目次
不労所得には原則として税金がかかります。さらに種類や金額によって課税方法や税率が異なるため、具体的な計算方法に悩んでいる方は少なくないでしょう。
この記事では、不労所得に関する税金の基本的な考え方から種類別の課税パターン、具体的な計算方法、不労所得にかかる税金を軽減するための合法的な方法を詳しく解説します。
不労所得の税金に関する疑問を解消し、効果的な資産運用や節税対策を行いましょう。
不労所得とは?
不労所得とは「労働せずに得られる(不労)所得」のことを指します。一般的には、家賃収入・株や投資信託の配当金・親の遺産などをイメージすることが多いです。
不労所得は「勤労所得」と対になる言葉であり、働く時間・場所・自分や家族の都合に左右されず収入を確保できることから、憧れを持つ方もいるでしょう。
不労所得を作る方法を紹介
では、実際にどのような収入が不労所得に該当するのでしょうか。ここでは、代表的な不労所得を作る方法について、そのメリットやデメリットを交えながら解説します。
株式投資で所得を作る方法
株式投資とは、企業が発行している株式を購入し、配当金を得たり株式を売却したりして収入を得る方法です。
【メリット】
- 配当金による収益が狙える
- 10万円程度から購入できる株も多い
- 運用の手間がかからない
- 株主優待を得られる
- 業の経営に参加できる
【デメリット】
- 手数料がかかる
- 企業が倒産すると投資金額が戻ってこない
- 売買がすぐに成立しない可能性がある
株式投資には、証券口座の開設などの準備が必要です。10万円程度から購入できる株も多く、口座さえ開設できれば、その後は運用の手間がかからないことがメリットです。
また、充実した株主優待を提供している企業もあります。株主優待券によって安価にショッピングやレジャーを楽しめたりするので、生活の支えとなるケースもあります。
FXで所得を作る方法
FX(=Foreign Exchange)とは、為替レートの変動に応じて外貨を売買し、差額による収益を獲得する方法です。
【メリット】
- 少額から投資できるので自己資金が少なくても安心
- 金利による利益も得られる
- 自動売買を利用すれば運用の手間がかからない
- レバレッジをかけて自己資金以上の取引もできる
【デメリット】
- 自己資金以上をかけた場合のリスクが大きい
- 為替変動の影響をダイレクトに受ける
- 社会情勢の影響も受けやすい投資家の動きを分析する必要があるので初心者には難しい
少額から投資できることから自己資金が少ない初心者でも参入しやすい特徴があります。また、自資金以上の額を活用して投資するレバレッジをかけることもできるため、ハイリスクハイリターンな方法ともいわれています。
暗号資産で所得を作る方法
暗号資産(仮想通貨)とは、電子通貨の売買による差額で収益を上げる方法です。一部の有名な仮想通貨は家電量販店などで電子マネーのように利用できます。暗号資産にはさまざまな銘柄があり、インターネット上で24時間365日取引されています。
手数料が安く、数百円単位で資金を追加できるので、細かな調整がしやすいことが特徴です。
【メリット】
- 手数料が安いので収益率を高くできる
- 少額でも取引を始められる
- 24時間364日取引できるので時間の都合をつけやすい
- 海外への送金や取引が楽
【デメリット】
- 暗号資産の運用や管理に関する専門知識が必要
- 価格変動が大きいのでハイリスク
- 法定通貨のような安定性がない
海外の投資家も多く参入しており、国内外で取引の機会に恵まれます。
ただし、あくまで仮想通貨に過ぎないため、円やドルのような法定通貨とは異なることを理解したうえで運用することが大切です。
アフィリエイトで所得を作る方法
アフィリエイトはインターネット上で自身のWebサイトやSNSを通じて商品やサービスを紹介し、成果報酬を得る方法です。自分の興味や専門知識を活かしたコンテンツを作成し、読者や視聴者に価値ある情報を提供しながら収入を得られます。
初期投資が少なく、自宅で始められるのが特徴です。
【メリット】
- 初期投資が少ない
- 場所や時間の制約が少ない
- 興味のある分野で収入を得られる
- 成功すれば高収入の可能性がある
【デメリット】
- 収益が安定するまで時間がかかる
- 継続的なコンテンツ制作が必要
- 競争が激しい
- アルゴリズムの変更など外部要因の影響を受けやすい
誰でも気軽にスタートできる方法ですが、不労所得を得るまでにはコンテンツを育てる必要があります。すぐには稼げない方法になるため注意が必要です。
