不動産投資での現金一括とローンを徹底比較!向いている人の特徴も紹介

不動産投資には、現金一括で不動産物件を購入して運用を始める方法と、ローンを借り入れて始める方法のふたつの選択肢があります。どちらにもメリットとデメリットがあるため、自身の状況や資金面の余裕などを総合的に考慮して判断することが大切です。 今回は、現金一括もしくはローンで不動産投資を始めるメリット・デメリットについてそれぞれ紹介します。

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目次

『現金一括』で不動産投資を始めるメリット・デメリット

現金一括で不動産投資を始める場合のメリットやデメリットについて解説します。

現金一括で始めるメリット

不動産投資を現金一括で始めるメリットには、以下のようなものがあります。

購入できる物件の幅が広がる

現金一括であれば、購入できる不動産物件の幅が広がり、運用の選択肢が増えることがメリットのひとつです。たとえば、ローン査定にとおりにくくなってしまうような年齢や年収などに左右される心配なく、物件を選択できるようになります。

また、自分の好きなタイミングで不動産投資を始めることができるので、慌てて物件を選ぶ必要なく、しっかりと精査できるのも現金一括購入のメリットです。

返済期間がない

返済期間がないことも、不動産物件を現金一括で購入するメリットのひとつです。ローン返済に毎月支出することがないため「借金を背負って運用している」という精神的負担も軽減することができます。

利息や手数料がかからない

不動産を現金一括で購入すれば、ローンのように利息や手数料がかからず、購入費用の総額を抑えられるのもメリットのひとつです。

そのため、物件の購入予算を利息や手数料を抜きにして設定でき、投資に投入する資金を最小限に圧縮できます。

手続きが早く済む

不動産投資では、人気のある物件ほど購入者が早く現れるため、契約までのスピードが投資の成功を左右するケースも多くあります。

現金一括で不動産を購入すればローン査定を待つ時間を短縮できスピーディーに購入契約に踏み切ることが可能でしょう。

現金一括で始めるデメリット

不動産投資を現金一括で物件を購入し、運用を始める場合のデメリットについて紹介します。

手元の現金が大きく減る

不動産の購入金額は、数千万円~数億円単位になることが多く、手元の現金が大きく減ることがデメリットのひとつです。

物件を購入する際に手元にある程度現金を残しておかなければ、急な出費に対応することができなくなるおそれがあります。

資産形成までに時間がかかる

不動産投資を現金一括で始めると、資産形成までに時間を要するため、投資に投じた資金の回収に時間がかかるデメリットがあります。

現金一括購入で不動産投資を行う場合、投じた資金に対してプラスのリターンを得るまでには、時間が必要になることを念頭に置いて投資を行うことが大切です。

レバレッジ効果が得られない

不動産投資を現金一括購入でスタートすると、資金に対してレバレッジ効果を得ることができません。レバレッジ効果とは「てこの原理」と呼ばれる投資手法のひとつです。

たとえば、600万円の頭金で1,400万円を借り入れてローンで投資をスタートすると、600万円の投入資金で2,000万円の物件を運用できる形になります。

現金一括購入では、物件の購入資金を全額賄う必要があるため、投資効率の面ではローンで不動産投資を行うよりも劣る場合があります。

『ローン』で不動産投資を始めるメリット・デメリット

ここでは、現金一括購入ではなく「ローン」を組んで不動産投資を始める場合のメリットとデメリットについて解説します。

ローンで始めるメリット

不動産投資をローンで始めるメリットには、以下のようなものがあります。

現金が少なくても始められる

不動産投資をローンで始めるメリットは、自己資金が少なくても始められる点です。頭金としてある程度の現金を準備する必要もあれば、全額ローンを組んでスタートできる場合もあります。

ローン審査の条件によっては、現金一括購入よりも投入資金を抑えてスタートすることが可能です。

金融機関からの信用度が高くなる

ローン審査に通過していることで、金融機関からの信用度が高くなるメリットがあります。

また、返済実績を積み重ねていくことで、より信頼されるようになるため、新たな借り入れも行いやすくなるでしょう。

ローンの費用を経費にできる

ローンを組んでいると、返済費用に金利が上乗せされます。金利は、経費として計上でき、課税所得を圧縮することが可能です。

レバレッジ効果が得られる

不動産投資はローンを組んで始めると、上述のとおりレバレッジ効果を得ることができます。少ない資金からでもローン審査さえ通過すれば、大きな金額で運用できる点がローンのメリットです。

