不動産投資でキャピタルゲインを得る5つのコツ!リスク回避の方法とは?

資産運用には『キャピタルゲイン』という言葉があり、不動産投資でも使われます。一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。そこで今回の記事では、不動産投資におけるキャピタルゲインの基本や、キャピタルゲインを得るためのコツなども紹介していきます。

この記事は約12分で読み終わります。

不動産投資における『キャピタルゲイン』の基本知識

ここでは、不動産投資の特徴やキャピタルゲインの基礎知識について解説します。

キャピタルゲインの意味

キャピタルゲインとは、不動産投資において物件の売却時に得られる利益のことをいいます。

具体的には、購入価格よりも高い金額で物件を売却した際の差額がキャピタルゲインです。

例えば、5,000万円で購入した物件を7,000万円で売却できた場合、2,000万円がキャピタルゲインとなります。

この利益は、不動産市場の価格上昇や物件の価値を高めるリノベーションなどによってもたらされるケースが多いです。

キャピタルゲインは、短期間で大きな利益を得られる可能性がある一方で、市場の変動によっては損失を被るリスクも伴います。

そのため、不動産投資家は市場動向を注視し、適切なタイミングで売却することが重要です。

また、キャピタルゲインには譲渡所得税が課されるため、税制面での考慮も必要となります。

インカムゲインとの違い

キャピタルゲインとインカムゲインは不動産投資における二大収益源ですが、その性質は大きく異なります。

キャピタルゲインが物件の売却時に一度に得られる利益であるのに対し、インカムゲインは家賃収入をはじめとする、物件を保有している間に継続的に得られる収益を指します。

キャピタルゲインはハイリスク・ハイリターンな性質を持ち、市場動向に大きく左右されることが特徴です。

一方で、インカムゲインは比較的安定した収入が見込めますが、利回りは低めになる傾向があります。

また、キャピタルゲインは物件売却時にのみ実現するため、タイミングが重要ですが、インカムゲインは長期的な視点で運用できます。

投資戦略を立てる際はこれらの特性を理解し、自身の目的や資金力、リスク許容度に応じて、キャピタルゲインとインカムゲインのバランスを考慮することが重要です。

キャピタルゲインを狙った不動産投資のメリット・デメリット

不動産投資において、キャピタルゲインを狙う戦略は投資家の間でも注目を集めています。

この投資手法には、大きな利益を得られる可能性がある一方で、リスクも伴うため注意が必要です。

ここでは、キャピタルゲインを狙った不動産投資のメリット・デメリットを紹介します。

メリット

キャピタルゲインを狙った不動産投資の最大のメリットは、短期間で大きな利益を得られる可能性があることです。

不動産市場の好況時や急速に発展している地域では、物件価値が急激に上昇することがあります。

このような状況下で適切なタイミングで売却すれば、数年で数千万円単位の利益を得ることも不可能ではありません。

また、キャピタルゲインは一度に大きな収入を得られるため、資金繰りの改善や新たな投資への資金として活用できます。

さらに、不動産価値の上昇は、借入金の返済にも有利に働きます。物件価値が上がれば、融資の借り換えや追加融資を受けやすくなり、投資の幅を広げることが可能です。

デメリット

一方で、キャピタルゲインを狙った不動産投資にはデメリットもあります。

最大のリスクは、不動産市場の変動に左右されやすいことです。

経済状況の悪化や地域の衰退により、物件価値が下落する可能性があります。その場合、売却時に損失を被る、いわゆるキャピタルロスのリスクがあります。

