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タワマンの特徴
タワマンとは、従来のマンションよりも高層であり、一般的に20階以上の超高層マンションを指します。
タワマンについて法的な定義はありませんが、固定資産税に関する税制においては60mを超える構築物が『居住用超高層建築物』となります。
そのため、20階を超える階数の超高層マンションをタワマンと呼ぶのが一般的です。
また、建物の構造上の安全性が基準に達しており、耐火性能やスムーズな避難ができる建物かなど、建築基準法で定められた項目に合格した建物となります。
なお、100m以上のタワマンになると屋上にヘリポートの設置が義務付けられるなど、緊急時の安全対策も行われます。
周辺施設が充実している場合が多い
タワマンの周辺は、買い物施設や飲食店など、周辺施設が充実している特徴があります。
なぜなら、タワマンを建てることによって人口が増えるため、周辺地域でも再開発を行うケースが多いためです。
多くの人が居住すると周辺のお店にも需要が生まれ、自然と周辺に施設が増えます。
また、駅に直結しているタワマンも多いため、通勤や通学が必要な方にとってもメリットが大きいでしょう。
共有施設が充実している場合が多い
タワマンの特徴は、共有施設が充実しており、日々の生活が便利になる設備やサービスなどが魅力的なことです。
共有施設やサービスの内容はタワマンによって異なりますが、以下のような施設を採用している場合があります。
・宅配ボックス
・24時間利用できるゴミステーション
・ゲストルーム
・フィットネス
・スパ
・ラウンジ
・シアタールーム
・展望台
・プール
・クリーニング取り次ぎ
タワマンは周辺施設と共有施設が充実しているため、生活利便性の高さに惹かれて住む人も多くいます。
セキュリティが充実している
タワマンは、エントランスのオートロックや防犯カメラの設置、有人管理など、セキュリティ対策が充実している特徴もあります。
その理由は、タワマンは多くの人が住んでいることや、宅配業者など外部の人も多く出入りするためです。
最近は、IT技術の進化によって24時間オンラインセキュリティやスマートキー、顔認証システムなどを導入するタワマンも増えています。
このようなセキュリティ対策の充実さもタワマンが選ばれる理由の一つとなっており、居住者は安心して生活できるメリットがあります。
虫が少ない
タワマンは、低層階の部屋や一戸建てに比べると虫が少ない特徴があります。
その理由は、虫の発生源は地上に近い場所が多く、さらに強い風が吹く高層階では自力で飛んでくることが少ないためです。
一方で、タワマンだからといって虫が必ず発生しないわけではなく、排水溝や段ボール、観葉植物などを通して部屋に侵入してくる場合もあります。
また、近くに公園や森林、川などがあるマンションは虫そのものの数も増えるため、侵入してくる可能性も高くなるでしょう。
タワマン購入者の主な目的は2種類
タワマン購入者の目的は、主に「不動産投資用」と「住居用」に分かれます。一般的にタワマンは住居用というイメージが強いですが、不動産投資用に購入する人も多いことを知っておきましょう。
投資用としてタワマンを購入するケース
投資目的でタワマンを購入し、最終的に売却して利益を得る人もいます。投資用の場合、自分が住むことを前提に住環境をチェックするのではなく、「将来的に売れるか」を基準に選ぶのが一般的です。
特に、新築のタワマンは10年程度で売却されることが多いです。10年程度までであればタワマンとしての資産価値が落ち切っておらず、住居用としてのニーズが期待できます。
また、売却益だけでなく相続対策の一環でタワマンを購入する投資家もいます。
住居用としてタワマンを購入するケース
最もイメージしやすい購入目的として、住居用が挙げられます。購入者本人もしくは家族が住むので、住居周辺の環境や「暮らしやすさ」を重視して選ばれるケースが多いです。
新築のタワマンをフルローンで購入すると管理費や修繕積立金など支出がかさみますが、築10年程度が経過した中古のタワマンであれば無理なく購入できます。
タワマンで不動産投資するメリット
ここでは、アパートや通常のマンションではなく、あえてタワマンを購入するメリットを解説します。
下記に十分な利点を感じる方は、タワマンでの不動産投資を検討して問題ありません。反対に、メリットにさほど魅力を感じない方は、次項で触れるデメリットも含めて総合的に判断しましょう。
入居者が見つかりやすい
タワマンは「高所得者が住んでいる」「駅直結など好アクセス」「コンシェルジュなど付帯サービスが整っている」など、ポジティブなイメージを抱かれることが多いです。そのため需要が高く、入居者が見つかりやすいのがメリットです。
空室対策にコストと手間をかけずに済み、効率良く高い利益を得られます。複数の投資用物件を管理している不動産投資家にもおすすめです。
管理コストを抑えられる
タワマンは戸数が多く、1戸あたりの管理負担が安くなるのがメリットです。高層だからこそ管理費・修繕積立金が多いイメージがありますが、戸数が多ければそれほど高い金額にはなりません。
管理コストを抑えて最小限の支出で不動産投資したいときにも、タワマン投資は向いています。
資産価値が下がりにくい
