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海外不動産投資のメリット
海外不動産投資は、国内不動産投資よりも大きな利益を狙える可能性を秘めています。ここでは、海外不動産投資におけるメリットについて紹介します。
海外には人口増加傾向の国がある
少子高齢化が続く日本では、人口減少にともない賃貸需要も減少することが将来的に不安視されています。
一方、世界人口は減少傾向ではあるものの、日本ほど急激ではありません。総務省統計局の資料によると、西暦2100年に向けての年平均人口増減率は全体では減少していますが、北アメリカやヨーロッパ諸国では横ばい、あるいはわずかに上昇するものと推計されています。
人口が増えている国では、引き続き賃貸需要が期待でき、不動産投資のリスクのひとつである空室リスクが少なくなります。
不動産価格が上昇傾向の国では売却益が期待できる
経済が成長している国では不動産価格も上昇傾向にあることが多く、家賃収入だけでなく売却益も期待できます。
日本では、賃貸住宅は築年数が経過するにつれ資産価値が低下し、家賃も下落することが一般的です。しかし、海外では日本ほど中古物件の価値は下落しません。
特にアメリカでは、中古物件の販売においてインスペクション(住宅診断)が必ず実施されます。透明性の高い過去の取引情報などが一般公開され、中古でもその物件に見合った適正な価格・家賃で取引できるようになっています。日本のような新築至上主義もありません。
分散投資で自然災害リスクに備えられる
不動産投資には、自然災害によって物件が毀損してしまうリスクがあります。自然災害リスクに備えるには、異なるエリアに物件を分散させる手法が定石です。
しかし、地震や台風などの災害が多い日本では、安心といえるエリアがないに等しいといえます。災害の少ない海外の不動産へ投資することで、自然災害リスクの軽減が可能です。
海外不動産投資にチャレンジする前のチェックポイント
海外不動産投資には、現地の言語や法律との壁があり、投資初心者にとって簡単ではありません。しかし、成功させている人もいて、注目が高まっています。そこで、投資初心者が海外不動産投資にチャレンジする前に、チェックすべきポイントを紹介します。
チェック1.不動産登記制度
不動産の所有権を明確にする不動産登記制度は、国によって異なります。外国人に対しては不動産の所有に制限を設けている国が多いです。
たとえば、シンガポールでは建物は所有できても土地の所有権を持つことはできません。また、売買価格の20%の付加価値税や、短期譲渡に対して最大12%の譲渡税が課されます。
このように、日本国内とは違った予想外の購入・売却コストが発生する可能性があるため、事前に各国の制度についてしっかりと調べることが大切です。
チェック2.国とエリア
投資先は、人口増加中かつ経済成長中の安定した賃貸需要を期待できる国やエリアを選ぶことがポイントです。
ただし、日本国内同様、地方は過疎化しているのに首都圏の人口は増加しているなど、同じ国内でも人口に差があります。エリア選びは慎重に行いましょう。
また、海外では治安の問題もあります。入居者の質に関係するため、治安の良い場所を選択しましょう。
チェック3.不動産会社
海外不動産投資では日本国内と違い、物件選びの際に現地に訪問して直接確認することは難しくなります。そのため頼りとなるのが不動産会社ですが、中には信頼できない不動産会社があるのも事実です。
中には、リスクの高い物件をすすめていたり、不当な手数料を上乗せしていたりする会社もあります。プレビルド(完成前の物件)に投資したものの建物が完成せず、借金だけが残ったという事例も珍しくありません。また、高齢者を狙った投資詐欺も多く発生しています。
不動産会社の信頼性を判断するには、海外不動産投資の知識を身に付けることをはじめ、不動産会社の実績や口コミなどを入念に調べることが重要です。
チェック4.現地の管理会社
海外不動産投資では、入居者付けやトラブル対応は管理会社に委託します。海外不動産を扱う日本の企業で管理を請け負っている会社もありますが、コスト面で有利な現地の管理会社に委託するのが一般的です。海外とのやり取りには言語や時差の壁もあるため、きちんとコミュニケーションが取れる管理会社を選択しましょう。
現地の管理会社によっては、客付けに積極的ではない、修繕やメンテナンスなどを適切に行っていないなどの場合もあります。問題のない管理会社であるか、事前の情報取集が重要です。
チェック5.融資
一般的に不動産投資で物件を購入する際には融資を受けて資金調達を行います。しかし、海外不動産投資では融資のハードルが高い点にも注意が必要です。
海外不動産投資の場合、国内あるいは現地の金融機関を利用することになりますが、国内で海外不動産投資への融資を実行している金融機関は少なく、審査も厳しいのが現状です。また、投資先の地域が限定される場合も少なくありません。
日本国内から現地の融資を受ける難易度も高いです。現地の金融機関を利用する場合、英語もしくはその国の言語で交渉する必要があります。また、現地での収入やクレジットヒストリーが求められることもあるため、キャッシュを想定した投資を前提としなければならないこともあります。
チェック6.語学力
不動産の売買契約をはじめ、投資に関する書類の記載はすべて英語あるいは現地語です。不動産取引には専門用語も多いため、読んで理解できるかどうかが問題となります。また、パスポートや戸籍謄本などの本人確認書類を海外に提出する場合、翻訳書類を付けることが必要です。
日本の不動産会社を通じて投資する場合にはサポートが受けられることがほとんどでしょう。しかし、自身で現地の不動産会社や金融機関と交渉する際や現地視察する場合には、語学力が求められる場面が多いです。
まとめ
海外不動産投資には、国内の不動産投資にはない魅力がある一方、言語や制度の壁があります。また、投資先の国によってもリスクが異なります。海外の不動産に投資する場合には、国内よりもさらに情報をしっかり収集し、慎重に検討することが必要です。