不動産投資で家賃収入を得るには?メリットやデメリットもご紹介

低金利が続き、資産が増えない昨今。「利回りが良い」「不労所得が見込める」などの理由で、不動産投資に注目が集まっています。この記事では、不動産投資における情報や、家賃収入の仕組みを知りたい方に向けて、メリットとデメリットを含めて解説していきます。

この記事は約8分で読み終わります。

不動産投資における家賃収入とは?

まず、不動産投資によって得られる家賃収入の仕組みと内訳についてみていきます。

家賃収入を得る仕組み

家賃収入とは収益物件を購入し、他人に貸し出すことで得られる賃料を指します。

主な収益物件は次の通りです。

・マンション(一棟、区分)

・アパート(一棟)

・戸建

・土地

・駐車場

・テナントビル

・コインランドリー

アパートやマンション以外に、駐車場やコインランドリーなども、定期的に収入を得られる不動産投資が可能です。

購入した物件から年間でどの程度の収益が上がるのかは「表面利回り」で確認できます。

表面利回りは、以下の計算式によって求められます。

「年間家賃収入÷物件価格」×100

仮に、月の家賃収入が6万円(年間72万円)で物件価格が1,200万としたら表面利回りは6%になる、といった計算です。

家賃収入の内訳

家賃収入の内訳は、主に下記の4つです。

1.家賃:借主が使用する部分に対する賃料

2.管理費(共益費):借主が快適に使用するために必要な設備の管理維持費

3.礼金:入居者から大家に対するお礼のお金

4.更新料:契約を更新する時の費用

これらの家賃収入から、経費を差し引いたものを「手取り額(キャッシュフロー)」といいます。

経費に該当するものとして、主に次の項目が挙げられるでしょう。

・減価償却費とローン金利以外の経費:火災保険料、管理業務委託料、修繕費用、税理士への顧問料など

・各種税金:所得税、住民税

・ローン返済

なお、物件取得後は、毎月かかる費用、突発的にかかる費用、大規模な費用など、様々な場面で経費がかかります。

そのため、「家賃収入−ローン返済=手取り」ではないことに注意しましょう。

不動産投資を始めるメリット

家賃収入が得られる仕組みについてわかったところで、家賃収入を得るメリットについてご紹介します。

毎月不労所得が得られる

不動産投資の収入源は、入居者の家賃収入です。自分が働かなくとも、毎月一定の所得を得られることが不動産投資の最大の魅力です。収支計画が立てやすく、以下の条件を満たす不動産の購入を心がけることで、安定した収益が見込めるでしょう。

・稼働力(退去しても、すぐに入居が決まる)

・収益力(表面利回りが高い、ローン返済比率が低いなど)

・担保力(価値のある不動産)

万が一、病気やケガで働けなくなっても安心です。

節税効果が得られる

不動産投資では「所得税・住民税」及び「相続税」の節税が期待できます。不動産投資における収益は「不動産所得」の課税対象です。この収益から「不動産を賃貸する事業」に対して、必要経費が認められます。

経費を多く計上できれば、課税所得を抑えられるでしょう。もし、不動産所得が赤字になっても、サラリーマンの「給与所得」と損益通算が可能です。本業が高収入で所得税率が高い人ほど、節税効果を期待できます。

また、相続が発生した際に現金や株式は「時価額」で計算されるのに対し、不動産は「評価額」で判断されます。

そのため、貸出中であれば土地・建物どちらも評価額を下げられるでしょう。

老後の資産形成になる

ローン期間中は家賃収入の大半が返済に回ります。しかし、返済後は手残りの金額が大幅に増加するので、必要なメンテナンスを続け、物件を長持ちさせて家賃収入を得続けられれば、老後の資産形成にもなります。

不動産投資は個人年金保険と比べて利率が高いため、よりおすすめできます。年金受給前にローンを完済すれば、よりゆとりのある老後を迎えられるでしょう。

生命保険代わりになる

不動産投資用のローンを組む際、多くの金融機関は「団体信用生命保険(以下、「団信」)の加入をローン引き受けの条件としています。

団信とは、契約者が死亡・高度障害状態になった時に保険金がローン残債に充てられる保険のことです。

加入済みの契約者が死亡しても不動産自体はなくならないことから、収益物件を遺族が引き継ぐことで、毎月の家賃収入を「遺族年金」の代わりに使えます。

また、売却してまとまった資金にすれば、生命保険の「保険金」の代わりにもなるでしょう。

不動産投資を始めるデメリット

不動産投資にはメリットがある一方で、理解しておかなければならないデメリットもあります。

空室・滞納リスクがある

空室や滞納は、ローン返済や管理費、保険料など毎月の支払に大きな影響を与えます。万が一、蓄えていた現金で返済ができなくなれば売却せざるを得ないでしょう。

空室リスクに関しては、稼働率の高い(退去してもすぐに入居が決まる)物件を購入したり、ライバルの物件と差別化したりするなどの工夫が必要です。

滞納をさけるためには、事前に入居希望者の職業や年収をチェックし、継続して家賃を払える人かを見極めます。

家賃保証会社の利用を入居条件として、リスクを減らす方法もあります。

不動産価格の下落リスクがある

景気に左右される不動産市場だからこそ、下落のリスクは十分に考えられます。

家賃収入が得られても、不動産価格が急激に下落してしまえば売却時に大きな損失となることは避けられません。

もし、物件価格が2,000万円で利回りが8%の物件を購入した場合、10年間の家賃収入は800万円ですが、仮に10年後に売却した際に当該物件の価値が50%下落していたら、200万円の損失が発生することになります。

