需要が高まる民泊への不動産投資とは?メリット・デメリット・物件の選び方を紹介

目次1 民泊経営に注目が集まる理由2 民泊を経営する方法2.1 自己所有物件の貸出2.2 専門会社の活用2.3 賃貸物件 … 続きを読む 需要が高まる民泊への不動産投資とは?メリット・デメリット・物件の選び方を紹介

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アフターコロナの到来で外国人のインバウンド需要が高まった結果、民泊と呼ばれる不動産投資の新たな方法が登場しました。端的にいえば、自己所有物件や賃貸物件を改修して、短期滞在者の宿泊施設を提供する手法です。

民泊は季節や間取りに応じた柔軟な経営を実現できるうえ、高い利回りをもたらすことから人気を集めています。回転率がよく賃料も高めに設定できるため、優れた収益性が魅力です。

今回は民泊投資のメリットやデメリット、失敗しない物件の選び方を紹介します。民泊の需要が高まる理由から実際の運営方法までの知識が手に入るため、ぜひ最後までご覧ください。

民泊経営に注目が集まる理由

民泊の経営に注目が集まる理由は、将来的に訪日需要が加速して日本に宿泊する外国人が増加する可能性が高いためです。

特に大阪万博の開催期間中は、大阪以外にも全国各地の観光地にさまざまな国籍の人が往来すると予想されます。ホテルや旅館などの宿泊施設の不足が懸念され、民泊が豊富な宿泊需要の受け皿になると期待されています。

民泊に宿泊するのは何も外国人に限った話ではありません。新型コロナウイルスの蔓延により生じたリモートワークの普及は、場所に捉われない自由な働き方を実現させました。

観光と労働を両立するワーケーションの登場が一つです。施設に応じた柔軟な経営が可能な民泊は長期滞在にも適した宿泊環境であり、ワーケーションの観光客を迎え入れるインフラとしての役割も期待されています。

民泊を経営する方法

民泊を経営する方法には次の3つが考えられます。

  • 自己所有物件の貸出
  • 民泊運営会社の活用
  • 賃貸物件の転貸

それぞれ特徴やメリット、デメリットを解説します。

自己所有物件の貸出

保有する一軒家やマンションの空室を貸し出して賃料収入を得る方法です。持て余している部屋や物件を利用して収益を出せるという利点があります。

民泊の事業規模は決して大きくないため、従業員を雇わずに一人で運営することも可能です。リノベーションや修繕、備品の調達の手間はありますが、物件の調達コストが不要のためリーズナブルに事業を始められます。

一方で宿泊者の対応や運営管理に手が回らず、忙しい日々を送る可能性があります。民泊の雰囲気や内装、賃料の設定にいたるまで自由に決められる反面、経営に伴うさまざまな業務を自分でこなす大変さには注意が必要です。

専門会社の活用

専門会社の活用は、民泊の運営代行会社に空家や空室の運用を一任して自己がオーナーになる方法です。受付や清掃、予約・請求管理まで運営にまつわる業務は基本的にすべて依頼先の担当者にゆだねられます。

一般的な賃貸経営で入居者との交渉事や日々の清掃を管理会社が担うケースと同じだと考えて差し支えありません。

また、できる仕事は自分で行い、一部分のみ民泊運営会社に一任する部分委託と呼ばれる方法もあります。コストを抑えたい場合や自ら経営をする楽しさを味わいたい場合、必要な分だけ任せるオーダーメイド型がおすすめです。

民泊代行を事業として行う場合、住宅宿泊管理業者の登録が必要です。法律に違反すると依頼側も処罰を受ける可能性があるため、依頼時に許可証の提示を受けてください。

賃貸物件の転貸

賃借している他人の物件を又貸しして民泊経営を始める方法です。賃貸用のマンションや一軒家を自分で購入せず初期費用を抑えられるのがメリットです。

宿泊用に貸し出せる物件がない場合、貸主に家賃や転貸料を支払う必要はありますが、丸ごと調達するよりコストを下げられます。

ただし、他人の物件を民泊に活用する場合、物件の所有者から第三者に貸し出す旨および民泊を始めることの許可を受けなくてはいけません。マナーが悪い宿泊客が近隣住民に迷惑を及ぼした場合、トラブルに発展する可能性もあります。

自己が借りている物件を第三者に賃貸して壁や床、設備などを損傷させた場合、又貸しした民泊のオーナーが損害賠償責任を負わなくてはいけません。

トラブルが起きた際に物件の所有者が何の知らせも受けていなければ、今後の関係がぎくしゃくする可能性も高いです。

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民泊投資のメリット

民泊投資は高い利回りが期待できる収益性の高い不動産投資の方法です。通常の賃貸経営と比べて入居者の回転率が高いため、オーナーの懐に入るキャッシュも大きくなる傾向があります。

民泊投資の具体的なメリットは次のとおりです。

季節や需要に応じた柔軟な経営が可能

民泊は経営にまつわる多種多様な判断をオーナーの一存で決められる、柔軟性が高いです。例えば、収益の向上を目的として繁忙期やイベント時に賃料を値上げする戦略が考えられます。

逆に、需要が低い時期は値下げして、稼働率を抑えるという臨機応変な対応をすることも可能です。営業するかしないかの判断もオーナーの鶴の一声で決めても問題ありません。

自治体に申請して許認可を得る必要がありますが、しっかりと手続きをとれば後は自由に運営できます。

高い利回りを期待できる

民泊の運営は、通常の賃貸経営と比べて高利回りを期待できる良さがあります。収益性が高いのは短期間の宿泊で賃料収入を得られるからに他なりません。

賃貸の賃料を日割りで計算したとき、マンションやアパートの貸し出しより一日あたりの利益が大きくなる傾向があります。ニーズに合わせた柔軟な運用が求められますが、稼げる不動産投資の手法の一つです。

