不動産投資用物件の入居率を上げる11の方法を詳しく解説!

不動産投資用物件は、目標の入居率が達成できないと想定以上の空室を抱えざるを得ず、収支の悪化を引き起こします。 一刻も早く状況を改善して入居者を募りたいと切望しても、何から取り組めば良いかわからず、右往左往する人もいます。 不動産投資用物件の入居率が低い主な原因は入居者ニーズとの乖離、物件情報の露出の少なさ、内装や外観の魅力が伝わっていないことです。 人が来ない理由を突き止め、入居者の不安や疑問の解消に努めれば、特別な対策をしなくても人が集まり始めます。 この記事では入居率の定義や計算方法、入居率を上げる効果的な方法を紹介します。想定以上の空室で収支が悪化して困っている人は、ぜひ最後までご一読ください。

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入居率はマンション経営の収支に直結する重要指標

入居率は賃貸マンションの(管理戸数-入居戸数)÷管理戸数×100%で計算します。入居率が減る=空室の増加を表すため、家賃収入が減少して収支の悪化を招きます。

不動産投資用物件の収入の大部分は入居者の家賃に依存するため、安定した稼ぎを得続けるには入居率の推移に気を配らなければいけません。

マンション経営のオーナーに欠かせない知識として、入居率の計算方法や目標の目安を紹介します。

シチュエーション別の計算方法

入居率のスタンダードな算出方法は、特定の一時点における入居戸数と全戸数を比べることです。

2024年4月1日時点、総部屋数50戸のマンションで40戸が埋まっていれば、単純計算で80%と計算できます。

他にも、稼働ベースの入居率に着目して、部屋ごとに算出する方法もあります。1年間のうち1月1日〜9月末日まで入居者がいて10月以降は空室だったと仮定した場合は75%です。

戸別にパフォーマンスの良し悪しが判断でき、入居率が悪い部屋に絞った対策を施すことが可能です。

さらに実績の賃料収入÷満室時の想定家賃を計算し、家賃ベースで入居率を算出する方法もあります。賃料の値下げの影響を考慮できる分、紹介した3つの方法のうち最も収支の把握に適しています。

目標の目安は90~95%

不動産投資で成功するには入居率が95%を超えると理想的だといわれます。反対に90%を下回る状況が続くと賃貸需要が旺盛とはいえず、物足りない水準です。

日本賃貸住宅管理協会の「日管協短観(2022年)」のデータによると、賃貸アパートの入居率の全国平均は95.3%となりました。

高いに越したことはないため、平均的な水準を目指して95%を目標に据えると良いでしょう。入居率の平均を81.1%と算出したデータもあることから、サンプリングの抽出方法によってかなりのばらつきがあると想定されます。

これから不動産投資を始める人は90%を目標に掲げ、慣れた後に95%を目指す二段構えの戦略を立てるのも一つの方法です。

入居率以外の要チェック指標

入居率の動きを追うだけでは、不動産投資用物件の収益性を判断する分析として足りません。他にも次に掲げる重要指標を算出してみましょう。

 

概要

算出方法

営業純利益(NOI)

賃貸マンションが生み出す利益を判定するための指標

満室賃料-空室損-ランニングコスト

借入返済(ADS)

融資の元利返済にかかるコスト

融資金額×金利÷返済期間

税引き前キャッシュフロー(BTCF)

所得税を控除する前の事業で発生した利益

NOI-ADS

総収益率(FCR)

すべてのコストを加味した想定収益率

NOI÷総投資金額(物件購入費用+購入時の諸費用)×100%

年間満室想定収入÷物件購入費用×100で算出する表面利回りは広告で見かける数字ですが、実態とは乖離する可能性が高いため過度な信用は避けてください。

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計画どおりに入居率が伸びないときの原因

入居率が想定を下回り、思うように収益が伸びないと不安になる方が多いかと思いますが、焦りは禁物です。

人が来ない原因の特定に成功すれば、解決の糸口が見えてきます。

入居者のニーズと募集条件が合わない

部屋があるのに入居者が見つからない原因は、入居者のニーズからかけ離れているためです。

簡単な例ではファミリー向けの物件にもかかわらずエリアの賃貸需要は一人暮らしの若者が占めるケースです。

ワンルームでいいから安く抑えたいと望む入居者に対して、2LDKの家賃10万円超えの物件を推しても成約にはつながりません。

マンションを決める前に近辺を徹底的に調べ、仲介会社にヒアリングして主な居住者の属性を知れば、どのような物件を購入するべきか判断できます。

物件の掲載先が少ない

広告に力をかけずに新聞の折り込みチラシだけでとどまれば、物件の情報が入居者に届かない可能性があります。

相場より家賃が安く施設も充実したお宝物件でも、掲載の事実に気付かなければその先はありません。

今の時代、インターネットを有効活用しなければ、さまざまな人の目に留まりません。仲介会社のホームページに掲載する他、不動産ポータルサイトに掲載を依頼すると効果的です。

