目次
賃貸需要の5つの調べ方
賃貸需要の調べ方は、下記の5つです。
・不動産のポータルサイトを活用する
・不動産会社に問い合わせる
・人口推移を確認する
・再開発事業計画書を確認する
・賃貸需要ヒートマップを確認する
これらを行うことで、需要のある賃貸物件を見つけられます。
不動産のポータルサイトを活用する
不動産ポータルサイトとは、「SUUMO」や「LIFULL HOME’S」などの不動産情報サイトのことです。不動産ポータルサイトでは、エリア別の空室率や家賃、築年数、設備などを調べられます。
また、平均賃料相場を把握しておくことで、平均よりも相場が高いエリアを探したり、賃料が高い物件を探したりすることができ、物件選びの目安にしやすくなります。不動産ポータルサイトは誰でも簡単に使えるため、物件の情報収集をする際は、積極的に活用してみてください。
ただし、一つのポータルサイトのみを参考にすると、情報が偏ってしまう危険性があるため、情報収集する際は必ず複数のサイトを利用しましょう。
不動産会社に問い合わせる
不動産会社に問い合わせることで、ポータルサイトでは公開されていない情報を仕入れられるため、サイト内で気になる物件があったら相談してみましょう。特に、地域密着型の不動産会社では、より正確な賃貸需要を教えてもらえる可能性が高いです。
不動産会社は、不動産流通機構が運営するレインズ(不動産流通標準情報システム)と連携しています。レインズを利用して、購入したい物件のエリアの賃料や建物面積、件数、㎡単価などの賃貸需要の目安となるデータも調べてくれます。
ただし、ポータルサイト同様に1社だけに問い合わせると情報が偏ってしまうため、複数社に問い合わせるようにしましょう。
人口推移を確認する
賃貸需要を知るためには、そのエリアの人口推移についても把握しておくことが大切です。厚生労働省が公表している「人口動態統計」では、下記の集計データを確認できます。
・1年を通しての出生数や死亡数
・婚姻件数
・離婚件数
毎年、9月中旬に前年1年間の集計データが公表されます。
賃貸需要がある物件を見つけるためには、「人口動態統計」の中から人口が転入超過している都道府県や地域を探しましょう。転入超過とは、その地域を出ていく転出者よりも引っ越してくる入居者が多いということです。つまり、転入超過が起きている地域は、人口が増加しているため、その結果不動産の需要が上がります。
再開発事業計画書を確認する
市区町村の再開発事業計画の情報を確認することで、今後の人口増加や地価上昇などについて予測できます。再開発で大規模な複合施設やビルなどの建設が行われた場合は、より多くの人が転入することが見込まれます。
再開発事業計画書は各市区町村のホームページに掲載されているため、不動産を購入する際は、その地域の再開発事業計画書を調べてみましょう。
賃貸需要ヒートマップを確認する
賃貸需要ヒートマップとは、入居希望者が検索したエリアを見える化したものです。賃貸需要の高さが10段階の色分けで表示されます。
ただし、賃貸需要ヒートマップは物件閲覧回数に基づいたデータのため、物件がないエリアは検索結果にも表示されません。
賃貸需要を調べる時の注意点
賃貸需要を調べる際は、下記の4つの注意点を意識しながら調べるようにしましょう。
・空室率を確認する
・周辺に雇用環境があるか確認する
・ハザードマップを確認する
・築年数よりも立地を重視する
それぞれ下記で詳しく解説いたします。
空室率を確認する
「空室率」は賃貸需要を調査するうえで、最も大切なポイントです。空室が生じると、その期間家賃収入が得られないため、空室率が高いほどオーナーの収入は低くなります。
また、空室率の高いエリアは、賃貸需要が少なかったり、供給過多になっていたりしている可能性があります。そのため、空室率の高いエリアの物件購入には注意が必要です。
空室率の高い物件の特徴は、下記の通りです。
・築年数が古い
・最寄り駅から遠い
・利便性が悪い
他にも特徴はありますが、特に上記の3つの条件に当てはまる物件は空室率が高いため、注意が必要です。
周辺に雇用環境があるか確認する
賃貸需要の高さは、周辺の雇用環境に影響されます。賃貸需要は駅から徒歩10分圏内が高いといわれていますが、周辺に雇用環境があることが前提になっています。都心部であれば、丸の内や六本木、渋谷など働ける場所が多いため、通勤に便利な駅の近くほど賃貸需要が高いです。
一方、郊外の場合は雇用環境の有無が賃貸需要に影響を与えます。そのため、最寄り駅から離れていたとしても、大きい病院、空港、警察署などが近くにある場合は賃貸需要が高いです。
ハザードマップを確認する
ハザードマップとは、自然災害が起こった時の防災対策や避難経路が記されたものです。賃貸需要とは関係ないと思われがちですが、洪水や土砂災害が起きやすい場所、地盤が低い箇所などが分かります。事前に知っておくことであらかじめ地震保険や火災保険などに加入し、備えることができます。
各自治体のホームページではハザードマップが公開されています。気になるエリアが災害危険区域に指定されていないか確認しましょう。
築年数よりも立地を重視する
住宅の売却価格は築年数が経過すると下がる傾向にありますが、家賃の場合は築年数が売却価格に影響を与えません。家賃では、築年数よりも立地の条件が重視されます。
立地が良い物件ほど築年数の影響は受けにくくなっており、立地が悪い物件ほど築年数の影響を受けやすくなっています。そのため、駅近物件の場合は築年数に違いがあっても家賃に大きな違いはありません。
まとめ
賃貸需要は駅近物件、周辺の労働環境、空室率などの様々な観点から判断できます。都心=賃貸需要が高いと思われがちですが、実際は郊外でも賃貸需要が高い物件があります。
賃貸需要を不動産ポータルサイトや気になるエリアの人口推移、ヒートマップなどで判断できない場合は、不動産会社に一度問い合わせてみましょう。ポータルサイトや各自治体のホームページでは公表されていない情報を教えてもらえるため、ぜひ活用してみてください。