中古マンション投資で失敗を避ける7つの方法!失敗する人の特徴とは?

新築マンションに比べて初期費用を抑えられる中古マンションは、利回りの高い物件も多く、投資先として人気を集めています。しかし、中古マンションには中古ならではのデメリットもあり、失敗に終わってしまう方も少なからず存在します。この記事では、中古マンションへの投資で失敗しないために、押さえておきたいポイントを解説します。

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中古マンションの投資で失敗する理由

購入費用を低く抑えられる中古マンションは、予算の少ない方でも参入しやすい、ローン返済の負担が少ないなどのメリットがあります。しかし、中古ならではの特徴を把握しておかなければ、運営に行き詰まり、失敗に終わるリスクも大きいとされています。

なぜ中古マンションの投資で失敗してしまうのか、その理由を紹介します。

割高な物件を購入した

投資先として中古マンションを探すとき、物件の利回りに注目される方が多いはずです。実際、中古マンションは入居率が分かっている状態で販売されているため、利回りは投資結果の参考になります。

しかし、利回りの高さに目を奪われて周辺の相場や環境などのリサーチを怠ると、割高の物件を選んでしまう可能性があります。

販売中の中古マンションのなかには、少しでも高く売却しようと、手数料の値下げなどで一時的に高利回りとなっているものもあります。利便性のよくないエリアであれば、一度退去者が出れば次の入居者を見つけるのは難しいでしょう。

不動産投資は物件を購入すれば終わりではなく、入居者を確保し続けることが重要です。そのためにも、購入費用の安さや利回りといった数字だけではなく、適正な資産価値を判断して購入するようにしましょう。

需要の把握が出来ていない

エリアごとに需要の高い物件は異なります。マンションは周辺エリアの状況やニーズに合わせて建築されるため、中古マンションには建築当時のニーズが反映されています。

つまり、時代の変化とともに、中古マンションが周辺エリアのニーズとずれてしまっている可能性も考えられるのです。

ワンルームマンションを購入したものの、現在はファミリー向けマンションのニーズが高いエリアになっており、入居希望者が見つからないといったことも考えられます。

エリアの環境やニーズはほんの数年で大きく変化します。イメージだけでエリアを捉えるのは危険です。大規模都市開発が計画されていないか、鉄道の路線や新駅の計画はないかなど、エリアの最新情報を不動産会社から仕入れておくことが大切です。

維持費用が高い

中古マンションは、購入後にかかる維持費用も考慮して、購入を検討しなくてはいけません。

キッチンやバス、トイレといった水回りをはじめ、マンションの設備は築年数の分だけ劣化していきます。物件の購入直後に次々と設備の修理や交換が必要になり、維持費用に莫大なお金がかかることも考えられます。

また、目に見えない配管などの設備の老朽化が起これば、大規模な修繕工事が必要となることもあるでしょう。手元に十分な資金がなければ対応できず、最悪の場合、破産してしまうかもしれません。

修繕を前提として、相場より安く販売されている中古マンションもあります。お手頃な販売価格の中古マンションと出会ったら、なぜその価格で売られているのかを冷静に判断することが重要です。

物件の管理がきちんとできていない

中古マンションの物件価値を下げないためには、購入後にしっかり管理することも重要です。管理を放置したことで老朽化が進んだり、設備が故障したりすると、物件自体の価値が下がってしまいます。売却したいときに買い手がつかず、価格を下げなければならない可能性もあります。

また、一度下がった物件価値を取り戻すには、修繕費などのコストも発生するでしょう。中古マンションだからこそ、価値が大きく下がらないようにしっかり管理する意識を持つことが大切です。

出口戦略が難しい

不動産投資は、安定した賃料収入(インカムゲイン)のほか、物件の売却益(キャピタルゲイン)による収益も狙うことができます。

しかし、中古マンションの資産価値は低く、売却価格が購入価格を大きく下回ることは珍しくありません。そのため、思い描いていたように出口戦略を進められず、売却したいのに買い手が現れないなど、不動産投資を終わらせられない状況に陥る方もいます。

