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60代で資産運用をする必要性
定年退職してからの資産運用は現実的ではないように感じる方もいるかもしれませんが、60代だからこそ資産運用をする必要性があります。
ここでは、60代で資産運用をする必要性を紹介します。
年金だけでは老後資金が足りない
長寿国である日本では「人生100年時代」ともいわれており、医療技術の発展に伴って平均寿命がどんどん延びています。
60歳で退職した場合は、40年間生活を維持していく必要があり、年金だけでは老後資金が不足する可能性があります。
日本年金機構によると、令和5年4月分からの年金額は以下の通りです。
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):66,250円
- 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):224,482円
生命保険文化センターの調査によると、ゆとりある老後を過ごすために必要な資金は、平均37.9万円といわれており、日本年金機構が示した年金額と照らし合わせると、約15万円不足することになります。
この状態が10年続けば1,800万円、20年続けば3,600万円不足することになり、生活を維持するのは難しいといえるでしょう。
ゆとりのある老後生活を送るためにも、早い段階から資産運用をして老後資金を確保しておくことが大切です。
預貯金だけでは資産が増えない
日本では長い間低金利が続いており、金融機関にお金を預けるだけでは、老後資金の確保は難しいです。
金融機関によって普通預金の金利は異なりますが、大手銀行でも年0.001%の金利になっていることも珍しくなく、仮に100万円預けたとしても1年で10円の利益にしかなりません。
金利によって増えた分のお金には税金が課せられるため、利益はさらに落ちます。
預貯金は元本割れしないことが保証されているうえに、任意のタイミングで引き出せるため、お金の保管場所としては最適です。
しかし、低金利である以上はお金を増やす手段としては力不足のため、老後資金を確保するためには資産運用をした方が良いといえるでしょう。
インフレ対策になる
現在の日本ではインフレが起こっており、徐々に物価が上昇しています。
物価が上昇すると、これまで100円で購入できたものが来年には120円になったり1,000円で利用できたサービスが1,200円になったりする可能性があります。
値段があがっても購入する商品、受けるサービスの内容は変わらないため、必然的にお金の価値が下がってしまいます。
インフレが起こっているなか、預貯金だけを保有していると、資産はどんどん目減りしていきます。
しかし、早い段階で株式や不動産などを保有して資産運用しておけば、万が一物価が上昇してもその資産も同時に価値が上昇するため、インフレ対策として有用です。
資産寿命が延ばせる
資産が尽きるまでの期間は、一般的に資産寿命と呼びます。
定年退職後に不足している年金だけで生活をした場合は、必然的に保有資産を切り崩しながら生活をせざるを得ません。
安定した老後生活を長く維持していくためには、資産運用をして資産寿命を延ばしていくことが重要です。
60代からの資産運用は、お金を増やすという意味合いではなく、お金を維持していく意味合いの方が強いです。
なにもしなかった場合は、老後生活の途中で資産が尽きてしまいますが、資産運用をしておけば資産を維持しながら長く生活できるようになります。
60代におすすめ資産運用
ここでは、60代におすすめの資産運用を紹介します。
投資信託
投資信託とは、多くの投資家から資金を集め、ファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロがその資金を運用してくれるという金融商品です。
投資先は複数あり、株式や債券、不動産など、幅広い資産に分散投資して運用していきます。
投資信託は少額からはじめられることがメリットであり、定年退職後でも無理なく資産運用することが可能です。
投資のプロが運用してくれるため、自分で投資判断をする必要がなく、投資に関する知識がなくても利用できます。
株式投資
株式投資とは、株式市場で企業の株を売買して利益を得る投資方法です。
株式は他の投資手段に比べてリターンが高くなる可能性を秘めています。株価は企業の成長や利益と連動しているため、企業の業績が向上すれば、購入した株の価値も上昇します。
株価が上昇したタイミングで売却をすれば、購入したときの金額との差額が利益となります。
また、株式を売却せずに保有しておくという方法もあり、保有する株式の数に応じて毎年「配当金」や「株主優待」を企業から得ることが可能です。
