世界と比較した東京の不動産
現在東京の不動産価格は、世界の主要都市であるロンドンやニューヨーク、シンガポール、香港などと比べると割安感があります。
例えば、ニューヨークの不動産価格は東京の数倍です。賃貸も同様で、ニューヨークでは賃貸でも家賃20万以下の物件を探すのが非常に厳しい状況が続いています。
東京も家賃そのものは高いですが、上昇率はそれほど高くありません。コロナの後、一時的に地価が下がったものの、徐々に地価が上昇するエリアが増えてきました。特に地価の上昇が目立っているのは、商業地域です。
今後コロナが収まり、インバウンドが増えるにつれて、さらに地価が上昇していくことが予想されます。駅に近いエリアの土地ほど、そのような傾向があるといえるでしょう。
ここ数年上昇している東京の不動産価格が世界のスタンダードから見るとまだまだ割安感があるのには、このような背景があります。そのため東京の不動産は狙い目といえるでしょう。
人口から見る東京の不動産
東京の家賃水準は、過去5年間のデータを見ても穏やかに上昇しています。これも投資が安定している理由のひとつでしょう。
不動産投資では、ひとつの都市に投資するだけでなく、マーケットに投資をする目線が大事です。
ちなみに持ち家率が最も低い都道府県はどこかご存じでしょうか。もっとも高いのは秋田県で、もっとも低いのが実は東京です。東京は借りる方が圧倒的に多く、それにともない賃貸市場も活性化しています。
賃貸市場において単身者の割合が圧倒的に多いです。東京都の調査によると、2040年まで継続的に単身者の割合が高まっていくと予想されています。つまり、借り手の需要が常に一定数あると考えられます。
コロナによって、東京から人口が減少したと思う方は多いのではないでしょうか。しかし、転入超過人口という視点からみると、東京から流出した人よりも流入してきた人の方が多かったのです。その多くが20~30代の若年層です。特に女性の割合が高い傾向にありました。
中央都市にはあまりみられない就業構造が関係しています。金融、IT、サービスなどの就職先が東京には多いことから、若い方、特に女性が多く転入しました。
そのような方は、安心で機能性の高い住宅に住みたいと考える傾向があります。優良な1Rマンションの需要を支えているといえるでしょう。
エリア別の東京の不動産投資の魅力
東京は、大きく5つのエリアに分かれます。
・山手線の内側
ひとつは、山手線を中心とした山手線の内側のエリアです。山手線の内側のエリアは、東京都の面積のわずか3パーセントにあたります。このエリアの不動産価格は、少し高いのが特徴です。
・城西エリア
中野区や杉並区を含む山手線の西側は、城西エリアと呼ばれています。洒落た雰囲気の街で賑やかさもあります。
・城東エリア
城東エリアとは、山手線の東側です。浅草やスカイツリーなど多くの観光名所があります。都心に近いエリアであるものの、不動産価格が安めで非常に魅力的な街です。
・城南エリア
城南エリアは、羽田空港に近い大田区などを含むエリアです。羽田空港は、今後国際化が進んでいきます。そうすると様々な事業者が出資して多くの会社が設立され、就業人口が増加するため魅力的です。
また、品川区においては、リニアが2027年に開通します。このような理由から城南エリアの人気も非常に高いです。
・城北エリア
城北エリアには、板橋区や練馬区があります。こちらは池袋から北側のエリアを指します。落ち着いた街並みが人気を博しています。
紹介したように東京には、都心部や高級住宅地、下町など様々な表情があります。それぞれの好みによって立地を選定できるでしょう。
今後の東京の再開発
不動産投資において、先々の街の変化や、将来性は非常に大事です。特に注目したいキーワードは、「再開発」です。実は東京圏には再開発が行われているエリアが多く、東京都においては非常に割合が高い状況です。
都市再生緊急整備地域への投資は国土交通省や東京都などの行政のほか、ファンドやリートなどが行います。
では、現在100年に1度の大再開発が行われている東京の渋谷には、どのような事業体が投資しているのでしょうか。渋谷といえば、東急のイメージがありますよね。
もちろん東急が主体ですが、世界最大の年金ファンドであるノルウェ―の年金ファンドが多くのお金を投入しています。要するに、世界のマネーが東京の主要都市に、開発資金として入っているわけです。
そのほか、都市再生緊急整備地域は、東京駅、池袋駅、新宿駅、渋谷駅、品川駅など、山手線の主要ターミナル駅に多く注入されます。昨年は、品川と田町の間に新しい駅ができ、再開発が加速しています。
また、羽田空港周辺の再開発も活発になっています。空港の周辺エリアの開発が進む都市は、国際的な競争力が上昇します。
さらに、MICE(マイス)の誘致も盛んになっていくでしょう。MICEとは、M(ミーティング)、I(インセンティブトラベル)、C(コンベンション)、E(エキシビジョン)の頭文字からなるビジネスイベントの総称です。
要するに、東京の世界的な競争力を高めるため、いわゆる優良ホテル、高級ホテルしかり、優良な集会場、コンベンションセンターなどの施設をどんどんつくっていくという動きです。
交通手段から見る東京の不動産
交通手段の分担率という指標があります。この指標によると、世界の中で日常的に鉄道を使う人がもっとも多く住んでいる都市は東京とされています。
東京では通学や通勤など、鉄道の利用機会が圧倒的に多いです。そのため、駅の近くに住みたいという価値観をもつ方が多くなります。それにともない、駅に近いエリアのマンションの価値も自動的に上がっていくのです。
そういった中で今後の東京では、再開発とともに新線計画も目白押しです。東京五輪後も、世界の投資家から東京は注目を浴びています。今後も魅力的な街として発展していくと考えられます。