民泊で気をつけたいデメリットとは?メリットと合わせて詳しく解説

民泊事業を具体的に検討するうえで、どのようなデメリットがあるのか気になっている方は多いのではないでしょうか。民泊は、コロナ禍を経た今後、需要が高まる可能性を秘めた事業です。しかし、制度の概要や注意点を把握しなければ、成功は遠のいてしまうかもしれません。 今回は民泊で気をつけたいデメリットを、メリットとあわせて解説します。資産運用の手段となりうるか、判断の一助としてお役立てください。

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民泊とは

民泊とは、所有する住宅を旅行者や宿泊希望者に提供するサービスです。民泊の概要について、以下の観点から解説します。

・定義

・関連する法律

・始めるための条件

定義

民泊には明確な定義がありません。つまり、法律への対応と必要条件を満たせば、誰でも始められるサービスです。

ただし、始めやすさ故にトラブルが発生しているケースも見受けられます。なかには、無許可で民泊事業を提供している場合もゼロではありません。

次に紹介する法律や条件を確認し、正しい運用が求められます。

関連する法律

これから民泊事業を始める方にとっては、インバウンドへの対応策として、平成29年6月に設立された住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)が最も関係する法律です。

その後、平成30年6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されました。もし、これから民泊のサービスを始める、もしくは検討している場合は、必ず目を通しておく必要があります。

始めるための条件

民泊事業を始めるためには、大きく二つの条件を満たす必要があります。

まず、以下の法律のうち、いずれかの条件をクリアしなければなりません。

1.旅館業法(昭和23年法律第138号)の許可を得る

2.国家戦略特区法(平成25年法律第107号)(特区民泊)の認定を得る

3.住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出を行う

なお、1はいわゆるホテルや旅館が対象、2は国家戦略特区と限定されるため、今回は3について深堀して解説します。

3を申請し認可を受けたあとは、民泊を提供する「住宅」として、以下の設備要件と居住要件を満たす必要があります。

(設備要件)

・台所

・浴室

・便所

・洗面設備

(居住要件)

・現に人の生活の本拠として使用されている家屋

・入居者の募集が行われている家屋

・随時その所有者、賃借人又は転借人の居住用に供されている家屋

届出に関する詳しい内容は、民泊制度ポータルサイトにまとめられています。必要に応じて確認のうえ、確実に手続きを進めるようにしましょう。

出典:民泊制度ポータルサイト

民泊の現状と将来性

民泊は近年、外国人観光客への対応や人口減少による空き家の活用方法として注目を集めています。

元々、東京オリンピック前にインバウンドの増加を見越して、民泊関連の規制緩和が進んでいました。一旦はコロナ禍を契機に訪日外国人の数が減少していましたが、徐々に戻ってきている状況です。

今後、観光分野の発展を促すコンテンツとして期待されています。また、インバウンドの需要だけではなく、日本国内でもテレワークの普及によって、一棟貸しを望む層からの需要も考えられます。

なお、規制が緩和された分だけ、質の担保が懸念されている現状もあります。今後、立入検査や行政指導など、民泊事業が始まったあとのフォローアップ体制について実施される見込みです。

民泊で得られるメリット

民泊事業によって得られる主なメリットは以下の三つです。

・空き家の活用による収入源の確保

・物件として売却益の発生

・比較的安価で始められる

空き家の活用による収入源の確保

現在使っていない、または住まなくなった家屋をそのまま貸し出して、新しい収入源として活用できる点が民泊ならではのメリットです。

少子高齢化の影響で、全国各地で増えている空き家の有効活用として、国も注目しています。法律の整備や観光業への期待感の表れが何よりの証拠といえるでしょう。

なお、管理が行き届いている空き家であれば、初期費用をほとんどかけずに開業が可能です。収益が発生するようになれば固定資産税や管理費などの負担軽減も図れます。

物件として売却益の発生

民泊事業が軌道にのり不動産としての価値が上がると、売却による収益の発生も見込めます。

国の後押しも相まって、民泊事業は不動産業界でも注目されています。安定的に収益を上げられれば、将来的な収益物件として高く買い取ってもらえるかもしれません。

ただし、どんな物件でも売却できるわけではないため、日々のメンテナンスが重要です。

比較的安価で始められる

民泊のメリットとして、大きな費用をかけずとも始められる点が挙げられます。なぜなら、直前まで使っていた空き部屋や空き家は、そのまま使えるケースが多いためです。

例えば、子どもが引越した空き部屋や使わなくなった空き家などは、利用者のための備品を揃えるだけで始められます。さらに、共同施設(トイレ、風呂、洗面所)は、利用ルールを決めて利用できるようにすれば、特別な出費も抑えられます。

民泊で注意したいデメリット

民泊を始める際に注意したいデメリットは以下の3つです。

・物件は定期的なメンテナンスが必要

・外国人利用者の文化(使い方)の違いに配慮が必要

・運用益に上限がある

物件は定期的なメンテナンスが必要

宿泊者に快適に利用してもらうためには、定期的なメンテナンスによる物件の状態維持が重要です。

具体的には、部屋の掃除はもちろん、家具や家電が使える状態かどうかも含まれます。誰もが良い顧客とは限らないため、部屋を汚したり家具を壊してしまったりするケースも想定しなければなりません。

部屋に置くものは最小限に留めて、利用ルールを明確にしたうえで、故障やクレームなどのリスクを低減させる工夫が求められます。

外国人利用者の文化(使い方)の違いに配慮が必要

日本人とはモラルが異なるため、思わぬトラブルに発展する可能性があることを念頭に置いておく必要があります。

例えば、ホテルや旅館のようなサービスを当然と考えている利用者もいるかもしれません。

対策として、利用上のルールを細かく取り決め、日本語でのコミュニケーションを利用条件にするなど、ターゲット層を振り分ける方法が挙げられます。

運用益に上限がある

住宅民泊事業法(民泊新法)では、年間営業日数が180日までと規定されています。つまり、大きく売上を上げようとしても、無尽蔵には増やせません。

民泊事業で成功させるためには、やみくもに営業するのではなく、繁忙期と閑散期の見極めが大切です。

具体的には、180日を民泊営業、残り180日は賃貸やレンタルとして貸し出すなど、組み合わせて運営する方法が考えられます。

なお、マンションやアパートなどの集合住宅では、管理規約で住宅以外の使い方が禁止されている場合もあるため事前に確認が必要です。

民泊が抱える問題点やトラブル

民泊は始めやすくなった反面、行政へ申請せずに無断で民泊を提供している違法民泊が問題になっています。

メンテナンスが行き届いていなかったり、鍵が適切に管理されておらず安心して宿泊できなかったりするケースもあるほどです。

つまり、周辺地域で違法民泊があると、事業を始めても利用してもらえない可能性があります。

なかには、近隣住民とのトラブルに発展しているケースもあるため、事前の説明や周知は徹底した方が良いでしょう。

まとめ

民泊は、空き部屋や空き家の活用として注目されている事業の一つです。収益が見込めるメリットと、メンテナンスや環境整備などのデメリットを考慮し、始めるべきかどうかを検討する必要があります。事業としてスタートする際には、法律や条件を確認し、適切な運用を心がけましょう。