古い物件でも収益性を維持しやすい

民泊投資はマンション経営と比べて築年数の影響を受けにくく、長期的に安定した収益が期待できます。

短期的な滞在を希望する観光客は、物件のグレードより立地や利便性を求める傾向があり、趣やレトロな雰囲気が評価され、人気が出るケースも少なくありません。

観光地の周辺やターミナル駅から徒歩圏内にあれば、築年数が経過した物件でも多くの人を集められるでしょう。

民泊投資のデメリット

民泊特有の主なデメリットは立地面の制約を受けることと申請手続きが必要なことです。

民泊を経営できないエリアがある

民泊は区域によっては経営できない地域があります。旅館業法に基づき運営する場合、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域以外の用途地域では認められません。

住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく場合、第一種低層住居専用地域や第一種住居地域をはじめ、住宅の建設が可能なエリアなら運営できます。

ただし、年間180日以内の営業日数の制限があることに注意が必要です。また特区民泊のエリア内では国家戦略特別区域法のもと、特定の地域において民泊の経営制限を緩和しています。365日営業が可能なため、安定的な売上をもたらす可能性があります。

設備投資の初期費用がかさむ

民泊の経営を始めるには、以下のような設備を揃える必要があります。

  • テーブル/椅子/タンス
  • テレビ/冷蔵庫/電子レンジ/洗濯機
  • 布団/カバー/シーツ/枕
  • タオル/専門用具
  • エアコン/換気設備
  • 非常灯/火災報知器/消火器

一つひとつは大きな金額ではないものの、すべて用意すると負担になる場合もあるでしょう。人が集まる宿泊施設にするには、利用者が快適に利用できる環境の整備が求められます。

既存の家具や電化製品は老朽化している可能性があるため、経営を始めるタイミングで買い替えすることを推奨します。

行政に対する申請手続きが必要

民泊の運営を始めるには、求める許可区分に応じて次のいずれかの届出が必要です。

簡易宿所営業許可

簡易宿泊営業許可は、旅館業法に基づく民泊の運営形態です。許可を得るためには都道府県知事の承認が必要です。住宅宿泊事業届出と異なり、年間180日の営業日数の制限はありません。

簡易宿泊業許可の承認を受けるには、必要な設備を備えたうえで保健所の審査を通過しなくてはいけません。換気や照明、湿気対策まで項目ごとに厳格な基準を満たす必要があります。

住宅宿泊事業法の届出

住宅宿泊事業法の届出は、住宅の建設が認められるエリアで民泊の経営を始める際に必要な手続きです。

住宅宿泊事業届出書に必要事項を記載のうえ、物件の所在地を管轄する都道府県知事に対して申請書を提出します。注意点は、マンションの利用規約で住宅宿泊事業が禁止されている場合、民泊の経営が認められないことです。

直接禁止の処置が下っていないときでも、管理組合が運営を認めないと申請が受理されない可能性があります。手続きは民泊制度運営システム上で行い、申請後に保健所の審査を通過すれば経営を開始できます。

国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業の認定(特区民泊の認定)

国家戦略特別区域法に基づく特区民泊の申請では、都道府県知事や市町村長から認定を受ける必要があります。最低宿泊期間として2泊3日の制限があることが特徴です。

特区民泊の運営が可能なエリアは、政府が指定した特別地域内のみです。具体的な運営基準は、国のルールに合わせて各自治体の条例で定められています。

特区民泊の認定手続きでは書類の申請や保健所の許可に加えて、事前に近隣住民に対して説明会を行う義務があります。

苦情や問い合わせを受けたとき、迅速かつ適切に対応するための体制の整備も必要です。また、特区民泊は床面積の指定もあり、原則25平方メートル以上のスペースがないと経営の許可が出ません。

民泊の経営で利益を上げるには

最後に、民泊の経営を成功させるポイントを紹介します。

エリアの選定が重要になる

民泊で高収益を出すための重要な要素は、立地です。いくら魅力的な物件を提供しても、利便性が悪く、人が訪れないエリアでは十分な利益はあがりません。

東京では山手線沿線や空港の近く、関西なら梅田や大阪などの観光地周辺がおすすめです。地方でも、景観の素晴らしい地域や観光名所があるエリアに構えるのも一つの手です。

法規制のルールを確認する

そもそも、法律上民泊の経営が認められないエリアではないか確認が必要です。手軽にできる確認方法は、物件の所在地を管轄する自治体に対して用途地域の指定がある場所か聞くことです。

特別用途地区と呼ばれる特定の地域における、規制の緩和を認める特別な規制も存在します。電話やメールで自治体の担当者に連絡をとり、用途地域や特別用途地区の指定はないか、旅館業の開業が可能な地域か質問しましょう。

用途地域マップや自治体が提供する地図を確認する手法もあります。

まとめ

民泊のメリットやデメリット、開業に必要な手続き、失敗しないコツを紹介しました。開始する方法は自己所有物件の貸し出し、民泊代行会社の活用、賃貸物件の転貸のいずれかです。

不動産投資の一環で民泊の経営を始める場合、運営が可能なエリアか行政に確認するよりも管理会社に聞いたほうが手軽です。

知識が豊富な人に話を聞くことで、民泊投資を始めるべきか通常の賃貸経営に切り替えるか、後悔のない判断につながります。アセットテクノロジーは、大阪で土地や建物の売買・仲介事業を手がける不動産会社です。

大阪万博に向けて、インバウンド需要にマッチした外国人向け物件の紹介が可能です。さらに、アプリを通じた手軽なコミュニケーションによってオーナー様の疑問を素早く解消に導きます。

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