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民泊可能物件には購入方式と賃貸方式がある
民泊可能物件には、購入方式と賃貸方式があります。どちらが良いのか検討するために、それぞれの特徴について見ていきましょう。
購入方式の特徴
購入方式とは、自ら物件を購入して運営する方法のことです。購入方式は、初期費用がかかるものの、部屋を自由に模様替えしたり改装したりできます。そのため、自分好みに内装した部屋を民泊として貸し出せます。
そして、一番のメリットは、宿泊料が全て自分の取り分となることです。また、自分で運営する手間をかけたくない場合は、他のオーナーに貸して賃貸経営をしてもらうこともできます。
賃貸方式の特徴
民泊を運営するもう一つの方法は、賃貸方式です。賃貸方式では、大家さんから借りた賃貸物件の部屋を住みたい人に貸します。賃貸方式は、物件の購入費用を用意する必要がない点など購入方式よりも費用がかかりません。さらにいつでも解約できるので、撤退もしやすい方法です。
しかし、物件の内装を変える際には大家さんの許可が必要です。許可なく内装を変えるとトラブルの原因になりかねません。また、大家さんに支払う賃料があるので、収益は少なくなります。
民泊可能物件の 探し方
民泊可能物件の探し方には、不動産会社・民泊代行会社・民泊物件専門サイトへの依頼、M&Aサイトで探す、自分で探す方法があります。ただし、どの探し方にもメリットやデメリットがあるので、必ず把握しておきましょう。各方法について詳しく解説します。
不動産会社に依頼する
一つ目は、不動産会社を訪問して依頼する方法です。この方法のメリットは、担当者がついてくれた場合に質問がしやすい点や希望の物件が見つかるまでゆっくり時間をかけて探せる点です。
その反面、民泊に良い印象を持っていない不動産会社も多く存在するので、話を持っていっても断られる可能性があります。また、依頼を受けてくれる不動産会社が民泊について詳しくない場合は、説明する手間がかかります。さらに、条件の良い物件が見つかるまでに時間がかかることもあるので、ある程度の時間が必要な方法です。
民泊代行会社に依頼する
二つ目の探し方は、民泊代行会社に依頼する方法です。民泊代行会社とはオーナーの代わりに予約や清掃、チェックイン・チェックアウトの手続きを行う会社のことです。
民泊代行会社を利用する最大のメリットは、多くの優良物件を抱えている会社があることです。なぜなら、民泊専用の会社では、多くの顧客から物件が集まりやすいからです。
また、民泊に関する知識が豊富な担当者がいるので、手続きもスムーズに進めやすくなります。手数料を支払えば、賃貸を代行することも可能です。
ただし、民泊の運営について詳しくても、物件の評価が正しいとは限りません。また、物件の契約が成立して収益が発生する仕組み上、良い点のみを伝えてくる代行会社もあるので注意が必要です。
民泊物件専門サイトを使う
三つ目は、民泊物件専門サイトを使う方法です。民泊物件専門サイトとは、民泊物件を探せるサイトのことです。民泊物件専門サイトに掲載される物件は、大家さんからの転貸許可が下りているので、物件購入後にトラブルに遭うリスクが低くなります。
専門的に扱っている分、物件の数も多いので、相場観も把握しやすいでしょう。
しかし、民泊物件専門サイトには、家賃や敷金・礼金が高い物件も掲載されています。購入前に相場より高すぎでないか慎重に検討しなければなりません。また、トラブルがあった際に、サポートをしてくれるサイトを選ぶことをおすすめします。
M&Aサイトから賃借権譲渡物件を探す
四つ目は、M&Aサイトから賃借権譲渡物件を探す方法です。賃借権譲渡物件とは、物件を貸す賃貸人の同意を得て賃借権の譲渡が行われた物件のことです。2010年代中頃から、民泊サービスは流行していましたが、新型コロナウィルスによる需要の低下で廃業するケースが増加しました。
その結果、M&Aのサイトには、民泊物件が掲載されるようになったのです。
M&Aサイトに掲載されているそのような民泊物件は居抜き物件のため、開業費や許可取得の費用や手間を抑えることができます。また、運営のノウハウやマニュアルの引き継ぎもできるので、初めて民泊営業に挑戦する方でも始めやすいでしょう。
