目次
「マンション管理会社に支払う管理委託費ってどれくらいが適正なの?」
「今支払っている管理委託費は高いのでは?」
分譲マンションの管理組合員の方や、賃貸マンションオーナーの方が、マンションの適正な管理委託費が知りたい、と本記事へとたどり着いたのではないでしょうか。
結論から言うと、マンション管理会社の管理委託費の平均月額は、一部屋あたり約15,000円程度です。
実際、国土交通省「平成30年度マンション総合調査」によると、一部屋あたりの管理費総収入(駐車場使用料などの充当額を含む)の平均月額は、以下のように15,257円となっています。
【管理費総収入/月/一部屋あたり(使用料・専用使用料からの充当額を含む)】
全体 | 15,257円 | |
総戸数規模別 | 20戸以下 | 21,599円 |
21~30戸 | 16,207円 | |
31~50戸 | 15,914円 | |
51~75戸 | 14,828円 | |
76~100戸 | 14,291円 | |
101~150戸 | 13,751円 | |
151~200戸 | 13,287円 | |
201~300戸 | 15,605円 | |
301~500戸 | 12,470円 | |
501戸以上 | 14,931円 |
参考:国土交通省「平成30年度マンション総合調査」
※管理費=管理委託費ではありませんが、管理費は主に管理委託費に使われます。
ちなみに、賃貸マンション(一棟オーナー)の場合は家賃の5%、投資用マンション(一部屋オーナー)の場合は家賃の3~20%です。
この管理委託費は、以下の4種類によって構成されています。
【マンション管理会社の管理委託費を構成する4種類】
①事務管理業務費 | ・担当者(フロントマン)の人件費 ・各種システム費 |
②管理員業務費 | ・管理員の人件費 |
③清掃業務費 | ・マンション内の清掃費用 |
④建物・設備管理業務費 | ・エレベーターや消火器などの設備の点検費用 |
「管理員って必要なのかな」
「清掃費を抑えられたらいいのに」
など、あなたも管理委託費を見直したいと思いながら、マンション購入時に斡旋された管理会社のままになっているのではないでしょうか。
実際、全体の73.1%はマンションを購入したときに販売会社に斡旋された管理会社に委託し、ずっと同じ管理会社のままになっています。
参考:国土交通省「平成30年マンション総合調査」
複数社の見積書を比較検討せず、斡旋されるがままに委託した管理会社の管理委託費は、市場の一般的な費用相場よりも高く設定されている可能性があります。
そこで、この記事では、あなたのマンションの管理委託費が適正かを確かめる方法を踏まえた、以下のポイントについて、詳しくご紹介します。
本記事のポイント |
・マンション管理会社の管理委託費の平均月額と傾向がわかる ・管理委託費を構成する4種類の費用がわかる ・管理委託費に納得がいかないときの対処方法がわかる |
上記のポイントを踏まえると、あなたのマンションの管理委託費が適正がどうかを判断でき、納得いかない場合はどう対処すればよいのかわかります。
納得して管理委託費を支払えるように、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
1.マンション管理会社の管理委託費は平均月額15,000円!(一部屋あたり)
冒頭でもお伝えしたように、マンション管理会社の管理委託費の平均月額は、一部屋あたり15,000円程度です。
実際、国土交通省「平成30年度マンション総合調査」によると、一部屋あたりの管理費総収入(駐車場使用料などの充当額を含む)の平均月額は15,257円です。
【管理費総収入/月/一部屋あたり(使用料・専用使用料からの充当額を含む)】
全体 | 15,257円 | |
総戸数規模別 | 20戸以下 | 21,599円 |
21~30戸 | 16,207円 | |
31~50戸 | 15,914円 | |
51~75戸 | 14,828円 | |
76~100戸 | 14,291円 | |
101~150戸 | 13,751円 | |
151~200戸 | 13,287円 | |
201~300戸 | 15,605円 | |
301~500戸 | 12,470円 | |
501戸以上 | 14,931円 |
参考:国土交通省「平成30年度マンション総合調査」
※管理費=管理委託費ではありませんが、管理費は主に管理委託費に使われます。
マンションの管理費(≒管理委託費)は総戸数が少ないマンションほど高く、総戸数が多いマンションの方が安くなる傾向があります。