不動産投資の出口戦略は売却のほか、自宅として使う、子どもや親族に贈与するなどさまざまです。ただし、出口戦略として売却を選ぶなら、購入前に将来的なニーズの変化や見込まれる売却益をシミュレーションしておくのがおすすめです。

中古マンション投資で失敗する人の特徴

中古マンション投資で失敗する原因をいくつか取り上げましたが、失敗しやすい人には共通点もみられます。

まず、情報収集ができていないケースです。自身で十分な知識を仕入れずに、仲介会社や管理会社に任せっきりにするのも良くありません。

また、新築と異なり、中古マンションは確認しておきたい部分が多くあります。例えば、建物の状態や入居状況など、リスクになり得る部分を把握していないと失敗につながりやすいです。

さらに、不動産投資は短期的に大きな利益を狙う投資ではなく、長期的な視点が必要になります。そのため、短期で大きなリターンを求めようとする人も失敗しやすくなります。

中古マンションの投資で押さえたいポイント

中古ならではの失敗しやすい理由はあるものの、中古マンションへの投資は初期費用の低さがやはり大きな魅力です。順調に投資を続ければ、小さな元手で大きなリターンを得ることも期待できます。

それでは、中古マンションの投資を成功させるためのポイントを紹介します。

物件の瑕疵について知っておく

瑕疵(かし)とは、不動産に生じた不具合や欠陥のことです。例えば、排水管の腐食や雨漏りなどが挙げられます。購入した物件に瑕疵があった場合、通常、買い手は売り手に対して一定期間(契約不適合責任の期間)は瑕疵担保責任を追及し、修理費用などを補償してもらうことができます。

中古マンションの場合、新築マンションより瑕疵が見つかる可能性が高いため、瑕疵担保責任を問えるかどうかは重要な要素です。

しかし、中古マンションの売買では、売り手に瑕疵担保責任を問える期間が新築マンションより短く設置されている、瑕疵担保責任そのものが免責になっているなどのケースが多いです。

売買契約書を交わす際に、瑕疵担保責任の条項があるか、契約不適合責任の期間はどれくらいか、必ず確認するようにしてください。また、物件購入後は速やかに瑕疵の有無を調べましょう。

耐震基準を確認する

中古マンションを購入するとき、築年数を検討する目安となるのが耐震基準です。

1981年6月1日以降の新耐震基準を満たしているかどうかで、マンションの安全性が大きく変わります。新耐震基準は震度6強〜7程度の地震にも耐えうる建物であることを示す基準です。言い換えれば、それ以前に建てられた旧耐震基準のみを満たしたマンションは大きな地震で倒壊してしまうリスクがあるのです。

所有者としての心配はもちろん、入居者の安全を保障できないことを考えても、新耐震基準を満たしているかどうかは重要でしょう。

購入価格では売れないことを覚えておく

土地とは違い、建物は年月とともに劣化します。売却時には建物劣化による資産価値や家賃相場が考慮されるため、購入価格以上で中古マンションが売れることはありません。中古の物件は耐用年数も減少していることから価値も下落しやすい傾向があります。

中古マンションの売却額は買い手が付くかどうかで決まってきますので、購入価格では売れないことは意識しておきましょう。

中古マンションの投資で失敗を避ける7つの方法

いくら購入費用を安く抑えられるとはいえ、中古マンションへの投資にはそれなりの資金が必要です。中古マンションへの投資に失敗すれば、多くの資金を失うことになります。

ここでは、中古マンションへの投資で失敗を避けるための7つの方法を解説します。

不動産投資についての知識を身につける

多くの方は、不動産売買の経験がないまま、不動産投資を始めます。賃貸契約やマイホーム購入の経験があったとしても、不動産投資の専門用語に戸惑うはずです。

不動産投資にまつわる知識が不十分な状態で不動産会社に飛び込むと、経験豊富な営業に乗せられて、いつの間にか希望に添わない物件を契約してしまうということも考えられます。

