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不動産投資を始める際に、新築か中古、どちらを選ぶかで悩む人は少なくありません。中古マンション投資の利点は購入価格を抑えて高利回りを期待できることです。
築年数次第ではリフォームの負担が必要となるため、狙い目は築年数が浅い物件です。今回は中古マンション投資のメリットとデメリット、失敗を防ぐコツを解説します。
賃貸経営の物件に新築と中古のどちらにするか決める際の判断材料が得られるため、ぜひ最後までご一読ください。
中古マンション投資の利点
中古マンション投資の大きなメリットは早い段階から高い利回りを期待できることです。ローンの返済でキャッシュ不足に陥るリスクを防ぐには安定した家賃収入が大切です。
中古マンション投資のメリットを一つずつ解説します。
利回りが優れている
不動産投資における利回りとは、年間の投資金額に対する収益の比率を表した指標です。「年間家賃収入÷物件の購入価格×100」の単純な計算式で算出できます。
新築よりもマンションやアパートの購入価格を抑えられる中古物件は、利回りが高い傾向にあります。家賃水準も築年数やニーズに応じて変動しますが、物件価格ほど激しい値動きはありません。
利回りの目安は築年数やエリアの影響を色濃く受けます。絶対的な基準を告げるのは難しいですが、おおむね目標値は5%程度となるケースが一般的です。
新築のマンションでは表面利回りの相場は4%〜5%ですが、中古のマンションは5%〜8%になる地域や物件も珍しくありません。
参考:「不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家 ( けんびや ) 」
割安で購入できる
中古マンションの利回りの高さは、新築より割安で購入できる特性があるためです。数年程度の築浅物件から数十年経過した築古物件まで選択肢も豊富です。
購入後の修繕リスクや家賃下落リスクを差し引いても、割安で購入できるケースが大半を占めます。中古でも築浅で管理が行き届いた物件や駅近の利便性が高いエリアの物件の賃貸需要は高めです。
掘り出し物を見つければ、上記の相場を大きく上回る高利回りの運用が実現する期待をもてるでしょう。
高い節税効果を見込める
中古マンションは減価償却費を多めに計上して、所得税の算出において控除額を大きくできます。減価償却費は物件の種別ごとに定められた法定耐用年数に応じて算出します。
木造建築物は22年、RC造の建造物は47年です。新築や築浅の物件は耐用年数を目いっぱいもたせるため、年間に計上できる減価償却費が少なくなる傾向があります。
一方築数十年経過した中古マンションは経過した年数を控除するため、耐用年数が多くは残っていません。
物件の取得価格を残りの耐用年数で除した減価償却費の金額が大きくなる傾向にあります。結果的に課税所得が減少して、納める所得税や住民税が減るのです。
⇒不動産投資の所得にかかる主な税金は所得税と住民税!節税のポイントも紹介
初月から安定した家賃収入を得やすい
中古マンションを購入する場合、すでに入居者がいるマンションの経営権を譲り受けることも可能です。
オーナーチェンジと呼ばれる物件を表し、自ら入居募集をかけずして初月から賃料収入を得られます。不動産経営で何としても避けたい現象の一つが、中々入居者が決まらない状態です。
収入が途絶えてもローンや税金は支払わなければならないため、放置したらキャッシュフローの悪化は避けられません。オーナーチェンジ物件の購入は空室リスクに備える有効な方法です。
オーナーの手腕に関わらず賃料が得られるため、特に賃貸経営がはじめての人におすすめの物件です。
中古マンション投資のデメリット
中古マンション投資は運用開始後の負担が大きくなる傾向にあります。初期投資は抑えられても、修繕やリノベーションの費用を考慮すると計画以上のコストに悩まされるパターンが珍しくありません。
中古マンション投資に特有のデメリットは次のとおりです。
修繕コストがかさむ可能性が高い
築年数が経過するほど経年劣化による修繕が必要な箇所が増え、修繕コストがかさむ傾向にあります。特に中古マンションは外壁や室内の設備だけでなく、共用部の修繕も伴います。
給湯器の故障やトイレの詰まり程度であれば修繕コストは大きな負担になりません。しかしエレベーターの交換が必要なほどの大規模なものは、高額の手出しが発生して収支に影響を与える可能性があります。
前任のオーナーから引き継いだ物件の状態が悪ければ、当初の想定より過大なリフォーム費用の負担を迫られるかもしれません。
また修繕積立金の金額が不十分なマンションは、大きな修繕が必要なときにオーナーの手出しが求められる場合があります。
リノベーションが必要になる
中古マンションが安定して入居者を集め続けるには、自発的にリノベーションに励む必要があります。
何もしないままでは退去者が出たとき、近隣の新しくできたマンションとの競争に負け、入居者の獲得に失敗する可能性が高いためです。
経年劣化による価値の下落に備えるためにも、最新設備の導入やトレンドを踏まえた外観の変更といった改良が求められます。
外傷による損傷から回復を目的とした修繕や定期的な大規模修繕とは別に、建物にダメージがなくてもリノベーションを実施する必要があります。
内装や外装の刷新は短期的にはコストの上昇を招きますが、中長期的にマンションの価値を上昇させ、いつまでも人が集まる集客力のある環境を維持することにつながります。
災害の発生に弱い
地震や火災の影響で建物が倒壊・損傷し、修繕が必要になる状況への備えが必要です。築年数が経過するほど、災害によるダメージが大きくなると考えて差し支えないでしょう。
