【失敗する4つの原因】区分マンション投資を成功させる手段とは?

不動産投資の中でも管理の手間が少なく、初期費用が安価なことから、区分マンション投資が注目されています。しかし、初期費用は破格の安さではありません。収益を得られず「失敗するのでは」と取り組みに悩む方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、マンション投資のメリット・デメリット、失敗しないためのポイントを紹介します。

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区分マンション投資とは?

不動産投資の対象としてマンションを購入するときには、一棟単位と一室単位、大きくふたつの方法にわかれます。区分マンション投資は、一棟まるごとではなく、一室単位で所有するものです。

マンション一棟に投資すればそれだけ多くのリターンを見込めますが、数千万円以上の購入費用を用意しなければなりません。一般的にローンを組みますが、なかなか手を出しにくい金額です。

一方区分マンション投資は、マンション一室単位で運用します。そのため、マンション一棟購入よりも、比較的現実的なコストでマンション投資をスタートできます。また、大規模修繕が必要な1棟と異なり、修繕は少額です。

このことから初心者を中心に区分マンション投資が注目されています。

区分マンション投資の「失敗」「成功」とは何か

区分マンション投資の「失敗」とは、運用予定期間の支出に対して、期待する収益が得られず赤字になることをいいます。

不動産投資で、運用中の赤字は失敗ではありません。運用予定期間まで運用し、最終的に黒字になれば「成功」であり、赤字になれば「失敗」です。

たとえ賃貸中は赤字であっても、物件を売却して運用を終了したときに黒字になれば、その投資は成功といえます。

失敗を防ぐには、まずどの程度の期間で、どの程度の収益を得るかという目標設定が重要です。そして目標実現に向けてロードマップを描き、その条件を満たす投資物件を探すことが必要になります。

区分マンション投資に失敗する4つの原因

区分マンション投資は初期費用やランニングコストを抑えられる一面を持っていますが、失敗するおそれがある一面も考慮しなければなりません。この項目では、区分マンション投資に失敗する原因を紹介します。参考にして対策を打ちましょう。

1.知識不足の状態で始めてしまう

不動産投資の知識が少ないまま始めると、目先の状況や数字に左右されて、『適切な判断を下せない』可能性が考えられます。

物件を購入する前に、まずは不動産投資について勉強することが大切です。本や雑誌、ネットの情報を読む、投資セミナーや相談会に参加するなど、しっかりと知識を身につけましょう。

2.空室で収支がマイナスになる

区分マンション投資は1室単位で運用するため、空室になれば家賃収入はゼロです。家賃収入がなくても、修繕積立金や管理費、ローンといった経費の支払いは続くため、収支状況がマイナスになるでしょう。

このマイナス収支を解消するには、入居者を募集しなければなりません。それでも入居者が募らなければ、家賃の値下げを検討することになるでしょう。とはいえ、家賃の値下げは収入を減らす行為となるため最善策とは限りません。

そのため物件購入前に不動産会社に相談しておきましょう。マイナス収支の対策として、家賃保証が付く不動産会社も存在します。不動産会社によって家賃保証の割合は違うため、複数の会社に相談してみましょう。

3.経費を考慮していない

物件購入にあたって、最初の一歩となるのが不動産会社への見積りです。物件購入後の収支について具体的なシミュレーションを示してもらえば、安心して区分マンション投資を始められます。

ただし、シミュレーションに含まれる経費は固定費だけの場合があります。固定費は管理費や修繕積立金、税金などです。実際に不動産運用すると、固定費に加えて設備の故障などで突発的な修理費が発生します。

シミュレーションでは、こういった突発的な事象までは含まれず行われている場合もあります。不動産会社に頼りすぎず、自分自身でも詳細なシミュレーションを行って、リアルな収支を想定したうえで購入を判断しましょう。

4.物件売却時に損失が出てしまう

不動産投資は、安定した家賃収入だけではなく、最終的に物件を売却したあとに利益を出せたかどうかで運用結果が決まります。もし売却がうまくいかなければ、家賃収入が期待どおりに得られていたとしても、結果として損をしてしまうこともあるのです。

注意したいのが、新築マンションを運用するケースです。一般的に新築物件は周辺の相場よりも購入価格が高めになりやすい分、売却時には価値が下落しやすい傾向があります。

また、相場に合わない価格で物件を高額購入してしまった場合も注意が必要です。相場どおりの価格で売れたとしても、購入価格との溝が埋まらず、結果大きな損失になるかもしれません。

区分マンション投資の失敗を避ける5つのポイント

失敗例をいくつかみてきましたが、区分マンション投資はきちんと知識をもって行えば、リスクを回避できます。

区分マンション投資で失敗しないためのコツを5つにしぼって解説します。

1.資産価値の高い物件を選ぶ

資産価値が高く、価値が下がりにくい物件を選べるかが、区分マンション投資を成功させるカギとなります。物件の立地、部屋の広さや間取り、設備、防犯や防災機能など、そのエリアに住む人が求める住環境が整っているかをチェックして下さい。

