今注目のタワコン投資とは?

今注目されているタワーマンション内のコンパクトマンション、通称「タワコン」への投資について解説しています。資産運用の重要性が高まる中、NISAやiDeCoの普及により投資人口が増加し、家計の金融資産も過去最高を記録。不動産投資も多様化し、特にコンパクトマンションの需要が増加。単身・DINKS世帯の増加に伴い、面積が小さいマンションの人気が高まっています。タワコンは立地や共用部分の充実から高い人気を誇り、将来の資産価値も期待されています。

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将来のための資産運用

インフレや年金不安など続き将来のための資産運用の重要性が年々高まってきています。岸田総理は将来の安定的な老後生活を確保するために、NISAやiDeCoなどの拡充を進めており、投資人口も増加しています。2024年からはNISAは新制度となり、国民の間でも「貯蓄から投資へ」という動きが活発になってきています。

日銀の発表によると、家計の金融資産は2024年3月末時点で2199兆円と過去最高となっています。このうち「現金・預金」は全体の50.9%を占める1,118兆円となっており、資産に占める現金・預金の割合が大きい事が分かります。こうした資産が今後ますます投資に向かう事も予想されます。

しかしNISAやiDeCoの課題・問題点としては、半年間で数兆円という莫大な資金が海外の投資信託などに移り、それがドル高→円安を招くという副作用と、さらに莫大な投資資金が国内消費に回らないという事も気になります。

投資の種類も増加

投資先の種類も多く増えています。株式や債券を始め、投資信託もインターネットやスマホでもできるようになり小口化も進んでいます。また金も世界情勢を反映して価格が上昇しています。さらにビットコインなど新しい仮想通貨なども増えてきています。

昔は財産三分法と言えば「株・不動産・現金」という時代が長く続きましたが、近年ではFX、様々な投資信託、外貨預金、新しい所ではウイスキー投資、高級時計投資など枚挙にいとまがありません。

こうした中で、古くからの歴史があり、現物投資として安定している「不動産投資」に改めて注目が集まってきています。

不動産投資の種類も多様化

江戸時代には「長屋」と呼ばれる賃貸住宅が多く建設され、多くの人の住まいとして広まりました。「大家さん」という呼び名も江戸時代からあるそうです。落語などにもよく出てきます。

その後も昭和にはアパート建設がブームになったり、また投資用のワンルームマンションが多く発売されたりと、不動産投資の人気は続いています。

こうした中で、不動産投資の対象は戸建て住宅や一棟マンション、区分所有マンション(ワンルーム・コンパクト・ファミリー)などその対象も多くなっています。

さらに不動産の証券化やクラウドファンディングなど、不動産投資の手法も細分化してきています。

コンパクトマンション投資とは

こうした中で不動産投資の中でも「コンパクトマンション投資」が注目を集めています。

コンパクトマンションとは概ね専有面積30~50㎡のマンションです。ワンルームマンションよりも専有面積が広く、主に居住用・資産運用としても人気が高いようです。

単身世帯などが増加する中で、50㎡以上のファミリーマンションよりも面積が小さいタイプのマンションの需要が増加しているからです。

20㎡台の広さのワンルームマンションよりも広いので居住性も高く、また設備や共用部分なども充実しており、都心部に勤める単身者の方の「ワンランク上の住まい」として人気です。ホテルに例えると、デラックスダブルタイプの様な感じです。

人口動向とコンパクトマンションの関係は

日本では人口の減少が問題となっていますが、実は単身・DINKS世帯などの割合は増加している傾向にあります。

総務省の発表した2020年の国勢調査によると、全国の単身世帯割合は2000年の27.6%から2020年には38.0%にまで上昇しています。さらに2人世帯も2000年の25.1%から2020年には28.1%となっており、1人世帯と2人世帯を合わせると2020年にはその割合は66.1%と非常に高くなっています。

さらに国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の世帯数の将来推計」によると、日本の総世帯数は増加が続きますが2030年の5,773万世帯をピークに減少となると予想されます。しかし単身世帯の割合は2020年には38.0%ですが2050年には44.3%にまで拡大し、また2033年には全世帯の平均人員が2人を割り込むと予測されています。

こうした1人・2人世帯の増加でコンパクトマンションの需要は今後ますます増加すると考えられます。

1人世帯、2人世帯の推移

 