無人販売設備の運営で所得を作る方法
無人販売設備の運営は自動販売機などを設置して商品を販売する方法です。24時間営業が可能で人件費を抑えられるのが特徴です。
【メリット】
- 人件費が抑えられる
- 24時間営業が可能
- 複数の設備を運営してスケールアップしやすい
- 比較的安定した収入が得られる
【デメリット】
- 初期投資が必要
- 設置場所の確保が難しい場合がある
- メンテナンスや商品補充の手間がかかる
- 季節や天候の影響を受けやすい
成功するためには適切な場所選びと商品選定がポイントです。
ただし、無人販売ならではのリスクを理解したうえでスタートさせる必要があります。また、運営ノウハウの習得も必須になるでしょう。
印税収入で所得を作る方法
印税収入は書籍、音楽、イラストなどの創作物の販売から得られる継続的な収入です。一度作品を発表すれば、長期にわたって収入を得られる可能性があります。
【メリット】
- 一度の創作で長期的な収入が得られる可能性がある
- 自己表現や趣味を収入につなげられる
- 成功すれば高収入の可能性がある
- デジタル配信で低コスト化が可
【デメリット】
- 作品制作に時間と労力がかかる
- 市場での競争が激しい
- 一定の才能や技術が必要
- 収入が不安定になる可能性がある
近年では電子出版の普及により、個人でも比較的容易に作品を発表できるようになりました。ただし、生成AIなどを利用する場合には、著作権を十分に注意する必要があります。
コインランドリー経営で所得を作る方法
コインランドリー経営は無人で洗濯機や乾燥機を提供するビジネスモデルです。基本的に人手をかけずに運営でき、24時間営業が可能です。
【メリット】
- 人件費を抑えられる
- 24時間営業が可能
- 需要が比較的安定している
- 複数店舗展開でスケールアップが可能
【デメリット】
- 初期投資が高額
- 立地選びが重要で失敗のリスクがある
- 機器のメンテナンスや故障対応が必要
- 競合店の出現リスクがある
需要が安定しているため、不労所得としては定番の方法です。とくに都市部や学生街では高い稼働率が期待できます。ただし、立地条件や環境が悪いと理想の売上にならない可能性が高いです。
不動産投資クラウドファンディングで所得を作る方法
不動産に特化した、クラウドファンディングを用いた投資方法です。居住用のアパートやマンション、一戸建てをはじめ、商業施設やオフィスビル、観光施設や大型インフラなどへの投資を個人で行えます。
クラウドファンディングを実施している会社が、複数の不動産投資家から資金を募って不動産賃貸物件を運用し、獲得した収益を出資金に応じて再分配します。
不動産投資の選択肢が広がる方法として注目されています。
【メリット】
- 大規模な不動産投資にも参画できる
- 自分で不動産を運用する手間がかからない
- 利回りが高めに設定されている
【デメリット】
- レバレッジ効果が低いので自己資金以上の投資ができきない
- 税制上のメリットが少なく節税効果が低い
- 元本割れするリスクがある
不動産クラウドファンディングへ出資した後は、投資期間が終わるまで自ら運用する必要がありません。ただし、元本割れするリスクや、クラウドファンディング会社が倒産するリスクがあるため、投資先を慎重に選ぶ必要があります。
不動産投資で所得を作る方法
不動産投資とは、投資用物件を購入し、人に貸すことによって家賃収入を得る方法です。賃料による安定した収入を得られるうえ、不動産を売却する際のキャピタルゲインを狙うこともできるなど出口戦略も豊富にあります。
節税対策や生命保険代わりに不動産投資を選択する人も多く、安定収入が見込めることから高齢になってから始める人も増加しています。
【メリット】
- 家賃収入だけでなく売却によるキャピタルゲインも狙える
- 節税効果が高い
- 生命保険代わりとしても使える
- 軌道に乗れば安定収入を得られる
- 会社員の副業としても最適
- 投資だけでなく自分の居住用としても物件を使える
【デメリット】
- 空室が続くと家賃収入が途絶えてしまう
- 老朽化に伴うリフォームなどメンテナンスが必要
- 不動産投資ローンの申し込みなど資金調達施策が必要
- 価格変動リスクがあり現金化しづらい
条件の合う管理会社に委託できれば、物件管理や客付けに関する手間を省けます。長期運用の場合は老朽化や空室対策なども視野に入れて、収支のバランスを考慮することが大切です。
不労所得であっても税金を支払わないといけない?
