目次
不動産投資の目的
不動産投資において、新築物件が良いか、中古が良いか判断するには、投資戦略が変わるため、投資の目的を明確にする必要があります。
ここでは、不動産投資の目的について解説します。
短期的な利益か長期的な資産形成か
短期的な利益を追求する場合は中古物件、長期的な資産形成を目指す場合は新築物件への投資が適している場合が多いです。
中古物件は新築よりも安く購入したあとに、リフォームなどで価値をあげて売却すれば、比較的早く利益を得られる可能性が高いです。
一方、新築物件は最初の費用は高くなりますが、修繕費用が少なくて済み、入居率が高いため長い目で見て安定した家賃収入が期待できます。
新築か中古かの選択は、投資家の目的や状況によって変わってきます。
短期的な利益を求めるか、長期的な資産形成を目指すか、投資目的を明確にすることが、自分に合った物件を選ぶスタートとなるでしょう。
投資家のライフステージと不動産投資の関係
投資家のライフステージによって、投資の目的や戦略が大きく変わってくるため、自分の状況をよく理解することが成功への鍵となります。
世代 | 状況 | 投資の目的 | 適した物件 |
20代 | 若いカップル | 長期的な資産形成 | 新築物件 |
30~40代 | 子育て世代 | 教育費と将来の安定した収入源の確保 | 中古物件 |
50~60代 | 退職前後の世代 | 老後の生活と遺産の確保 | 中古物件 |
例えば、20代の若いカップルは、将来の家族のための安定した住環境と長期的な資産形成を目指すケースが多いです。
長期的な視点で見ると安定した賃金収入や将来的な資産価値の上昇が期待できるため、新築物件が適しています。
30〜40代の子育て世代では、教育費の確保と将来の安定した収入源の確保が主な目的となります。
この年代では、キャッシュフローを重視した投資戦略が有効で、中古物件への投資が適している場合があります。
50〜60代の退職前後の世代では、老後の生活の安定と子どもたちに残る資産の確保が中心となります。
この年代ではリスクの高い投資を恐れる傾向があるため、安定した収入が見込める新築物件や、管理の手間が少ない中古物件を選ぶことが多いです。
このように、投資家のライフステージによって投資の目的や戦略が違うため、新築か中古かの選択も変わってきます。
新築物件のメリット
新築物件と中古物件のどちらに投資するべきか決めるには、それぞれの特徴を知ることが大切です。
ここでは、不動産投資で新築物件に投資する主なメリットについて解説します。
入居者が決まりやすい
不動産投資に関して新築物件を選ぶ大きなメリットの一つは、『入居者が決まりやすい』という点です。
日本人の新築志向は強く、国土交通省の調査によると日本の中古住宅流通シェアは、約13.5%であり、欧米諸国の1/6程度と低い水準にあります。
新築物件は、清潔感や最新の設備、快適な住環境から多くの人々を惹きつけます。特に、若いカップルやファミリー層にとって、新築物件は憧れの対象です。
新築物件は周辺の中古物件と比べて、やや高めの家賃設定でも入居希望者が集まりやすく、空室リスクを軽減できます。
また、新築物件は最新の防犯設備や耐震性能を備えていることが多く、安全面でも入居者が安心感を覚えやすいです。
融資を受けやすい
新築物件は、金融機関から高い評価を得やすいのが特徴です。
建物の経年劣化がほとんどなく、最新の建築基準を満たしているため、不動産としての価値が高く評価され、融資の審査で有利に働きます。
また、新築物件は入居率が高く、安定した家賃収入が見込めることから、ローンの返済能力を高く評価されるでしょう。
そして、法定耐用年数が長いため、融資の返済期間を長く設定できる可能性があります。
ただし、融資を受けやすいからといって、安易に高額な借入を行うのは危険です。投資計画をしっかり立て、返済能力を十分に考慮したうえで、適切な資金額を設定することが重要です。
売却先が見つかりやすい
新築物件は、中古物件より性能、機能の面で安心を与えるため、購入希望者を惹きつけます。日本人の新築志向は根強く、中古物件よりも新築や築浅物件を好む傾向があります。
投資物件を売却する際には、比較的容易に売却できる可能性が高いです。
新築物件は最新の建築基準を満たしているため、耐震性や省エネ性能などの面で安心感があり、将来的な売却時の大きなアピールポイントになるでしょう。
ただし、新築物件の価値は時間とともに下がっていくため、適切なタイミングでの売却が重要です。
物件の状態を良好に保ち、適切なメンテナンスを行うことで、売却時の価値を最大化できるでしょう。
新築物件のデメリット
不動産投資で新築物件を選ぶのには、メリットと同様にデメリットも存在します。
ここでは、新築物件を選ぶデメリットを解説します。
利回りが低い
新築物件に投資するデメリットの一つに、収益の低さが挙げられます。
新築物件の高額な物件購入価格と、それに見合わない家賃収入のアンバランスが主な原因です。
新築物件の投資資金をカバーし、収益を上げるためには、物件選びが重要です。駅までの距離や周辺の生活利便施設の充実度、地域の将来性なども慎重に検討する必要があります。
入居者の満足度や長期的な賃貸需要に直接影響を考慮するため、将来的な資産価値の上昇も視野に入れた投資戦略を立てることが、新築物件投資を成功させるポイントです。
地域の開発計画や人口動態などを調査し、長期的に価値が上昇する可能性のあるエリアを選ぶと、新築物件投資のリスクを軽減し、成功につなげられるでしょう。
資産価値の下落が大きい