なぜなら、総戸数が少ないマンションほど、マンション内の設備を維持するための一部屋あたりの費用負担が大きくなるからです。
例えば、エレベーターの設置する目安は総戸数70戸に対して1台ですが、35戸のマンションでもエレベーターは設置されていますよね。
単純に計算すれば、70戸のマンションと比較して、35戸のマンションでは2倍のエレベーター点検費用を負担する必要があるため、総戸数が少ないほど管理委託費も高くなってしまうのです。
管理委託費はマンションの条件次第でも変わる! |
マンション管理会社の管理委託費は、総戸数が少ないほど高く、多いほど安くなる傾向がありますが、実際はマンションの条件次第で変わります。 総戸数が多くても、以下のような条件のマンションでは、管理委託費は高くなります。 ・管理会社が訪問しにくい辺鄙な場所にある ・キッズルームやゲストルーム、室内プールなどのマンション設備が充実している ・エントランスに水が流れているなど、管理に手間がかかる 反対に、総戸数が少なくても、以下のような条件のマンションでは管理委託費は安くなるのです。 ・管理会社が訪問しやすいアクセスの良い場所にある ・必要最低限の設備しかない 管理委託費の相場と差がある場合は、あなたのマンションの条件が影響している可能性があるので、確認してみましょう。 |
2.マンション管理会社の管理委託費は4種類
マンション管理会社の管理委託費の平均月額がわかったところで、どのような項目があって、どのくらいの費用が使われているのか、内訳が気になりますよね。
管理委託費を構成しているのは、以下の4種類です。
気になる項目がある方は、白字下線部をクリックして、その費用についての詳細が書かれた部分をお読みください。
【マンション管理会社の管理委託費を構成する4種類】
① | ・担当者(フロントマン)の人件費 ・各種システム費 |
② | ・管理員の人件費 |
③ | ・マンション内の清掃費用 |
④ | ・エレベーターや消火器などの設備の点検費用 |
以下のマンションでの管理委託費の一例をグラフにすると、このような比率となります。
・総戸数10戸 ・エレベーターあり ・管理員がいる(1回3時間、週4日) ・清掃業者に入ってもらっている(週2日の定期清掃と、年1回の特別清掃) ・貯水槽と機械式駐車場はなし |
マンションの規模や設備内容によってこれらの比率は変わりますが、上記の場合、管理委託費の中では「管理員業務費」と「建物・設備管理業務費」の2つが大きな割合を占めていることがわかります。
それでは、管理委託費を構成する4種類について、ひとつずつ詳しくご紹介します。
管理会社から専門業者に外注している場合、管理委託費に手数料が上乗せされている! |
清掃業務や建物・設備管理業務などを、マンション管理会社から専門業者に外注している場合、管理委託費には外注した分の手数料が上乗せされています。 マンション管理会社のスタッフが、清掃業務や建物・設備管理業務まで行っているケースは少なく、管理会社を通して専門業者に再委託されることがほとんどなのです。 管理委託費を抑えるなら、管理会社にすべて任せるのではなく、手間は掛かっても直接業者に依頼して、手数料分を浮かせることも検討しましょう。 |
3.マンション管理会社の管理委託費1|事務管理業務費
まず、1つ目の事務管理業務費とは、マンション管理会社の担当者(フロントマン)の人件費や各種システム費のことです。
管理委託契約書に、「管理手数料」や「管理報酬」と表示される場合もあります。
目安にはなりますが、10戸のマンションの場合、一部屋あたりの月額は1,500円、マンション全体の事務管理業務費は年額18万円となります。
一般的には、管理会社の一名、もしくは複数名が担当者となり、専用のシステムを使ってマンション管理に欠かせない以下の業務を行います。
【事務管理業務の内容】
・銀行取引の連絡 ・入金チェック ・滞納者の対応 ・出納簿記載 ・決算報告書作成など |
事務管理業務費は月額いくらと表示されることがほとんどなので、まずは管理委託契約書を見て、月額を確認してみましょう。
4.マンション管理会社の管理委託費2|管理員業務費
2つ目の管理員業務費とは、管理員の人件費のことです。
管理員業務費は、以下のどちらの方式を選択するかによって、大きく変わります。
【管理員の勤務方式と1名あたりの費用相場(10戸の場合)】
| 月額 | 年額 |
通勤方式 | 27万円 | 324万円 |
巡回方式 | 9万円 | 108万円 |
※通勤方式:通勤で週40時間勤務の場合を想定
※巡回方式:1回3時間、週4日勤務の場合を想定
