不動産投資でキャピタルゲインを得る5つのコツ!リスク回避の方法とは?

資産運用には『キャピタルゲイン』という言葉があり、不動産投資でも使われます。一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。そこで今回の記事では、不動産投資におけるキャピタルゲインの基本や、キャピタルゲインを得るためのコツなども紹介していきます。

この記事は約8分で読み終わります。

不動産投資における『キャピタルゲイン』の基本

ここでは、不動産投資の特徴やキャピタルゲインの基礎知識について解説します。

キャピタルゲインの意味とは

キャピタルゲインとは、値上がりした資産(キャピタル)を売却して得られる利益(ゲイン)のことです。

一般的にキャピタルゲインは安い価格で購入し、価値が高くなった時点で売却して売買差益を得るものとされます。そのため、不動産投資に限らず株式や貴金属などの売却益もキャピタルゲインに該当します。

インカムゲインとの違い

投資で得られる利益はキャピタルゲインを含めて2種類あり、もう一つが『インカムゲイン』です。

インカムゲインとは、資産を保有(インカム)して運用することで得られる利益のこと。不動産投資の場合は家賃収入を指します。

キャピタルゲインがより多くの売却益を目指すのに対し、インカムゲインは長期間の運用で安定した利益を目指すといった点が、主な違いとして挙げられます。

キャピタルゲインを狙った不動産運用は危険?

不動産投資のキャピタルゲインにはメリットだけでなく、デメリットもあります。

メリット

不動産投資のキャピタルゲインは、株式投資などよりも多くの利益を期待できます。

例えば、株式投資で資産価値が2倍になった時、元手が200万円なら400万円になり、キャピタルゲインは200万円です。

一方、不動産投資はローンを利用することで元手の200万円をさらに増やせるので、より高額な物件を購入可能です。もし2,000万円の物件を購入した場合、資産価値が20%上昇するだけでもキャピタルゲインは400万円になります。

このように、不動産投資では適切なタイミングや資産価値を見極めれば、キャピタルゲインはとても大きなものとなり、場合によっては短期で大きな利益を出すことも可能です。

また、不動産の情報を元に得られる売却益がわかりやすいため、資産運用はもちろん出口戦略も立てやすいといえます。

デメリット

不動産投資は相場を予測するのが難しく、一定の知識や経験が求められます。資産価値は周辺環境の変化や市場の変動などによって変化するため、将来の価格推移を予測することは決して簡単ではありません。

そのため、損失を被るリスクが大きい他、損失額が多額になるケースもあります。また、売買によって得られた所得に対する税率は高めに設定されており、仮に利益が得られたとしても所有期間に応じた税金を支払う必要があります。

・短期譲渡(売買した年の1月1日時点で所有期間が5年以下):41.1%

・長期譲渡(売買した年の1月1日時点で所有期間が5年超):22.1%

※復興特別所得税2.1%を含む

短期譲渡では4割近い税金が持っていかれてしまうため、できれば5年以上所有している不動産を売却するのがおすすめです。

不動産投資でキャピタルゲインを得る5つのコツ

キャピタルゲインのメリット・デメリットが理解できたところで、不動産投資でキャピタルゲインを得るためのコツを紹介します。

1.人気エリアにあるマンションを選ぶ 

マンション購入は市場で需要が高まっている人気エリアを選ぶことが大切です。駅近で都市部への交通の便が良い、商業施設や公共施設へのアクセスが良い、災害リスクが低く、治安の良い安全性の高い場所など、居住者が魅力を感じるポイントが揃っているエリアを選びましょう。

また人気エリアが今後発展する可能性があるかどうかも重要です。新しい施設や交通インフラの整備、都市計画などをチェックして、将来的な価値の上昇を見込めるかも考慮しましょう。

こういった人気エリアにあるマンションは、賃貸需要も高いことが予想されます。学生、若手社会人、ファミリーなど、様々な層からの需要が見込まれるエリアを選ぶことで、安定した賃貸収入(インカムゲイン)も得られるでしょう。

2.相場が上昇した時に売却する

不動産価格相場が上昇している時は、投資用物件の売却益を出せる可能性が高いタイミングです。

価格相場は需要が上がれば上昇するもので、立地や間取り、築年数など様々な要素で需要は変動します。

相場を見極めるには、路線価(国税庁が公表する土地の価格)や実勢価格(土地の売買成立時のなどを参考にして導き出します。国土交通省の「土地総合情報システム」も参考にしてみてください。

参考:「土地総合情報システム」(国土交通省)

3.金利が低い時に売却する

購入者の立場になって考えれば、できるだけ金利が低いうちにローンを組んで物件を購入し、最終的な返済額を減らしたいと思うものです。

低金利で購入したいと考える人が続出すると、需要が多くなるので物件価格も上昇します。現在、日本では長く低金利が続いているので、まさに売却には良いタイミングともいえます。