団体信用生命保険へ加入できる

不動産投資をローンで始める場合、団体信用生命保険に加入することができます。団体信用生命保険は、加入者が亡くなった際にその後のローン支払いが免除されるものです。ローン完済前の不測の事態に備えられるメリットがあります。

ローンで始めるデメリット

ここからは、不動産投資をローンで始めるデメリットについて紹介します。

審査に時間がかかる

審査に多くの時間がかかる点がローンを組んで不動産投資を始める場合のデメリットです。ローン審査には、一般的に10日~2週間程度の期間が必要になります。不動産の購入契約までに時間がかかることを念頭に、計画的に投資をスタートさせることが大切です。

金利や手数料がかかる

ローンの場合、不動産投資を現金一括で始めるのと比べて金利や手数料が発生します。返済にかかる費用負担を考えると、総支払額が現金一括よりも大きくなることに注意しましょう。

返済リスクや金利リスクがある

ローンを組んで不動産投資を始めると、返済リスクや金利リスクが発生します。返済リスクは、空室などが発生して家賃収入が得られなかった場合に、ローン返済が負担となるケースです。

また、金利リスクは変動型金利を選択してローンを組んでいた場合に、金利上昇によって負担が増加する可能性があります。

それぞれの方法で向いている人の特徴を紹介!

不動産投資を始める方法として、現金一括とローンそれぞれに適している人の特徴を紹介します。

現金一括の購入はこんな人が向いている!

現金一括購入による不動産投資は、以下のような人に適しています。

余剰資金が多くある人

現金一括で不動産を購入すると、多くの資金が減少するため余剰資金に余裕のある人に適しています。余剰資金が多ければ、余裕をもって運用できるでしょう。

融資が受けにくい物件の購入がしたい人

融資を受けにくい物件の購入を検討しているのであれば、現金一括購入の方が適しています。担保性が低いと判断されやすい再建築不可物件なども、現金一括であれば運用可能です。

リスクを減らして不動産投資がしたい

リスクを減らして不動産投資がしたい人にも、現金一括購入の方が適しています。現金一括購入には、ローン返済リスクや金利変動リスクなどもないため、安心して投資できるでしょう。

相続税の対策をしたい人

相続税対策をかねて不動産投資を行いたい人にも、現金一括購入の方が適しています。手元にある現金を不動産として残すことで、相続税の負担を軽減できるためです。

ローンの購入はこんな人が向いている!

ローンを組んで不動産投資を始める方法は、以下のような人に適しています。

収入が安定している人

ローンの審査は、収入が安定している人の方が通りやすいため、安定した収入を得ている人はローンでの不動産購入に適しています。

金融機関からの信用があり融資が受けやすい人

これまでにローンを返済してきた実績があるなど、金融機関からの信用がある人も融資が受けやすいため、ローンでの不動産投資に適しています。

レバレッジ効果が得たい人

レバレッジ効果を得て不動産投資をしたいのであれば、ローンを組むことをおすすめします。投資資金の回収も現金一括購入よりも早く済むので、検討してみると良いでしょう。

効率的に不動産投資がしたい人

効率的に不動産投資がしたい人も、ローンでの購入がおすすめです。手元の資金を頭金としてローンを組むことができるため、ローンを活用すれば複数の物件を運用することが可能です。

余剰資金があまりない人

余剰資金があまりない人にも、ローンを活用した不動産投資の方が適しています。ローンを組むためにある程度の頭金を準備する必要はありますが、急な出費が生じるなどのリスクに備えて手元にも資金を残しておくと安心して運用できるでしょう。

まとめ

不動産投資は、現金一括購入でもローン購入でも、それぞれにメリットとデメリットがあります。そのため、自身の状況や資金量などに応じて、メリットが大きい方法で投資を始めると良いでしょう。