タワマンは、立地の良さ・ハイグレードな設備・利便性の高さ・ステータス性など魅力が多く、資産価値の下がりにくいことが特徴です。特に、駅に直結している場合や、今後の再開発が期待されるエリアの場合、購入時と大差ない金額で売却できることもあります。
運用益と売却益の双方を合算すれば大きな収益となるので、不動産投資家から注目が集まっている理由がわかります。
タワマンで不動産投資するデメリット
タワマンでの不動産投資はメリットが多い一方で、デメリットも存在します。
1戸あたりの初期費用が高い
タワマンはそもそもの販売価格が高額なので、初期費用がかさみます。例え中古であっても高額で販売されていることが多く、新築や築浅であれば1億円以上かかることも多いです。
自己資金で賄えるのか、自分の収入や職業でローン審査に通過できそうかなど、初期費用を捻出する策は十分に考えておく必要があります。
また、購入してすぐに借り手が現れるとは限らないので、一定期間の空室リスクについても計算に入れておくことが重要です。
ランニングコストがかさみやすい
タワマンは豪華な共用施設・高速エレベーター・非常用電源などに力を入れており、その分、管理費や修繕積立金がかかります。戸数が多ければ1戸あたりの負担額は比較的抑えられるものの、それでも一般的なアパートやマンションよりは高額です。
特に大規模修繕を控えているときは高額な一時金が徴収されるケースもあり、オーナーの負担になりがちです。
利回りは高くなりにくい
タワマンでの不動産投資は、初期費用やランニングコストがかさむ分、利回りはあまり期待できません。将来的に修繕積立金の金額が値上げする可能性もあり、当初予定していた以上に利回りが悪くなる可能性もあります。
そのため、運用時の家賃収入で稼ぐことに焦点を当てすぎず、キャピタルゲインを重視することが重要です。将来的に高く売れそうなタワマンに狙いを定め、売却益による収益化も狙っていきましょう。
タワマンと他の区分マンションを比較
区分マンションには、タワマン以外にもワンルームやファミリー物件などがあります。ここでは、タワマンと他の区分マンションを比較して紹介します。
ワンルームとタワマン
ワンルームの特徴は、学生や社会人、高齢者、外国籍など、入居者の属性や生活スタイルが幅広いことです。
入居者によってマナー意識も異なるため、放置しているとエントランスや廊下にゴミが散乱するような事態になる場合もあります。
自転車が所定の位置に置かれないような場合もあるため、共有部分においては定期清掃や管理などが重要です。
賃貸の管理においては都心のワンルームは需要が安定しているため、入居者が退去してもすぐに新しい入居者が見つかりやすい特徴もあります。さらにワンルームは部屋がコンパクトであるため、リフォームにかかる費用や工事期間も短くて住むこともメリットです。
一方、タワマンはハイグレードな設備や建材が使われており、リフォーム費用は高額になりやすい特徴があります。ワンルームに比べて家賃も高額に設定されているため、入居者の属性が高所得者に限定されやすく、場合によっては空室期間が長引くこともあるでしょう。
ワンルーム投資については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
⇒ワンルームマンション投資は得か損か?「得」にするための方法とは
ファミリータイプとタワマン
ファミリーが中心の区分所有マンションにおいては、投資用ではなく、自分が住むために購入する人が多いという特徴があります。
そのため、入居者だけでなく区分所有マンションのオーナーも他の区分所有者との関係性を築いておく必要性が高いです。
また、専有部分については部屋が広いこともあり、リフォーム費用が高額になりやすい特徴もあります。
ファミリータイプのマンションは入居年数が長くなりやすい一方で、空室が発生したときに長引きやすいことも特徴です。
不動産投資でタワマン物件を選ぶコツやポイント
タワマン投資は投資金額が高額になりやすく、数戸保有して分散投資をするとなると資金力が必要となります。
また、実際にタワマン投資を行う場合はリスクも考慮しなければならず、初心者にはやや難易度が高い投資といえるでしょう。
ここでは、タワマン物件を選ぶコツやポイントを紹介します。
価格と人気調査を行う
タワマン物件では、分譲時にどれくらい人気があったかや、当時の価格と現在でどれくらいの差があるかを調べておきましょう。
不動産投資でタワマンを検討する場合は、この先も現在の資産価値が持続されるかを見極めることが重要です。
価格が下落しているようであれば資産価値が低下していることになり、今後も同じ状況が続くようなら収益性に不安が残るでしょう。
例えば、価格が下落している理由が人口減少によって需要が下がっていたり、近くに新しいタワマンができていたりすると収益は見込めません。
一方で、過去に比べて価格が変わっていない場合や高くなっている場合は、今後も需要が見込めます。
また、タワマンは富裕層に人気の物件であるため、ブランド力の高さもマンションを選ぶポイントといえるでしょう。
慎重に事業計画を行う
タワマン物件への投資を検討している場合は、コストが高くなりやすいため、事業計画は慎重に行うことが大切です。
特にタワマンは家賃が高いこともあり、入居者がいる間は大きな利益を得られる一方、空室が発生したときの損失は大きくなります。
