不動産投資を始めるなら、まずは相談しよう
不動産投資を始めるにあたり、ある程度の専門的な知識をもっていないと、うまく運用できないケースがあります。
そのため、専門的な知識を有しているプロへ相談すれば、独学では取得が難しい、不動産投資に関する知識やノウハウを教えてもらうことができます。
また、不動産投資についての悩みや疑問を相談して解決できれば、精神的な負担の軽減にもつながるでしょう。
不安なまま不動産投資を行うよりも、適切な情報や知識、ノウハウを得たうえで不動産投資を行う方が、効率良く資産形成できる可能性があります。
【悩み別】不動産投資の相談先6つ
不動産投資を始めるのであれば、専門家に相談することが大切だと上述しました。では、具体的にどのような窓口で、不動産投資について相談すればよいのでしょうか。
ここからは、不動産投資の相談先の例やそれぞれの窓口における特徴、適している相談内容について紹介します。
「お金」に関する相談
「お金」に関する相談をするなら、ファイナンシャルプランナーと信託銀行がおすすめです。
ファイナンシャルプランナー
不動産投資について、ファイナンシャルプランナーに相談する方法もあります。
ファイナンシャルプランナーは、資金や税金、将来かかることが予想される支出など、一人ひとりの実情に合わせた「お金」に関する相談ができる点が特徴です。
ライフプランに合わせた投資の進め方など、支出として必要な金額や余剰資金としてどれくらいの金額を投資に回せるか、などのアドバイスを受けることができます。
ただし、「不動産投資」に特化した相談相手ではないことに注意が必要です。不動産投資にスポットを当てるのであれば、不動産の専門家からもアドバイスを受ける必要があります。
◆ファイナンシャルプランナーへの相談例
・不動産投資の仕組みを教えてほしい・初期投資のための資金が足りない
・不動産投資に関する税金や相続について教えてほしい など
信託銀行
信託銀行も、不動産投資を始める際の相談先として活用できます。
ローンや資産運用に関する相談ができることが特徴です。不動産投資以外の投資など、資産運用に関して幅広く検討したい場合にも活用しやすいといえます。
不動産投資を始めるにあたり、「ローンを組んでスタートしたい」という方の相談先としておすすめです。ただし、銀行や窓口の担当者によって考え方が異なる場合があるため、注意が必要になります。
信託銀行によっては、不動産投資に特化したローンや相談窓口を設置しているところもあるので、上手く活用すると良いでしょう。
◆信託銀行への相談例
・不動産投資物件を購入するときの自己資金は、少なくともどれくらい必要か知りたい
・不動産を購入するときに必要となる資金の内訳を教えて欲しい
・年収が〇〇万円程度だが、これでも不動産投資はできるのか など
「手続き」「節税」に関する相談
「手続き」「節税」に関する相談先として代表的なのが、行政書士と税理士です。
行政書士
行政書士は、会社の設立や相続などを含め、法律上の手続きに関する相談先として活用できます。
法的書類の作成などを依頼することも可能です。会社設立や相続などの法的手続きが必要になる場面でアドバイスを受けると良いでしょう。
行政書士によって専門分野や得意分野が異なるため、相談先として活用するのであれば、不動産投資に強い行政書士を選ぶことがポイントになります。
◆行政書士への相談例
・不動産投資に関して法人化した後に必要なことを教えて欲しい
・家賃滞納があったら、最初にどうすれば良いのか知りたい など
税理士
税理士は、節税や確定申告などの税金面に関する相談先として活用できます。
税金についての専門知識を有しているため、不動産投資の利益や損失、固定資産税など、税金の算出や書類作成を依頼したい場合にもおすすめです。
毎年行う確定申告などのサポートをしてもらえるため、税理士に相談する場合には不動産投資に知見のある税理士を選ぶとよいでしょう。
◆税理士への相談例
・不動産投資で相続税を減らせると聞いたが、どういうことなのか教えて欲しい
・この不動産投資で、どの程度所得税が減らせそうか知りたい
・確定申告はどのような手続きなのか など
「物件選び」「運用方法」に関する相談
「物件選び」「運用方法」に関する相談先としては、不動産投資会社や不動産投資の経験者などが挙げられます。
不動産投資会社
