目次
【2023年】現在のマンションの価格推移
2023年現在、マンションの価格推移はどのようになっているのでしょうか。ここでは、首都圏の新築マンションと中古マンション、首都圏以外のマンションそれぞれの価格推移を解説します。
【首都圏の新築マンション】右肩上がりの状況
2023年9月20日現在、新築マンションの価格は右肩上がりです。新築マンションの価格推移は下記の表の通りです。
年度 | 平均価格 |
2020年 | 6,003万円 |
2021年 | 6,564万円 |
2022年 | 6,998万円 |
2023年 | 7,900万円 |
出典:株式会社不動産経済研究所 首都圏 新築分譲マンション市場動向 2023年8月
時期によって価格は前後するものの、平均価格をみると首都圏の新築マンションの価格は上昇傾向です。
また、2021年と2022年はコロナウイルスの流行や東京オリンピック開催後の不況など、価格が下落されることが予想されていました。しかし、価格は下落するどころか上昇し続けています。
そのため、首都圏の新築マンションは経済の影響を受けにくく、着実に価格が上昇していることが分かります。
【首都圏の中古マンション】右肩上がりの状況
首都圏の中古マンションの価格も右肩上がりです。中古マンションの価格推移は下記の表の通りです。
年度 | 平均価格 |
2019年 | 3,442万円 |
2020年 | 3,599万円 |
2021年 | 3,869万円 |
2022年 | 4,276万円 |
中古マンションの相場は、新築マンションの相場に連動して推移しています。その理由は、新築マンションを予算の関係で購入できない方が、中古マンションを購入するからです。
そのため、新築マンションの価格が右肩上がりである以上、中古マンションの価格も右肩上がりになると予想できます。
【首都圏以外のマンション】上昇傾向にある
2008年から2013年の首都圏以外も含む国土交通省が発表しているデータを見ても、首都圏以外のマンションも他の不動産と比べると顕著に価格が右肩上がりとなっています。
全国的に直近の15年間でマンションの価格は右肩上がりです。時期によって、価格が上下しますが、毎年価格が上がっています。
今後も首都圏のマンションの価格は下がらないといえる
今後もマンションの価格は下がらない可能性が高いです。特に、都心部では人口増加が続いており、マンションの供給の需要が上がり続けています。そのため、需要が下がる心配がありません。
総務省が発表しているデータによると、東京や三大都市圏は人口が増加していますが、三大都市圏以外の地域は人口が減少しています。そのため、郊外の物件を購入する際は注意が必要です。
郊外の物件は、都心部への人口集中の影響を受け、人気が下がっています。また、郊外で生活するファミリー層はマンションではなく、戸建てを購入したいと考えるため、マンションの需要が低下し続けると予想できます。
今後もマンション価格が高騰し続ける4つの理由
今後もマンションの価格は高騰し続けるといわれています。その理由は下記の4つです。
・海外の投資家のマンション需要が増加している
・住宅ローンの金利が低水準である
・新築マンションの供給減が続いている
・建築資材の価格や人件費が上昇している
海外の投資家のマンション需要が増加している
マンションの価格が高騰し続ける要因として、海外の投資家が不動産を買い占めていることが考えられます。2023年は大幅な円安になったことで、海外の投資家からのマンションの購入が活発になりました。
中国や香港、台湾などの投資家向けサイトでは、日本のマンションが多く取り上げられており人気です。国内の市場には出回らないような物件も取り扱われています。
また、コロナの影響でオンライン内見できるようになったため、投資家も日本に訪れる必要がなく、簡単に物件を購入しやすくなりました。そのため、海外の投資家からのマンションの購入が活発になったと予想されています。
住宅ローンの金利が低水準である
住宅ローンの金利が低水準になると、マンションを購入しやすくなります。その結果、マンションの価格が高騰し続けます。
民間金融機関の住宅ローンの金利推移をみると、直近20年近く、住宅ローンの金利は3.000%台の低い水準を維持しています。ローンの金利が低いと、住宅ローン支払いの負担を抑えられるため、不動産の購入に人気が集まっています。
出典:フラット35「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)
新築マンションの供給減が続いている
新築マンションの価格高騰の要因として、首都圏を中心に新築マンションの供給減が続いていることが挙げられます。首都圏と近畿圏の新築マンション供給戸数の推移は下記の表の通りです。
年度 | 首都圏 | 近畿圏 |
2018年 | 37,132戸 | 20,958戸 |
2019年 | 31,238戸 | 18,042戸 |
2020年 | 27,228戸 | 15,195戸 |
2021年 | 33,636戸 | 18,951戸 |
2022年 | 29,569戸 | 17,858戸 |
出典:
不動産研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2022年のまとめ」
不動産研究所「近畿圏 新築分譲マンション市場動向 2022年のまとめ」
首都圏と近畿圏の新築マンションの供給個数が減少しています。需要量に対し、供給量が少なくなると、新築マンションの数が少なくなるため、市場価格が上がります。
2021年のみ前年よりも数が上昇していますが、これはコロナウイルスによる学生や社会人が実家へ帰省し、授業や仕事を行っていたことが原因と考えられます。
建築資材の価格や人件費が上昇している
ロシアとウクライナの戦争で、ロシアへの経済制裁が行われた結果、ロシアからの木材の輸出が止まりました。その結果、ウッドショックが起こり、木材の価格が高騰し、マンションの価格が高騰しました。
また、建設業就業者数は減少傾向にあり、今後も人手の不足が続くと予想されています。経済政策による賃上げの推進が進んでいるため、人件費の水準も上がってくことでしょう。
建築資材と人件費のコスト高が、マンション価格に上乗せされる状況は今後もまだ続きそうです。
まとめ
マンションの価格は直近5年間上昇傾向で、今後も上昇していくと予想されています。特に、都心部や近畿圏、名古屋、札幌などの大都市では人口増加が続くと予想されるため、マンションの価格は今後も右肩上がりでしょう。
一方、郊外や地方では、人口減少が進んでいるため、マンションの価格が下がる危険性があります。そのため、郊外のマンションの売却を検討している方は、常に価格推移を確認し、価格が高騰した時に売れるようにしておきましょう。