株式の売買単位は100株となっているため、購入するためにはある程度の資金は必要ですが、高いリターンや毎年得られる特典は株式投資ならではです。
債券投資
債券投資とは、国や地方公共団体、企業などが資金調達を目的に発行する証書を購入し、一定期間保有していると定期的に利息収入が得られる投資方法です。
満期を迎えたら元本がそのまま返ってくることが特徴であり、安全性が高い資産運用といわれています。
債券は途中で売却することができますが、タイミングによっては元本割れしたり、発行者が破綻した場合は額面分の金額が返ってこないリスクはあります。
しかし、信用度が高い発行者であれば、破綻するリスクは最小限のため、比較的安全に資産運用することが可能です。
不動産投資
60代の方で、不動産を所有している場合は、不動産投資がおすすめです。
不動産投資とは、アパートやマンションなどの不動産を第三者に貸し出したり売却することで、収益を得るという投資方法です。
不動産は昔からインフレに強いといわれており、物価が上昇した場合は不動産の価値や家賃も連動して上昇するため、資産価値の低下を防止できます。
賃貸として不動産を貸し出す場合は、管理や事務的な業務が発生し、手間や時間がかかる可能性があります。
自身で管理ができない場合は、管理を専門とする不動産会社に委託するのがおすすめです。
手数料はかかりますが、手間や時間をかけずに家賃収入が得られるため、比較的楽に資産運用ができます。
60代からの資産運用を成功させるポイント
ここでは、60代からの資産運用を成功させるポイントを紹介します。
資産運用の基礎知識を身に付ける
資産運用の方法のなかには、投資に関する知識が少なくても、比較的低リスクで利用できるものがあります。
しかし、リスクが少ないからといって投資に関する知識を持たないまま資産運用を続けてしまうと、資産を増やすチャンスを逃してしまうかもしれません。
より効果的に資産形成、資産維持していくためには、投資をはじめる前に資産運用に関する基礎知識を身に付けておくことが重要です。
たとえば、株式投資をするのであれば市場の動向や銘柄についてリサーチする、不動産投資であれば相場の変化や傾向を把握する、債券投資であれば利息収入の仕組みを理解するなど、投資の基本となる知識を身につけておくと、資産運用がやりやすくなります。
退職金を全額投資しない
定年退職後、退職金を投資に使って老後資金を確保しようと考えている方は少なくありません。
しかし、退職金を全額投資に使ってしまうと、万が一投資に失敗した場合は老後生活していくための資金をすべて失ってしまうリスクがあります。
特に、これまで投資をしたことがない方や投資に関する知識がない方が、いきなり1,000万円や2,000万円などの大金を投資に使ってしまうと、失敗する可能性が高いです。
もし退職金を投資に使う場合は、年金が支給開始されるまでの期間に必要となる生活費を計算したうえで、余剰金を投資に回すようにしましょう。
資産寿命を延ばすことを意識する
資産運用や投資と聞くと、資産を増やすというイメージが強いですが、60代からの資産運用では、資産寿命を伸ばすという意識が重要になります。
資産寿命とは、老後生活を送るにあたって、これまで貯めてきたお金が尽きるまでの期間を指します。
前述したように、支給される年金だけでゆとりのある老後生活を送るのは難しいといえます。
資産運用を行わずに、年金だけで生活をしようとした場合は、必然的に資産を切り崩して生活していくしかなく、不足分が多ければ多いほど資産が尽きるのも早いです。
60代から資産運用をする場合は、お金を増やすという意識ではなく、現在の資産を可能な限り維持して、生活を長く安定させることを意識することが重要です。
まとめ
60代からの資産運用は難しいと思われがちですが、老後資金を確保・維持するために利用できる投資方法は数多くあります。
少額からはじめられる投資信託や高いリターンが期待できる株式投資、安定的に家賃収入が得られる不動産投資など、多種多様なニーズや生活スタイルに合う資産運用があるため、自分の資産状況に合ったものを選ぶと良いでしょう。
アセットテクノロジーでは、賃貸物件オーナー様のコンシェルジュとして、不動産の管理や入居者対応などの業務を多角的にサポートしています。
オーナー様は、スマートフォンアプリ、もしくはパソコンで契約状況や収入状況が確認可能であり、煩雑な業務や書類に囲まれることなく資産運用ができます。
不動産管理を自分でやっている方やこれから不動産を賃貸として運用していきたいと考えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。