成功する?サラリーマン×不動産投資のメリットと失敗例を紹介

サラリーマンが長期的な資産形成を行うなら、不動産投資も検討先のひとつです。なぜサラリーマンの資産形成に不動産投資が有効なのか、サラリーマンが不動産投資を行うメリットや注意点、また、不動産投資に向いているサラリーマンの特徴などについてご紹介します。 失敗例も踏まえて解説しますので、サラリーマンとして働きながら別の手段で資産形成をしたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

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サラリーマンに不動産投資は向いている?

そもそもサラリーマンに不動産投資は向いているのか、サラリーマンが不動産投資をする5つのメリットを取り上げます。

融資が受けやすい

不動産投資は、金融機関のローンを利用して行うのが一般的です。金融機関がローンの申し込みを審査する際は、年収や勤続年数、職種などを確認します。

このとき、安定した収入があるという点でサラリーマンは有利です。毎月安定した給与が見込めるため、金融機関側から優良な融資先と判断されます。

不動産投資では物件の購入などに多くの費用が必要ですので、金融機関からの融資が受けられるか、どのくらいの額のローンが組めるかは重要です。

節税につながる

不動産投資に関わる経費は、経費として計上可能です。不動産投資の収入を経費が上回り赤字になった場合でも、確定申告により給与所得と損益通算することができます。これにより、給与から天引きされた源泉徴収所得税分の還付を受けられます。

所得税だけでなく、住民税の税額にも影響があるため、節税にもつながります。特に、多くの経費が計上される不動産投資1年目あたりは節税効果を期待できるでしょう。

資産形成ができる

不動産投資は、家賃収入により長期に安定した収入が得られるメリットがあります。退職金の受給や将来の年金額の減少が心配される中、本業とは別の形で資産形成ができるのは心強いでしょう。将来の安心にもつながります。

生命保険の代わりになる

不動産投資用の物件を購入するために融資を受ける際、団体信用生命保険(団信)への加入が条件となることが多いです。団信に加入していると、加入者(不動産オーナー)がローンを残して死亡したり高度障害者になったりした場合、残債は保険金から返済され、加入者の家族はローンがない状態で不動産投資用の物件を受け取ることができます。

加入者の死亡時に保険金が遺族に支払われる状況と似ていることから、不動産投資は生命保険代わりといえます。

なお、団信の保険料は毎月のローンの金利支払いに含まれることが多く、金融機関を通じて保険会社に保険料が納められます。また、死亡・高度障害保障以外に「7大疾病」「全疾病」「がん団信」などの特約をつけられる団信商品もあります。

本業と両立しやすい

本業との両立が図りやすいのもサラリーマンに不動産投資が向いている理由です。不動産投資では、物件の清掃や点検、賃貸借契約、賃貸料の集金などの管理業務が発生します。このような管理業務は管理会社に委託するのが一般的です。

委託することによって管理業務にかかる手間や時間を削減でき、本業が忙しくてなかなか副業ができないサラリーマンでも不動産投資なら両立できます。

不動産投資が向いているサラリーマンの特徴

サラリーマンとして働きながら不動産投資を行うというスタイルが向いている人には、2つの特徴があります。

ひとつは「長期的な視点を持っている人」です。不動産投資はすぐに収益が出る投資方法ではありません。5年、10年といった中長期的なスパンで収支プランを立てる視点が求められます。

もうひとつは「積極的に情報収集ができる人」です。不動産投資を行うには、収益を得る仕組みや税金に関する知識、物件を見つける方法など、オーナー自身が知っておくべきことがたくさんあります。知識の習得や情報収集を怠らない姿勢が必要です。

サラリーマンが不動産投資で押さえておくべきポイント  

サラリーマンが不動産投資をする前に知っておきたい4つの注意点を紹介します。

不動産投資のリスクを理解しておく

不動産投資にはさまざまなリスクが存在します。たとえば、空室により家賃収入を得られなくなる空室リスク、入居者の家賃滞納で家賃収入がなくなる家賃滞納リスク、地震や火災などの災害により建物に損害が出る災害リスクなどです。

不動産投資にまつわるリスクを事前に知っておかないと予期せぬトラブルに対処できません。トラブルで資金に余裕がなくなることがないように、リスクについてはよく理解しておきましょう。

空室・滞納リスク

不動産投資の収入源は入居者の家賃です。空室が発生したり、家賃を滞納する入居者がいたりすると収入は減ってしまい、改善されなければやがて不動産投資そのものが破綻してしまうこともあります。

少しでも空室・滞納のリスクを減らすには、需要が高いエリアの物件を選んだり、入居者とオーナーとの間に家賃保証会社を入れ、保証会社に家賃の支払いを保証してもらったりするなど、リスクを減らすための対策を行います。

金利上昇リスク

物件購入後、不動産投資ローンの金利が上昇することがあります。不動産投資ローンは返済期間が長期にわたることが多く、返済期間中に金利が上昇するリスクに注意しましょう。金利が上昇して返済額が増えると、収益が減る可能性があります。

金利上昇リスクへの対策として、借入期間を短くする、当初の自己資金を増やして借入額を抑えるといったことがあげられます。また、固定金利を選んで金利変動のリスクをあらかじめ回避するという手もあります。