毎年一定の金額以上の不労所得がある場合は、原則として確定申告による納税が必要です。勤労所得についても同様で、本業以外に一定の金額以上の副収入がある場合は確定申告が必要です。確定申告の目安となる具体的な所得金額は後述します。
なお、確定申告と似ている手続きに年末調整がありますが、その内容はまったく別です。年末調整は会社を通して得た給与にかかる税金を確定させる手続きで、会社員が所属企業を通して行います。
企業に雇用されている人は毎月の給与から所得税が差し引かれており、これを源泉徴収といいます。しかし、源泉徴収は正しい納税額ではなく、あくまで目安です。税金を払いすぎていたり、逆に足りなかったりするため、正しい納税額に調整するために行われる手続きが年末調整です。
「会社で年末調整しているから大丈夫」と思ってると、気づかないうちに脱税となり、追徴税や重加算税の対象となってしまうケースがあるので注意しましょう。
不労所得で確定申告が必要になる場合を紹介
ここでは、不労所得を得ている方のなかで、確定申告が必要なケースについて詳しく紹介します。
該当する場合は、期限内に手続きを終えられるように必要書類などを準備しましょう。
不労所得が年20万円を超えた時
不労所得が年20万円を超えている場合は、確定申告による所得税の納付が必須です。なお、この20万円は、実際の収入ではなく所得で考えます。
額面上、不労所得が40万円あっても、経費で30万円かかっている場合、実際の所得は10万円になるため確定申告する必要はありません。不労所得が20万円で、計上する経費が0円であれば、確定申告が必要です。
住民税の申告は金額に関係なく必要
住民税は、不労所得の金額に関係なく申告し、納付しなければなりません。住民税は所得全体にかかる税金なので、自治体には本業も副業も合わせた所得額を知らせる必要があります。しかし、不労所得が20万円以下で確定申告しない場合、自治体は不労所得分の金額を把握できないため、住民税納付の手続きが必要なのです。
少しでも不労所得がある人は対象となるので、必ず手続きしておきましょう。なお、確定申告をする場合は、自治体に所得額が知らされるため、別途住民税の申告をする必要はありません。
詳細は、国税庁や市区町村の税務部で調べることができるので、確定申告が必要が判断できない場合は、窓口で相談してみましょう。
代表的な不労所得の税金計算方法
ここでは、代表的な不労所得の種類と税金の計算方法について解説します。不労所得は収入の種類によって名称や計算方法が異なります。
自分が得ている不労所得がどの種類に該当するか調べながら、確定申告の対策をしていきましょう。
不動産所得の税金と計算方法
不動産所得とは、物件を人または企業に貸したことによる家賃収入のことです。下記の計算方法で算出し、20万円以上になる場合は確定申告が要ります。
不動産所得=総収入額-経費 |
なお、一軒家を5棟以上投資用物件として運用している場合や、マンション・アパートの部屋を10室以上運用している場合は事業所得になります。
不動産投資に必要な下記の支出分は、全て経費計上できます。
・火災保険料
・地震保険料
・損害保険料
・不動産管理会社に支払う管理費や手数料
・壁紙の張り替えやエアコンの交換などに使う修繕費
・入居者の募集などをするための広告費
など
また、減価償却費・固定資産税・不動産所得税なども経費に含まれます。
利子所得の税金と計算方法
利子所得とは、預貯金で得た利子のことです。下記の計算方法で算出できます。
利子所得=利子×20.315% |
20.315%の内訳は所得税が15%、住民税が5%、復興特別所得税が0.315%です。
利子所得は、受け取る際に源泉徴収されることが多く、確定申告が必要なケースは稀です。例えば、銀行に預けたお金に利子が付いた際、すでに20.315%分が源泉徴収された後ということです。経費などは特に発生しません。
配当所得の税金と計算方法
