1,000万円を資産運用すべき理由とは。おすすめの金融商品を紹介

手元に1,000万円がある人は、資産運用するのがおすすめです。理由として、2019年に金融庁が「老後30年間で約2000万円が不足する」と発表した老後2,000万円問題があげられます。 安定した生活を送りながら将来への備えも万全にする対策として、資産運用が注目されるようになりました。1,000万円だけでは必ずしも安心できない時代に突入しつつあるので、手元の資産をどう効率よく増やしていくかを考えましょう。 今回は、1,000万円ある人が資産運用すべき理由や、おすすめの金融商品を紹介します。「興味があるけれどなかなか手が出せない…」という方は、ぜひご参考ください。

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預貯金が1,000万円ある人が資産運用すべき理由

ここでは預貯金が1,000万円ある人が資産運用すべき理由を解説します。

1,000万円すべてを資産運用に回さずとも、少額で始められる手法も確立しつつあります。まずはその理由を探っていきましょう。

銀行に預けても金利が期待できないため

預貯金は銀行に預けるのが一般的ですが、銀行に預けたとしても金利による資産増が期待できません。低金利時代が長く続いている昨今、大手都市銀行の普通預金金利は0.001%程度に下がっています。1,000万円を1年間預けていても、わずか100円の金利しか得られません。

1990年ごろは金利が1.8%程度あり、同じ1,000万円でも1年あれば18万円増やすことができたことを考えると、その差は歴然です。

もはや銀行に預けておいてもメリットがないのであれば、資産運用に充てて「お金を増やす対策」を講じるべきといえます。

インフレリスクを軽減できる

物価が上昇すると、現在所有している現金の価値は下落します。現時点で1,000万円の価値があるお金も、数十年後には半分の価値しかないかもしれません。このようなインフレリスクを軽減するためにも資産運用は有効です。

インフレリスクとはその名の通り、インフレが起こったときに資産が目減りするリスクのことであり、お金の価値が変動することによるデメリットを指します。

例えば今日、1本100円で購入できる飲み物が半年後200円に値上がりした場合、同じく1,000万円を持っていても購入できる数は半減してしまいます。ありとあらゆるものの値段が上がっている昨今、インフレ対策のひとつとして資産運用を始める人が増えているのです。

1,000万円を資産運用した際のシミュレーション例

仮に1,000万円を平均利回り1%と3%で運用した場合に得られる収益がどうなるか、シミュレーションした結果が下記の表です。

運用年数

平均利回り1%で

1,000万円を運用した場合

10年

1,104万6,221円

20年

1,220万1,900円

 

運用年数

平均利回り3%で

1,000万円を運用した場合

10年

 1,343万9,164円

20年

 1,806万1,112円

上記の通り、1,000万円を平均利回り3%で20年運用すれば、ほぼ資産を倍近くにすることができる計算です。40歳で投資を始めた場合、仕事をリタイアする60〜65歳頃には約2,000万円の資産を確保でき、冒頭で触れた老後2,000万円問題も解消されます。

一方、今の低金利が続いたまま30年間銀行に預けていても、数千円程度にしかなりません。資産運用は将来への備えやインフレ対策として十分有効であるとわかります。

1,000万円での資産運用におすすめの金融商品7選

ここからは、1,000万円で資産運用したいときにおすすめの金融商品を紹介します。

どのような投資手法があるか知るためにも、目を通してみましょう。

不動産投資

不動産投資は、不動産を取得して家賃収入を確保したり購入額より高く売却して利益を得たりする投資手法です。所得税・住民税・相続税などの負担を軽減できるケースもあるので、節税目的で始める人も多くいます。場合によっては、自分が住む選択肢があることも特徴です。

1,000万円を元手にして不動産投資ローンを組めば、自己資金以上の物件を手に入れられることもあり、レバレッジを効かせやすいというメリットもあります。

1,000万円で始める不動産投資!損をしないために知っておきたいこと

REIT(リート)

REIT(リート、不動産投資信託)は、不動産所有企業(不動産投資法人)の証券を投資信託で購入する投資手法です。自己資金が少額でもチャレンジしやすく、間接的ではありますが複数の不動産に投資できるのでリスクヘッジがしやすいのがメリットです。

なかには、REIT(リート)で不動産投資に関する知識を蓄えてから自分で物件を取得する人もいます。

不動産私募ファンド

前述したREITに対して、特定の投資家に限定して募集を行うのが、不動産私募ファンドです。プライベートファンドと呼ぶこともあります。

公募されるREITに比べて高いリターンが期待できることがメリットです。運用の自由度が高いものの、専門的な知識が求められる場合が多い点がデメリットといえます。

株式投資

株式投資は、企業が活動資金を調達するために発行する株を売買して収益を上げる手法です。所有している株数に応じて配当金や株主優待が得られるメリットがあり、本業の職種問わず多くの人がチャレンジしています。

投資信託

投資信託とは、プロに債券や株式の運用をしてもらい、利益を還元してもらう投資手法です。分散投資によるリスクヘッジがしやすく、自身に投資の知識がなくても比較的挑戦しやすいことから、多くの人に支持されるようになっています。

FX

FX(外国為替証拠金取引)は、為替の上下に応じて通貨を売買し、差額による収益獲得を目指す投資手法です。少ない資金からでも始められますがハイリスクハイリターンであり、専門的な知識が求められることがあります。

仮想通貨

仮想通貨とは、インターネット上で取引される暗号資産の売買によって収益獲得を目指す投資手法です。価格変動(ボラティリティ)が大きい銘柄が多く、運用次第では高い収益を上げられますが安定性には欠けます。

1,000万円を運用する際の注意点

最後に、1,000万円を資産運用する際の注意点を解説します。

メリットも多い資産運用ですが、デメリットがあることも理解しておきましょう。

資産運用は余剰金で行う

資産運用は、いずれの場合でも余剰資金を使って行うのが鉄則です。生活に最低限必要な資金や、万が一自分や家族が怪我・病気・失業したときに使う生活防衛資金まで、運用に回さないようにしなくてはなりません。いざというときに使える現金がなくなってしまいます。

あくまでも、余裕が生まれてからチャレンジすることを意識しておきましょう。

1回で大きなリターンを狙わない

資産運用する際は、ある程度長期的な目線で判断する必要があります。1回で大きなリターンを狙わないことが大切です。

1回の失敗で資産運用すべてを諦めてしまうのは大きな機会損失であり、反対に1回の成功で次から気が大きくなってしまうのも危険です。トータルでの収益を計算しながら、複数回の運用を経てリターンを獲得するよう意識しておきましょう。

短期でなく長期で考える

短期ではなく長期的な視野を持ち、将来的な収益を最大化するよう努めましょう。

短期で投資する場合、目先の値動きをある程度予想する必要があるので経験と知識が求められますが、長期投資は目先の値動きを常に見張る必要がないので忙しい人でも挑戦しやすく、投資初心者にもおすすめです。

まとめ

現段階で貯金が1,000万円以上ある人は、資産運用のスタートを検討していきましょう。余剰資金を上手に活用できれば将来に向けての備えにもなり、効率良く資産を増やせるのでおすすめです。

ただし、投資の種類によってはリスクを負うこともあります。必ず儲かるとは考えず、知識を身につけてからリスクを考慮しつつ自分に合った方法で投資しましょう。