ただし、固定金利の不動産投資ローン商品はあまり多くないうえ、変動金利よりも金利が高く設定されているため注意しましょう。

老朽化による修繕リスク

投資用の建物は時間とともに劣化し、一般的に築年数を重ねるほど家賃や売却額は低下します。安定した家賃収入を得るためには、建物のメンテナンスや修繕が重要です。

一口に建物のメンテナンス・修繕といっても、外壁や屋根といった外観にかかわる箇所、駐車場、エントランスといった共用部分、排水や給水施設、さらにはフローリングや壁紙、トイレなどの居住部分など、非常に広範囲にわたります。

収支計画を立てる際は、何年後にどのようなメンテナンスや修繕が必要になるかを想定しておきましょう。

利回りやキャッシュフローを意識する

不動産投資を始めるなら、利回りやキャッシュフローについても理解しておく必要があります。

利回りは投資金額に対する儲けを表します。不動産投資では利回りの高さが注目されがちですが、利回りの高さが不動産投資の成功に直結するわけではないことに注意が必要です。

利回りには表面利回りと実質利回りがありますが、一般的に不動産情報で掲載されるのは必要経費などが考慮されていない表面利回りです。

利回りの計算では空室リスクも考慮されていないため、空室リスクが高まった場合、家賃が下落した場合、当初の利回りで不動産投資ができなくなることもあります。

不動産投資を行っていくには、実質利回りと長期的なキャッシュフローを意識し、お金の出入りを管理することが重要です。

相場や立地条件も調べる

不動産投資で購入を検討している物件周辺の相場価格や立地条件も調べておきましょう。

たとえば、購入を考えている物件の価格が周辺の相場より高いことがあります。価格が高い理由は、中古物件でリノベーションを行った、設備のグレードが良い、周辺より土地価格が高いなどが考えられます。具体的な理由を不動産会社によく確認しておくと安心です。

また、不動産投資の物件は駅からの距離や周辺の施設などアクセス面も重要ですので、交通状況や周りの環境についても確認が必要です。

物件価格と相場が見合わない、立地条件があまり良くない場合などは、購入を見送ることも検討しましょう。

物件エリアの将来性を調査する

物件を購入する際、周辺の相場価格や立地条件と合わせて調べておきたいのが、物件が位置するエリアの将来性です。

不動産投資は物件を購入し、家賃収入を得て収益を上げつつ、時期を見て売却するまでがひとつの流れです。できるだけ高値で売却するには、売却時に物件の価値がどうなっているか予測できることが望ましいでしょう。

物件エリアの将来的な人口増減の見通しや、都市計画について調査すれば、エリアの将来像が見えてきます。たとえば、大きな道路ができたり、再開発の計画があったりすれば、不動産価格にも影響を及ぼします。

管理会社だけに任せない

サラリーマンが不動産投資する場合は、管理会社に管理業務を委託することが多いですが、すべて丸投げだと不動産投資の成功も難しくなります。

管理を委託できるからと安心せず、必要に応じて管理や運用内容の軌道修正ができるよう、自身でも不動産投資の知識を身につけ、運用状況を把握しておくことが大切です。

サラリーマンの不動産投資での失敗例

不動産投資を成功させるには、不動産投資のよくある失敗例を把握して、失敗しないように行動することが大切です。ここでは、サラリーマンが知っておきたい不動産投資にまつわる3つの失敗例を紹介します。

相場よりも高い金額で購入してしまう

不動産投資は大きな額が動くことから、「物件の価格が高いのは仕方がない」と考えてしまう人もよくいます。その結果、不動産会社から提示されたシミュレーションだけで判断し、相場よりも高い金額で物件を購入して失敗するケースも多いです。

相場よりも高い物件を購入すると、利回りが悪くなるだけでなく、毎月のローンの返済額も増加してしまいます。物件の売却金額があまり高くならず、投資額を回収できなくなることもありますので注意が必要です。

不動産会社の言うとおりに購入してしまう

不動産会社に「節税になる」などの勧誘で不動産投資を始めて失敗するケースも見られます。不動産投資の節税効果は、条件が揃わないと得られないためです。

節税を意識しすぎるとキャッシュフローがマイナスになって不動産投資の継続が難しくなることもあります。また、物件売却時の税金でこれまで節税した以上の税金が発生して損をする場合もあります。

不動産会社から言われるがまま契約するのではなく、自身で不動産投資の知識を身につけ、口車に乗せられないようにすることが大切です。

大規模な修繕で出費が増えてしまう

中古物件は新築と比べて利回りが高いといった魅力があります。しかし、購入後に設備の欠陥が見つかって修繕やリノベーションが必要になることも多いです。

修繕やリノベーションには多くの費用がかかります。予期せぬ出費はキャッシュフローの悪化を招き、生活費などに影響することもありますので、慎重に物件を選びましょう。

まとめ

サラリーマンにとって、資産形成や節税対策などのメリットがある不動産投資は魅力的です。しかし、不動産投資の知識がないまま始めると、相場よりも高い物件を購入してしまう、節税にならないなどの失敗を招くこともあります。不動産投資を始める前に自身でも情報を集めておきましょう。

不動産投資に関する知識を身に付けたり物件に関する情報を集めたりし、計画を立てて進めていけば、不動産投資は怖いものではありません。楽な近道はありませんが、中長期的な視点でコツコツ取り組みましょう。