不動産投資を始める際には、不動産投資会社への相談が欠かせません。物件の紹介から契約、収支計算などのサポートをしてもらえるほか、不動産管理についての相談にも対応しているところが多くあります。
不動産業界の最新情報にも精通しているため、投資先物件の情報を素早く入手しやすくなるでしょう。
ただし、投資物件を強引に勧めてくるような会社には注意が必要です。投資家目線で利益や不利益、将来的な資産価値など、正確な情報を提供してくれているか、しっかりと見極める必要があります。
◆不動産投資会社への相談例
・初心者でも収益を上げやすい物件を紹介して欲しい
・入居者が増えずに困っているので、おすすめの対策を教えて欲しい など
不動産投資の経験者
不動産投資の経験者に相談し、アドバイスをもらうのも方法のひとつです。経験者に相談すれば、実際に不動産投資を行った経験から、より実践的なアドバイスを得られるでしょう。
ただし、不動産投資の経験者は、年齢や経済状況などにも差があるため、最適な投資プランが自分とは異なる可能性があります。
投資に充てる資金面での相談であれば、自分の経済状況と近しい人にアドバイスをもらう、経済状況が異なる人には実践的なポイントやコツを聞くなど、相手によって相談内容を変えるとよいでしょう。
◆不動産投資の経験者への相談例
・投資する不動産を探すときの効率的な流れを知りたい
・どういう基準で不動産投資会社を選んだのか教えて欲しい など
不動産投資の相談をするメリット
専門家に不動産投資の相談をするメリットは多くあります。
ここでは、具体的にどのようなメリットがあるか解説します。
自分に合った運用方法がわかる
不動産投資の相談をすることによって、自分の資産や経験、将来設計に合った運用方法がわかるメリットがあります。
不動産投資といっても、どれくらいの収入を得たいかや投資できる資金など、目的や状況は人によってさまざまです。成功している人の手法をそのまま真似したからといって、自分も成功するほど単純なものではありません。
実際に不動産投資を行っても、得られる成果や目的の達成度には個人差があり、それぞれに適した運用をすることが成功する秘訣です。自分に合った運用方法を見つけるためには、専門家の助言を受けながら知識を得ていくのがよいでしょう。
例えば、不動産投資会社に相談をして不動産の手法を選び、そのあとファイナンシャルプランナーに相談し、投資に費やす資金を具体化させるのも方法の一つです。
独学では得られないトレンドが把握できる
専門家に不動産投資の相談をするメリットは、独学では得られない情報を得たり、トレンドが分かったりすることです。
専門家は、現在の市場状況や不動産投資のトレンド、最新の投資手法など常に新しい情報を収集しています。これから不動産投資を始めるにあたって、失敗しないためには、現在の市場に応じた投資をしなければなりません。
不動産投資は書籍やWebサイトを活用し、独学して必要な知識やスキルを身につけることもできます。しかし、不動産投資の市場は刻々と変化しており、書籍やWebサイトに即時反映されるわけではありません。
頻繁にリサーチしている方も、リアルタイムで新鮮な情報を集めることは簡単ではなく、古い知識を身につけてしまう場合もあります。また、独学だと誤った情報が目に触れても、それが事実かどうか判断するだけの経験がなければ、間違った知識を習得する可能性もあるでしょう。
リスク対応できる
専門家に不動産投資の相談を行い、投資やお金の専門的な知識を身につけることによって、トラブルが発生した際に迅速な対応ができます。トラブルを早期に解決できれば、損失を最小限に抑え、早い段階で軌道修正を図ることも可能です。
不動産投資を始めると、空室や家賃滞納が発生したり、災害や老朽化によって修繕が発生したりなど、さまざまなトラブルのリスクがあります。予期せぬ事態が発生した場合に、何をしていいかわからないと、対応が遅れてしまう場合もあるでしょう。
このような事態に備えて、専門家に相談してリスク対応や専門的な知識を身につけるメリットは大きいといえます。例えば、不動産投資会社に空室に関する相談をしてアドバイスをもらうことにより、空室発生時に新しい入居者をみつけやすくなります。
相談先を選ぶときの4つのポイント
不動産投資についての相談先を選ぶ際には、トラブルや失敗を防ぐために複数の窓口を比較検討することが大切です。ここからは、相談先を選ぶ際に意識しておきたい3つのポイントについて紹介します。
希望や状況に合わせた提案をしてくれる