新築物件は、その真新しいという最新設備などから、中古物件よりも高額で販売されます。 ただし、この新築プレミアムは時間の経過とともに急速に薄れていきます。
建築後1年が経過したり、一度でも人が住んでいたりすると、『新築』という付加価値はほぼなくなってしまいます。
物件の販売価格に、広告宣伝費や営業費などの諸費用が上乗せされているためです。
新築物件は多くの場合フルローンで購入されるケースが多いため、資産価値の下落によって、物件の市場価値よりも、ローンの残高が高いオーバーローン状態に陥りやすくなります。
都心部の希少性の高い立地やアクセス性の良い物件は、経年による価格下落が起きにくい場合もあり、『ビンテージマンション』として逆にプレミアム化することもあります。
不動産投資を行う際には、新築プレミアムを考慮し、将来的な資産価値の下落リスクを理解した上で投資判断を行うことが重要です。
収支予測が立てづらい
新築物件には運用実績がないため、過去のデータに基づいた具体的な予測を立てることができません。
中古物件であれば、過去の契約履歴や運用実績を参考にして、賃料相場や空室率、料金などをある程度正確に推測できます。
しかし、新築物件では過去のデータが無く、すべてが未知数となります。
実際に運用してみて、想定よりも入居者が集まらない、家賃が予想を下回る、あるいは予期せぬ管理コストがかかるなど、当初の計画から大きく外れる可能性があります。
中古物件のメリット
不動産投資で中古物件を選ぶのには、新築物件にはないメリットがあります。
ここでは、中古物件を選ぶメリットを解説します。
利回りが高い
不動産投資で中古物件を選ぶ大きなメリットの一つに、収益の高さが挙げられます。
経年劣化や設備の古さなどから、新築物件よりも安価で取得できることが多いですが、家賃収入の減少率は大きくないため、物件価格に対する家賃収入の割合が高くなる傾向にあります。
具体的な数字で見ると、新築物件の利回りが3〜10%程度であるのに対して、中古物件では5.5〜15%も期待できます。
ただし、物件タイプや地域によって利回りは異なるため、総合的に判断し、長期的な視点で投資を行いましょう。
資産価値が落ちにくい
中古物件は、新築物件と比較して購入時からの資産価値下落が少ないという特徴があります。
新築物件は購入直後から『新築プレミアム』が失われ、価値が大幅に低下傾向にありますが、中古物件はすでにその段階を経ているため、比較的安定した価値を見出しやすいです。
例えば、交通の便が良く、生活基盤が整った地域の物件は、築年数が経過しても需要が維持されやすいため、資産価値の下落が少ない傾向にあります。
加えて適切なリノベーションやメンテナンスを行うことで、中古物件の価値を維持・向上させられます。
ただし、全ての物件中古が同じように資産価値を維持するわけではありません。
物件選びの際は、立場、建物の構造、管理状態、将来的な必要性を予測するなど、多角的な視点から慎重に検討することが重要です。
過去の運営データを元に対策を打てる
中古物件には、これまでの賃貸運営の実績データが存在します。
例えば、過去の入居率、家賃の支払い、入居者の属性、修繕履歴などの情報が見れます。投資や将来の運営計画を立てる上で、非常に貴重な資料となるでしょう。
過去の空室期間や賃金変動から、必要な季節性や市場動向を見極めたり、頻繁に発生している修繕箇所を把握したりすることで、予防的なメンテナンス計画を立てたりすることも可能です。
さらに、過去の入居者属性を分析し、目標を絞った効果的な募集の戦略を立てられます。
例えば、学生が多く入居している物件であれば、大学と連携を強化し、新入生向けの物件紹介リストに掲載してもらう、大学の学期に合わせた募集活動を行うなど、幅広いマーケティングが可能です。
中古物件のデメリット
不動産投資において、中古物件は利回りが良く魅力的な選択肢ですが、デメリットも存在します。
ここでは、中古物件を選ぶデメリットを解説します。
修繕費が必要
新築と比較して、中古物件は経年劣化によるさまざまな不具合が生じやすく、それに伴って修繕が必要となる可能性があります。
特に注意が必要なのは、築10年を超える物件です。設備の更新や外壁の塗装など、大掛かりな修繕の検討が必要となってきます。
例えば、屋根や外壁の塗装には100万円以上、給排水管の交換には数百万円の費用がかかることもあります。
修繕のタイミングを逃すと、建物の劣化が加速し、より高額な修繕費用が必要になる可能性があるため、定期的なメンテナンスを行いましょう。
投資家は、物件の築年数や状態を慎重に見極め、修繕計画がどうなっているか、事前に積み立てがあるか確認する必要があります。
また、予期せぬ修繕に備えて、ある程度の資金を確保しておくことが重要です。
売却先が見つかりにくい
中古物件は、築年数が経過するにつれて建物の劣化が進み、設備も古くなるため、新築物件や築浅物件と比較して、購入を検討する人が少なくなる傾向があります。
築年数が古い物件は、金融機関からの融資が受けられなくなる傾向があり、これは潜在的な買主の範囲を狭めてしまう原因の一つです。
そのため、中古物件は新築物件と比べて買い手が見つかるまでに時間がかかったり、リノベーションやコンバージョンをしないと買い手が見つからなかったりします。
投資家は売却先が見つかりにくいことを考慮して、投資計画を立てる必要があります。
まとめ
不動産投資に関して、新築物件と中古物件の選択は、投資家の目的やライフステージによって異なります。投資家はメリット・デメリットを理解し、自分の状況に合った選択をすることが重要です。
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