新築、中古といった築年数だけを基準に選ぶのは避けた方が良いでしょう。しかし、賃貸物件は築浅のほうが好まれる傾向があるため、物件選びに悩んだら新築物件を選んでおくと安心です。

また、空室を防ぐには物件の管理状況も重要になります。管理会社の仕事ぶりを自分の目で確認しておくひと手間も大切です。

2.長期的なプランを立てる

区分マンション投資は、一室の賃料をコツコツ積み重ねていく運用法です。短期間に大きなリターンを得られる方法ではないので、長期的な視野を持って運用プランを立てましょう。

築年数の経過や入居者の入れ替わりによる家賃の変動、予定外に発生する修繕費、空室リスクや入居者トラブルなど、起こりうる事態を盛り込んで具体的なプランを練ります。

また、突発的な出費にすぐに対応できるように、ある程度の金額はすぐ動かせるキャッシュで確保しておくなど、急な出費にも対応できるように考慮すると良いでしょう。

3.表面利回りだけで決めない

不動産投資では投資用物件を表面利回りで販売するのが一般的です。高い表面利回りも区分マンション投資の人気を後押しする要因となっています。しかし、表面利回りには実際の運用にかかる諸経費が含まれていないため注意しましょう。

利回りを判断するときには、必要経費も考慮して『実質利回り』を考えるべきです。実質利回りは「(家賃収入-必要経費)÷(物件の購入価格+購入時の経費)×100」で求められます。

4.事前調査を怠らない

不動産会社は、物件売買の知識や経験が豊富です。副業で不動産投資を始める場合は頼れる存在です。とはいえ、任せきりにせず、自分で事実を把握することで、運用中の失敗を防げる可能性が高まります。

実際に見てみると、不動産会社からの情報とは印象が異なることもあるはずです。駅から遠い、騒がしい、管理が行き届いていないなど、周辺エリアの雰囲気や住環境が想定していたものと異なるケースも考えられます。

1棟よりも手軽に購入できるとはいえ、区分マンション投資にはお金がかかります。十分なリサーチを行い、納得してから購入することが大切です。

5.不動産会社選びは慎重に行う

区分マンション投資で失敗しないためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要になります。

エリア周辺の最新動向や需要の有無など、プロだからこそ知りうる情報はさまざまです。丁寧なヒアリング、希望に合う物件の紹介など、きちんと顧客に向き合ってくれる会社を選びましょう。メリットだけではなく、デメリットやリスクも説明してくれる会社がおすすめです。

また、営業担当との関係も良い物件との出会いにつながります。価値あるアドバイスをもらえるように、良好な関係を築くことを心がけましょう。

区分マンション投資を「成功」に導く秘訣

失敗を防ぐポイントを踏まえたうえで物件を購入しても、不動産投資に絶対はありません。運用中に想定どおりの収益が得られず「失敗しそう」と感じることも出てくるでしょう。ここでは、失敗しそうと感じたときの対策方法を3つ紹介します。万が一に備えて覚えておきましょう。

リノベーション・リフォームを検討する

区分マンションに限らず、築年数を経てくると空室のリスクが高くなります。リノベーションやリフォームで物件の魅力を高めることは、長期的な空室の解消に繋がります。強気の家賃設定も可能になるでしょう。

高い入居率を確保できていれば、物件の価値も高まり売却価格の下落を抑えられることもメリットです。

リノベーションやリフォームは、入居者層の動向を調査して、需要のある要素を取り入れることがポイントです。床やクロスをおしゃれなものにしたり、水周りに最新の設備を入れたりすることで、入居率アップを期待できます。

繰り上げ返済を視野に入れる

繰り上げ返済とは、物件購入時に組んだローンの返済予定よりも早く借入金を返済することです。ローンの一部を繰り上げ返済後は、ふたつのケースに分けられます。毎月の返済額はそのままで残りの返済期間を短くする期間短縮型と、借入期間はそのままで毎月の返済額を減らす返済額軽減型です。

繰り上げ返済は、金利の負担を軽減でき、最終的な返済額を減らせるのがメリットです。特に期間短縮型はその効果が大きく、収支が好転するケースがあります。変動金利の場合、金利上昇への対策にも有効です。

ただし、繰り上げ返済は、手元の資金を減らすことになります。よくシミュレーションを行い、収支改善効果とキャッシュのバランスを見て検討しましょう。

賃貸管理会社を変更する

空室が発生してなかなか埋まらないときは、入居者募集に強い管理会社に変更することも有効な手段です。

管理会社が扱っている物件の入居率や空室率を参考に、実績のある管理会社を選択しましょう。空室対策について担当者に相談しやすいか、宣伝をしっかり行ってくれるかなどもポイントになります。

まとめ

区分マンション投資は、1室だけを投資対象とするため、予算の少ないサラリーマンでも始めやすい人気の副業です。大きなリターンは得にくいものの、安定した家賃収入を得られれば、高利回りの運用を実現できるでしょう。

ただし、空室によって瞬く間にマイナス収支に陥るなど、想定すべき失敗もあるので、計画性をもって始めることが大切です。信頼できる不動産会社の力を借りて、より収益性の高い物件を選ぶことが、成功への一歩となるでしょう。