不動産投資についての相談先を選ぶときは、投資家の希望や状況に合わせた提案をしてくれるかがポイントになります。具体的には、丁寧にヒアリングをしてくれるか、無理のない資金計画を提案してくれるか、などを見極めるとよいでしょう。
特に、長期的な視点で最適なプランを提示してくれるなど、目先の利益だけにとらわれない視点でアドバイスしてくれるところがおすすめです。
実績がある
不動産投資の相談先は、不動産投資に関する実績があるかを確認しておくことも大切です。特に、不動産投資会社や行政書士、税理士などに相談する際には、これまでの実績に一度目を通しておくとよいでしょう。
また、実績だけでなく口コミや体験レビューなど、ほかの投資家の声や意見をチェックすれば、自分の状況にマッチする相談先かを判断する材料になります。
リスクやデメリットも説明してくれる
不動産投資会社などは「物件を販売したい」「契約を取りたい」という意識から、メリットばかり伝えてくる場合があります。
不動産投資に関するリスクを把握していないまま投資物件を購入すると、投資そのものに失敗してしまうかもしれません。
そのため、デメリットやリスクを軽減する対策などを伝えてくれるなど、さまざまな可能性や選択肢を示してくれるか、という視点で相談先を選定するのも有効です。
運用する不動産のデメリットを購入時の段階で把握できていれば、リスクヘッジのためにいち早く対策を講じることも可能になるでしょう。
セカンドオピニオンもおすすめ
不動産投資におけるセカンドオピニオンとは、1社に相談するのではなく、別の業者や専門家にも相談することです。セカンドオピニオンは第2の意見や別の意見を表す言葉であり、医療の現場で多く使用されています。
セカンドオピニオンをおすすめする理由は、お金や税金、不動産運用の専門家の中にも悪質な業者が存在しているためです。
相手が専門家である以上、提案してくる内容が正しいのかそうでないかを見極めるのは困難です。自分だけではどう判断したらいいかわからず、専門家のアドバイスに沿って行動する方も多いでしょう。
中には、専門家がこのような情報の差を利用し、オーナーが損をするような提案をしてくる場合もあります。
そうならないためにも、不動産投資の経験が少ない場合、物件の購入や売却を初めて行う場合は、セカンドオピニオンを視野に入れるとよいでしょう。
不動産投資について相談するなら準備も大切
事前に準備をしてから相談をすることで、有益な回答を得やすくなります。相談時に押さえるべきポイントを紹介します。
基礎知識を学んでおく
不動産投資について専門家に相談する場合、最低限の基礎知識を学んでおき、スムーズにアドバイスが受けられるようにしておきましょう。
不動産投資の世界ではさまざまな専門用語が多く使われており、予備知識がなければ、相談したくても上手く伝えられない可能性があります。
もちろん、初心者にもわかりやすいアドバイスをくれる専門家もいますが、相談内容を適切に伝えるためにも最低限の基礎知識は合った方がよいでしょう。
基礎知識だけでなく、直近の不動産投資の実情や賃貸需要の傾向など、リアルタイムで変わる情報も集めることが大切です。不動産投資会社が行っているセミナーや勉強会に参加したり、参考書を読んだりすると、基礎知識も身につきやすくなります。
投資目的を明確にする
相談前に不動産投資の目的を明確にしましょう。マンションや駐車場など、不動産の種類は豊富です。どの不動産に投資するかは、目的に応じて変化します。
例えば、よくある質問の「新築物件と中古物件では、どちらがよいか」「区分マンションか1棟物なら、どちらがおすすめか」に対する回答も、投資の目的によって決まります。
不動産投資のよくある投資目的については、こちらの記事で説明していますので、参考にしてみてください。
不動産投資は物件選びが重要!選び方・エリア決めのポイントは?
必要書類を用意しておく
正確な回答をもらうためには、自分の経済状況などを説明するための必要書類を準備しておきましょう。現在の収入や借り入れの状況などが分からないと、具体的なアドバイスをすることが難しいからです。
準備しておきたい必要書類の一例は、次のとおりです。
・源泉徴収票や確定申告書など
・融資返済の予定表
・収支表
【Q&A】不動産投資の相談でよくある内容
ここでは、不動産投資の相談でよくある内容と解決策をQ&A形式で解説しています。
どれくらいの自己資金が必要ですか?