不動産会社と対等な立場で話せる知識があれば、相手も下手なことは言えず、より良い条件で物件を購入するチャンスが広がるでしょう。

需要をよく確認する

不動産投資では、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を得られるか、総合的に判断して物件を選ぶことが重要です。新築であれ中古であれ、需要のないマンションには入居者も買い手も集まりません。賃貸需要はあるか、売却益を見込めるかなどを慎重に検討して下さい。

人気のあるエリアなら需要は高いといえますが、その分物件の購入価格も上がります。一方、安く購入しようとすると、駅から離れるなど立地条件が悪くなります。立地と価格のバランスを見極めて、自分の投資スタイルに合ったマンションを選びましょう。

表面的な利回りだけで決定しない

投資用マンションを探すと、物件情報とともに利回りが提示されています。利回りが高いほど多くの収益が見込めるため、高利回り物件を集中して探す方もいるでしょう。

しかし、利回りは今後も続くと保証されているわけではないので、参考程度にとどめておくことが大切です。

また、提示されている利回りのほとんどは表面利回りで、修繕費や税金といった必要経費を考慮して計算される実質利回りではありません。維持費用が高い物件は、実質利回りにしたとたん、数字が大きく下がることもあります。利回りは実質利回りで考えるようにしましょう。

物件の劣化状態や修繕計画をよく確認する

中古マンションは新築とは違い、取得時にすでに建物の劣化が進んでいたり、不具合が生じていたりすることもあります。そのため、取得前に建物の状態をよく確認しましょう。自身の目で確認するだけだと不安な場合は、専門家に住宅調査を依頼するのも方法のひとつです。

また、中古マンションの管理状況については修繕履歴などが参考になります。修繕状況を確認して、しっかり管理されているか確認することも大切です。

修繕費等による急な出費や、値上げによるキャッシュフローの悪化を防ぐためには、今後の修繕計画や修繕積立金の状況も合わせて確認しておくことも大切です。

慎重に収支シミュレーションをする

中古マンション投資にはさまざまなリスクがあります。新築と比べて空室になりやすかったり、設備の劣化で修繕が必要になったり、あらゆるマイナス要素を想定しておくことが成功のポイントです。

収支のシミュレーションは、あらゆるリスクを想定して細かく、厳しめにするのが良いでしょう。また、シミュレーションをして終わるのではなく、考えられるマイナス要素についての対処法まで考えておくことが大切です。

節税だけを目的に投資しない

不動産投資は、節税効果を狙って投資を始める人もいます。赤字になるとほかの所得の黒字と相殺して所得の計算ができるためです。しかし、節税効果よりも損失が大きくなると、結果として損になります。

不動産投資による節税効果はあくまでもおまけとして考え、利益が出るような運用をしましょう。節税効果ばかりに注目して常に赤字になってしまうと、キャッシュフローが悪化して投資に失敗しやすくなります。

信頼できる不動産会社を見極める

業者によっては、会社の営利ばかりを優先させるようなところもあります。不動産投資を成功させるには、信頼できる不動産会社を選択することも重要なポイントです。

信頼できる業者を見極めるコツはいくつかあります。例えば、物件事情をよく理解していて、メリットばかりでなくデメリットまで説明してくれる業者だと信頼性は高いでしょう。不動産会社の事業範囲も判断ポイントです。

不動産投資をスタートする際は、複数の不動産会社の意見を参考にして検討してみるのもひとつの方法といえます。

まとめ

中古マンションへの投資は、購入費用を抑えられるのが魅力ですが、中古ならではの特徴やポイントを押さえておく必要があります。特に修繕費などの維持費用がかさむと、収益を得るどころか、大きな赤字となるリスクもあります。

とはいえ、不動産投資は中古マンションだから失敗するというものではありません。利回りなどの数字に気を取られすぎず、物件の需要を慎重に見極めるようにしましょう。