新築マンションの不動産投資は難しい?魅力・リスク・失敗パターンを紹介

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不動産投資(マンション)を始める人が抱く疑問に「新築と中古のいずれを選ぶべきかわからない」という悩みがあります。新築は外観や内装がきれいで人が集まりやすく、高額の融資を取り付けやすいのが魅力です。

一方で利回りが低いうえ運用期間が長いため、収益の悪化やシミュレーションの組みにくさに頭を抱えるケースも存在します。

今回は新築マンション投資の魅力や難しいといわれる理由、失敗パターンを紹介します。舵取りが難しい新築の不動産投資を成功させるポイントがわかるため、ぜひ最後までご一読ください。

新築マンション投資とは

新築マンションの定義は、建立後1年以内のいまだに誰も住んだことがない新しい物件のことです。

大きく分ければ一棟丸ごと購入する方法と、ワンルームマンション投資と呼ばれる部屋単位で所有する方法に分かれます。不動産投資の選択肢には中古マンションやアパート、戸建てがあります。

インバウンド需要が期待できる昨今、古い一戸建て住宅を改修して民泊を経営するパターンも出てきました。

都内で新築マンションを一棟丸ごと購入した場合、賃貸需要が高いエリアでは価格が1億円以上になる物件も存在します。

数ある不動産投資の方法のうち最も初期投資がかかるスタイルですが、多大なコストを補うだけの魅力もあります。

新築マンション投資の魅力

新築マンション投資のメリットは価値が高く、さまざまな場面でニーズがあることです。喫緊のうち修繕費を拠出せずに済むのも魅力の一つです。

新築マンション投資の優れているポイントを解説します。

空室リスクが低くなる

新築マンションは賃貸物件を探す人に人気があり、不動産投資の大敵となる空室リスクに備えられます。

純粋にできたばかりの新しいマンションと、築数十年が経過した古めかしいアパートのどちらに住みたいか考えればわかるでしょう。

外観も室内の内装もきれいでデザインも洒落ていれば「ここがいい」と手を挙げる人が多数です。今まで誰も住んでいない部屋の、初めての入居人になる事実に喜びを感じる人もいます。

人気の高さから、家賃を高額に設定してもすぐ買い手が見つかる傾向があるのです。

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直近で修繕費を拠出しなくて良い

できたばかりの新築は数ヵ月〜1年以内に修繕を実施する必要がなく、当年度や翌年度の修繕費の負担を抑えられます。

一方中古マンションは一見手ごろな値段にみえても、大規模修繕費や定期点検の費用を考えると、運用後のコストが肥大化するケースも珍しくありません。

賃貸経営を始めるとローンの返済や管理料、修繕積立金など固定費の支払いだけでも大変です。突発的なコストの発生に収益を左右されず、安定した経営を実現しやすいのは新築マンション投資のメリットです。

高値で売却しやすい

新築マンションはローンの返済ができないときや収益化が失敗したときでも、高値で売却して利益を確保できます。

資産価値が高く購入希望者が殺到しやすいため、キャッシュフローが悪化しても経営破綻まで落ちぶれるケースは多くありません。実は新築マンションを売却したところ、購入時点より高く売れたという驚くような話も実際に耳にします。

低金利が続く現代、金利と逆の値動きをする不動産の価格は年々高騰する傾向をみせているためです。

高値で売却するコツは、保有期間が5年を経過してから売りに出すことです。売却益に対して課税される譲渡所得税の税率は所有期間が5年を超えるか否かで大きく変わってきます。

税率だけでほぼ2倍の違いが生じることから、投資用物件の売却を考える際は節税の意識を持ちましょう。

高額の融資を受けやすい

新築マンションは担保の融資は通過しやすく、希望通りの金額で資金の提供を受けられる傾向があります。

金融機関が融資期間を決定する際の重要な基準は法定耐用年数です。なぜなら耐用年数を超えると対象物件の価値はなくなり、賃貸経営がとん挫してローンの返済が難しくなると考えられるためです。

例えばRC(鉄骨造)のマンションの法定耐用年数は47年だと定められています。耐用年数は新築でも中古でも変わらないため、新築マンションは残り47年間価値を保ち続けるとみなされます。

長期的に返済能力を有すると捉えられることから、長めの融資期間を勝ち取れる可能性が高いです。月々の返済が同額なら融資の期間が長いほうが総借入金額も増加します。

新築マンション投資が難しいといわれる理由

新築マンション投資は人気がある反面「初心者には難しい」と否定の意見をよく見かけます。外装も内装も新しいマンションは賃貸経営を開始する良好な環境にみえますが、実情は甘くありません。

新築マンション投資が難しいといわれる理由を詳しく解説します。

利回りが低くなる傾向がある

新築マンション投資は利回りが低く、日本でも有数の好条件地域である首都圏でも4〜6%程度が相場です。ローンの返済や管理料の負担を除くと、ほぼ利益が残らないケースも珍しくありません。

利回りが低くなる大きな原因は家賃の下落です。新築物件は家賃の下落スピードが速く、特に築後10年の下落幅は高くなる傾向があります。

新築したての賃料は新築プレミアム価格とも称され、高額を設定しても入居者を獲得できます。

しかし一度退去者が出ると物件の価値下落が早いスピードで進むため、以前と同等の賃料では空室が続く可能性が高いです。家賃を下げざるを得ず年間の収入が下がり、収支が悪化する仕組みです。

参考:「不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家 ( けんびや )

