30年後のマンションの資産価値は?資産価値を維持する方法もご紹介

建物は年月の経過とともに劣化し、設備の故障や老朽化が進みます。そのためマンションの資産価値は年々減少するのが一般的ですが、30年後はどうでしょうか。この記事では、30年後のマンションの資産価値について解説します。また、マンションの資産価値を維持する方法についてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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30年後のマンションの資産価値は?売却可能?

マンションは築年数が経過するごとに経年劣化し、資産価値が減少するのが一般的です。30年後、かなり月日の経ったマンションの資産価値はどうでしょうか。ここでは、30年後のマンションの資産価値と売却について解説します。

資産価値は7割程度下落する 

マンションの資産価値は年々減少し、30年後には7割程度下落するといわれています。そして20〜30年程度で下げ止まりを迎えることが多いようです。

ただし、マンションの資産価値は管理状態や需要と供給のバランスなど、さまざまな要素に影響されるため一概にはいえません。

適切に管理すれば売れる可能性が上がる 

30年経過したマンションでも定期的な修繕や保守を行っていれば売却できる可能性は上がります。外壁や屋根の補修、共用施設のメンテナンスなどをすれば、マンションの外観や設備の劣化を防げるでしょう。法定耐用年数が過ぎていたとしても、マンションの見た目や機能性が保たれていれば、一定の需要が見込めるので売却できないわけではありません。

リフォーム・リノベーションには費用がかかります。売却するためにリフォームする場合は、売却費も考慮すると良いでしょう。

ヴィンテージマンションなら高い資産価値を見込める 

ヴィンテージマンションとは、古い時代の建築やデザインの特徴を持ち、独自の魅力を持っているマンションのことです。築年数が経過しても資産価値が減少しにくいため、高い金額で売却できるでしょう。

マンションの資産価値を決める5つの要素

マンションの資産価値は築年数だけでなく、立地や間取りなどさまざまな要素で決まります。将来的にマンションの売却を考えている場合は、次にご紹介する、マンションの資産価値を決める要素を押さえておきましょう。

1.立地 

マンションが交通の便に恵まれた立地にある場合、資産価値が高まる傾向にあります。具体的には、「駅やバス停へのアクセスが良い」「主要な道路や高速道路へのアクセスが容易」などです。こういったアクセスの良い立地は住民にとっての利便性が高まります。

ほかにも、マンションの周辺環境も資産価値に大きな影響を与える要素です。近くに公園や緑地、商業施設やレジャースポットなどがある場合は、住環境の魅力が高まり、資産価値も向上する可能性があります。

2.希少性 

希少性は、そのマンションがほかの物件と比べて限られた数しか存在しないことや、独自の特徴や価値を持っていることを指します。

歴史的な建物や有名な建築家による設計、特徴的な外観や内装などは、希少性を持ち、独自の価値を生み出すでしょう。ほかにも「周辺に同じようなマンションがない」「地理的に珍しい場所に建っている」「レアなオプションや特典がある」なども希少性の高い物件として挙げられます。

3.間取り 

間取りは住みやすさや機能性に直結する部分であり、間取りの良し悪しは資産価値に大きく影響します。例えば、各部屋が使い勝手の良いサイズや配置であり、生活動線がスムーズになっている場合は、住民の利便性が高まり、資産価値が向上するでしょう。

また、マンションの間取りが、居住者のニーズやライフスタイルに合っている場合、需要が高まります。ファミリー向けの間取りであれば、子ども部屋や収納スペースが充実していることが重要です。シングルやカップル向けの間取りでは、コンパクトで使いやすい設計が重視されます。こういった需要の高い間取りは資産価値が落ちにくいといわれています。

4.管理・メンテナンス 

資産価値を下げないためには、適切に管理・メンテナンスをすることが重要です。外壁や屋根の劣化、給排水設備の老朽化、エレベーターやエアコンなどの設備の故障などは、適切な管理・メンテナンスが行われていない場合に問題が発生する可能性があります。