配当所得とは、株や公債・国債などの配当金として得た収入のことです。下記の計算方法で算出できます。
配当所得=総収入額-借入金にかかる負債利子 |
税率は、株式の種類により異なるので注意しましょう。上場株式などの場合は20.135%ですが、非上場株式の場合は20.42%に変動します。
また、配当金は「源泉徴収ありの特定口座」で受け取ることにより、確定申告の必要がなくなります。しかし、総合課税もしくは申告分離課税を選択している場合は確定申告が必要です。配当を受け取る際に、どれを選んでいるかを確認し、必要に応じて確定申告していきましょう。
一時所得の税金と計算方法
一時所得とは、競馬や競輪などの賞金・保険の満期返戻金などによる一時的な収入のことです。不動産所得と同じく、計算後の金額が20万円を超える場合は確定申告しなければなりません。
下記の計算方法で算出します。
一時所得=総収入額-収入を得るために支出した経費-特別控除(最大50万円) |
一時所得でいうところの「収入を得るために支出した経費」とは、収入に対して直接要した金額の事を指します。
例えば、3レースに10万ずつ馬券を購入し、1レーンのみで予想が的中したとします。このとき支出した金額は30万ですが、払い戻しがあったのは1レーンのみのため、「収入を得るために支出した経費」は10万となります。
また、生命保険の満期返戻金等は、受取人が満期となるまでに支払った保険料が該当します。
不労所得の税金を減らす方法とは
最後に、不労所得にかかる税金を減らす方法について解説します。同じ不労所得額であっても、節税対策次第では手元に残る金額を増やすことができます。
確定申告が必要な方は下記を参考に、税金対策を行いましょう。
青色申告者になる
青色申告者になるには事前に税務署への申請が必要です。青色申告を始めたい年の3月15日までに、所得税の青色申告承認申請書を所轄の税務署に提出します。
年の途中で事業を開始した場合は、開業から2か月以内に申請書を提出しなければなりません。
青色申告者になると、青色申告特別控除をはじめとするさまざまな税制上の優遇措置を受けられるようになります。また、自身の事業の収支をより正確に把握できるようになり、経営の改善にもつながるでしょう。
ただし、青色申告には一定の経理知識と正確な帳簿記録が求められるため、はじめて利用する場合は税理士など専門家への相談をおすすめします。
65万円控除の要件
青色申告特別控除の最高額である65万円の控除を受けるには、まず事業所得か不動産所得のいずれかが必要です。次に複式簿記による記帳を行い、記録に基づいて貸借対照表と損益計算書を作成し、確定申告書に添付します。
続いて、e-Taxによる電子申告を行うか、電子帳簿保存法に定める電子帳簿として帳簿を保存するかが求められます。また、確定申告を期限内に行うこと、現金主義による所得計算を選択していないことも必須条件です。
すべての要件を満たせば、65万円の青色申告特別控除を受けられます。
55万円控除の要件
55万円の青色申告特別控除を受けるための要件は、65万円控除の要件とほぼ同様ですが一部が緩和されています。具体的には以下の条件を満たす必要があります。
- 事業所得か不動産所得がある
- 複式簿記による記帳を行い貸借対照表と損益計算書を作成して確定申告書に添付する
- 期限内に確定申告を行う
- 現金主義による所得計算を選択していない
65万円控除との大きな違いは、e-Taxによる電子申告や電子帳簿としての保存が要件に含まれない点です。つまり、従来の紙ベースでの申告でも55万円の控除を受けられます。
55万円控除は電子化に対応できない事業者にとって有効な選択肢といえるでしょう。
10万円控除の要件
青色申告特別控除の中でもっとも要件が緩やかなのが10万円控除です。控除を受けるための主な条件は以下の通りです。
- 事業所得、不動産所得、山林所得のいずれかがある
- 青色申告の承認を受けている