4.残債を減らしてから売却する

不動産投資でキャピタルゲインを得るために、不動産ローンを活用する人は多いと思います。売却時は、ローンの残債も気に留めてください。残債が多く残っている状態で売却してしまうと、せっかく得たキャピタルゲインの多くを、返済に充てなければならなくなります。

ただし、返済に焦って返済額を増やすことはおすすめできません。月々の返済額を増額してしまうと、手持ちのキャッシュが減少してしまうため、万が一の事態に対応できなくなる恐れがあります。

不動産所有時には劣化による修繕費も必要となり、これは突発的に発生するケースもあります。インカムゲインが少なくなれば、このようなケースに対応できなくなるかもしれません。

そのため、なるべく手持ち資金に余裕を持たせた状態で不動産投資を始めることが理想であるといえるでしょう。

5.所有期間が5年を超えてから売却する

先述したように、キャピタルゲイン(譲渡所得)には一定の所得税及び住民税が課されます。

5年以下で売却すると短期譲渡所得に該当し、約4割近い金額が税金として消えてしまいます。

そのため、投資用物件は所有期間が5年を超えてから売却した方がキャピタルゲインの恩恵を得やすいです。

正確な譲渡所得の計算式や、税率については以下の参考サイトを参考にしてください。

「マイホームを増改築等したとき」(国税庁)

物件の所有期間は5年以上がおすすめですが、築年数が20年を超えた時も売却を検討したいタイミングです。というのも、築年数20年以内であれば、35年ローンでの借り入れが可能となります。買い手は毎月の返済額を安く済ませることができるので、買い手がつきやすいです。

また、築20年になると排水設備の交換のタイミングでもあります。大規模修繕は居住者の修繕積立金から支払われますが、それだけでは足りず不動産所有者も請求されるケースがあるので、築20年を迎える前に売却するのも一つの手です。

キャピタルゲインとインカムゲインの両方の利益を狙うのがポイント 

不動産投資は他の投資手法と比べて投資額が大きい点が特徴です。運用に失敗すれば損をする額も大きくなります。そのため、リスクの高いキャピタルゲインだけを狙った投資はあまり効果的とはいえません。

不動産投資はキャピタルゲインとインカムゲインの両方の利益を追求することで、安定した収益を狙えます。以下で詳しく解説します。

キャピタルゲインは大きな収益が得られるがリスクが高い

キャピタルゲインは、不動産の価格が購入時よりも上昇した際に得られる利益です。大きな利益を得られる可能性がある一方でリスクも高く、ハイリスク・ハイリターンの投資といわれます。キャピタルゲインに向いているのは、市場の分析が得意な人や大きな損失を被る可能性を許容できる人です。

キャピタルゲインは不動産市場の価格変動に依存し、市場の需給バランスや経済状況によって、価格が上昇することもあれば下落する可能性もあります。こういった価格変動を予測するのは難しく、万が一価格が大幅に下落すれば大きな損失となるでしょう。

加えて不動産の売却には時間がかかることもあり、売却のタイミングを逃してしまう恐れもあります。価格変動のリスクや流動性のリスクなどを踏まえて、慎重に売却のタイミングを伺う必要があるのです。

インカムゲインは長期的に安定した収益を得られる

キャピタルゲインが一時的な利益を追求するのに対して、インカムゲインは家賃収入を得て定期的な収入を追求するものです。キャピタルゲインとインカムゲインの両方の利益を視野に入れることで、リスクを回避して収益を得られやすくなります。

例えば、キャピタルゲインを狙って購入した不動産で長期的な需要が見込めた場合、そのまま保有してインカムゲインで収益を狙うのがおすすめです。不動産価値の上昇が見込めない場合は、インカムゲインでの収益を狙うのが手です。

一方で、インカムゲインを目的として購入した不動産が、予想外に資産価値が上昇する場合もあるでしょう。その際は、売却してキャピタルゲインを得るのがおすすめです。このように市場価値の変動や目的に応じてどちらの利益を追求するか検討しましょう。

まとめ

不動産投資においてキャピタルゲインとインカムゲインは異なる性質を持つため、投資を始めた際にどちらを目指した投資なのか考えを練っておくことが大切です。

また、不動産投資は物件を購入したらそれで終わるわけではありません。特にキャピタルゲインはハイリスク・ハイリターンな方法ともいえるので、売却のタイミングには気を付けなければいけません。

キャピタルゲインはある程度の専門的知識が必要となります。今回の記事を参考に、自分の目的に見合った不動産投資を目指してみてください。