特に地震大国と呼ばれる日本では、エリアに関わらず大地震に対する備えが必要です。非常に古いマンションは、旧耐震基準のもと建設された耐久力に乏しい物件の可能性があります。
現行の耐震基準は1981年6月に制定されたため、1980年以前に建てられた物件は古いルールに基づくマンションだと判断できます。
新・旧耐震基準の違いは想定される地震の震度です。新基準は震度6以上の揺れを想定して設計・施工されていますが、旧基準に基づく中古マンションは震度5程度の地震に対する強度しかありません。
売却時に高価で換金しにくい
築年数が経過した物件は売却時に高値で取引できず、売却損が発生する可能性があります。中古マンションは築10年が経過すると新築時の70〜80%まで価値が下がるといわれています。
出口戦略で売却益を元手に赤字を補填する計画があるなら注意が必要です。想定した以上に価値が低下して、シミュレーションを大きく下回る金額しか残らない可能性があります。
また売りに出しても買い手がつかなければ、収益が出ないのに賃貸経営を辞められなくなる悲惨な事態を引き起こしかねません。
中古マンション投資で失敗を防ぐコツ
中古マンション投資は始めるハードルは低い反面、安定して収益を出し続けるのは意外にも難儀です。不動産投資で失敗を防ぐために意識するポイントを紹介します。
賃貸需要が高い東京エリアを選ぶ
中古マンションは一度退去者が出ると、新たな入居者の獲得に苦労する傾向があります。新築マンションや新築ワンルーム投資以上に、賃貸需要の高いエリアに物件を構える必要性が高いです。
人口減少が避けられない日本で不動産投資を始めるなら、よほど特別な事情がない限り、東京23区内一択です。将来的に東京以外の道府県は、人口が減る予想が立てられているためです。
神奈川や埼玉、千葉といった一都三県の範囲内でさえ、すでに人口減少がみられます。同じことはみな考えるため激しい競争は避けられませんが、不動産投資で利益を出したいなら東京で割安の中古マンションを見つける努力が必要です。
修繕や点検の実施状況を確認する
欲しい物件を見つけたら過去の記録を閲覧して、修繕や定期点検の実施状況を確認しましょう。
前回の修理が直近に行われていれば、自ら費用を拠出して対応する手間が省けます。特に大規模修繕のコストは高額に及ぶため、実施後まもない物件に狙いを定める戦略は有効です。
また修繕や定期点検の実施状況が適切なマンションは、管理が行き届いた良質な物件だと判断できます。確認方法は不動産管理会社が作成・保管する重要事項調査報告書が挙げられます。
過去の修繕履歴のほか、修繕積立金の金額や滞納状況、今後の修理計画などもわかるさまざまな情報が詰まった貴重な資料です。
物件価格や家賃は相場と乖離しないか確認する
物件の購入を決める前に、家賃の相場は相場と乖離がないか必ず確認しましょう。高すぎるのはもちろん、安すぎるのも危険なサインです。
仮に物件の価格が異常に低い場合、賃貸ニーズが元々少ない、または過去に事故が勃発したなど秘密が隠されている可能性があります。
家賃も同様で、直近の賃料が周辺のマンションより著しく低い場合、欠陥や問題の隠ぺいが懸念されます。家賃はエリアや築年数の影響を色濃く受けるため、近隣にある同グレードの物件を参考にしましょう。
また入居者を募ろうと家賃を低く設定するのは収益性の悪化につながりやすく、あまり推奨できません。
新耐震基準に対応した物件か確認する
日本の高い災害リスクに備えるには、新耐震基準に適合した物件を選ぶ必要があります。簡単にいえば1981年以降に建築されたマンションやアパートです。
建物の建築年月日を確認するには、建築確認済証の発行日をチェックすると手軽に済みます。
こちらは建築確認を終えて工事に着手しても良いと認められた建築物のみに交付される書類です。管理会社や前任のオーナーが保管しているため、購入前に閲覧を希望しましょう。
なお古い物件で建築確認済証を紛失したといわれた場合、マンションの所在地を管轄する自治体に出向いて台帳記載事項証明書の交付を受ければ建築日の確認が可能です。
実質利回りを用いて査定する
物件の利回りを試算する際は、表面利回りではなく実質利回りを利用してください。前者は経費やリフォーム代を含んでおらず、その名のとおり表面的な意味合いしかもたないためです。
しかし不動産会社がオーナーの希望者に伝える数字は多くの場合、表面利回りです。想定より収益が下回る事態を未然に防ぐには、自ら実質利回りを算定しなくてはいけません。
計算式は「(年間の家賃収入-経費)÷物件価格×100」です。計算自体は決して難しくないため、物件の査定では少々手間取っても実質利回りを算出根拠にすえましょう。
⇒中古マンション投資で失敗を避ける7つの方法!失敗する人の特徴とは?
まとめ
中古マンション投資の魅力は何といっても利回りの高さです。物件の価格が安いうえ築浅を中心に旺盛な賃貸需要を期待できるため、不動産投資が初めてでも稼げる物件種別です。
しかし、賃貸経営で収益を上げるために適したエリアは限られます。ライバルも多数いる環境のなか、抜きんでた収益を得るには情報戦を制する必要があります。
土地や建物の売買・仲介の経験が豊富な不動産会社選びが重要です。当社は多数の物件情報を保有するうえにテクノロジーを駆使した新しい不動産投資の在り方を提案する会社です。
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今から中古マンション投資を始めたいと希望する人は、ぜひアセットテクノロジーまでご相談ください。