記帳方法は複式簿記である必要はなく、単式簿記(現金出納帳や経費帳など)での記録でも構いません。また、確定申告書に添付する青色申告決算書は損益計算書のみでも問題なく、貸借対照表の作成は必須ではありません。
10万円控除は青色申告を始めたばかりの事業者や、小規模な事業を営む個人事業主にとって、比較的取り組みやすい選択肢です。
ただし、高額の控除を目指すのであれば、55万円控除以上が望ましいでしょう。
個人事業主なら法人化する
個人事業主として投資をして、不労所得を得ているのであれば、法人化するのもひとつの方法です。個人事業主の場合、不労所得を得た分だけ税率が高まり、最大で55%の税率が課せられます。金額次第では、収入の半分以上が税金として徴収されてしまう可能性がある点に注目しておきましょう。
一方、法人であれば課税所得が900万円を超えても税率を33%にすることが可能です。自分で立ち上げた会社で不労所得を稼ぎ、その会社から給与をもらう形式にすれば、大幅な節税ができる仕組みです。
ただし、会社員として所属する必要があるため、本業の就労規約で副業NGとされている方は別の手段を考える必要があります。
使った経費を必ず計上する
課税所得は収入すべての収入金額ではなく、経費を差し引いた実際の所得をベースに税金が計算されます。
不労所得が100万円あっても、経費が30万円かかっていれば実際の収入は70万円であり、70万円分が課税所得となります。反対に、経費を計上することなく手続きした場合、不労所得として得た額面の100万円全てに対して税金がかかるので、納める金額が増えてしまうということです。
不動産投資は特に経費計上できる項目が多いので、あらかじめ何が経費となるか調べ、領収書などを適切に保管しておきましょう。個人事業主として投資している場合は、家賃や光熱費を按分できる可能性もあります。
とはいえ、不労所得に関係のない金額まで経費計上してしまうと、不当に税金を逃れたとして指摘されてしまいます。悪質だと判断された場合は重加算税の対象となったり、本来納めるはずであった期限までに納付できていないとして延滞税が課せられたりするケースもあります。
不適切な経費計上にならないよう配慮しつつ、経費になりそうな項目を探ることがポイントです。
税金の専門家に依頼する
不労所得の税金申告・納付に困ったときは、税理士など税金の専門家に相談するのがおすすめです。
確定申告の具体的なやり方などは、税務署や確定申告時期に開催される相談会などで聞くことができます。住民税の申告については、管轄の市区町村役所の税務課に質問できます。
ただし、節税の方法を教えてほしいときや細かな状況に応じたアドバイスがほしいときは、税理士事務所などを頼るのがおすすめです。節税にはさまざまな方法があり、プロであれば状況に応じて適切な手続きをしてくれます。
不動産投資会社などでは税理士を始めとする専門家を紹介してくれるケースもあるので、不安なことがあればあらかじめ聞いておくのもポイントです。
不労所得を得るメリット
ここでは、不労所得を得る3つのメリットについて詳しく解説します。
本業以外の収入が増える
不労所得を得るメリットは本業以外からの収入が増えることです。
例えば、給与所得者であれば、月々の給与に加えて不労所得が入ることで、総収入が増加します。追加収入は生活の質を向上させたり、貯蓄や投資に回したりできます。
また、本業の収入が一時的に減少した場合や、予期せぬ出費が生じた際の備えとしても機能するでしょう。さらに複数の収入源を持てば、経済的なリスクの分散にもつながります。
本業の状況に左右されにくい不労所得は、とくに景気変動や雇用不安の時代において個人の経済的な安全性を高める重要な役割を果たすといえるでしょう。
自由な時間が増える
不労所得を得るメリットは自由に使える時間が増えることです。通常の労働所得と異なり、直接的な労働時間と連動していないため、収入を得ながらも自分の時間を自由に使えます。