2000

2005

2010

2015

2020

1人世帯数

12,911,318

14,457,083

16,784,507

18,417,922

21,151,042

1人世帯割合

27.6%

29.5%

32.4%

34.5%

38.0%

2人世帯数

11,743,432

13,023,662

14,125,840

14,876,547

15,656,588

2人世帯割合

25.1%

26.5%

27.2%

27.9%

28.1%

<総務省「令和2年国勢調査」>

単身世帯率の将来予測

 

2020

2030

2040

2050

単身世帯率

38.0%

41.6%%

43.5%

44.3%

<国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」>

コンパクトマンションのサンドイッチ現象とは

若い単身者の方の住まいとしては「ワンルームマンション」や「単身者用アパート」なども挙げられますが、やがて年収の増加などによりグレードの高いコンパクトマンションに移り住むケースも多くなっています。

また広い戸建て住宅などに住んでいた方も、シニアとなり子供が独立して単身または夫婦2人世帯となり、コンパクトマンションに移り住むケースも散見されます。

このように若い世代、高齢世代ともにコンパクトマンションの需要層となります。これを筆者はコンパクトマンションの「サンドイッチ現象」と呼んでいます。

首都圏のコンパクトマンション市場の動向は

では実際にコンパクトマンションはどれ程発売されているのでしょうか。

不動産経済研究所の調べによると2023年に首都圏で新規に発売されたコンパクトマンション(30㎡以上50㎡未満)は3,617戸で、全発売戸数2万6,886戸に対する割合は13.5%となりました。シェアは2年連続で拡大しています。

近畿圏では2023年に発売されたコンパクトマンションは1,215戸でシェアは8.1%と首都圏よりも低くなっていますが、近畿圏は2013年にはコンパクトマンションのシェアはわずか3.6%でしたので増加してきている事が分かります。

今後、1人または2人世帯が大きく増加する中でコンパクトマンションの供給数は少なく、希少性も高いと考えられます。

2023 <首都圏>コンパクトマンション発売戸数の推移

 

2019

2020

2021

2022

2023

発売戸数

2,798戸

3,498戸

3,663戸

3,357戸

3,617戸

シェア

9.0%

12.8%

 10.9%

11.4%

13.5%

<不動産経済研究所「首都圏・近畿圏コンパクトマンション(専有面積30㎡以上50㎡未満)供給動向」>

2023 <近畿圏>コンパクトマンション発売戸数の推移

 

2019

2020

2021

2022

2023

発売戸数

1,003戸

997戸

1,265戸

1,202戸

1,215戸

シェア

5.6%

6.6%

6.7%

6.7%

8.1%

<不動産経済研究所「首都圏・近畿圏コンパクトマンション(専有面積30㎡以上50㎡未満)供給動向」>

コンパクトマンションの種類は

コンパクトマンションと一概に行っても、そのマンション全体のタイプによって大きく4種類に分かれると言えます。

(1)全戸がコンパクトマンション

(2)ファミリーマンションの中のコンパクトマンション

(3)ワンルームマンションの中のコンパクトマンション

(4)タワーマンションの中のコンパクトマンション

こうした様々なタイプの中でも、(4)のタワーマンションの中のコンパクトマンション、いわゆる「タワコン」に注目が集まっています。

その理由について見てみましょう。

人気の高いタワーマンションの中のコンパクトマンション、「タワコン」の魅力は

タワーマンションの中の住戸のタイプは様々な種類が設定される事が多く、コンパクトマンションタイプが含まれる事も多くあります。

タワーマンションは一般のマンションと比較して建物規模や敷地面積などが大きく、共用部分も充実している事が多いので人気も高いと言えます。

またタワーマンションの立地も湾岸エリアや、主要沿線の駅前など一等地に建設される事が多くなっています。これは事業規模が大きいため、民と官での共同のプロジェクトとなる事も多く、地域の発展とも連動しているため、地域の主要エリアに建設される事が多いと言えます。

同じタワーマンションでは広い部屋に住む人もコンパクトを買う方も、基本的には共用部分は一緒で優雅さも享受できると言えます。

通常のファミリーマンションと比べてタワーマンションはエントランスホール、エレベーターホール、ロビーなどが中にはシティホテル並みの物件もあり、またタクシーを呼ぶなど様々なサービスを有するフロントサービス、充実した共用部分においてはプール、ジム、中には温泉施設付き、さらにゲストルームなどいささか管理費・修繕積立金が高くなるという難点はあるものの、それを補って余りある一坪当たりの賃料の高さ、さらに資産価値・資産性の高さなどのメリットもある訳です。

