目次
女性の不動産投資家が増えている理由は
ここではまず、女性の不動産投資家が増えている理由をご紹介します。
男女で賃金格差がある
女性の社会進出が進んできたとはいえ、残念ながらまだまだ日本では男女で賃金格差があります。
令和4年に厚労省が実施した「賃金構造基本統計調査」によれば、男性と女性の平均賃金のピークは次の通りです。
・男性:416.5万円
・女性:280.0万円
上記から、平均賃金にして136.5万円の差があることがわかります。
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
また、フルタイム労働者の賃金(月額平均)にも大きな開きがあり、男性の月額賃金を100とした場合に女性は75.7といわれています。
徐々に格差が縮まりつつあるものの、解消までにはまだ長い月日がかかるのが現実です。
また、賃金の少なさは受け取れる公的年金額にも影響するため、先を見据えた資産形成を考える女性も増えていくことが予想されます。
未婚率が上がっている
昨今では、晩婚化とともに未婚率も上がっていくことが予想されています。
内閣府の「令和4年版 少子化社会対策白書」によると、女性の50歳時の未婚率は2020年時点で17.8%とおよそ5.6人に1人。20年前2000年が5.8%でおよそ17.2人に1人であったことを比較するとその上昇具合がわかります。
未婚の要因は人それぞれにあると思いますが、結婚しない選択肢を考えられる世の中に変わってきていることがわかります。
また、こうした未婚率の上昇を受け、パートナーの経済力に頼ることなく自身の経済力を上げていこうとする方も増えていくでしょう。
そして、経済力を上げる方法の選択肢として、不動産投資に興味をもつ女性もいるのではないでしょうか。
いずれにせよ、今後は老後の生活安定のためにも各個人での資産形成における重要性が高まっていくと考えられます。
男性よりも平均寿命が長い
厚生労働省が公表した「簡易生命表(令和3年)」によれば、2021年の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳でした。
男性と比べ、女性の方が6年ほど長生きであり、それに伴って老後に必要となる生活資金も増えます。
そのため、自分が長生きをするかもしれないといった前提でライフプランを考えることも大切です。
女性に不動産投資がおすすめの理由
ここでは女性に不動産投資をおすすめする理由として、以下の6つを取り上げてみました。
・ライフスタイルの変化に合わせられる
・老後の資産形成になる
・手間や労力がかからない
・女性の視点が活かせる
・公庫の融資において優遇を受けられる
・ミドルリスク&ミドルリターンで不況にも強い
ライフスタイルの変化に合わせられる
病気や事故の他、男性と違って女性は結婚・妊娠・育児などでライフスタイルが変化しやすい傾向にあります。
また、場合によってはそれらの変化によって退職を余儀なくされる、自分の時間を確保することが難しくなるケースも少なくありません。
そうした状況下であっても不動産投資であれば株やFXなどと違い、管理を委託することができるため、あまり手間をかけずに取り組める他、安定した収入が期待できます。
そして、何かあった際に売却し、まとまった収入として充てることも可能です。
老後の資産形成になる
不動産投資をうまく運用し、ローン返済を終えられれば老後の安定した収入源となります。
また、投資物件に住めば家賃を支払う必要がないため、投資した物件に自身が住むといった選択肢もとれるでしょう。
個人年金などより高い利回りが期待できる他、最終的に不動産を売却して老人ホームに入居するための資金としても活用できます。
手間や労力がかからない
先にも軽く触れましたが、不動産投資では管理会社選びに気をつければ、自分の労力や手間はあまりかかりません。
また、専門知識もそこまで必要なく、仕事や家庭に支障をきたすことなく安定した収入が得られるのも不動産投資の特徴の一つです。
なかには地方に住みながら都内の不動産物件を所有し、遠方から運用するケースも少なくありません。
そのため、自身はもちろん、配偶者が転勤族であったとしても安心して投資を継続できます。
女性の視点が活かせる
不動産投資では物件選びが最も重要です。
物件選びを間違ってしまうと、空室リスクや賃料下落リスクといった複数のリスクに見舞われる恐れが高くなります。
物件選びにおいて、女性のきめ細やかな視点を活かせることは大きなメリットといえるでしょう。
キッチンやお風呂、クローゼットなど内装の設備はもちろん、セキュリティや駅からのルートなど、入居者にとって生活しやすいかを配慮して物件選びができます。
公庫の融資において優遇を受けられる
不動産投資のための物件を購入する際、ローンを組むケースが多くみられます。借入先は銀行などの金融機関を選ぶことになりますが、女性であれば日本政策金融公庫(公庫)がおすすめです。
公庫における一般的な貸付の融資上限額は4,800万円ですが、女性で新たに事業を始める人なら融資上限額が設備資金・運転資金合わせて7,200万円(うち運転資金4,800万円)まで上がります。また、女性が融資を受ける際の利率も、公庫が定める基準利率より低く設定されます(ただし土地にかかる利率は基準利率)。
国庫はもともと利率が低く設定されており、手数料もかからないので不動産投資ローンの返済にかかる負担が少なくなります。ただし、返済期間が運転資金は7年以内、設備資金は20年以内となっているので注意しましょう。
出典:日本政策金融公庫「よくあるご質問 創業をお考えの方」(2023年6月現在)
ミドルリスク&ミドルリターンで不況にも強い
不動産投資は株やFXといったハイリスク&ハイリターンな投資に比べ、ミドルリスク&ミドルリターンで安定しています。
また、景気の影響を受けにくいことから不況であっても、家賃収入などによって一定の収入が見込めるでしょう。
不動産投資に向いている女性の特徴
