地価の上がりそうな兵庫の地域は?現在の最新動向を解説

不動産投資のメリットは、在住エリア以外でも物件を所有・運用できることです。昔住んでいた地域や将来的に地価上昇が期待できる市区町村など、様々なエリアで投資に挑戦できます。 効率的に投資したいのであれば、在住エリアにこだわらず、全国の都市部を検討するのがポイントです。幅広く状況を知り、目指したい投資スタイルに合うエリアを選びましょう。 この記事では、地価が上がりそうな地域について、兵庫県内に絞り込んで紹介します。

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直近の兵庫の地価の動き

兵庫県は大阪にもアクセスしやすく、空港やフェリーの発着場があるため幅広い層をターゲットにできる土地です。

ただし、県内ならどこで投資物件を購入しても良いわけではありません。長期的に物件を所有する不動産投資は、兵庫県内でも地価上昇が期待できるエリアを中心に検討することが大切です。

まずは兵庫県下全体と、都市部の地価の動向について解説します。

県全体ではリーマンショック以降も下落傾向

国内の経済状況に大きく影響した要因の一つが、2008年より世界的に広がったリーマンショックです。アメリカの投資銀行が経営破綻したことにより、世界各地が経済に打撃を受けました。

リーマンショック以降の兵庫県内の動向を見ると、9年間で住宅地の土地価格は2.8%下落しています。

出典:「地価公示」(国土交通省)

一方で、商業地は近年まで上昇傾向を見せていました。しかし新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の停滞により、商業地の地価も直近の数年間は横ばい状態です。

下落が顕著なのは神戸市北区、三田市、川西市など、都市圏北側エリアです。2020年と2015年の地価を比較すると、最も下落率の高い神戸市北区で約4.4%でした。

都市部で起きていること

兵庫県は、自然豊かな日本海側と都市部の瀬戸内海側をあわせもつ、特徴的な地域です。都市圏の北側にあたる神戸市北区、三田市、川西市を中心に、ベッドタウンとして発展してきました。一方で、近年は居住ニーズが神戸・三宮の東西エリアに変わりつつあります。

居住ニーズが変化している理由の一つとして、金利上昇によってユーザーの購買力が向上していることがあげられます。従来より2割ほど購買力が向上しており、以前は一部の層のみが購入を検討していたエリアの物件も、積極的に検討するユーザーが増えてきました。

特に都市部はタワーマンションなど再開発が進んでいるため、従来のニュータウン需要が神戸・三宮にシフトしている状態です。利用できる公共交通機関が限られやすいことも、かつてのベッドタウンから都市部へユーザーの注目が移った理由といえます。

兵庫の地価がこれから示す動きは?

不動産投資を行う場合、現状のみならず今後の動向も視野に入れて物件を購入することが大切です。

兵庫県における今後の地価動向を、神戸市周辺と明石市周辺の2つに分けて紹介します。

神戸市周辺で投資の機会が増える

神戸市の住宅需要に影響したニュースの一つが、自治体による中央区(三宮付近)の高層マンション開発への規制施策です。結果的に開発エリアが三宮付近から中央区の東西・灘区、東灘区方面へ広がりつつあります。

市が高層マンション開発を規制した理由は、中央区への居住人口の過度な一極集中が懸念されたためです。一方で、近隣の垂水区は土地の容積率が緩和されるなどの措置が取られており、中央区以外のエリアも住宅購入希望者から注目されるようになりました。

交通網を見ても、神戸市を中心に鉄道や港が整備されています。今後は神戸市周辺も選択肢に加わることで、不動産投資の機会も増えることが見込まれます。

明石市周辺で今後も居住ニーズが増える

コロナ禍では緊急事態宣言の影響もあり、多くの企業がリモートワークを導入しました。リモートワークは自宅やカフェ、サテライトオフィスなど、遠隔地で働くスタイルの総称です。オフィスへ出社する必要性がなくなることから、リモートワークにともなうニーズの変化によって、明石市が評価されるようになりました。

コロナ禍以前は、通勤通学面の利便性が重視される傾向にあり、広さよりも立地を求めるのが一般的でした。しかしリモートワークの普及により、通勤の必要性が薄れた結果、「もう少し広い家に住みたい」と考える層も増え、神戸市に隣接する明石市が注目されています。

事実、直近の5年間における、西明石駅エリアの標準的な物件価格の推移を見ると、約19.26%の上昇率です。

出典:「西明石駅の中古マンション価格相場」(株式会社LIFULL)

兵庫で地価の上がりそうな地域は?

前述した神戸市周辺の地価動向を参考にすると、兵庫県内で地価上昇が期待できる地域はいくつかあげられます。

今後ますます地価が上がると見込まれる地域は、大きく分けて「阪神間エリア」「明石市」の2つです。

阪神間エリア

阪神間は、尼崎市・西宮市・芦屋市・伊丹市・宝塚市・川西市・三田市・川辺郡猪名川町の8地域を指します。

中でも特に注目すべき地域が、神戸市灘区・東灘区周辺です。灘区・東灘区はすでに従来以上の上昇の動きを見せており、立地や交通の利便性の面から考えても、今後ますます地価上昇が期待できます。

出典:「兵庫県神戸市東灘区の中古マンション」(株式会社LIFULL)

東灘区に隣接する芦屋市も転入者数がゆるやかに増加しつつあり、同じく地価上昇の傾向を見せています。

明石市

神戸市に隣接する明石市は、三ノ宮まで約20分、大阪まで約40分と電車通勤しやすい地域です。さらにリモートワークの場合、国道2号線や阪神高速の渋滞による影響も住宅選びの懸念材料から外れます。賃貸・売却のどちらを検討するとしても、十分な需要が期待できる地域です。

神戸市中央区の高層マンション建設規制の影響や、周辺エリアの再開発も考慮すると、明石市以外の郊外部にも投資対象のエリアが広がる可能性があります。

関西エリアへの不動産投資はおすすめ

兵庫県に限らず、関西エリアは都市部で不動産投資を始めたい方に適しています。一番人気の東京は高い需要が見込まれる一方で土地や物件の高騰が激しく、初期費用を用意するのも一苦労です。供給が多い分、利回りも厳しくなります。

東京以外の都市部で不動産投資を検討している方から人気を集めているのが、大阪など関西エリアに加えて名古屋、福岡の地方都市です。初期費用を抑えつつ、高い需要が期待できる地域で不動産投資を始められます。

ただし、都市部ならどこでも不動産投資に適しているわけではありません。どのような出口戦略で、どのような層をターゲットとするのかだけでも、最適なエリアは異なります。必要に応じてセミナー参加や専門家への相談など、知識と情報を手に入れたうえで、自分に合った不動産投資を始めましょう。

まとめ

地価動向は経済状況のみならず、様々な外的要因によって変動します。例えば地勢的な観点や、行政の施策によって左右されることも珍しくありません。

兵庫県は都市部へのアクセスが容易な空港、港を有しており、観光地としても居住地としても魅力のある土地です。明石市をはじめ子育て世代が住みやすい環境作りに力を入れている地域も多く、今後の動向が楽しみな県でもあります。

関西エリアでの不動産投資を検討している方は、兵庫県も選択肢に加えてはいかがでしょうか。