不動産投資の確定申告はe-Taxが便利!具体的な申告方法を解説

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確定申告にe-Taxを利用すると便利だと聞き、興味を抱く賃貸経営のオーナーは少なくありません。

 

しかし具体的な申告方法や利用の流れがわからず、今までの申告方法からの切り替えが億劫に感じる場合があります。

 

e-Taxは事前準備が必要ですが、手間を考慮しても得られるメリットの大きさから利用を検討すべき方法です。

 

この記事では、不動産投資の確定申告に電子申告を導入するメリットや利用方法について詳しく解説します。

e-Taxは国税庁が導入した確定申告の方法

e-Taxは、国税庁が提供する国税の電子申告・納税に対応したシステムです。

 

e-Tax上で作成した、もしくは確定申告書作成コーナーで作成した申告書と連携して、インターネット上から所轄の税務署に書類を送信できます。

 

所得税の他、相続税・贈与税・法人税・地方法人税・消費税の申告が可能です。

 

納税も税務署に直接支払うのではなく、ダイレクト納付(口座振替)やインターネットバンキング、Pay-easy対応のATMから選択できます。

e-Taxの3種類の認証方式

e-Taxで納税するには、次のいずれかの認証方法でアクセス権を得る必要があります。

 

  • IDとパスワードによる認証:税務署に直接出向いて対面で情報の付与を受ける方法
  • マイナンバーカードでの認証:カードの取得とICカードリーダライタが必要
  • スマートフォン認証:スマートフォン内蔵の非接触式のカードリーダによるスマホ申告が可能

 

対応したスマホとマイナンバーカードを準備すれば、スマホで確定申告ができます。

 

マイナポータルアプリでパソコンの画面上に表示されたQRコードを読み取れば、e-Taxによる申告が可能です。

 

さらにマイナポータルとの連携機能の強化により、自動入力の対象範囲が拡大しています。

従来の医療費控除やふるさと納税、損害保険料に加え、iDecoや小規模企業共済の掛金、国民年金保険料も対象になりました。

不動産投資の確定申告にe-Taxを利用するメリット

確定申告でe-Taxを利用するメリットは多いため、パソコン操作やマイナンバーカードに苦手意識がなければ誰しも導入して損はありません。

 

自宅にいながら完結する手続きの簡便さだけでなく、節税メリットも大きい方法です。ここでは、e-Taxで申告するメリットを詳しく紹介します。

税務署に行かずに手続きが完結する

e-Taxを使えば税務署に一切出向く必要がないため、忙しい経営者やビジネスマンは実施しやすい方法です。

 

例年確定申告の時期は税務相談や申告書の提出で署内が混みあい、待たされるケースも少なくありませんでした。

 

郵送で済ませるにしろ、申告書の印刷や書類の郵送などの面倒な作業が付き物です。

 

e-Taxを活用した電子申告は、本業で忙しくても負担が少ない手軽な方法なのは間違いありません。

添付書類が不要

e-Taxによる申告は、紙方式で同封しなくてはならないさまざまな添付書類の省略が認められています。

 

情報の入力には書類の取り寄せが必要とはいえ、台紙に証明書を添付したり、控えをコピーしたりする作業は必要ありません。

 

e-Taxで提出の省略が認められる控除証明書の代表例は次の通りです。

 

  • 雑損控除の証明書
  • 医療費のお知らせ
  • セルフメディケーション税制における一定の取り組みの事実を明らかにする書類
  • 社会保険料控除証明書
  • 生命保険控除の証明書
  • 地震保険料控除の証明書
  • 寄付金控除の証明書
  • 雑損控除の証明書
  • 住宅借入金等特別控除に係る借入金年末残高証明書

 

上記は送付の必要はなくても、申告内容を確認する目的で申告後に税務署から書類の提出を求められる場合があります。

 

すぐに廃棄せず、法定の申告期限から5年間は保管してください。

還付金が振り込まれるまでの期間が短い

e-Taxを活用した確定申告は、書面での申告と比較して還付金が振り込まれるまでの期間の短さが特徴です。

 

通常なら1〜2ヵ月が平均的な期間ですが、電子申告では3週間ほどで戻ってきます。

 

支払い済みの税金より確定した所得税が少なく、還付金の受け取りが見込まれる場合にはe-Taxによる申告がおすすめです。

 

また、電子上で還付申告をした人は、支払予定日や還付金の書類状況について税務署に問い合わせせずともシステム上で確認できます。

 

早いだけでなく、振込日時まで分かるのはこの上ない利点です。

 

不動産投資で還付金はもらえる?税金の仕組みと受け取り方

土日祝日や夜間に申告できる

e-Taxは税務署が開いていない平日の朝や夜間、土日祝日でも申告できます。利用者のニーズに応じて都合が良い日取りを選択することでスマートな納税手続きが実現します。

 

確定申告の期間中は原則、24時間いつでも利用可能です。

 

突発的なメンテナンスや電子的なトラブルが生じた場合、システムが止まる可能性もありますが、利便性の高さは間違いありません。

会計ソフトの仕訳データと連携できる

e-Taxは、民間の会計ソフトで出力した仕訳データを読み込ませて申告書の作成に活用できます。既存の帳簿を活用し、申告だけe-Taxを利用したい人に適した方法です。

 

仕訳データとの連携方法は以下の通りです。

 

