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初めての資産運用では損失の発生を恐れて、多額の資金を拠出することを嫌がる人がいます。
月1万円〜5万円の範囲なら、比較的生活に余裕がない状況でも無理なく取り組める可能性があります。
一方、資産運用で月5万円を稼ぐために必要な初期投資の目安はいくらなのでしょうか。今回は5万円の資産運用で得られる成果と安定して月5万円の利益を出せる投資額、運用のコツを紹介します。
月5万までなら資産運用に回せる人に向けて、具体的なシミュレーションの数値や目標額の達成方法を紹介するため、ぜひご一読ください。
月5万円の資産運用シミュレーション
月5万円の積立投資を複利運用で続けた結果、中長期的な運用結果がいくらになるか試算します。運用期間と利回りを変数にして、複数のパターンでシミュレーションしました。
運用期間10年・利回り3%のケース
運用期間10年・利回り3%の条件で月5万円の運用を続けた時の10年後の運用成果は699万円です。
運用せずタンス預金に積み立てた場合は60万円×10年=600万円のため、運用だけで約100万円の利益が出ています。また13年と7ヵ月で1,000万円の大台に達します。
積立金額は815万円となり、200万円近い運用益に達しました。100万円の利益を出す際に10年間要したところ、倍の200万円に達するには15年もかかりません。
利息も含めて再投資に回す、複利効果による中長期的な資産形成のメリットを実感できるでしょう。
運用期間20年・利回り5%のケース
運用期間20年・利回り5%の条件で月5万円の運用を続けた時、20年後の元利合計は2,055万円です。積立総額は1,200万円となり、運用成果だけで800万円以上の利益が出ています。
3%の利回りで運用し続けたと仮定すると、20年後の元利合計は1,642万円です。年利5%は株式投資やインデックス型の投資信託における市場平均と同一の水準です。
この利回りを達成するには、ある程度のリスクを伴う資産の保有が必要ですが、資産運用が初めての人でも十分に達成可能な数字です。
運用期間30年・利回り7%のケース
運用期間30年・利回り7%の条件で月5万円の運用を続けると、30年後には6,100万円に達します。運用なしのタンス貯金による積立と比べて、4,300万円の差が出る計算です。
30年もの長期で運用した時の資産運用の効果は絶大だと分かります。ちなみに30年・3%では2,914万円、30年・5%では4,161万円です。
ここまでのシミュレーションの結果から、投資で運用益を狙うにあたって、投資金額・運用期間・利回りの3要素が重要だと理解できたでしょうか。
※参考:三菱UFJ銀行「積立投資とは?28歳から始めて何歳で1,000万円貯まる?」
資産運用で月5万円稼ぐための初期投資は1,000万円〜2,000万円が目安
社会人にとって月5万円はお小遣いの足しになり、生活に余裕をもたせられるちょうど良い金額です。資産運用の具体的な目標として「毎月5万稼ぎたい」と具体的な数値を設定する人も少なくありません。
資産運用ですぐに月5万円稼ぐために投じるべき初期投資の目安は1,000万円です。利回り5%で運用を続けたと仮定した時、1,200万円を手元に用意できれば5万円の利益が出る計算です。
利回り3%の金融商品で運用し続けると年間60万円の収入を得るには2,000万円の初期投資が必要になります。よほどの富裕層や安定して年収1,000万円を稼ぐプレーヤーでもない限り、これほどのまとまった金額を一度に用意するのは難しいはずです。
また元本保証がないリスクが高い資産の運用では、損失の発生で資金が目減りする可能性もあります。
まとめると、資産運用だけで月5万円を稼ぐには甚大な初期投資が必要となるのです。ただし上記は初年度からいきなり年間60万円を得ようとした時の資産で、5年後や10年後の達成で良いならば話は変わります。
初心者でも月5万円稼げる資産運用の方法
投資の初心者でも月5万円稼げるおすすめの方法を紹介します。
不動産投資
不動産投資はマンションやアパートを所有して、入居者を募って家賃収入を得る方法です。経営が軌道に乗れば、月5万どころか数十万〜数百万以上のリターンを狙える夢のある手法です。
利回りの目安は概ね3%〜10%となり、必要な初期投資の目安は800万円〜2,000万円です。ただし物件を購入する必要がある不動産投資は最初の投資額が大きくなります。ローンの返済や管理会社への委託料、火災保険・地震保険料、大規模修繕費とコストが多くかかります。
リスクの大きさを考えると安定収入がある人や富裕層には適していますが、資金力がない人は決断に慎重になった方が良いでしょう。
ローンを返し終わるまで事業を継続できた場合、ハイリターンを得られる可能性が高くなります。中長期的な視点で物事に取り組める人や、決断力や行動力がある人にも適した資産形成の方法です。
⇒資産形成するなら不動産投資が最適!おすすめな理由や注意点、向いている人を解説
株式投資
株式投資は将来性が見込まれる企業の株式を購入して、売却差益や配当金、優待券で利益を得る方法です。しかし目算が外れて保有株式の価値が下落すると含み損を抱える場合があります。
安く買って高く売ることに成功すれば月5万円の達成は可能ですが、売買先の企業や株式市場の動向を掴むには知識が必要です。株式投資は目の前の値動きに惑わされずに、先を見据えた合理的な判断ができる人に向いています。