一方、物件の購入費用やM&Aサイトに支払う月額料金及び成功報酬なども必要なケースがあります。また、譲渡費用が相場に対して高過ぎではないか自身で判断しなければなりません。
自分自身で不動産を保有して運営する
最後に紹介する探し方は、自分自身で不動産を保有して運営する方法です。この方法は、自分で不動産を購入あるいは保有している物件(親から引き継いだケースなど)で民泊営業を行います。
自分で不動産を保有しているので、賃貸よりも粗利益が高くなる可能性があります。また、適切なタイミングを見極めて高値で売却したり、安値で購入した物件をリノベーションして貸し出したりできます。
しかし、物件を購入するための初期費用が多くかかる点やサポートを受けることができないので、専門的な知識と経験がなければおすすめできない方法です。また、物件購入時には金融機関から融資を利用する方が大半ですが、条件が厳しいのでお金を借りられない可能性があります。
民泊可能物件を探す際のポイント
民泊可能物件を探す際には多額の費用がかかるケースが多いので注意が必要です。物件購入後に失敗しないために、探す際に重要なポイントを踏まえて検討しましょう。
民泊営業が禁止されていないか確認する
賃貸で民泊営業をするためには、オーナーの許可が必要です。マンションの管理組合が物件を民泊として使うことを禁止していないか、リノベーションによる内装の変更が可能か確認しておきましょう。
また、オーナーに説明をしなければならないこともあります。無許可で民泊営業をした場合、トラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
民泊以外の用途に使えるか確認しておく
民泊営業で収益を得るためには、物件を民泊以外の用途に使えるか確認しておきましょう。その理由は、新型コロナウィルスのように民泊需要が大きく下がることが起きれば、収益が悪化して物件を手放さなければならなくなります。
万が一の事態に備えて、リスクを分散するのであれば、レンタルスペースやコワーキングといった使い方ができる物件を選んだ方が収益悪化した場合でも対処しやすくなります。
最新の法律や条例を確認しておく
民泊営業をする際は、最新の法律や条例は理解しておきましょう。2023年現在は許可を得ることで民泊営業ができますが、今後法律が変わる可能性があります。民泊営業をする際は、都道府県知事に届け出をしなければなりません。無許可で民泊営業をした場合、6ヵ月以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。
また、年間180日を超えて民泊営業をするためには、旅館業法に基づいた許可が必要です。加えて、どの場所でも民泊営業ができるわけではありません。民泊営業ができるエリアは第一種住居地域、第二種住居地域、商業地域など9つの地域のみです。また各自治体によって条例が定められていることもあるので、必ず確認しておきましょう。
立地条件が良い、人気スポットから近いなど強みがある物件を選ぶ
民泊営業で収益を得るためには、需要のある地域の物件を選ぶ必要があります。最寄り駅から近い場所や近くに観光地がある場合は、多くの需要を見込めるので、空き室リスクは低くなります。
また、地方であっても、交通の便が良い場所や観光地であれば、収益を出せるかもしれません。一方で、人口が少なく交通の便が悪い場所や治安の良くない場所は十分な需要が見込めないため、空き室が発生しやすくなります。
さらに、宿泊単価をいくらにするか判断するのも重要なポイントです。例えば、祭りやコンサートなどイベントが行われる時期は賃貸料を高くして、逆に閑散期は賃貸料を下げて空き室を減らすといった判断も必要です。
まとめ
民泊営業をするためには、民泊可能物件を購入するか賃貸する方法があります。民泊可能物件は、不動産会社だけでなく、民泊代行会社やM&Aサイトなどでも探すことができます。費用だけでなく、手続きの手間、自身の知識なども踏まえて選びましょう。
また、民泊可能物件を探す際は、需要のある物件を選ばなければなりません。さらに民泊営業が禁止されていないか管理組合に確認したり営業許可を取ったりする必要があります。民泊営業で失敗しないために、購入前に把握しておきましょう。