管理員が行う業務は、通勤方式か巡回方式かによって異なります。
【管理員業務の内容】
<共通> ・共用部分(玄関ホールやゴミ集積所など)の清掃 <通勤方式のみ> ・外訪者(宅配便やヘルパーなど)の対応 ・利用希望者への共用施設のカギの受け渡し ・入居者からの要望や苦情を受け付け ・建物や設備に異常がないか見回り、異常があれば工事業者の手配 ・ゴミの回収や定期点検の立ち会い ・植栽への水やり ・害虫駆除 |
勤務時間の短い巡回方式では、共用部分の清掃がメインとなりますが、勤務時間の長い通勤方式では幅広い業務を行ってくれます。
「管理委託費を抑えたい」とお考えの方は、管理員を通勤方式から巡回方式に変更すれば、管理員業務費を3分の1に減らせるので、検討してみましょう。
5.マンション管理会社の管理委託費3|清掃業務費
3つ目の清掃業務費とは、マンション内をきれいに清掃してもらうために支払う費用のことです。
マンション管理会社のスタッフが清掃するのではなく、管理会社から外注された清掃専門業者によって清掃が行われているケースがほとんどです。
以下のように、清掃業務費は、基本となる定期清掃と、年1回程度の特別清掃の費用の合計となります。
【清掃業務費の費用相場(10戸の場合)】
| 月額 | 年額 |
定期清掃(週2日) | 2万5,000円 | 30万円 |
特別清掃(年1回) | - | 17万円※ |
※特別清掃はワックスがけ、窓ふき、排水管清掃、貯水槽清掃費用の合計
5-1.定期清掃費
週2回の定期清掃の一般的な費用相場は、月額2万5,000円(年額30万円)です。
定期清掃とは、週に何回、どの部分を清掃するかを決められている清掃のことです。
共用部分の中でも、特に汚れやすい以下の部分が定期的に清掃されることで、清潔さを維持できるだけでなく、建物の耐用年数を伸ばすことにも繋がります。
・玄関ホール ・エレベーター内 ・エレベーターホール ・階段 ・廊下 ・集会室など |
5-2.特別清掃
以下のすべてを行う場合、特別清掃の費用相場は、年額17万円となります。
【特別清掃の内容と費用相場(10戸の場合)】
| 年額 |
ワックスがけ | 3 |
窓ふき | 1 |
排水管清掃(年2回) | 8 |
貯水槽清掃 | 5 |
貯水槽があるマンションの場合、衛生的に保つために、1年に1回以上の貯水槽清掃と水質検査が義務付けられています。
総戸数が多いマンションほど貯水槽の容量が大きくなるため、費用も高くなります。
6.マンション管理会社の管理委託費4|建物・設備管理業務費
最後に、4つ目の建物・設備管理業務費とは、エレベーターや消火器などの設備を点検してもらうために支払う費用のことです。
建物・設備管理業務費の費用相場は、以下の通りです。
【建物・設備管理業務費の費用相場(10戸の場合)】
| 年額 |
エレベーター保守点検 (月1回) | 36 |
エレベーター定期検査 (年1回) | ①4
|
消防設備点検 (年2回) | 4 |
貯水槽点検 (年1回) | 6 |
機械式駐車場点検 (年4回) | ①9~10万円 (※1) (※3) |
※1 メーカーによる点検の場合
※2 エレベーター点検専門業者による点検の場合
※3 機械式駐車場専門業者による点検の場合
6-1.エレベーター点検費
エレベーター点検費の相場は、以下の通りです。
【エレベーター点検費の相場(10戸の場合)】
| 1回当たり | 年額 |
保守点検(月1回) | 1回3~5万円 | 36~60万円 |
定期検査(年1回) | 4~6万円(※1) 2~5万円(※2) |
※1 メーカーによる点検の場合
※2 エレベーター点検専門業者による点検の場合
エレベーター点検には、保守点検と定期検査の2種類があります。安全運転のためには、両方が必要です。
定期検査は、保守点検と同じエレベーター点検専門業者の他に、エレベーターを製作・販売しているメーカーに依頼することも可能です。
メーカーに点検を依頼すると安心感がありますが、エレベーター点検専門業者の倍以上の費用がかかります。
一般的なエレベーターであれば、エレベーター点検専門業者でも問題なく法定点検までできるので、コストを抑えたいなら、メーカー点検にこだわらないようにしましょう。
6-2.消防設備点検費
年2回行われる消防設備点検の費用相場は、以下の通りです。
【消防設備点検費の相場(10戸の場合)】
消防設備点検 (年2回) | 年額4~10万円 |
一部屋あたりに換算すると年額4,000円~1万円ですが、費用相場の幅が広いのは、マンションの設備内容によって大きく変わるからです。