例えば、1億円のタワマンを区分保有する場合と、1億円のアパートを一棟保有する場合だとリスクはどちらの方が大きいでしょうか。
アパートなら空室リスクが分散されて家賃収入が0円になる可能性は低いですが、タワマンだと空室が発生した時点で家賃収入が0円になります。
そのため、事業計画を立てる際には、空室率や次の入居者が決まるまでの想定期間、余裕資金などは余裕を持っておく必要があります。
手元資金に余裕があればタワマン投資も良いですが、資金に不安を感じる場合は、ワンルーム投資やアパート投資などを検討するのも方法の一つです。
タワマン節税について
タワマン投資をする方の中には、節税を目的としている方もいるでしょう。ここでは、タワマン節税の仕組みや注意点を解説します。
タワマン節税とは
タワマン節税とは、相続税評価額と購入価額の差が大きくなりやすいことを利用し、相続税を抑える方法です。
相続税の計算は、預金や株式などは時価のままとなる一方で、家やマンションなどの不動産は相続税評価額が対象となります。
例えば、1億円の現金を持っている場合、現金のままだと1億円に対して相続税が発生します。
一方、1億円でタワマンを買った場合の相続税評価額は1億円未満になるため、課税対象額が小さくなって節税につながるという仕組みです。
タワマンが相続税対策として活用されるのは、高層階ほど価値が高くなるのに対し、相続税の計算では階層によって変わる市場価値を考慮できないためです。
上記のような理由から、タワマン投資を行う理由として、節税を目的としているケースも多くあります。
タワマン節税の注意点
タワマン節税の注意点は、2024年1月1日以降マンションの評価額が引き上げられたため、節税の効果が十分に見込めなくなったことです。
ルール改正が行われたのは、タワマンの相続税評価額が市場価格から大きく乖離しやすいことを利用し、過度な節税が問題視されたことが背景にあります。
ルール改正により、不動産の相続税評価に『評価乖離率』と『評価水準』の指標が加えられました。
これにより、マンションの市場価格と相続税評価額の乖離率が1.67倍以上となる場合、相続税評価額が市場価格の60%になるように補正されます。
ルール改正が行われる前だと、タワマンの中には相続税評価額が時価の30%だったところもあり、実質的に評価額は倍です。
そのため、現在は単純にタワマンを購入すれば大幅な節税ができるというわけではありません。
また、相続後にタワマンをすぐに売却すると、税務署から節税目的での購入と疑われる可能性もあります。
このようにタワマン節税はルールが変わってきており、取り締まりも厳しくなっているため注意が必要です。
初心者の不動産投資にタワマンは向いている?
メリットもデメリットもあるタワーマンション投資は、不動産投資に関する知識を持ち、キャピタルゲインを含む総合的な収益計画を立てられる人に向いています。一方、投資初心者の場合、タワマンの購入に対して慎重に検討する必要があります。
「知識量に自信がない」「十分な知識を仕入れたつもりだが実際に不動産投資をした経験がない」という人は、ワンルーム区分マンションなどから始めるのもおすすめです。
ワンルームの区分マンションのメリットは、下記の通りです。
・同程度の投資額で複数戸を所有できる
・ワンルームは空室から入居までの回転が速い
・災害などのリスクは複数戸あるほうが分散される
また、初期費用が少なく済むのもワンルームのメリットです。タワマン上層階の1戸を購入する金額で、中古のワンルーム複数戸を購入できる場合もあり、リスク分散しやすくなります。
メインターゲットが一人暮らしのビジネスマンや学生になるので、定期的な入居者入れ替えが生じますが、回転も早く、次の入居者が見つかりやすいです。災害時も、複数戸あればリスクが分散されるので、家賃収入がゼロになる可能性を抑えられます。
とはいえ、節税対策として不動産投資をお考えの方や明確な出口戦略がある方は、タワマンでも十分なメリットを得られます。自分に合った物件タイプを選び、リスクを最小限に抑えることが重要です。
タワマンでの不動産投資を成功させるには
タワマンで不動産投資する場合、特に下記の要素は必須項目として満たす必要があります。
・人気エリアを選ぶ
・できる限り上層階を選ぶ
・出口戦略をしっかりと立てる
・利回りを重視する
都心へのアクセスが良い・ファミリー向けの立地・駅直結など、人気のエリアは不動産投資開始から入居者が入るまでのタイムラグを最小限にできます。ファミリー向けの立地とは、学校や商業施設が多いエリアのことです。
できる限り上層階を選択するなど、タワマンのメリットを最大限に活かすことができれば、さらに空室リスクを下げられます。また、売却を前提とした出口戦略をしっかり立てること、利回りを重視することもタワマン不動産投資を成功させるために重要です。
まとめ
タワマンは資産価値が下がりにくく、管理コストを抑えられるメリットがあります。
一方、1戸あたりの初期費用が高く、ランニングコストがかさみやすいことや、空室時の損失が大きくなりやすい点に注意が必要です。
タワマンは不動産経験や知識がある人向けの物件であるため、初心者はワンルームを検討するのもよいでしょう。
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