不動産投資に選んではいけない土地とは?風水的な観点から解説

住宅用の土地を購入するとき、風水を気にする方もいます。不動産査定や鑑定評価の内容には、風水に関する項目は含まれませんが、一般的な認識として、風水的に良くないとされる地形がマイナス評価となる場合があるのは事実です。 この記事では、風水的な観点から避けた方が良い土地の特徴や、購入してしまった場合の対処法について解説します。

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選んではいけない土地があるのはなぜ?

冒頭で解説したように、風水そのものが不動産査定や鑑定評価に直接影響することはありません。複数の候補から購入する土地を選ぶときに、決断を下すための後押し程度に考えましょう。

まず基礎知識として、選んではいけない土地がなぜ存在するのか、風水が古くから活用されてきた歴史や理由を紹介します。

風水は古来の知恵の結集

風水は紀元前10世紀以前の中国で誕生したとされています。都市や住居、建物、お墓などの位置について、吉凶禍福を判断する材料として用いられてきました。

日本に伝来して以降は、聖徳太子が風水を奨励したことにより、様々な建築事業で重用されています。有名な平安京や江戸城も、町づくりや設計に風水が用いられました。

現代社会でも、風水を物事の判断に活用する方は少なくありません。不動産関連であげると、土地の形や周辺の環境についてチェックするときに、風水が役立っています。

風水の科学的根拠

風水は物事に対する一種の思想を表すものです。占いや魔法の類に分類される一方で、学問に深く関わっているとする考え方もあります。とくに関連性が高いと目されているのが、環境学や統計学です。

住空間の研究や、住まいが与える影響の統計的な関連付けが、風水を用いるバックボーンとなっています。例えば、風水が表す「良い気」を引き寄せる行為は、ポジティブ思考の環境を整える役目があると考えられます。

掃除や整理整頓、断捨離も風水において「新しい気の流れを呼び込む」「運気がアップする」とされる行為です。同時に環境学の観点から考えても、身の回りをきれいにすることは、ストレス軽減や作業の効率化など良い結果に繋がります。

意識せずとも、環境学や統計学的に結果のみを見ると、風水の法則にあてはまる実例もあります。

例えば、風水的に好ましくない立地へ転居した会社が、業績低下や税務調査などのトラブルに次々と見舞われた結果、再度引越しを余儀なくされたなどです。

選んではいけない土地の例

地形や区画ごとの形、周辺環境には、それぞれ良し悪しがあります。住む場所の良し悪しは明確な不便さを感じることがなくても、住む人の運勢や生活の質になんらかの影響をもたらします。

風水のみを重視する必要はありませんが、前述したように全く無関係ともいえません。少しでも良い土地を購入したいと考える方は、風水の観点からも地形や周辺環境などを評価してみてはいかがでしょうか。

ここでは風水を考慮した、選んではいけない土地の例をご紹介します。

地型が良くない土地

地型(じがた)とは、土地の区画の形状を指します。地形ともいい、土地の傾斜なども含みます。地型が良くない土地は、整地にコストがかかったり建設する建物の形が限られたりと、風水を抜きにしても避けられやすいのが特徴です。

風水の観点からも、地型が良くない土地は運気が下がると考えられています。地型が良くないとされる土地の具体例は下記です。

・欠け・張りがある

・旗竿地

・三角形

・窪地

上空から見たとき、きれいな四角形などではなく、一部が切り取られたり張り出したりしたような部分がある場合は、欠けまたは張りのある土地です。風水では、土地はきれいな四角形をしている方が八方向から良い気を均等に得られると考えられています。

一部に欠け・張りがあるいびつな形状の土地は、取り込む気のバランスが崩れるため、風水では良くないとされます。

旗竿地は、旗のような形状をした土地のことです。道路に面している部分は細長く、奥まった場所に家が建っている状態で、上空から見ると旗とポールのような形状をしています。前述の欠け・張りがある土地と同じく、整った形とはいえないため、風水では良くないと考えられる土地の一種です。

また、風水では欠けている方位によって、様々な良くないことが生じやすいとも考えられています。不動産投資の観点から見ても使い勝手が悪くなります。

三角形の土地は凶とされ、そこに三角形の建物を建てることは大凶とされています。そのため、三角地には三角形の建物ではなく、長方形の建物を建てるようにすると良いとされています。