消火器やスプリンクラー、火災報知器など、最低限の消防設備のマンションなら、点検費用も安くすみます。
一方で、地下駐車場に泡消火装置やハロン消火設備があるマンションでは、年額10万円前後になります。
6-3.貯水槽点検費
貯水槽点検費の相場は、以下の通りです。
【貯水槽点検費の相場(10戸の場合)】
貯水槽点検 (年1回) | 年額6~7万円 |
貯水槽があるマンションの場合、衛生的に保つために、1年に1回以上の貯水槽点検が務付けられています。
総戸数が多いマンションほど貯水槽の容量が大きくなるため、費用も高くなります。
6-4.機械式駐車場点検費
機械式駐車場点検費の相場は、以下の通りです。
【機械式駐車場点検費の相場(10戸の場合)】
機械式駐車場点検 (年4回) | 9~10万円 (※1) (※2) |
※1 メーカーによる点検の場合
※2 機械式駐車場専門業者による点検の場合
機械式駐車場があるマンションの場合は、安全に車の出し入れをするために、点検が必要です。
機械式駐車場の点検依頼先は、点検専門業者とメーカーがあります。
点検専門業者は1パレットあたり1回2,500円程度、メーカーは3,000円程度です。
製造・販売から行っているメーカーの方が安心感がありますが、一般的な機械式駐車場であれば、専門業者であっても問題なく点検できます。
パレット数が多いほど、全体の費用の差額は大きくなるため、コストを抑えたいなら、点検専門業者に依頼することを検討しましょう。
7.マンション管理会社の管理委託費が適正か確かめる方法2つ
ここまでマンション管理会社の管理委託費を構成する4種類の内容や、それぞれの費用相場について、わかってきたことと思います。
そこで、ここでは「自分のマンションの管理委託費は高いのかも?」と思っている方に向けて、管理委託費が適正か、それとも払いすぎなのかを確かめる方法をご紹介しましょう。
マンション購入時に斡旋された管理会社に委託し続けているなら、管理委託費についての知識を得た今こそ、見直すきっかけにしていただければと思います!
管理委託費が適正かを確かめる方法には以下の2つがあるので、この機会に確認してみましょう。
①管理委託費の内訳を確認する ②見積もりを5社以上から取り寄せる |
7-1.管理委託費の内訳を確認する
あなたのマンションの管理会社の管理委託費が適正か確かめるために、まずは、管理委託契約書に記載された管理委託費の内訳を確認しましょう。
下記のように記載された管理委託契約書を見れば、事務管理業務費・管理員業務費・清掃業務費・建物・設備管理業務費の内訳がわかります。
管理委託契約書の内訳の記入方法には、以下の3パターンがあります。
①各業務費に管理会社の利益が含まれておらず、第5号で別に表示されている ②第1号の管理手数料に事務管理業務費と管理会社の利益が含まれている ③各業務費に管理会社の利益が含まれている |
①各業務費に管理会社の利益が含まれておらず、第5号で別に表示されている
第5号の管理報酬は、管理会社の利益のことです。事務管理業務費と合算しましょう。
②第1号の管理手数料に事務管理業務費と管理会社の利益が含まれている
第1号の管理手数料が、管理会社の利益を含んだ事務管理業務費です。
③各業務費に管理会社の利益が含まれている
各業務費に、管理会社の利益となる手数料なども上乗せされた表示となっています。
清掃や建物・設備管理を管理会社を通して業者に外注せず、直接依頼すれば記載された価格よりも抑えられる可能性があります。
また、管理委託契約書には業務の仕様についても記載されているので、例えば定期清掃なら週に何回、どんな清掃をしてくれるのかについても確認しましょう。
以下の表は10戸のマンションの場合の費用相場ですが、あなたのマンションの費用と比較して極端に差がある項目があれば、適正でない可能性があります。
7-2.見積もりを5社以上から取り寄せる
あなたのマンションの管理委託費の内訳がわかったら、別の管理会社からの見積もりを5社以上から取り寄せましょう。
他社と比較して、あなたのマンションの場合の適正な費用を見極めるためです。
2~3社ではなく、5社以上から取り寄せることをおすすめするのは、管理会社の委託費の設定は管理会社によって幅広く、より多くの情報が必要になるからです。
以下の2つの方法で良さそうだと思ったマンション管理会社に問い合わせて、現在と同じ契約内容の管理委託費の見積もりを作成してもらいましょう。
・「マンション管理会社 〇〇(エリア)」と検索する ・マンション管理会社のポータルサイトを見る |
