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空室が長期的に続く主な5つの原因
空室対策を行う前に、長期的に空室が続く原因を知る必要があります。
下記で紹介する原因はエリア・部屋タイプに関係なく共通する問題のため、現在の物件、もしくは今後投資予定の物件が下記に該当しないか確認しましょう。
1.家賃設定が適切ではない
家賃設定が適切でないと、入居検討者の減少を招きます。
入居者にとって家賃は、諸条件のなかでもっとも重視する項目の1つです。家賃は毎月支払う費用であり、光熱費や食費と違って個人の努力だけでは節約できないため、最初から安めの家賃を狙う人が多いでしょう。
不動産会社や物件比較サイトであらかじめ「家賃10万円以内」といった自分の理想に合う額を提示し、物件を絞り込んでいく人が多いと理解しておきましょう。相場より明らかに高額な家賃であったり、生活の利便性に見合っていない家賃だったりするときは、見直しが要るかもしれません。
2.物件自体の競争力が弱い
物件自体の競争力が弱いと、入居者を獲得しづらくなります。例えば、築年数が経っていても間取りが広ければ、部屋の広さを重視する人の入居につながるかもしれません。
同じく、部屋が多少狭くても駅・スーパー・コンビニが近いといった、生活するのに便利な物件であれば、利便性を重視する人を獲得できます。反対に、競合物件と比較して強みとなる部分が何もなければ、選んでもらえる可能性が下がります。
投資物件にネックとなる部分があっても諦めず、魅力をアピールする努力が大切です。
3.管理が行き届いていない
管理が行き届いていない物件への入居を懸念する人は多く、比較されるポイントです。マンションやアパートの場合、玄関・郵便ポスト・階段・エレベーターの手入れがされていなければ「治安が悪いのではないか」と思われてしまいます。
管理会社との関係性が悪い、もしくは極端に薄い場合、住んでいる間のトラブルにきちんと対応してくれるか不安になるのも自然です。内見時には、部屋だけでなく建物全体の雰囲気や管理会社との関係性まで見られている意識をもちましょう。
4.設備が古くなっている
設備が古くなっていて現代の生活に合わない場合も、空室率が高くなる傾向にあります。
例えば、A4サイズの封筒が入らない小さな郵便受けしかない場合や、宅配ボックスがない場合は、荷物の受け取りに不便さを感じるかもしれません。古くて使い勝手の悪い洗面台・建付けの悪い扉・お湯がなかなか出ない給湯器も、懸念材料になりがちです。
特に毎日使う部分は気にする人が多いので、注意しましょう。時代のニーズやトレンドに合った設備であるかの確認が大切です。
5.内装が魅力的ではない
内装デザインが魅力的でない場合、見栄えが悪くなるので内見時に良い印象を残せません。同様に、壁紙が剥がれかかっている、天井や床にシミがあるといった「使えなくはないがイメージがよくない」部分もよく見られているので、念頭に置いておきましょう。
内装工事を管理会社や施工会社に丸投げしている場合、上記のようにデザイン以外の問題も生じやすくなります。近年はオーナー自らチェックして細かくオーダーする物件も増えているので、参考にするのも良いでしょう。
効果的な空室対策とは?
ここからは、効果的な空室対策を4つご紹介します。
家賃などの条件面を工夫する
ターゲットは、周囲の物件と比較して入居を検討します。競合物件に負けない条件を提示して、入居者の確保に努めましょう。
自力で競合調査をするのが難しい場合は、管理会社の協力を得ながら、以下の項目をチェックしてみてください。
・周辺に同じグレードの物件がどのくらいあるのか
・同じ家賃でどういったグレードの部屋があるのか
・競合物件にどのような設備がついているか
・家賃の相場はいくらか
クリーニングやリフォームなどで部屋の印象を変える
入居者の需要に合った部屋にするためのクリーニングやリフォーム・リノベーションもおすすめです。
このとき、周辺の競合物件がどのような設備がついているのか、売れている物件の特徴を下調べしたうえで、必要な対策をすることが重要です。
良かれと思って「防音仕様」にリフォームをしても、一人暮らしの高齢者にとっては孤独感が増してしまうといった理由で、避けられてしまうケースもあります。
個人で下調べをするのが難しい場合は、管理会社に相談してみるのも1つの方法です。
不動産事業は、長期勝負です。目先の出費を惜しむか、適切にメンテナンスへの投資をするかで、最終的な収益に大きな差が出ます。
リフォームやイノベーションをするかどうかの判断基準は、以下の5つの項目を参考にしてみてください。
・修繕費用の出費によって、何円の家賃上昇が見込めるのか
・修繕しなかった場合と比べて、何円の家賃下落を避けられるのか
・売却価格が、何円上昇するか
・修繕しなかった場合と比べて、空室がどれくらい早く埋まるのか
・空室期間短縮によって、何円の収入が見込めるか
なお、【事例あり】賃貸物件のリフォーム内容と費用相場を解説!では、水回り設備や部屋・居室、外観・外まわりのリフォーム内容と費用相場について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
広告コストに投資する
リフォームやリノベーションといった修繕も大切ですが、実情は広告料に投資したほうが、費用対効果が大きいケースがほとんどです。
より多くの人に物件の存在をアピールできれば、入居の可能性は高くなります。広告料はエリアによってさまざまですが、家賃の1ヶ月~2ヶ月程度が一般的です。
目に見えない‟広告料“にお金を投じるのは、抵抗がある人が多いかもしれません。しかし、物件の存在が知られていないことが空室の一因である可能性もあります。広告費は、入居者獲得・長期的な安定経営のための必要経費と考えましょう。
広告を打つ際は、周辺の競合物件の情報を参考に、ターゲットを意識した施策が重要です。まずは、自分の物件の強みを洗い出して、「独身」「ファミリー」「ペット持ち」「高齢者」「外国人」といった層のどこにピッタリの物件なのかを明確にしましょう。
インターネット上の広告であれば、写真や動画をうまく活用して、視覚的にわかりやすく強みをアピールするのが効果的です。
管理会社の見直し
物件を維持するための必要経費は、各管理会社によって異なります。良心的な管理会社への切り替えによって、大幅なコストカットが見込めるでしょう。
一般的な管理会社では、オーナーと入居者の間に仲介会社を挟むケースが多いです。一方で、仲介会社を挟まずにオーナーと入居者をダイレクトにマッチングする形でコストカットをしている管理会社もあります。
後者の管理会社では、オーナーが負担する広告費や、入居者の仲介手数料を削減できます。必要経費を抑えられるため、家賃の値下げや敷金礼金をなくすといった施策を立てやすくなるのです。
良心的な管理会社選びは、オーナーだけでなく、入居者のお金の負担も軽減できるので、入居率の向上につながるはずです。
【空室対策】時代に応じたニーズの変化も考慮する
空室対策をする際は、時代に応じたニーズの変化も考慮しましょう。
近年であれば、ポータルサイト経由での問い合わせが多い、オンラインでの内見サービス利用者が増加しているといったトレンドを押さえた対策が大切です。初期費用も含めてクレジットカード払いを希望する人が増えており、利用者の傾向も変わりました。
ニーズに合った対策を心掛ければ、確実に空室率は下げられます。情報を常にキャッチし、エリアやターゲットに合わせて対策していきましょう。
まとめ
不動産投資をする際は、空室率を下げる対策が欠かせません。今回紹介した内容や時代のニーズを参考にしながら、効果的な手法を打ち出しましょう。
物件や地域によって狙えるターゲットや需要は大きく変わるため、個々に合わせた対策をすることがポイントです。