応援したい企業やサービスがある場合、機械的に積立するだけでなく、感情をのせて楽しく資産運用できるのも利点です。
ただし毎日変動する株価の値動きに耐えられず狼狽売りすると、その後の上昇局面の機会を逸して利益を逃す場合があります。損切りの基準を自分の中にもつことで、予期せぬ株価の下落にも冷静な判断ができます。
投資信託
投資信託はファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロに運用を任せる方法です。投資家は商品の選定と購入資金を提供するだけで、運用の開始後は基本的にほったらかしで問題ありません。
投資信託はポートフォリオの組み方や資産構成を変更するタイミングを専門家に一任できることから、投資が初めての人にもおすすめです。
商品は国内株式型・海外株式型・国内債券型・海外債券型・国内REIT型・海外REIT型などに分かれ、カテゴリーごとに利回りの相場が異なります。
海外型の方が国内型より利率が高く、最も利回りが良いのは海外株式です。ただし値動きが激しいハイリターンの金融商品は損失が発生するリスクも高くなります。また運用を担う専門家に対して手数料を負担する必要がある点にも注意しましょう。
外貨預金
低金利時代で国内の銀行預金では運用成果が期待できない中、金利が高い外貨預金の運用に切り替える人もいます。為替レートの変化による為替差益が発生することも特徴です。
米ドル預金を1ドル100円で始めた場合、円高で1ドル90円になると預けた100万円に10万円の評価損が発生します。一方、円安局面で1ドル110円になった場合、10万円の評価益が発生します。
ドル建の投資では、円の価値が相対的に弱まる円安局面で為替差益を受け取ることが可能です。外貨預金の運用益を最大限に伸ばすには、為替ルートを味方につけないといけません。
外貨預金で月5万円の収益を目指す有力な方法は積立投資の活用です。毎月一定額をコツコツと積み立てることで、為替変動の影響を小さく抑えられます。
FX
FXは証拠金を預け入れ、元手の何倍もの金額の取引が可能です。レバレッジの仕組みを活かしてハイリターンを狙います。
国内のFX会社におけるレバレッジは最大25倍となり、10万円の元手で250万円までの取引ができるのはメリットです。ただし元本保証の仕組みがなく、保有資産が暴落した時は元手の何十倍もの損失が発生する可能性もあります。
FXはハイリスク・ハイリターンの最たる手法です。チャートの値動きを見極めれば初月に月5万円の利益を出すことも不可能ではありません。比較的楽に稼げる夢の大きな方法のため、国内では根強い人気を誇っています。
資産運用で月5万円稼ぐためのコツ
資産運用で月5万円の不労所得を達成するコツを解説します。
投資先を分散する
値下がりのリスクを和らげるためには、単一の商品に絞らず分散投資をしましょう。資産Aで暴落が発生しても、資産Bで運用益が出ていれば損失を相殺できます。
分散投資では株式と債券のように反対の値動きをする資産同士の組み合わせが鉄則です。また複数の資産を合わせるのみならず、購入時期もずらすと価格変動の影響を抑えられます。
100万円で株式を一括購入するより、10回に分けて10万円ずつ購入した方が購入価格が均一になり、高値掴みや安値での売却を防げます。
長期運用を心がける
安定して月5万円を稼ぐためには数年間におよぶ長期運用が求められます。短くても5年、極力10〜20年の期間を想定すると複利効果により達成の難易度が低くなるでしょう。
仮に月5万円を利回り3%で10年間運用したと考えると、運用益は約198万円です。10年の運用期間をとれば、年間60万円を投資のみで稼ぐのは決して難しくありません。
値動きの激しい資産は、たった一日でも目を見張るほどの下落をみせる場合があります。とはいえ暴落時に焦って手放してしまえば、さらなる損失は避けられても利益は出ません。
我慢して保有を続ければ、含み損が解消して価値が戻る可能性も考えられます。長期運用の原則に忠実に従えば、ハイリスク・ハイリターンの資産に手を出さずとも月5万円の不労所得の形成が可能なのです。
定期的に保有資産の割合を変える
ポートフォリオは一度組んだら終わりではなく、定期的な資産配分の調整が必要です。なぜなら組みっぱなしで放置し続けると、いつの間にか自身の方針とは異なるものに変貌する恐れがあるためです。
例えば国内の株式Aと外国の株式Bを1:1の比率で保有するポートフォリオを組んだとしましょう。1年後外国株式の株価が上昇して資産割合が1:2になった場合、良くも悪くもBの値動きの影響が大きくなります。
元通り国内株式と外国株式を1:1の比率に保つには、株式Aを買い足すか、株式Bを売却して株式Aの保有割合を増やすかのいずれかの手法が考えられます。自身の意図通りに資産運用をコントロールするには定期的なポートフォリオの見直しが不可欠です。
まとめ
月5万円を20年間、利回り5%で運用し続けると800万円の運用益が発生します。また月5万円を資産運用のみで稼ぐには一般的に800万円〜2,000万円の初期投資が必要です。
「5万円以上の大きなリターンを得たい」と望む人は、賃料収入で潤沢な資産形成を狙える不動産投資を検討してはいかがでしょうか。
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