窪地は周囲よりも低くなっている土地のことです。大雨のときに水が集まりやすいなど、窪地ゆえの注意点があります。風水的にも陰の気が留まりやすいとされる地型です。

道路付きや川が良くない土地

風水を考慮したとき、好アクセスの土地でも良くないと判断されるケースがあります。例えば住宅地などで多く見かける下記の土地は、風水的に良くないとされる代表例です。

・袋小路

・丁字路の突き当たり部分

・高い建物に囲まれた土地

・西側に川や用水路がある土地

袋小路は行き止まりとなっている道のことです。事態が行き詰ったときのことを袋小路と呼ぶように、風水においても「気の通り道を塞ぐ」状態と考えられています。加えて、防犯上、万が一のときに退避しにくいといった懸念もあります。

丁字路の突き当たり部分やカーブの頂点なども、気の流れが影響しやすいとされる地形です。災難に巻き込まれやすいと考えられており、実際に事故を起こした自動車が突っ込んでくるなどのトラブルリスクがあります。

高い建物に囲まれた土地は、傾斜の有無に関わらず、窪地と同じ状態と見なされます。陰の気が留まりやすい土地です。

土地の西側に川や用水路がある場合、一般的には金運をもたらすといわれています。ただし土地に川や用水路が隣接している場合は、かえって金運を流すと考えられているため要注意です。

周辺環境に問題のある土地

周辺環境にある問題といえば、一般的に「お墓や火葬場が近い」「治安が悪い」などがあげられます。ただし今回取り上げるのは、心理的瑕疵(かし)にあたる墓地や火葬場などの忌避施設を指すものではありません。

風水的に見た場合、注意すべき周辺環境はお寺や神社です。お寺や神社が土地の正面または南や東に位置する場合、土地が凶相にあたると考えられます。一方で、神社が土地の北や西の位置にある場合は、金運アップなど良い効果が期待できます。

選んではいけない土地を買った場合の対処法

すでに街が完成しているエリアで、風水的に満点といえる土地を購入するのは困難です。駅や商業施設など生活上の利便性が高かったり価格が手ごろだったりした場合、風水的に選んではいけないとされる土地を購入するケースもあります。

風水の観点から好ましくないとされる土地でも、工夫次第でトラブルリスクを軽減することができます。

地型の対処法

地型に問題がある場合、整地や買い増しなどの対処法があげられます。窪地は、盛土できるなら整地して高さを周囲に合わせることで陰の気が留まることを避けられます。

旗竿地や三角形の土地は、買い増しして地型を少しでも四角形に近付けるようにしましょう。隣接する家や土地が売りに出されていないか、こまめにチェックすることが大切です。

三角形など歪な形の土地は、建物の形状でカバーする方法もあります。長方形の家を建て、三角形の端など歪な部分は花壇にしたり木を植えたりして、生活に使用しないようにします。

袋小路や川に隣接した場所の対処法

袋小路や丁字路などに接道している土地は、悪い気が入ってこないように玄関の位置を考えることが重要です。道路に面した場所に玄関を設置することは避け、可能であれば道の反対側に設けましょう。道路との境界部分には生垣や庭、花壇などを設けると無難です。

車が突っ込んでくる事故を防止するために、反射板を設置するのもおすすめです。

やむを得ず川や水路に隣接した場所を購入するときは、可能な限り土地の東側にくる位置関係を選びます。

周辺施設の対処法

お墓や神社、お寺など周辺施設との位置関係が気になるときは、境界線を作ることで対処できます。気になる施設に面している部分へ花壇を作ったり、堀や生垣で仕切ったりする方法も手軽で効果的です。

前述したように、例えば神社は位置関係が真逆にあるだけで金運アップなど良い運気をもたらしてくれます。複数の候補で迷っているときは、土地と施設の位置関係を見直して、購入する物件を決めましょう。

まとめ

今回ご紹介した「選んではいけない土地」は、あくまで風水の観点から評価したケースです。駅近で人気エリアの貴重な土地など、風水に関係なく魅力的な物件が見つかることもあります。

風水は複数の候補の中から購入する土地を絞り込むときの参考程度に考え、捉われすぎないことが大切です。「良い土地とは何か」「なぜ、この土地は安いのか」と考えるきっかけとして、風水を用いる程度が無難といえます。

最終的には、土地そのものの状態や周辺の生活環境、投資用不動産としての価値や将来性を考慮して決断しましょう。