初心者が不動産投資を始めるならコンパクトマンションが最適?

ワンルームや1LDKと同じく、単身者利用の多いコンパクトマンションは不動産投資のニーズが拡大しています。初心者でも挑戦しやすい物件タイプといわれていることも影響し、不動産投資家向けのコンパクトマンションの案内を目にする機会も増えてきました。 今回は、不動産投資先としてのコンパクトマンションの魅力について解説します。メリットや注意点にも触れるので、事前に情報収集したい方は参考にしてみてください。

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コンパクトマンション投資とは

コンパクトマンションとは、ワンルームとファミリータイプの中間に位置する物件を指します。広さや間取りに明確な定義はないものの、一般的には30㎡〜50㎡程度の物件が中心です。

入居者のターゲットには単身世帯のほか、子どものいない夫婦や同棲カップルなども含まれます。インターネット回線や宅配ボックスなど設備が整っており、暮らしやすい部屋を求める人から人気が高まっていることも特徴です。

ただし、ワンルームより物件数が少なく、さらには都心部に集中しています。

コンパクトマンションで不動産投資するメリット

ここでは、コンパクトマンションで不動産投資するメリットを紹介します。

なぜワンルームやファミリータイプではなく、コンパクトマンションを選択する人がいるのか、主な理由を解説します。

幅広いニーズが期待できる

コンパクトマンションは暮らしやすさに焦点を当てているため、立地・設備の良さが特徴です。そのため、「年収の高い独身世帯」「仕事とプライベートを上手に両立したい子どもがいない夫婦」「利便性を重視する高齢者」など幅広いニーズが期待できます。

一方で、ワンルームやファミリータイプは、それぞれ「家賃の安さを優先する独身世帯」「子どものいる世帯」などターゲットが限定されてしまいます。空室率対策や出口戦略を考えるのであれば、ターゲットが広いコンパクトマンションは十分にメリットが見込める物件です。

資産価値が下がりにくい

コンパクトマンションは人気のある都心エリアや駅の近くに建てられていることが多く、大幅な資産価値の減少が起きにくいとされています。築年数が経っても人気を維持しやすく、空室リスクを抑えられるでしょう。

区分マンションであれば物件そのものに高級感があり、周囲の相場以上に高めの家賃設定ができるかもしれません。収益化を目指すときに、コンパクトマンションならではの良さが活きてくるのです。

長期間の入居が期待できる

コンパクトマンションはライフプランの変化による出入りの激しい単身者だけでなく、安定した生活基盤を築いているDINKsなどもターゲットにできます。長期間の入居を期待でき、空室になってしまうリスクを抑えやすいのです。

入退去の手続きにかかる手間も削減しやすく、効率良く不動産投資できる期待が高まります。

反対に、単身者や学生をメインターゲットにするワンルームでは、年度の切り替わりに応じて入退去が激しくなる傾向があります。回転率が高くて新たな入居者を安定確保しやすいエリアでも、1~2ヶ月間の空室が後々大きな差となって現れることも多いのです。

初期費用を抑えられる

コンパクトマンションは、ファミリータイプの物件と同等の立地・設備が整っていながらも、販売価格が安いので初期費用を抑えられます。魅力的な物件を安く購入したい不動産投資家にとって、コンパクトマンションは魅力的です。

不動産投資でコンパクトマンションを選ぶデメリット

ここからは、不動産投資でコンパクトマンションを選ぶデメリットを解説します。

慎重な判断をするためにメリットだけでなくデメリットも理解しておきましょう。

割高な物件もある

立地や設備の良いコンパクトマンションは、広さの割に高額な物件もあるので注意が必要です。

また、立地面などを重視するため、大きな建物に挟まれたスペースに建てられているなど、真四角な整形地とは限りません。面積あたりの価格が割高になりやすい、全体に対して水回りが占める割合が大きいなども代表的なデメリットです。

エリアのニーズに合わないリスクがある

コンパクトマンション自体は魅力的な物件タイプですが、必ずしもエリアのニーズに合致するとは限りません。ニーズに合わないリスクを理解したうえで、検討材料に加えましょう。

例えば、大学やオフィス街が近い場合、安めの家賃で短期間利用できるワンルームの需要が高くなります。また、小中学校・商業施設が近い場合、ファミリータイプの需要が高くなると予想できます。

コンパクトマンションは、ワンルームを求める人からは広く、ファミリー層には手狭すぎると受け取られる場合があります。どのような層にコンパクトマンションのニーズがあるかを分析し、人気がありそうなエリアを選定しましょう。

管理組合が機能しないリスクがある

コンパクトマンションに注目している不動産投資家は多く、オーナーのほとんどが不動産投資家という物件も多いです。その場合、実際に住んでいる人とオーナーが異なるので、管理組合が十分に機能しないおそれがあります。

管理組合が機能しなければ管理や修繕の計画が十分に立たず、管理状況が悪ければ資産価値が下落しやすくなってしまうのです。コンパクトマンションは戸数が少ない分、修繕費の積み立てが難しくなるケースもあることを知っておきましょう。

投資用にコンパクトマンションを購入するときのポイント

最後に、不動産投資用にコンパクトマンションを購入するときのポイントを解説します。下記を押さえて、理想に近い物件を取得できるよう対策しておきましょう。

資産価値を重視して選ぶ

コンパクトマンションは、将来的な資産価値も重視しながら選定するのが重要です。資産価値の高い物件であれば、最終的に売却するなど出口戦略が豊富になります。空室リスクも軽減しやすく、効率の良い不動産投資ができる確率が高まります。

反対に、将来的に自分が住むことを前提に投資用コンパクトマンションを検討するのはおすすめできません。どうしても「自分の好みに合うか」を重視しやすくなり、投資観点が抜け落ちやすくなるので注意が必要です。

住宅ローン減税の対象か確認する

コンパクトマンションの場合、床面積次第では住宅ローン減税の対象にならないおそれがあります。2021年に住宅ローン減税の対象が緩和され、床面積50㎡以上から床面積40㎡以上の物件に適用されるようになりました。

ただし、コンパクトマンションは40㎡未満であるケースも多く、減税の対象外になってしまうこともあるため、減税制度を利用する場合は注意しましょう。カタログではなく実際の登記簿も見ながら面積を調査し、正確な判断をするのが重要です。

賃貸比率が低い物件を選ぶ

コンパクトマンションで不動産投資する場合、賃貸比率の低い物件を優先するのがおすすめです。

オーナー自ら住んでいる戸数より賃貸戸数が多いコンパクトマンションでは、前述したような管理組合の機能不全が起こりやすくなります。自分が住んでいないため修繕やルールへの関心が低くなりやすく、共有部が荒れてしまうかもしれません。

また、入退去が頻繁に発生すれば治安が悪くなったり、建物自体の評判が悪くなったりします。

まとめ

コンパクトマンションは、ターゲット層を拡大しやすく資産価値の下落が起きづらいため、不動産投資用の物件として高い人気を誇ります。

しかし、賃貸比率が高く管理組合が機能しづらくなるなどデメリットもあるので、十分に比較・検討していくことが重要です。