ローンの返済で収益が悪化しやすい

新築マンションの価格は割高に設定される場合が多く、ローンの借入金の割合も高額になるケースがあります。

返済期間を長めにしても1回あたりの返済額が大きくなり、収支の逼迫につながります。新築マンションの価格が割高になる原因は新築ゆえに高く設定した賃料の分、価値を上乗せして算定しているためです。

またブランドイメージを伝えるための広告費用や販促に奔走する営業マンの人件費が含まれる場合もあります。

頭金なしのフルローンの調達が可能だとアピールする不動産会社も存在しますが、当然ながら借入金が増えれば返済の負担は増えます。新築マンションでも中古でも借入金の金額は抑える意識が必要です。

収益シミュレーションを組みにくい

新築マンションは賃料収入の予測を正確に行うことが難しい側面もあります。物件自体に運用実績がなく、近隣の条件が似通った物件の事例を参考に収益を予測する方法がとられるためです。

当初は新築の良さをアピールして入居者を集められても、いつ退去が発生するか、二人目以降の家賃はいくらに設定するか、シミュレーションの段階で正確な数値の算出は困難を極めます。

中古物件なら過去の入居率や利回り、賃料など実際の数字を資料や不動産会社の担当者を通して把握できます。したがって新築投資と比べてより現実的な収支シミュレーションの立案が可能です。

特に不動産投資の経験がなくいきなり新築マンション投資にチャレンジする人には、想定どおりに進まないパターンが多くみられます。

リスクヘッジしにくい

価格が高い新築マンション投資は、他の物件と合わせて所有してリスクを分散させる戦略がとりづらい方法です。

エリアや入居者層、入居者ニーズが異なるマンションやアパートを複数保有すれば、ある物件で値下がりが起きても別の物件の値上がりで相殺が可能です。

一棟物を単一で保有した場合、部屋が多い分、完全に収益がなくなる事態は防げます。しかしエリアの賃貸需要自体が減ると大幅な収支の悪化につながります。

資金力があるなら複数のマンションを同時に運用する戦略を立てられますが、資産運用が初めての人にはハードルが高い方法です。

新築マンション投資の失敗パターン

新築マンション投資で成功するには失敗事例を知り、同じ轍を踏まない心がけが大切です。

運用がうまくいかない人には共通の傾向がみられるため、先例を通して足枷となるポイントを把握しましょう。

計画を立てたのに収支が赤字になった

よくあるのはシミュレーション通りの賃料収入が受け取れず、想定より酷い赤字が発生するパターンです。運用実績がなく空室リスクや家賃の変動幅の予測が外れたことが大きな原因です。

未だ誰も住んでいない新築マンションは、内装も外装もきれいで家賃を高めに設定できる傾向があります。

しかし立地や賃料相場、賃貸需要を入念に調査しないと入居者層の収入では高すぎる家賃の設定や借り手の絶対数の不足などを招き、結果的に運用の失敗を引き起こします。

新築マンション投資を成功させるには事前の調査と徹底的なシミュレーションが不可欠です。

想定した売却益が得られなかった

新築マンションの大きな魅力は、中古マンションと比べたときの高値での売却のしやすさです。しかし築年数の経過による価値の低下を計画に組み込んでおらず、想定より低い売却益しか得られずに愕然とするオーナー様もいらっしゃいます。

購入した時点では新築マンションでも、数年〜数十年保有を続けて売りに出す頃には中古物件と扱われます。ごく稀に新築より中古のほうが取引価格が上がる事例もあるのは事実ですが、多くの場合、築年数が数年以内の築浅物件です。

 

また不動産の価格は立地条件に大きく左右されるため、駅から遠い・近隣に商業施設がないなど不便なエリアは比較的新しい物件でも高値での取引が難しい傾向があります。

十分な利益が出て新たな物件を開拓する前向きな売却ならまだしも、賃貸経営自体が赤字で売却益で損失を補填しようとしたとき、想定を下回る売却益しか得られなくなるのは悲惨です。

中古マンションの取引価格は運用期間や市況、地域のニーズなどさまざまな事情が絡み合って決まります。

運用を始める前に正確な数値を予測するのは困難を極めるため、売却益をあてにし過ぎないほうが賢明です。

節税効果がほとんどなかった

不動産投資は節税になると聞いて始めたのに、実際はほぼ効果を実感できなかったと嘆くパターンを紹介します。賃貸経営で所得税を減らせるのは、減価償却費を多く計上できるからにほかありません。

しかし年間の償却費は法定耐用年数に左右されるため、耐用年数があり余る新築物件では1年に見積れるコストは少なくならざるを得ません。

また不動産投資で節税の恩恵を受けたいなら所得税率が高い高所得層の人が適しています。日本の税制では所得900万円を基準に税率が23%から33%に一気に上昇します。

もともとの税率が低い低所得者層の場合、減価償却費を多く計上してもさほど効果を実感できない可能性が高いです。

不動産投資は節税にならないって本当?節税の仕組みと理由を解説

まとめ

新築マンションの不動産投資は、入居者の見つかりやすさと高値の売却を期待できることが大きなメリットです。物件の購入価格は高額に及びますが、借入金を活用すれば自己資金の支出は一定の範囲内に抑えられます。

新築マンション投資を成功させるには、精度が高い収支計画の立案が不可欠です。しかし初めて資産運用にチャレンジする人が賃貸需要や市況の変化、家賃相場を正確に見積もることは困難です。

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