管理委託費の内訳を見比べ、同じ契約内容にならない部分については、業務の質と費用のバランスを考えていくと、あなたのマンションの管理委託費が適正かよくわかるはずです。
8.マンション管理会社の管理委託費に納得がいかないときの対処方法
管理委託契約書や他社の見積もりを見て、「やっぱり高い!」「納得いかない!」と思った方も多いのではないでしょうか。
管理委託費に納得がいかないときには、以下の3つの対処方法を試すことをおすすめします。
①直接管理会社と交渉する ②一部委託に変更する ③管理会社を変更する |
8-1.直接管理会社と交渉する
あなたのマンションの管理委託費に納得がいかないなら、まずは直接管理会社と交渉してみましょう。
ただし、管理会社の方も人手不足や外注費用の高騰などの問題を抱えているので、「管理委託費が高すぎる」「ちょっと下げてよ」などといきなり電話しても、聞く耳を持ってくれない可能性があります。
管理会社と交渉する際には、直接話す機会を設け、管理委託契約書と他社の見積書を持参し、具体的にどの費用をどのくらい下げてほしいのかを具体的に伝えるようにしましょう。
管理員の必要性を感じない場合は、管理員業務費を浮かせるために、管理員に駐在してもらわない契約への変更を交渉することもできます。
8-2.一部委託に変更する
マンションの管理委託費を下げる方法のひとつに、一部委託への変更があります。
マンションの管理方法には、以下の3つがあります。
【マンションの管理方法】
全部委託 | マンション管理業務をすべて管理会社に委託する |
一部委託 | マンション管理業務の一部のみ管理会社に委託する |
自主管理 | マンション管理業務のすべてを住民の手で行う |
約7割のマンションが全部委託を選択していますが、4種類ある管理委託費の1種類だけでも、一部委託にすれば、管理委託費を下げることができます。
ただし、分譲マンションの場合、一部の住民の一存では変更できず、管理組合の総会で変更決議を取って承認され、管理会社も受け入れてくれた場合に限り、一部委託への変更が可能です。
管理委託費を抑えられる一部委託ですが、検討する際にはメリットとデメリットを踏まえて検討しましょう。
8-3.管理会社を変更する
管理会社と交渉しても管理委託費が下がらない場合や、一部委託にする選択肢はない場合は、管理会社を変更することが可能です。
ただし、分譲マンションの場合は、一部の住民の一存では変更できず、管理組合の総会で変更決議を取り、承認された場合に限り、変更できます。
管理会社を変更する場合の注意点は、以下の通りです。
・管理委託費に見合ったサービスが受けられるように、新しい管理会社は慎重に選ぶ ・前の管理会社と穏便に解約できるように、丁寧に進める ・管理されない期間がないように、前の管理会社から新しい管理会社へとスムーズに引き継ぐ ・新しい管理会社の連絡先や管理委託契約内容を、全住民に伝える |
管理委託費に納得できるように、管理会社の変更を検討してみましょう。
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10.まとめ
マンション管理会社の管理委託費について、詳しくご紹介させていただきました。改めて、ポイントをおさらいしていきましょう。
マンション管理会社の管理委託費の平均月額は、一部屋あたり15,000円程度です。
設備管理に必要な費用負担が大きくなるため、以下のように、総戸数が少ないほど管理委託費は高くなる傾向があります。
【管理費総収入/月/一部屋あたり(使用料・専用使用料からの充当額を含む)】
全体 | 15,257円 | |
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21~30戸 | 16,207円 | |
31~50戸 | 15,914円 | |
51~75戸 | 14,828円 | |
76~100戸 | 14,291円 | |
101~150戸 | 13,751円 | |
151~200戸 | 13,287円 | |
201~300戸 | 15,605円 | |
301~500戸 | 12,470円 | |
501戸以上 | 14,931円 |
参考:国土交通省「平成30年度マンション総合調査」
マンション管理委託費を構成するのは4種類で、内訳は以下の通りです。
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①管理委託費の内訳を確認する ②見積もりを5社以上から取り寄せる |
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