また、不動産は流動性が低いため、急に売却したい場合でも適切な買い手が見つかるまで時間がかかることがあります。

さらに、短期間での売却を目指すと、譲渡所得税の軽減措置を受けられない可能性があるため注意が必要です。

5年以内に売却すると税率が高くなるため、税金面でのデメリットも考慮する必要があります。

加えて、キャピタルゲインを狙うには、不動産市場の動向を常に注視し、適切な売却タイミングを見極める能力も必要になるため、比較的高度な投資手法といえるでしょう。

キャピタルゲインを狙った不動産投資で重要になる税金

不動産投資でキャピタルゲインを狙う際、税金の知識は非常に重要です。

キャピタルゲインに対する課税は、物件の所有期間によって大きく異なります。

5年以下の短期所有の場合は、譲渡所得に対して39.63%(所得税30.63%、住民税9%)という高い税率が適用されます。

一方で、5年超の長期所有では20.315%(所得税15.315%、住民税5%)と税率が大幅に下がり、キャピタルゲインを狙ううえで非常に有利です。

短期売却を狙う場合、高い税率を考慮して十分な利益が出るかを慎重に検討する必要がありますが、長期保有を視野に入れれば、税負担を抑えつつキャピタルゲインを得られる可能性が高まります。

また、売却時の税金計算では取得費や譲渡費用も考慮されます。

これらの経費を適切に計上することで、課税対象となる譲渡所得を減らすことが可能です。

さらに、居住用財産の3,000万円特別控除や買い替え特例など、状況に応じて適用できる税制優遇措置もあり、適切に活用することでより多くの利益が期待できます。

キャピタルゲイン狙いの不動産投資では、物件の将来性や市場動向の分析に加え、これらの税制を十分に理解し活用することが成功の鍵となります。

税理士などの専門家に相談し、自身の投資計画に最適な税務戦略を立てることが大切です。

キャピタルゲイン狙いの不動産投資が向いている人の特徴

キャピタルゲイン狙いの不動産投資は、高いリターンが期待できる一方で、リスクも大きい投資戦略です。

この投資方法が向いている人には、いくつかの共通した特徴があります。

ここでは、キャピタルゲイン狙いの不動産投資に向いている人の特徴を紹介します。

リスク許容度が高い人

キャピタルゲイン狙いの不動産投資に適しているのは、高いリスク許容度を持つ人です。

この投資戦略では不動産価格の上昇を見込んで物件を購入し、将来的に高値で売却することを目指します。

しかし、不動産市場は経済状況や地域の発展などの要因によって大きく変動する可能性があり、投資した物件の価値が一時的に下落したり、予想通りに上昇しなかったりすることも珍しくありません。

不動産投資でキャピタルゲインを狙うのであれば、どのような状況下でも冷静に判断し、長期的な視点を持って投資を継続できる心理的な強さが必要です。

また、資金面でも余裕があり、一時的な損失を受け入れられる財務状況にあることも重要な要素となります。

市場の動向を常にチェックできる人

キャピタルゲイン狙いの不動産投資で成功するには、市場の動向を常にチェックし、適切なタイミングで売買の判断ができる能力が不可欠です。

不動産市場は経済情勢、金利の変動、人口動態、都市開発計画など、さまざまな要因によって影響を受けます。

これらの情報を日常的に収集し、分析する習慣が必要です。

また、地域ごとの不動産価格の推移や将来的な発展の可能性についても、常に最新の情報を把握しておくことが重要であり、市場分析を継続的に行うことで物件の購入タイミングや最適な売却時期を見極めることができます。