上手に不動産投資を続けていくなら、家賃収入だけではなく売却のタイミングを見計らうことも大切です。定期的に所有物件の価値を確認しておくことをおすすめします。また、不動産投資では建物だけでなく、土地にも価格下落リスクがあります。

大きな資金が必要になる

物件にもよりますが、収益物件を購入する際には大きな資金が必要になります。

「不動産投資用ローン」を利用することで資金を調達できますが、融資実行前の諸費用の支払いにはまとまった自己資金が必要です。

また、物件購入後に空室が出ても、ローンの支払いは続きます。現金に余裕がないと返済が厳しくなります。

不動産投資で家賃収入を得るためのポイント

不動産投資で安定した家賃収入を得るために、押さえておきたいポイントをご紹介します。

不動産投資に関する知識を身に付ける

まず、「不動産投資の基礎的な知識を身に付ける」ことが挙げられます。

不動産投資の知識を身に付けることは、物件選びや毎月の利益確保と同様に、非常に重要です。例えば、不動産投資の知識があれば、物件を選ぶ際に、その物件が収益を上げられる良い物件かどうかを自分で考えることができます。また、物件管理や空室リスクへの対策なども正しく行うことができ、安定して毎月の家賃収入を得ることができます。

では、不動産投資の知識は、どうやって身に付けたら良いのでしょうか。一般的に、不動産投資の知識は、書籍で勉強する、または不動産会社が開催しているセミナーに参加するなどです。不動産投資の知識をアップデートするためにも、常に勉強しておくことが重要です。

慎重に物件を選ぶ

安定的な家賃収入は良い物件から生まれます。そのため、不動産投資を始める際には「慎重に物件を選ぶ」ことが重要です。

良い物件には、いくつかの要素があります。その中でも気を付けたいのが、空室が出にくい物件を選ぶことです。空室が生じると、当初想定していた家賃収入を得ることができず、不動産投資がうまくいきません。

空室リスクを避けるためには、そのエリアに賃貸需要があるかどうかを見極めます。物件の周辺エリアの人口推移を確認し、今後人口が増えるのか、それとも減少するのかを確認することが大切です。

また、学生が多い、ファミリー層が多いなど、その地域に住んでいる人の特性を見極め、賃貸需要を見込めるエリアか考慮する必要もあります。

キャッシュフローを把握する

不動産投資を成功させるには、家賃収入を得ることが重要です。しかし、家賃収入だけを考慮して経営を続けると、失敗してしまうケースも多いです。それは、出ていくお金の管理ができていないからです。

不動産投資で重要なことは「しっかりとしたキャッシュフローの把握」です。家賃収入だけでなく、ローン返済や管理費、修繕費などの支出も管理し、常にキャッシュフローを把握しておくことが必要になります。

不動産経営では、大規模修繕など突然大きなお金が必要になることもあります。キャッシュに余裕がないと、たちまち資金がショートしてしまう可能性が出てきます。また、空室の発生が続いた場合なども、キャッシュに余裕がないと、自己資金の持ち出しが生じます。このように、収入面だけでなくキャッシュにも気を配りましょう。

空室リスク対策を立てる

上述したように、不動産投資にとって空室リスクは大きな問題です。そこで「空室リスク対策を立てる」ことは必須となります。

空室リスクを少なくするためには、入居者が出ていかないようにすることが重要ですが、必ず退去者は出てきます。特に、学生層や転勤を伴う会社などで働いている人がターゲットとなっている場合は、入居者の入れ替わりは定期的にあります。

そこで、入居者が比較的早く見つかる対策を立てる必要があります。例えば、敷金、礼金を下げる、または無しにすることや、フリーレント期間を設けるなどの空室対策を行います。

ここで注意したいのが利益やキャッシュです。入居者を確保することだけを考えて空室リスク対策を立てると、利益やキャッシュが大きく減少してしまうこともあります。収益を圧迫しない範囲で、空室リスク対策を講じることが大切です。

家賃滞納リスクへの備えを整える

不動産投資では空室リスク以外にも注意すべきことがあります。それが家賃滞納リスクです。

不動産投資では「家賃滞納リスクへの備えを整える」ことが重要です。入居者を確保し、空室リスクの対策ができたとしても、家賃滞納が多いと利益やキャッシュを確保することができません。

家賃の滞納を防ぐためにも、入居者を決める段階で審査を入念に行うことが大切です。また、家賃保証会社の利用も有効な手段になります。

まとめ

不動産投資はミドルリスク&ミドルリターンの投資手法であると称されるように、レバレッジを効かせて大きなリターンが期待できます。

しかし、レバレッジが大きい分だけ、リスクも大きくなることを忘れてはいけません。

家賃収入についてのメリットとデメリットを把握したうえで、無理なく始めることはもちろん、定期的なメンテナンスを心がけるなど長期的に利益が得られるような対策を講じることも大切です。