  1. e-taxソフトにログインして「e-Taxソフト(WEB版)」にアクセス
  2. 「申請・納付手続きを行う」をクリック
  3. 「作成済みデータの利用」から「操作に進む」をクリック
  4. 「参照」をクリック
  5. パソコンに保存した申告書データを開いて「開く」をクリック
  6. 「次へ」をクリック
  7. 送信する帳票を選択して「次へ」をクリック
  8. 「電子署名の付与」をクリック
  9. 「カードタイプの電子証明書をご利用の場合」から「次へ」をクリック
  10. 「公的個人認証サービス(マイナンバーカード)」から「次へ」をクリック
  11. 「スマートフォンで読み取り」をクリック
  12. スマートフォンでマイナポータルアプリを起動し、画面に表示されたQRコードを読み取る
  13. パソコン画面上に「電子署名の付与完了」のメッセージを確認して「閉じる」をクリック
  14. 「送信」をクリック
  15. 「はい」をクリック
  16. 「受信通知を確認」をクリック
  17. 「OK」をクリック
  18. 受信通知が表示され、送信完了

 

※参考:国税庁「e-Taxソフト(WEB版)についてよくある質問

e-Taxで確定申告をする際の流れ

初めてe-Taxを利用する人に向けて、基本的な操作の流れを解説します。

1.利用者識別番号の取得

e-Taxの利用には、以下のいずれかの方法で半角16桁からなる利用者識別番号の取得が必要です。

 

  • 「e-Taxソフト(WEB版)」にアクセスし、マイナンバーカードでアカウントを登録して取得
  • 「e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナー」にアクセスして取得
  • マイナポータルの外部サイトとの連携機能を通じて取得
  • 「確定申告書等作成コーナー」からマイナンバーカードによるID・パスワード方式の利用申請をして取得
  • 税務署に出向き、対面にてID・パスワード方式の届出をして取得
  • 国税庁のHPの「[手続名]電子申告・納税等開始(変更等)の届出」で申請書に必要事項を記載して、郵送することで取得
  • 税理士に手続きを代行させて取得

2.申請に必要なものを用意

申告書データを送信する際には利用者本人が作成した改ざんがない書類だと確認するため、電子署名が必要です。

 

事前準備として電子証明書、またはICカードに組み込まれた電子証明書(マイナンバーカード)のいずれかを用意しなくてはいけません。

 

カード型の場合、ICカードリーダライタおよびデバイスドライバも用意します。

 

ただしマイナンバーカードを利用する場合、カード読み取り機能を備えたスマートフォンをカードリーダの代替機として活用できます。

 

マイナンバーカードを持っていない場合、申請が必要です。

 

交付後は電子署名に使用する「署名用電子証明書」、e-Taxのログイン時に使用する「利用者証明用電子証明書」、カードの利用開始時に入力する「券面事項入力補助用」の3種類のパスワードを設定します。

 

マイナンバーカード以外にも、政府認証基盤であるブリッジ認証局と相互認証した認証局が発行した電子証明書の利用が可能です。

3.確定申告書作成コーナーにアクセス

所得税の確定申告にはパソコンでもスマホでも確定申告書等作成コーナーを利用します。

 

  • 「作成開始」をクリック
  • 申告書の提出方式をマイナンバーカード方式(2次元バーコード)/マイナンバーカード方式(ICカードリーダライタ)/ID・パスワード方式/印刷して提出から選択
  • 申告書の種類を選ぶ画面に遷移後、「決算書・収支内訳書(+所得税)」をクリック※不動産所得の青色申告を想定
  • 提出方法に「e-Taxで送信する。」を選択
  • 青色申告決算書(不動産所得用)の「入力する」をクリック
  • 画面の案内に沿って収入や経費、控除額を入力

 

必要経費の主要な項目は租税公課・損害保険料・修繕費・減価償却費・借入金利子・地代家賃・給料賃金(税理士等の報酬)が挙げられます。

 

ここまでの作業で青色申告決算書で、提出すべき損益計算書の作成が完了しました。他にも65万円の青色申告特別控除の適用を受ける場合、貸借対照表の作成が必要です。

 

しかし、不動産投資が事業的規模(賃貸マンションは10室以上、貸家は5棟以上)に満たない場合は省略できます。

4.申告書データに電子署名を付与

確定申告書作成コーナーからID・パスワード方式で申告するケースを除き、申告書データに電子署名を行わなくてはいけません。

 

使用するのは、e-Taxに登録済みの証明書でかつ有効期限内のものに限ります。

 

問題なければ画面の案内に従い、税務署にデータを送信しましょう。データ送信の完了後は受付番号・受付日時・受付ファイル名・送信者の利用者識別番号がディスプレイに表示されます。

5.送信結果の確認

通知後しばらくして送信データの審査結果を記したメールがメッセージボックスに届きます。利用者は時間を置いてからe-Taxにログインし直して、受信通知の確認をしてください。

 

入力後の即時通知は原則、再表示が認められていません。必要に応じて、印刷または電子データの保存を行いましょう。

 

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まとめ

e-Taxによる確定申告は家にいながらいつでも申告できる上に、添付書類の省略が認められる手軽な方法です。

 

e-Taxを利用することで、青色申告に必要な帳簿の作成や提出が容易になり、65万円控除の適用を受けやすくなるため、節税の観点からも有意義だといえます。

 

本記事を読んでも申告方法が理解できない、文章だけでは実際に手続きできるか分からないと感じた人は、ぜひアセットテクノロジーまでご相談ください。

 

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