不動産投資にはデメリットもある?失敗を避ける方法も紹介!

不動産投資では、空室や自然災害、建物の老朽化など、さまざまなリスクに注意が必要です。そこで今回は、リスクを抑えて不動産投資を成功させるために押さえておくべき、具体的なデメリットの内容と効果的なリスク回避方法を解説します。

この記事は約9分で読み終わります。

デメリットが多い?不動産投資のリスクと対処法

不動産投資の代表的なデメリットは、次の7つです。

不動産投資の7つのデメリット

・空室のリスク

家賃滞納のリスク

・ローンの金利が上昇する可能性

・自然災害や事故のリスク

・建物の老朽化

・多額の自己資金の必要性

・すぐに売却できるとは限らないこと

以下でそれぞれの具体的な内容を紹介します。

空室のリスクがある

投資対象の不動産を賃貸し家賃収入によって収益を得ようとする場合に注意したいのが、空室のリスクです。

入居者がいない間は、賃貸収入が得られない一方で、経費だけが発生し続けてしまいます。物件の管理を委託している場合、空室でも委託料は発生し続け、税金などの支払いも発生します。そのため、空室期間が長引くほど損失が積みあがってしまうでしょう。

詳しくは後述しますが、空室でコストばかりが発生する結果にならないためには、借り手の付きやすい物件を投資対象に選ぶといった対策を講じておく必要があります。

空室リスクの対処法には、次の3点が挙げられます。

・人口の多い3大都市圏とその近郊で物件を選ぶ

・築年数があまり経過していない物件を優先する

・サブリース契約を利用する

首都圏を中心とする人口が多いエリアは、地方と比べて賃貸物件の需要が高くなります。日本全体でみると人口は減少傾向にありますが、首都圏を中心に人口は増加しています。需要のあるエリアの物件を所有することは空室対策につながります。

また、経年劣化が進んでいる物件は、築年数が長くなるほど需要も低下します。古い物件をリフォームしたり、新しい設備を導入したりすることも空室対策には効果的ですが、物件を選定する段階で、築年数の浅い物件を選ぶことが得策です。

最期に、サブリース契約を利用する方法についてご紹介します。サブリースとは、賃貸管理会社が所有者から物件を借り受け、管理会社から入居者に賃貸する方式の契約です。入居者から受け取った賃料は、賃貸保証料を差し引いた形で所有者に支払われます。

物件の所有者は空室が発生した場合でも、賃貸管理会社から賃料を受け取ることができるため、空室リスクを回避できるのです。しかし、サブリース手数料として一般的に10~15%の手数料が発生することから、収益性は下がります。また、契約の内容によっては、賃料の改定を交渉できる内容が含まれている場合もあり、賃料をめぐるトラブルが起きたりすることもあるため、注意が必要です。

家賃滞納のリスクがある

不動産投資の代表的なリスクに「家賃滞納のリスク」があります。

「賃貸住宅市場景況感調査」(2021年4月~2022年3月)によると、全国の月末における1ヶ月滞納率の平均は0.9%になっています。これは、100棟に約1棟で滞納が起こっていることを意味しており、滞納が発生すれば、その分家賃収入がなくなります。

リスクの対処法としては、入居者審査を厳しくする、地域の治安や住民の質を把握する、などが挙げられます。

金利が上昇する可能性がある

ローンを利用して投資用の物件を購入する際には、ローンの返済利率が上昇してしまうリスクに注意が必要です。

不動産投資で使われるローンの多くが変動金利であり、返済しなければならない利息の割合は随時見直されます。返済利率が上がれば返済額の負担も増えてしまうため、借入時に見込んでいた以上に負債が膨らむ危険性があるのです。

利用するローンは慎重に選び、借入時の利率が低くても、安易に借入額を増やさないようにしましょう。

金利上昇リスクの対処法としては、まずは、頭金を増やしてローンの金額を減らしましょう。また、金利の上昇を見込んで、経済的な余裕を持った資金計画を立てることも重要です。そのためには、金融機関や経済の情報を積極的に収集する必要があります。

自然災害や事故のリスクがある

不動産投資には、自然災害や事故が発生することで、賃貸や売却などが難しくなるデメリットもあります。

自然災害や事故の例は、以下のとおりです。

自然災害

火災、台風、地震、津波、洪水など

事故

自殺、孤独死、事件現場など

また、損害状況に応じて、修繕やリフォームを行う必要があり、余分なコストが生じることもあるでしょう。

投資用物件を選ぶ際は、災害リスクの低いエリアであるか、耐久力の高い物件であるかなどを確認することが大切です。

リスクの対処法としては、次の3つがあります。

・事前にハザードマップを確認する

・火災保険や地震保険を活用する

・複数棟所有でリスクを分散させる

これらの対処法は、ひとつではなく、複数の方法を同時に実施していくことで、より効果が上がります。

建物が老朽化する

建物は年数の経過とともに老朽化した結果、資産価値が目減りする、修繕費用が必要になるなどのデメリットがあります。

建物が老朽化すると、

・借り手が見つかりにくくなり空室リスクが上がる

・賃料を安くせざるを得なくなる

・売却時に高く売れない

などの損失が発生しやすくなります。

鉄筋コンクリート造など、構造によって老朽化しにくい建物はありますが、基本的に経年劣化は避けられません。定期的にメンテナンスを行うなど、老朽化への対策が必要です。

リスクの対処法としては、物件を購入する前に一級建築士などの専門家に建物リスクを判定してもらったり、老朽化を見込んで収支シミュレーションを立てたりすることなどが挙げられます。