不動産投資を始めるにあたって、購入を検討している物件費用の15%〜30%の自己資金が目安となります。このうち、頭金の目安となるのが物件費用の10%〜20%、諸費用は5%〜10%です。
金額は目安であってすべてに該当するわけではなく、フルローンを利用すれば、頭金0円で不動産投資を始めることができます。
頭金が多いほど融資額も少なくなるため、審査に通りやすい傾向にありますが、空室や突発的な費用の発生に備えて資金を残しておく必要もあります。
自己資金は、自身の収入や預貯金の状態に合わせて無理のない範囲で用意することが大切です。
物件の管理はどうすればいいですか?
不動産投資で購入した物件の管理は、不動産の管理会社に委託し、業務を代行してもらう形が一般的です。管理会社はオーナーに代わって賃貸物件の管理やメンテナンスを行い、さらに入居者募集やクレーム対応なども行います。
アパートやマンションを保有すると、24時間365日体制で入居者の対応を行う必要があり、特に本業がある方にとって自主管理は現実的ではないでしょう。そのため、管理会社に委託して管理を任せ、本業に専念しながら運用することをおすすめします。
ただし、管理のサービスや料金形態は会社ごとに異なり、対応力や対応範囲などにも違いがあります。管理会社選びに失敗しないためにも、実績やエリアに特化しているかどうか、対応が丁寧かどうかなどもチェックしましょう。
物件の管理に関することは以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
⇒【全解説】管理会社に委託できる業務やメリット・管理会社の選び方
不動産投資にリスクはありますか?
不動産投資には以下のリスクがあります。
- 空室リスク
- 滞納リスク
- 災害リスク
- 不動産価値の下落リスク
- 修繕リスク
- 金利上昇のリスク
この中でも、収益と直結しやすいリスクが空室リスクと滞納リスクです。
空室リスクや滞納リスクが発生すると家賃収入が途絶えることになり、返済が難しくなる可能性があります。このようなリスクに備えるためにも、需要が多い人気物件を選んだり、滞納対策として連帯保証人をつけたりなどの対応が必要です。
また、災害リスクは損害保険の加入である程度の備えは可能であり、修繕リスクも計画的な積み立てでカバーできます。不動産価値の下落や金利上昇のリスクは市場の変化によって変わるため、不動産投資を始める際にはある程度の余裕を持たせて収支計画を立てましょう。
不動産投資のリスクは以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。
⇒不動産投資とは?始める前に知っておくべきメリットとリスクを分かりやすく解説
年収が低くても不動産投資できますか?
不動産投資で金融機関から融資を受ける場合、年収700万円が一つの目安となります。
これは、金融機関が融資の審査条件として年収700万円以上を設定しているケースが多いためです。ただし、金融機関によって年収の条件は異なり、年収1,000万円以上でも融資が受けられないケースもあれば、年収500万円以下でも受けられる場合もあります。
このような差が生じるのは、金融機関の審査は年収だけでなく、勤続年数や金融資産なども大きく影響するためです。年収が低くても、勤続年数が長く安定した収入を得ている場合、金融機関からの融資を受けやすくなるでしょう。
一方、年収が高くても金融資産が少なく、他の借り入れが多いと融資を受けられない場合もあります。年収はあくまでも目安であるため、専門家にどれくらいまで融資が受けられそうか相談してみるとよいでしょう。
どんな税金がかかりますか?
不動産投資には、以下の税金がかかります。
- 所得税:家賃収入に対して課せられる税金
- 不動産取得税:不動産購入時に課せられる税金
- 登録免許税:取得した不動産の所有権を登記する際に課せられる税金
- 印紙税:売買契約書に課せられる税金
- 固定資産税:不動産を所有する個人や法人に課せられる税金
- 都市計画税:市街化区域にある建物や土地に課せられる税金
- 住民税:都道府県や区市町村に納める税金
このうち、不動産取得時のみにかかる税金は、不動産取得税、登録免許税、印紙税です。
所得税、住民税は年間所得によって変わり、固定資産税や都市計画税は固定資産税評価額をもとに算出されます。
他にも、状況によっては個人事業税や相続税、消費税などが発生するケースもあります。
不動産投資を行う場合はどのような税金がかかるかを把握し、納税も含めた収支計画を立てなければなりません。
まとめ
不動産投資は、不動産や税金、法律などさまざまな専門知識が必要になるものです。一から独学ですべてのことを勉強することは難しいため、信頼できる相談先を見つける必要があります。
相談先を選ぶ際には、投資家の利益を考えてくれているかを精査することが大切です。
不動産投資のリスクを減らし、安定した運用を行うために、専門家に相談してみるのもよいでしょう。
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