タワーマンションを複数個購入する方も多い

以前私が講演させて頂いた大阪の四ツ橋駅近くの「響きの街」というマンションは総戸数が800戸以上ありましたが、そのマンションの契約者の多くの方が複数個購入されていました。例えば居住用としてファミリーマンションを購入して、資産運用としてコンパクトタイプの二つを持つというスタイルです。

首都圏のタワーマンションにおいても同じマンションを複数戸持つ方は非常に多いという印象を筆者は持っています。

今後の動向としては、タワーマンションは駅に近いまとまった用地を必要とされますので、今後の大量供給という事も難しい時代が到来するかもしれません。その分、築浅のタワーマンションの中のコンパクトマンションはその資産性と希少性はさらに際立つ可能性を帯びています。

さらに最近では1ドルが160円前後に推移するなど円安がすっかり定着してきました。そのような状況の中で、外国人投資家は特にタワーマンションを好む傾向があると筆者は感じていますが、ますますその人気は高まっていくのではないでしょうか。

タワコン投資とは

こうしたタワコンを投資で購入する方が多くなっています。タワコンの良い所は投資戦略が立てやすい事にあります。例えば、当所は投資用として購入したタワコンを20年間所有して、その後賃貸入居者が退去したタイミングで部屋の中を全面リフォームして部屋の中を空室状態で「居住用として」販売するという戦略です。投資資産運用だけの着眼点ですと、収益還元法がどうしてもからむので、そこは一旦リセットして、居住用としても資産運用としても販売しやすい「投資の間口を広げる」事も戦略として挙げられます。

東京晴海で選手村として建設されたマンションは「晴海フラッグ」として一般に分譲されましたが、多くの方が投資で購入しており、また現在は販売価格を大きく上回る価格で取引されているようです。

好立地で設備の優れたタワーマンションの賃貸需要も多いですが、ほとんどが自己居住用のため賃貸住戸が少ないケースもあります。そのため賃料も下がりづらく、また空室率も低いと言えます。

タワーマンションは規模が大きいため公共の援助などを受けている場合もあり、そうした場合には投資目的での購入が規制される場合もあります。つまり投資用に購入できるタワーマンションの住戸は少ない傾向にあると言えます。

単身者の中にはワンルームマンションに居住していても、年収の増加などにより住まいもグレートアップしたいと考える方も多くいらっしゃいます。しかし駅近・好立地のタワーマンション立地の供給はそれほど多くなく、タワーマンションに住む場合は賃貸となるケースが多くなります。

資産寿命の長いタワーマンション

不動産投資においても資産寿命の長い物件が脚光を浴びる時代が到来しています。タワーマンションは厳しい建築の規制があり安全も高い建物となっていますので人生100年時代における資産寿命が長い物件としての条件をクリアしていると言えます。

タワーマンションは100年コンクリートを採用したり、耐震性においても最も厳しい基準をクリアしているなど、構造的な信頼度はピカ一と言っても過言ではありません。

優良な立地の優良な構造のタワコンはますます人気が出てくるかと考えます。

好立地のタワーマンションは価格も上昇傾向にあり、将来の資産価値も落ちづらいと考えられます。

ダブルコンパクトの時代到来へ

近年では日本において少子高齢化、人口減が加速しています。これに伴い、地方都市においてはバスやタクシーの運転手さんの不足などから減便や廃線などが社会問題となっています。また電気ガス水道などの社会インフラも伸びすぎるとそのメンテナンス費用も財政を圧迫する訳です。

そこで例えば全国の多くのエリアで展開されている「コンパクトシティ構想」があります。それはなるべく駅の近くに商業施設や居住エリアを集約して社会インフラの効率化を目指すものです。一例を言うと、甲府市などは駅の近くに住宅を買うと、行政から交付金が出るという制度もかつてありました。

つまり時代の流れとしては、コンパクトシティの中のコンパクトマンション(タワコンを含む)の存在価値がクローズアップされる時代の到来と言えます。

今後タワコンを狙う際には、必ずしも東京名古屋大阪などの巨大都市圏だけではなく、政令指定都市の中のコンパクトシティの中の駅近くの好立地のタワコンを狙うのも価格面から言っても魅力のある投資対象と言えるのではないでしょうか。