多額の自己資金が必要である

不動産投資を行うには、不動産を購入しなくてはならないため、多額の自己資金が必要となります中古マンションを購入する場合であっても、1,000~2,000万円程度の資金が必要です。

自己資金を抑えるためにローンを組む場合も、物件の購入金額の1~3割ほどの頭金がかかるため、ある程度まとまった自己資金を準備しなくてはなりません。また、購入後のローン返済も念頭におく必要があります。

このように、株式などほかの投資と比べ、不動産は少ない自己資金から始めるのが難しいことがデメリットといえるでしょう。

リスクの対処法としては、ワンルームなどの小規模投資から始めてみたり、購入時にかかる仲介手数料やローン事務手数料などの諸経費を見直したりするのが有効です。

すぐに売却できるとは限らない

不動産投資では、賃貸による家賃収入だけでなく、物件の売却によっても利益を得ることが可能です。しかし、不動産は高額であるため、売りたいと思ったときにすぐに買い手が見つかるとは限りません。このような現金化の難しさも、不動産投資のデメリットのひとつです。

所有する不動産を売却する場合、基本的には買い手がいなければ売却できません。不動産は大きな買い物であり、頻繁に買い替えるものではないため、売却の手続きがスムーズに進んだ場合でも売却までに数ヶ月かかります。

地方の物件である、人気のないエリアや条件の物件である場合は、さらに売却までの時間がかかるでしょう。

リスクの対処法としては、物件購入時点で、売却の時期を資金繰りなどの計画に組み込んでおき、都心など購入希望者の母数が多い物件を選んで、購入することが挙げられます。

不動産投資のデメリットを事前に回避する方法

不動産投資にはさまざまなデメリットがありますが、以下のポイントを押さえることで事前にリスク回避できます。

リスク回避のポイント

物件価値を念入りに調査する

・資金計画をしっかり立てて余裕を見ておく

・日頃からメンテナンスをする

物件価値を念入りに調査する

不動産投資のデメリットを事前に回避するために、まずは「物件価値を念入りに調査する」ことが必要です。

例えば、複数の物件を検討する前に、立地や建物の構造、築年数などを比較します。立地や建物の構造、築年数などを調査することで物件の価値がわかり、建物の老朽化リスク、売却ができないなどのリスクが判断できるのです。

加えて、調査をすれば空室のリスクや家賃滞納のリスクなども事前に予測し、詳しい対処方法を考えられるようになります。

なお、物件価値を念入りに調査する際には、不動産会社の話をしっかり聞くようにしましょう。

資金計画をしっかり立てて余裕を見ておく

不動産投資を成功させるには、具体的で余裕のある資金計画を立ててシミュレーションしておくことが重要です。

不動産投資ローンの金利上昇による返済額の増加、自然災害や事故、建物の老朽化などによる修繕費用の発生などに備え、ゆとりのある資金計画を立てておけば、利益を確保することができるでしょう。

多額の自己資金を投じる不動産投資だからこそ、無理なく収益化できる資金計画を立ててから投資を始めることが大切です。

日頃からメンテナンスをする

定期的に建物のメンテナンスをすることも、不動産投資のデメリットを回避するうえで有効です。

建物の経年劣化は避けられませんが、適切な修繕を行うことで長持ちさせることができます。リノベーションをすれば、不動産の資産価値を高めることも可能です。劣化の少ない不動産なら、空室リスクや売却期間の長期化リスクを抑えることもできます。

長期修繕計画を立てて、日頃から入念に建物のメンテナンスを行い、建物の資産価値を維持するように努めましょう。

後悔しないために知っておきたい物件選びのコツ

次に、後悔しないために知っておきたい物件選びの3つのコツを見ていきましょう。

住宅設備や収納の充実さ

購入する物件は住宅設備や収納が充実しているものを選びます。なぜなら、入居希望者は住宅設備や収納の良さ、使い勝手を重点的に見て、入居するかどうかを決めるからです。

また、セキュリティ面や水回りなどについて、狙っているターゲット層のニーズに合った設備にすることも重要です。

物件管理は行き届いているか

物件の管理ができているかどうかは、物件選びにおいて重要です

物件を選ぶ際には、共用部の清掃やメンテナンス状況の現地調査を必ず行う必要があります。

管理会社についても、信頼できる会社に委託されているかどうか調査しましょう。

依存物件は避ける

意外と見落としがちですが、依存物件は避けるのをおすすめします。

依存物件とは、例えば大学や会社など一つの施設に依存している物件のことです。特定の施設に依存していた場合、その施設がなくなると入居者が減り、空室がでてくる可能性が高くなります。

物件の情報はどこから入手するの?

不動産投資では、物件選びが重要です。物件を選ぶ判断材料とする情報は、ポータルサイトや不動産会社から入手します。

ポータルサイトは簡単に物件の情報を得られる点がメリットですが、サイト内にはさまざまな情報が混在しています。多くの情報から良い物件の情報をピックアップする作業は、初心者にとっては難しいです。また、いい物件はすぐに売り止めになります。

そこで、物件情報は信頼のおける不動産会社から入手するのが得策です。

不動産会社を選ぶポイント

不動産会社は、WEBや書籍、口コミや紹介、自宅や勤務先の近くなどで探します。不動産情報を選ぶポイントには、次の2つがあります。

・アフターフォローをしっかりしてくれるかどうか

・賃貸仲介店舗を持っているかどうか

比較するためにも、複数の不動産会社を調べてみましょう。

まとめ

不動産投資には、不動産を所有することに伴う複数のリスクがあります。失敗しないためにも、デメリットの内容を具体的に把握し、余裕のある資金計画を立てる、投資不動産を正しく選ぶなど適切な対応を行いましょう。