ほかにも共用施設が清潔で整備されており、設備や機能が適切に保たれている場合は、住民の満足度が高まり、資産価値も低下しないでしょう。定期的な管理・メンテナンスが行われていることは、マンションの信頼性や耐久性を高め、資産価値の維持につながります。

5.階層 

高層階に位置するマンションは、一般的に景観や眺望が良いとされます。例えば、都心部や海岸沿いなどの景観が美しい場所にある高層階のマンションは、資産価値が高まる傾向にあります。

とはいえ、マンションの低層階が必ずしもニーズが低いとは一概にいえません。なぜなら低層階に位置するマンションは、階段やエレベーターの使用回数が少なく、入居者はよりスムーズに移動できる利点があるためです。また、低層階は地震や火災時の避難がしやすいという安全性の面でも評価されます。

築年数の古いマンションが売れない理由

マンションの資産価値の低下は、需要が少ないことを意味します。なぜ築年数の古いマンションは需要が低いか、その理由を明確化することでマンション売却の対策が立てられるでしょう。ここでは、築年数の古いマンションが売れない理由についてご紹介します。

住宅ローン控除制度が利用できない 

住宅ローン控除制度は、国が定める税制上の優遇措置のひとつであり、住宅を購入・建設・リフォームする際の経済的な負担を軽減する目的で導入されています。中古住宅の取得にも住宅ローン控除制度は利用できますが、一定の要件があるため誰でも利用できる制度ではありません。

中古住宅に際しては、「昭和57年以降に建築された住宅」が対象要件のひとつとなっています。築年数が一定期間を超えた古いマンションについては制度の対象外となるため、需要が低くなる可能性があります。

出典:「住宅ローン減税等が延長されます!~環境性能等に応じた上乗せ措置等が新設されます~ 」(国土交通省)

※2023年7月時点の情報です。

設備の老朽化 

築年数が経過すると、マンションの教養設備や室内設備の劣化・故障が進み、住み手の利便性や安全性に影響を及ぼすことがあります。特にトイレやキッチン、洗面台といった水回りを気にする人が多く、見栄えや使用感の観点から古い設備は人気が低くなりがちです。

加えて設備の老朽化や故障が深刻な場合は、修繕や改修が必要になります。しかし、修繕費用が高額になる場合や複数の設備を同時に修理する必要がある場合、負担が大きくなるでしょう。

建物の外観が古い 

時代の流行や建築デザインの変化により、古い建物の外観が現代の顧客の好みに合わない場合があります。例えば、外壁の色や素材、窓の形状や配置など、築年数の経過したマンションの外観が古びた印象を与えることもあるでしょう。

そのため、見た目が新しくモダンな建物に比べて需要が減退し、売れない要因となることがあります。

修繕積立金が高い 

修繕積立金は、将来の修繕や大規模工事に備えるために積み立てられる費用です。築年数の経過とともに建物の劣化が進み、修繕や改修が必要となる場合、それに伴って修繕積立金も増えることがあります。高額な修繕積立金は購入者にとって経済的負担が大きくなるため、マンションが売れない要因のひとつとなるでしょう。

30年後もマンションの資産価値を保つポイント 

30年後もマンションの資産価値を保つには、定期的なメンテナンスと修繕が重要です。古い設備や故障しそうな部品などは修繕や交換などを行うと良いでしょう。

また「いえかるて(住宅履歴情報)」の活用もおすすめです。リフォームやリノベーションの履歴など、住宅に関する情報が蓄積されてあるため、いつ修繕工事が必要かを判断するのに役立てられます。

まとめ

一般的に30年後のマンションの資産価値は、7割程度減少するといわれています。しかし、定期的なメンテナンスと修繕によってマンションの資産価値を維持することが可能です。将来的にマンションの売却を考えている場合は、マンションの資産価値に影響を及ぼす要素を知っておき、対策を立てると良いでしょう。