不動産経営において、信頼できる管理会社への委託は成功の鍵です。しかし、昨今の経済情勢の中、委託先の管理会社が突然倒産してしまうリスクはゼロではありません。もし管理会社が破綻した場合、オーナー様の手元に入るはずの家賃や、入居者から預かっている敷金はどうなってしまうのでしょうか?

本記事では、そんな万が一の事態からオーナー様の大切な資産を守る「日管協預かり金保証制度」について、仕組みやメリットを分かりやすく解説します。

日管協預かり金保証制度とは?

不動産経営において、物件の管理を委託することは一般的ですが、もし委託先の管理会社が倒産してしまったらどうなるのでしょうか。 入居者から預かっている敷金や、オーナーの手元に届く前の家賃が回収できなくなるリスクがあります。

このようなリスクに備えるために作られたのが、「日管協預かり金保証制度」です。 公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(日管協)が運営しており、万が一管理会社が倒産した際に、オーナーに対して預かり金の一部を保証する制度です。

この制度は、管理会社が日管協に加入し、保証委託契約を結ぶことで利用可能になります。オーナー自身が保険料を払うのではなく、管理会社が制度を利用しているかどうかが重要なポイントとなります。

日管協預かり金保証制度の仕組み

通常、賃貸管理会社はオーナーに代わって入居者から家賃や敷金を受け取ります。 しかし、管理会社の経営が悪化し破綻した場合、本来オーナーに送金されるべき家賃や、退去時に返還するための敷金が使い込まれてしまうケースが少なくありません。

預かり金保証制度では、加入している管理会社が倒産し、オーナーへの送金が滞った場合に、保証機関が代わって弁済を行います。これにより、オーナーは連鎖的な資金ショートを防ぎ、資産を守ることができるのです。

この仕組みは、単なる金銭的な保証だけでなく、管理会社の信用力を測る指標としても機能しています。制度に加入するためには協会の審査が必要であるため、加入していること自体が一定の経営健全性を示していると言えます。

保証の対象となるお金と限度額

では、具体的にどのようなお金が保証の対象となるのでしょうか。 主に保証されるのは、管理会社がオーナーに引き渡す義務があるにもかかわらず、返還できなくなった金銭です。

具体的には、入居者から預かっている「敷金」や「保証金」、そして管理会社を経由して支払われる「家賃」などが該当します。一方で、すべての金銭が無制限に保証されるわけではない点には注意が必要です。

保証の対象と内容は以下の通りです。

項目内容
預かり金
(敷金・保証金など)
入居者から預かり、将来返還または精算が必要な金銭。
保証限度額の範囲内で保証されます。
未送金家賃入居者が支払ったものの、管理会社からオーナーへ送金されていない家賃。
原則として1ヶ月分が保証の限度となります。
保証限度額一管理会社あたり基本1,000万円
※連続加入年数や審査結果等により、最大3,000万円~5,000万円まで引き上げられる場合があります。

このように、もしもの時に一定額が戻ってくるという安心感は、賃貸経営を行う上で非常に大きなメリットとなります。ただし、限度額は「一管理会社全体での上限」であることが一般的であるため、被害総額が大きすぎる場合は按分(あんぶん)される可能性があります。

オーナーにとってのメリット

この制度のある管理会社を選ぶことで、オーナー様にはどのような恩恵があるのでしょうか。最大の魅力である「金銭的な保証」に加え、倒産時の「管理継続サポート」や「管理会社選びの指標」としての活用法など、3つの主要なメリットをご紹介します。

リスクヘッジとしての安心感

最大のメリットは、やはり金銭的なリスクヘッジです。 管理会社の倒産は予兆なく訪れることもあり、数ヶ月分の家賃や数年分の敷金が一度に失われるダメージは計り知れません。

預かり金保証制度があることで、最悪の事態でも最低限の資金が保全されます。 特に、ローン返済を家賃収入に頼っている場合、1ヶ月分の家賃保証があるだけでも資金繰りの破綻を防ぐ大きな助けとなります。

管理の空白を防ぐ「一時管理会社」の紹介

金銭面だけでなく、実務面でのサポートも大きなメリットです。 管理会社が倒産すると、物件の管理業務(クレーム対応や家賃回収など)がストップしてしまう恐れがあります。

本制度では、万が一の際に日管協が「一時管理会社」を紹介してくれる仕組みがあります。これにより、次の管理会社が決まるまでの間も管理業務を継続でき、入居者に迷惑をかけたり、物件の資産価値が毀損したりするリスクを最小限に抑えられます。

優良な管理会社を見分ける基準になる

この制度を利用している管理会社は、日管協という第三者機関による厳格な審査を通過しています。直近の決算内容に基づいて財務状況がチェックされるため、制度に加入できていること自体が、一定以上の経営体質を持った企業である証明となります。

管理会社を選定する際、どうしても管理手数料の安さに目が行きがちです。 しかし、経営状況が見えにくい非上場の管理会社において、「預かり金保証制度への加入」は客観的な信用力を測る重要な指標となります。

制度の利用に費用はかかるのか?

オーナー側として気になるのが費用の負担ですが、基本的にオーナーが直接費用を支払うことはありません。 この制度の加入者はあくまで「管理会社」であり、保証料も管理会社が負担します。

したがって、オーナーは追加コストなしでこの保証の恩恵を受けることができます。 契約等の手続きも、基本的には管理会社が行うものですが、加入証書などが発行される場合は内容を確認しておくと良いでしょう。

もし現在委託している管理会社が加入していない場合、加入を促すことは難しいかもしれません。しかし、次回のリプレイス(管理会社の変更)を検討する際には、必須のチェック項目としてリストアップしておくことをおすすめします。

加入している管理会社の見分け方

では、実際に検討している管理会社が制度に加入しているかどうかは、どのように確認すればよいのでしょうか。主な確認方法は以下の2つです。

  • 店頭やホームページで「加入証」を確認する
    制度加入会社には「預り金保証制度加入の証」というステッカーや証書が発行されています。店頭や会社のホームページに掲示されていることが多いです。
  • 日管協の公式サイトで検索する
    日本賃貸住宅管理協会の公式サイトにある「会員検索」から、保証制度への加入有無を調べることが可能です。

管理会社選びの際は、候補の会社がこれらの条件を満たしているか、契約前の段階で必ずチェックするようにしましょう。

なお、本メディア『エンマネ』を運営するアセットテクノロジー株式会社も、オーナー様の大切な資産をお守りし、安心して管理をお任せいただけるよう、この日管協預かり金保証制度に加入しております。

まとめ

日管協預かり金保証制度は、オーナーの大切な資産を守るセーフティネットであると同時に、管理会社の信頼性を可視化するバロメーターでもあります。「預かり金保証制度に加入している」ということは、第三者による審査をクリアし、入居者やオーナーのお金を大切に扱う体制が整っていることの証です。

数ある管理会社の中から、安心して長く付き合えるパートナーを見つけるために。 ぜひ「預かり金保証制度への加入有無」を第一の判断基準として活用し、「この会社なら安心して任せられる」と確信できる管理会社を選んでください。

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執筆者

エンマネ編集部

エンマネ編集部

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