不動産投資に向いている女性の特徴をご紹介します。下記のいずれかに当てはまっていれば、不動産投資に適した環境・条件といえます。
長期的な休職を考えている
産休や育休などを理由に、仕事を長期休職する予定がある人は、その間の安定的な収入源を得る手段として不動産投資に取り組むことをおすすめします。
出産準備や育児、介護などで自身が動けなくても、物件が定期的な収入をもたらしてくれます。
家事や本業が忙しい
家事で精いっぱい、あるいは本業が忙しいといった理由から、投資に割ける時間がないと考えている人に不動産投資は最適です。不動産投資では、入居者の募集や物件の管理・メンテナンスなどが必要となりますが、業者に委託すればオーナー自身がこれらの業務に携わらなくてもよくなります。
年収が1200万円以上ある
年収が高いほど、不動産投資用の物件を購入するためのローンが組みやすくなります。
不動産投資には、一室だけを所有して貸すタイプもあれば、一棟まるごとを所有して貸すタイプのものもあります。後者の方が収益を上げやすいですが、その分費用もかかります。マンションを一棟買う程の融資を受けるには、収入が多い方が有利になります。
不動産投資を始めるための4つのステップ
不動産投資をおすすめする理由について理解できたところで、不動産投資を始めるにあたっての流れについてもみていきましょう。
【1】資金計画・投資計画を立てる
不動産投資で成功するためには、長期的な資金計画・投資計画を練ることが欠かせません。
融資を受ける際は自己資金やローンの返済計画などを踏まえた上で、物件購入価格などを決めるようにしましょう。
【2】不動産会社選びと物件選び
前提として、不動産会社選びと物件選びはセットとなります。
そのため、依頼先の実績は豊富にあるか、担当者は信頼の置ける人物であるかどうか、問い合わせた時の対応はどうかなどあらゆる視点から総合的に判断することを心がけましょう。
他社より費用が安かったとしても中長期的にお付き合いすることを踏まえると、違和感があった時点で一度立ち止まることをおすすめします。
また、物件を選ぶ際は先にもお伝えした女性の視点で、マンションの中だけでなく周りの施設や駅までの道などあらゆる側面を見ることが大切です。
【3】管理会社選び
不動産会社が物件の運用・管理まで行ってくれるケースも増えつつありますが、そうでない場合は管理会社選びも重要です。
家賃収入の中から決められた額を委託管理料として支払う必要があるものの、家賃滞納やゴミの分別問題といったトラブルの対応をお願いできます。
こちらも不動産会社選びと同じく、信頼できる会社に依頼するようにしましょう。
【4】入居者の募集・管理
一連の準備が終わったら、いよいよ入居者の募集です。
購入時点で入居者がいない物件であれば、少しでも早く不動産会社に依頼し、入居者探しを始めましょう。
一度入居者が決まったあとも、できるかぎり空室が出ないように、不動産会社とうまく連携を取ることが大切です。
また、物件は買ったら終わりというわけではなく、必要に応じて設備工事や改修も行いましょう。
不動産投資を始める際のポイント
不動産投資を始めるにあたり、押さえておきたいポイントをみてみましょう。
不動産投資に関する知識をつける
物件の選び方や収入を得る仕組み、ローンの返済や課される税金など、不動産投資を行うには知っておくべきことがたくさんあります。一般的には、不動産投資に関する本を読んだり、不動産会社や金融機関などが開催しているセミナーに参加したりして知識を身につけます。
また、実際に不動産投資をしている人が書いたブログを見るのも勉強になります。セミナーでは触れられない失敗談や、経験者だからこそ語れる情報を仕入れることができます。
少額の物件から投資を始める
不動産投資用の物件は、ワンルームマンション1室からマンション1棟まで幅広く揃っています。最初は少額資金でワンルームマンションやアパートの1室を所有し、賃貸収入を得るところから始めましょう。いきなりマンションを1棟買いして運用を始めると、失敗した際に大きな負債を抱えることになります。
まずは少額の物件から運用し、少しずつ規模の大きな物件に投資しましょう。オーナーとしての実績を積めば、1棟分の物件を購入する際に金融機関の融資が受けやすくなります。
事前にシミュレーションを行う
不動産投資を始める前に、購入物件の金額や家賃収入、ローンの返済額、管理費や税金などの支払いについてシミュレーションをしておきましょう。毎月の家賃収入とローン返済や管理費などの支払い額、収支がプラスに転じるまでの期間を見通すことができれば、自身のライフプランも立てやすくなります。
不動産投資シミュレーション用のスマートフォンアプリやPC用ツールを使えば、簡単にシミュレーションができます。
様々なリスクへの対策を考える
すべての投資にいえることですが、不動産投資もシミュレーション通りに運用できるとは限りません。様々なリスクに備える必要があるということも意識しておきましょう。
・空室リスク
入居者がいなくなり、家賃収入が得られなくなる
・家賃滞納リスク
入居者が家賃を滞納し、家賃収入が得られなくなる
・災害リスク
台風や地震などにより、物件に損害が出る
空室や家賃滞納リスクに対する対策としては、入居者募集から家賃回収までを信頼して任せられる管理業者を選ぶことです。家賃滞納保証サービスがある、入居審査や督促に力を入れているといった業者を選ぶとリスクを減らせます。
災害リスクには、物件選びの際に自治体のハザードマップでエリアの地盤や河川の状況などを確認し、災害リスクの高い場所の物件を避けることで対応できます。また、購入物件の立地に合わせて保険に加入しましょう。
まとめ
今回の記事では、女性に不動産投資がおすすめの理由をお伝えしました。
不動産投資では女性の視点を活かせる他、上手に運用することで老後の生活資金に充てられます。できる限り早い段階で老後の資金対策について考え、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。