目次
ロボアドバイザーとは
ロボアドバイザーとは、AI(人工知能)を使って、資産運用のアドバイスやサポートを提供するシステムです。具体的な内容について、以下3つの観点で紹介します。
・AI投資ならではの特徴
・2種類の運用方法から選択可能
・ロボアドバイザーの利用方法
AI投資ならではの特徴
AIを活用し、大量のデータ解析をもとにしたポートフォリオ(運用方法)の提案が最大の特徴です。事前の質問に答えるだけで金融商品の組み合わせを提案してくれます。
また、サービスによっては自分に代わって運用してくれるため、ほったらかしの運用も可能です。
2種類の運用方法から選択可能
ロボアドバイザーは「アドバイス型」と「投資一任型」の2種類から選択できます。
アドバイス型は、商品の選択や売却のタイミングなど、投資に関するアドバイスが受けられる運用方法です。運用は自身が主体となって進める必要があります。
一方の投資一任型は、商品の選択から運用まで、ロボアドバイザーに文字通り一任する運用方法です。これから投資を始める方や、できるだけ手間をかけずに投資をしたい方は、投資一任型が始めやすいでしょう。
ロボアドバイザーの利用方法
ロボアドバイザー利用までの流れについて説明します。
1.一任型かアドバイス型か、どちらで運用したいかを決める。
まずは、自動で運用してもらうか、自分で決めて運用するかを決めます。現在では、一任型のロボアドバイザーが多いです。一任型は初心者向け、アドバイス型はある程度知識を有している方向けです。
2.サービスの違いを比較して利用するロボアドバイザーを決める。
ロボアドバイザーによって、最低投資資金や、機能の違い、手数料、NISA(少額投資非課税制度)対応の有無など様々です。安心できるサービスを選ぶようにしましょう。
3.リスク許容度診断を受ける。
アプリをインストールして、いくつかの質問に答えていくと、自身のリスク許容度が分かります。ロボアドバイザーによって、5段階〜7段階など分けられています。
4.口座を開設する。
ユーザー登録をし、口座を開設します。口座の開設には、マイナンバーカード、もしくは通知カードやマイナンバー記載住民票と、本人確認用の書類が必要になります。あらかじめ、データを用意しておきましょう。
5.運用プランを決める。
リスク許容度の診断結果をもとに、プランを選びましょう。運用シミュレーションが見られるロボアドバイザーもあるので、参考にしても良いでしょう。
6.口座に入金する。
クイック入金に対応しているロボアドバイザーなら、即座にインターネットバンキングの口座から入金できます。メガバンクに口座を持っていれば、おすすめの入金方法です。引き落とし口座と、月々の積立金額を設定すれば、運用開始です。
ロボアドバイザーと投資信託との違い
ロボアドバイザーと比較される資産運用方法の投資信託との主な違いとして、以下6点が挙げられます。
・投資商品としての違い
・投資での手間の違い
・リスクの違い
・投資額の違い
・コストの違い
・投資までの時間の違い
投資信託とは、投資家から資金を集め、専門家が運用する金融商品です。ロボアドバイザーは専門家に代わり、投資のアドバイスや、運用を代行するサービスになります。
投資信託は、ロボアドバイザーよりも多くの手間がかかります。具体的には、商品の選定から、入金、発注、必要に応じてリバランスまで、全ての工程を自分で行う必要があります。
投資信託は自分で商品を選ぶため、市場の動向に合わせて比較的簡単にカスタマイズできます。しかし、投資に関する知識が十分ではない初心者の場合、リスク許容度に合わない商品を選んでしまう可能性がある点には注意が必要です。
そして、ロボアドバイザーは口座開設にかかる全ての手続きがオンラインで完結できる分、運用開始までの時間が短く済みます。特に投資一任型であれば、ほぼ手間なく時間もかけずに運用が可能です。
ロボアドバイザーで運用するメリット
ロボアドバイザーで運用して得られる主なメリットは、以下の3点です。
・資産運用のハードルが下がる
・無用なストレスを感じず運用ができる
・選択肢に迷わず商品が選べる
