産投資の方法もありますが、どうしても多額の元手が必要になります。

その点、1部屋から投資できるワンルームマンション投資の投資額は少額です。少ない投資額で始められるため、勤続年数が長くない人でもローンを利用できる可能性があり、早期に不動産投資を始めることができます。

さらに、ワンルームマンションの家賃下落率は、家族向けのコンパクトマンションと比較すると低めです。長期的に家賃収入を得たい人にはワンルームマンション投資は向いています。

また、入居者のニーズが高いこともワンルームマンション投資が得といわれる理由です。核家族化などで単独世帯が増えていることから、一定のニーズが期待できます。

ワンルームマンション投資が『損』といわれる理由

ワンルームマンション投資は得だといわれる一方で、損だといわれることもあります。マンションの一棟投資などと比べると、ワンルームマンション投資は収益性が低いためです。

家賃収入が低く、投資先が1部屋のみの場合、さらに投資のリスクが高くなり、ローン完済まで赤字運用が続くこともあります。1部屋のみの投資だと、入居者がいない期間の空室リスクが大きく影響するほか、下落率は低いとはいえ家賃下落リスクによりローン返済分を回収できないリスクもあるためです。

家賃収入はあっても毎月のローン返済を考えなくてはならないほか、1部屋のみではリスク分散もできないため、収入源として頼ると損をすることがあります。

ワンルームマンション投資で損をする事例

ワンルームマンション投資でなぜ損をするのか、3つの事例を取り上げます。

立地条件を考慮していない

ワンルームマンション投資で損をしてしまう理由のひとつが、立地条件です。投資額を抑えようと、安価な物件に手を出してしまうケースは多いですが、立地条件が良くないことが理由で安価といったケースもあります。

立地条件が良くない場合、機能が充実しているなどのほかの条件が良くても借り手が付きにくいです。理由は、ワンルームマンションを借りる人のニーズにあります。

ワンルームマンションを借りる人は、会社員や大学生、専門学校生などが多く、通勤や通学での利便性を重視する傾向にあるためです。

また、同じマンションに長期間暮らさない傾向もあります。そのため、立地条件が良くないと、たとえ借り手が付いたとしても、借り手の退去後、次の入居者がなかなか見つからないといったこともあります。

相場よりも高い値段で物件を購入している

物件の販売価格には、建築にかかった費用のほか、人件費や広告宣伝費などのさまざまな費用と業者の利益が上乗せされているのが一般的です。これが、適正な価格かどうか、相場よりも高くないか、判断を誤ると損をしてしまいます。

相場より高い値段で購入してしまうと、初期費用の回収のために家賃も高くせざるを得なくなります。その結果、新築マンションだとしても、家賃の高さがネックになって入居者を獲得しづらくなってしまいます。

周辺の相場感を調べず、相場よりも高い価格で購入してしまうのもワンルームマンション投資で損する理由です。

収支のシミュレーションが甘い

不動産投資には表面利回り、実質利回りといった、収益性を判断する指標があります。中でも重要なのが、実際の運用に近い形で利回りを把握できる実質利回りです。

実質利回りではなく、表面利回りだけで試算してしまうと収支バランスが適切にチェックできず、ワンルームマンション投資で損してしまうことがあります。

また、不動産投資は長期的な投資で収益を回収していく投資手法であるため、長期的な視野でのシミュレーションが欠かせません。長期的なシミュレーションには、経年劣化による資産価値の低下や家賃の下落も含まれます。

さまざまなリスクを考慮し収支シミュレーションを行った上でワンルームマンション投資を行わないと損をしやすいです。

ワンルームマンション投資で「得」をした事例

ワンルームマンション投資で損をする事例を取り上げましたが、得するケースもあります。ワンルームマンション投資で得するにはどのような行動をとるべきか、2つのポイントを解説します。

複数の物件を比較検討する

ワンルームマンション投資で損をする事例として相場よりも高い値段で物件を購入してしまうことを挙げました。相場よりも高い額で購入しないためにも、複数の物件を比較して周辺エリアの相場を把握しておくことが重要です。

周辺エリアの相場がわかっていれば、営業マンのトークを鵜呑みにせず、自分自身でお得かどうかある程度判断できるようになります。ワンルームマンション投資で得をするためには、ある程度自分で情報や知識を取り入れておくことが大切です。

不動産会社と管理会社選びを重視する

ワンルームマンション投資で借り手を探すには、宣伝活動や契約の仲介を行ってくれる不動産会社選びが重要です。不動産会社から有益な情報を得られるようにするためにも、地域の特性を理解している信頼できる不動産会社を選ぶようにしましょう。

また、集金やトラブル対応などマンションの管理を管理会社に委託するケースもあります。管理会社を利用する場合は、担当者と連絡が取りやすく客付け力の高い会社を選択すると良いです。

まとめ

ワンルームマンション投資が得をするか損をするかは、投資の目的や投資者の選択によって大きく異なります。

ワンルームマンション投資で損をしたい人は基本的にいないはずです。損をしないためには、複数の物件を調べて周辺の相場を把握しておいたり、立地条件を調べておいたりと、事前に対策しておきましょう。

また、ワンルームマンション投資は、基本はローンを返済しながらの投資になります。長期的に利益を出せるようにするためにもリスクを考慮した収支シミュレーションをしっかり行っておくことが重要です。