時間と労力をかけて市場をモニタリングできる人は、キャピタルゲイン狙いの不動産投資に向いているといえるでしょう。

資産運用に関する知識が豊富な人

キャピタルゲイン狙いの不動産投資で成功するためには、幅広い資産運用の知識が必要です。

不動産投資に限らず、株式や債券、投資信託など、さまざまな投資商品についての理解が求められます。

これは、不動産市場と他の金融市場との関連性を把握し、総合的な判断を行うためです。

また、不動産の売却時には譲渡所得税が課税されるため、利益を最大化するうえで税制や法律に関する知識も重要になります。

さらに、不動産特有の知識、たとえば立地評価や建物の構造、賃貸需要などの分析もキャピタルゲインを狙ううえで欠かせません。

これらの多岐にわたる知識を持ち、常に最新の情報をアップデートできる人が、キャピタルゲイン狙いの不動産投資に向いています。

長期的な視点を持てる人

キャピタルゲイン狙いの不動産投資で成功するには、長期的な視点を持つことが極めて重要です。

不動産価格は短期的には変動が大きいものの、長期的には上昇傾向にあることが多いため、一時的な市場の変動に惑わされず、冷静に判断できる能力が求められます。

たとえば、購入した物件の価値が一時的に下落しても、パニックに陥らず保有し続けられる忍耐力が必要です。

また、都市開発や人口動態の変化など、地域の将来性を見据えた投資判断ができることも重要になります。

さらに、物件の維持管理や改修など、資産価値を長期的に高める取り組みを継続的に行える人もこの投資戦略に向いていると考えられます。

短期的な利益にとらわれず、5年、10年先を見据えた投資計画を立てられる人が、キャピタルゲイン狙いの不動産投資で成功する可能性が高いといえるでしょう。

不動産投資でキャピタルゲインを得る5つのコツ

キャピタルゲインのメリット・デメリットが理解できたところで、不動産投資でキャピタルゲインを得るためのコツを紹介します。

1.人気エリアにあるマンションを選ぶ 

マンション購入は市場で需要が高まっている人気エリアを選ぶことが大切です。駅近で都市部への交通の便が良い、商業施設や公共施設へのアクセスが良い、災害リスクが低く、治安の良い安全性の高い場所など、居住者が魅力を感じるポイントが揃っているエリアを選びましょう。

また人気エリアが今後発展する可能性があるかどうかも重要です。新しい施設や交通インフラの整備、都市計画などをチェックして、将来的な価値の上昇を見込めるかも考慮しましょう。

こういった人気エリアにあるマンションは、賃貸需要も高いことが予想されます。学生、若手社会人、ファミリーなど、様々な層からの需要が見込まれるエリアを選ぶことで、安定した賃貸収入(インカムゲイン)も得られるでしょう。

2.相場が上昇した時に売却する

不動産価格相場が上昇している時は、投資用物件の売却益を出せる可能性が高いタイミングです。

価格相場は需要が上がれば上昇するもので、立地や間取り、築年数など様々な要素で需要は変動します。

相場を見極めるには、路線価(国税庁が公表する土地の価格)や実勢価格(土地の売買成立時のなどを参考にして導き出します。国土交通省の「土地総合情報システム」も参考にしてみてください。

参考:「土地総合情報システム」(国土交通省)

3.金利が低い時に売却する

購入者の立場になって考えれば、できるだけ金利が低いうちにローンを組んで物件を購入し、最終的な返済額を減らしたいと思うものです。

低金利で購入したいと考える人が続出すると、需要が多くなるので物件価格も上昇します。現在、日本では長く低金利が続いているので、まさに売却には良いタイミングともいえます。

4.残債を減らしてから売却する

不動産投資でキャピタルゲインを得るために、不動産ローンを活用する人は多いと思います。売却時は、ローンの残債も気に留めてください。残債が多く残っている状態で売却してしまうと、せっかく得たキャピタルゲインの多くを、返済に充てなければならなくなります。

ただし、返済に焦って返済額を増やすことはおすすめできません。月々の返済額を増額してしまうと、手持ちのキャッシュが減少してしまうため、万が一の事態に対応できなくなる恐れがあります。

不動産所有時には劣化による修繕費も必要となり、これは突発的に発生するケースもあります。インカムゲインが少なくなれば、このようなケースに対応できなくなるかもしれません。

そのため、なるべく手持ち資金に余裕を持たせた状態で不動産投資を始めることが理想であるといえるでしょう。

5.所有期間が5年を超えてから売却する

先述したように、キャピタルゲイン(譲渡所得)には一定の所得税及び住民税が課されます。

5年以下で売却すると短期譲渡所得に該当し、約4割近い金額が税金として消えてしまいます。

そのため、投資用物件は所有期間が5年を超えてから売却した方がキャピタルゲインの恩恵を得やすいです。

正確な譲渡所得の計算式や、税率については以下の参考サイトを参考にしてください。

「マイホームを増改築等したとき」(国税庁)