資産運用のハードルが下がる
ロボアドバイザーはAIを使うため、経験や実績がなくても、資産運用が始められます。投資初心者にとって、投資に関する知識を身に付けることのハードルも高いのではないでしょうか。
誰もが、大切なお金が投資のために減ってしまったらと、不安に思います。しかし、ロボアドバイザーなら、知識ゼロでも安心して始められます。もちろん、元本割れのリスクはある程度考慮する必要があるため、余剰資金での運用が好ましいです。
無用なストレスを感じず運用できる
資産運用を始めると、市場の動向が気になりストレスに感じる方もいるかもしれません。
投資信託は、定期的にリバランスを検討しなくてはいけません。リスク回避のために、購入のタイミングをずらしたり、投資金額を分散させたりと、気配りは欠かせません。
ロボアドバイザーは、AIに運用を任せられるため、市場の動向を一般的な投資信託ほど気にする必要がありません。日々の情報収集に一喜一憂せずに済みます。
選択肢に迷わず商品が選べる
ロボアドバイザーは、無料診断で自分の好みや運用に適した商品を選んでくれます。これがロボアドバイザーの最大のメリットではないでしょうか。
投資の知識がなければ、商品を選ぶにも迷い、時間を要します。投資できる対象銘柄は金融機関やサービスによって違いがありますが、数千から2万以上と多種多様です。その中から、自分の理想とする投資先を見つけるには、知識と情報収集が必要です。
ロボアドバイザーなら、自分にあった商品の選択、理想に近い銘柄への投資、運用を短時間で簡単に行えるようになります。初心者や忙しい方におすすめのサービスと言えるでしょう。
ロボアドバイザーを利用する際の注意点
メリットがあれば、当然注意点もあります。具体的には以下の3つです。ご自身が許容できる内容かどうか、一つずつ確認してください。
・手数料が高い
・短期では成果が出にくい
・商品の選択肢が少ない
手数料が高い
ロボアドバイザーは、常時約1%の手数料がかかります。特に、投資一任型は高く設定されている傾向です。
サービス利用手数料と運用手数料の他にも、信託報酬やサービスによっては利益に対する成功報酬がかかるため、運用に必要なランニングコストは事前に確認しておきましょう。
なお、投資信託の場合、購入時の手数料は0〜3%、信託報酬は年0.1〜3%程度です。手元の商品を売る際にかかる信託財産留保額は、解約時の時価に対して0.1〜0.3%と低額で、かからないサービスもあります。
以上のように同じ商品であっても、投資信託よりロボアドバイザーの方が手数料は高くなります。手数料の高さと手間を天秤にかけて、メリットを見出せるかの確認が肝要です。
短期では成果が出にくい
投資信託もロボアドバイザーも選択できる商品の多くが、10年以上の長期投資を前提としています。
よって、デイトレードや月単位の短期間で成果を出す目的で始めてしまうと、思わぬ損失を被る可能性があります。
ご自身の資産運用における目的や目標と、ロボアドバイザーが合っているかは、商品購入前に検討したうえで最適な選択が必要です。
商品の選択肢が少ない
ロボアドバイザーで選べるプランはリスク許容度ごととなっており、選択の自由度は低いです。投資信託では、国内株式、国債株式、国内債券、国債債券などから投資方法を選べるうえ、投資地域も限定できます。
また、投資信託には月々100円からの積立投資ができる商品がありますが、ロボアドバイザーだと、月々100円から運用ができるサービスは限られています。より少額での資金運用を考えている場合の選択肢の幅は、限りなく狭くなるでしょう。
自身が気になったものや、専門家がおすすめしているものを購入したいと思う場合は、ロボアドバイザーではなく、投資信託での運用がおすすめです。
まとめ
ロボアドバイザーは、商品の提案から運用までをAIにサポートしてもらえるサービスです。投資初心者でも、失敗する確率をおさえられる可能性はありますが、手数料の高さや条件によっては、商品が少ないなどデメリットもあります。ご自身の投資運用に合致するかどうか、無料診断を受けるところから始めてみてはいかがでしょうか。