内見で入居したいと思われない

興味をもった物件でもいきなり入居を決めるケースは稀で、まず内見を試みます。実際にエントランスや玄関、部屋の様子をみて「嫌だな」と感じた候補者が契約を断るのです。

共用部がホコリやゴミで汚れていたり、台所が狭くてキッチンの設備が古かったりして敬遠されるケースが後を絶ちません。

人間と同じく住まい探しも第一印象が大切です。時間をかけて足まで運んだのだから、内見を望んだ人は気に入れば決めたいと考えているはずです。期待を裏切らないよう歓迎の意を最大限に示しましょう。

マンション経営の入居率を上げる11の方法

ここでは、投資用物件の入居率を上げる方法を詳しく解説します。

【購入前】エリアの選定を最重視する

物件の購入前なら、賃貸需要が豊富なエリアでマンションを探す戦略をとりましょう。

おすすめは都心や駅近の利便性が高い地域、近くに大型商業施設があり居住性が高い地域などです。

人口減少局面でも旺盛な賃貸ニーズが期待できる大阪や名古屋、神奈川も好ましいエリアです。

需要を無視してマンションやアパートを建設した結果、入居率が上がらず苦戦するケースが目立ちます。

物件情報はポータルサイトにも掲載する

インターネットを活用した部屋探しが一般化した状況を踏まえ、Webマーケティングに力を入れると成約率の向上に効果的です。

ポータルサイトに物件情報を掲載し、管理会社のホームページへのリンクも貼って問い合わせの導線を整えましょう。

SNSを活用して幅広くアプローチする

Webマーケティングの一環として、InstagramやLINEを活用した集客をおすすめします。一人暮らしが初めての若者に向けて効果的な訴求が可能なため、入居率の上昇に直結します。

とくに物件情報は写真が映えるInstagramとの相性が良く、エフェクト機能を駆使して清潔感を増すことも可能です。

チラシや広告に印象が良い写真を載せる

数多の物件情報の中から優先的に興味をもたせるよう、チラシや広告に掲載する写真の質には気を配る必要があります。暗くてよく見えない写真はもってのほかです。

日光が差し込む明るい環境で撮影すれば、入居後の充実した生活を想起させることができ、問い合わせを得やすくなります。

老朽化や故障がみられる箇所に修繕を施す

塗装が剥げ落ちた箇所や取れかけた取っ手は早急に修繕を施しましょう。不備がある状態で内見に臨むと、あと一歩のところで成約を獲得できた顧客を逃す恐れがあります。

劣化がみられる部分は工事業者に依頼し、内装を施すと物件の価値が上昇します。

外観を綺麗に保つメンテナンスを忘れない

内見に先がけて掃除をして、共用部と専有部を清潔な状態に維持しましょう。トイレが汚れていて玄関を開けたらホコリっぽい部屋に誰が住みたいと思うでしょうか。

通常の清掃にとどまらず、ワックスがけで床をぴかぴかにする、照明を新しくして部屋を明るくすることなどを心がけ、来客に適した状態に磨き上げます。

トレンドを踏まえた設備の導入を検討する

既存の設備に甘んじることなく、リノベーションによる改良で新たな価値を乗せるのも有効な戦略です。

近隣の物件にはない高速Wi-Fiや宅配ボックスなどをアピールすることで、入居者は喜ぶだろうと予想できます。

短期的にはコストが増えても、将来的に入居率が向上して安定した家賃収入が入れば、元をとれます。

特定の入居者層に絞った戦略を立てる

コンセプト経営と呼ばれる特定のターゲットに絞った投資戦略もおすすめです。

例えば、少子高齢化で賃貸需要が伸びた高齢の独居老人に狙いを定めて、近隣にゲートボール場を備えたマンションを購入すれば、人が集まりやすいでしょう。

フリーレントで入居意欲を喚起する

フリーレントとは最初の一ヵ月間の賃料を徴収せず、無料で貸し出す賃貸契約のオプションです。初期費用を抑えられるため、お金がない大学生や若いサラリーマンに人気です。

コストを重視する人なら多少内装が気に食わなくても、入居する可能性があります。

防犯対策を施す

近年は空き巣対策で、防犯設備の充実したマンションに住みたいというニーズが目立っています。

モニターつきイヤフォンやオートロック、人感センサなどがあれば、初めて一人暮らしをする若い女性でも安心です。

長く住み続けたいと思わせれば入居率の上昇につながるため、費用をかけても設備投資を行う価値はあります。

管理会社と良好な関係を築く

不動産会社との関係を良好に保ち、気軽に相談し合える良好な関係の構築に尽力するのもおすすめです。

入居者と対面してコミュニケーションを交わすのは、他でもない営業マンや事務スタッフです。

日頃から密に連絡を取り合っておけば、入居者の情報を得られて癖のある方がいることにも気付けます。入居者視点で物件に求めるものは何か、ニーズの調査もしやすくなるでしょう。

まとめ

不動産投資用物件の入居率を上げる方法はさまざまです。前提として空室が予想以上に多い現状になった原因を探る必要があります。

物件の掲載先が少ないなら、ポータルサイトの掲載やSNSの活用による入居者の増加を狙えます。内見で魅力を伝えられないときは清掃やリノベーションが有効です。

アセットテクノロジーでは賃貸物件の管理に役立つアプリを提供しています。メッセージ機能を介して、オーナー様と弊社の担当者との円滑なコミュニケーションを促進します。

電話やメールではない手軽なやり取りを希望する人はぜひご相談ください。