物件の所有期間は5年以上がおすすめですが、築年数が20年を超えた時も売却を検討したいタイミングです。というのも、築年数20年以内であれば、35年ローンでの借り入れが可能となります。買い手は毎月の返済額を安く済ませることができるので、買い手がつきやすいです。

また、築20年になると排水設備の交換のタイミングでもあります。大規模修繕は居住者の修繕積立金から支払われますが、それだけでは足りず不動産所有者も請求されるケースがあるので、築20年を迎える前に売却するのも一つの手です。

キャピタルゲインとインカムゲインの両方の利益を狙うのがポイント 

不動産投資は他の投資手法と比べて投資額が大きい点が特徴です。運用に失敗すれば損をする額も大きくなります。そのため、リスクの高いキャピタルゲインだけを狙った投資はあまり効果的とはいえません。

不動産投資はキャピタルゲインとインカムゲインの両方の利益を追求することで、安定した収益を狙えます。以下で詳しく解説します。

キャピタルゲインは大きな収益が得られるがリスクが高い

キャピタルゲインは、不動産の価格が購入時よりも上昇した際に得られる利益です。大きな利益を得られる可能性がある一方でリスクも高く、ハイリスク・ハイリターンの投資といわれます。キャピタルゲインに向いているのは、市場の分析が得意な人や大きな損失を被る可能性を許容できる人です。

キャピタルゲインは不動産市場の価格変動に依存し、市場の需給バランスや経済状況によって、価格が上昇することもあれば下落する可能性もあります。こういった価格変動を予測するのは難しく、万が一価格が大幅に下落すれば大きな損失となるでしょう。

加えて不動産の売却には時間がかかることもあり、売却のタイミングを逃してしまう恐れもあります。価格変動のリスクや流動性のリスクなどを踏まえて、慎重に売却のタイミングを伺う必要があるのです。

インカムゲインは長期的に安定した収益を得られる

キャピタルゲインが一時的な利益を追求するのに対して、インカムゲインは家賃収入を得て定期的な収入を追求するものです。キャピタルゲインとインカムゲインの両方の利益を視野に入れることで、リスクを回避して収益を得られやすくなります。

例えば、キャピタルゲインを狙って購入した不動産で長期的な需要が見込めた場合、そのまま保有してインカムゲインで収益を狙うのがおすすめです。不動産価値の上昇が見込めない場合は、インカムゲインでの収益を狙うのが手です。

一方で、インカムゲインを目的として購入した不動産が、予想外に資産価値が上昇する場合もあるでしょう。その際は、売却してキャピタルゲインを得るのがおすすめです。このように市場価値の変動や目的に応じてどちらの利益を追求するか検討しましょう。

まとめ

不動産投資におけるキャピタルゲインは、短期間で大きな利益が得られる魅力ある投資戦略です。

ハイリスク・ハイリターンな性質があり、不確実な点も多いですが、しっかり計画を立てて市場の動向や周辺地域の変化を常にチェックしておけば成功する可能性が高まります。

キャピタルゲインを狙う投資戦略を行うためには一定の知識が必要になりますが、リスクを理解して長期的な視点を持てる人であれば大きな利益を生むことができるでしょう。

不動産投資では売却タイミングや運用方法が重要になるため、あらかじめ信頼できる不動産会社や管理会社に相談しておくのも一つの選択肢です。

アセットテクノロジーでは、賃貸物件オーナー様のコンシェルジュとして、不動産管理に関する業務を多角的にサポートしています。

不動産の入居状況や管理状況、毎月の収入状況など、不動産投資で必要な情報が一目で確認できる便利なスマートフォンアプリをご用意しているため、不動産管理業務の効率化が実現できます。

不動産管理で不安がある方やこれから不動産投資をはじめようと考えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。