不労所得によって得られた自由時間は、家族との交流、趣味の充実、自己啓発など、個人の生活の質を向上させるために活用できます。例えば、副業や転職の準備に時間を割いたり、長期休暇を取って旅行に行ったりできます。
また、自由時間を活用して新たなスキルを習得したり、別の不労所得源を開発したりすれば、さらなる経済的自由度の向上につなげられるでしょう。自由な時間の増加はワークライフバランスの改善や人生の充実感の向上に大きく貢献します。
継続性があれば将来的な資産となる
不労所得を得るメリットは、継続性があれば将来的な資産となり得ることです。
例えば、不動産投資からの賃貸収入や著作権からの印税収入は、長期にわたって定期的な収入をもたらす可能性があります。継続的な収入源は時間とともに蓄積され、将来の財務的安定性を高める重要な資産となるでしょう。
とくに老後の生活資金や子どもの教育費など、将来の大きな出費に備えるうえで効果的です。また、インフレーションに対するヘッジとしても機能し、長期的な購買力の維持に貢献します。
継続的な不労所得の構築は将来の経済的な自由度を高め、より安心で豊かな人生設計を可能にします。
不労所得を得るときに注意すべきこと
少額からでも始められる投資であれば、誰でも不労所得を得るチャンスがあります。しかし、思わぬ落とし穴にかからないよう注意が必要です。
ここからは不労所得を得る際の注意点を解説します。
会社の就労規定に注意する
まずは、会社の就労規定をチェックしておきましょう。副業が禁止されている会社では、投資も副業と見なされてしまうことがあります。万が一就労規定に違反してしまった場合、降格・降級などの処分が下されるかもしれません。
特に住民税の特別徴収額の相違によってバレるケースが多いです。不労所得によって合計所得額が大きくなると、住民税に影響します。その結果、勤務している会社の経理にバレてしまうのです。
就労規定違反により処分が下されると、結果的に本業の収入が下がる可能性も考えられます。生活の安定性を脅かす可能性もあるので注意しておきましょう。
就労規定をチェックする際は、勤労所得だけがNGなのか、不労所得もNGなのかなど細かく確認することが大切です。どうしても副業が禁止されているのであれば無理して不労所得を狙わず、転職後にスタートすることもひとつの選択肢です。
確定申告や税金の支払いを漏らさない
確定申告による所得税の納付や、住民税の申告などを忘れずに行いましょう。会社で得た収入は経理部などに年末調整が行われますが、投資など副業で得た収入については自ら確定申告・住民税申告する必要があります。
確定申告・住民税申告を怠ると、税務署からの調査が入り、追徴税や重加算税の対象になってしまう可能性も考えられます。確定申告が不安なときは、投資仲間と情報交換しながら行ったり、税理士などプロを頼って手続きしてもらいましょう。
なお、確定申告には毎年期限が設けられているので、期限内に手続きすることも意識しましょう。基本的には2月6日〜3月15日が申請期間ですが、例外で延長される場合もあります。
初期費用がかかるケースがある
不労所得のなかには初期費用がかかるケースがあるため注意が必要です。
例えば、不動産投資では物件購入費用や改修費用、コインランドリー経営では設備購入費や店舗賃料などの初期投資が必要です。これらの費用は収益が安定するまでの期間をカバーできるだけの十分な額を準備しなければなりません。
また、アフィリエイトやブログ運営などのオンラインビジネスでも、Webサイトの構築費用やコンテンツ制作費用などの初期投資が必要な場合があります。
初期費用を考慮せずに不労所得の獲得を始めると、資金繰りに窮する可能性があります。そのため、自身の財務状況を十分に分析し、リスクを許容できる範囲内で初期投資を行いましょう。
すぐに不労所得が得られないことを意識する
不労所得は、投資を始めてすぐ獲得できるとは限りません。特に、本業を早めにリタイアできるだけの資金や生活レベルが向上する程度の資金を得るためには、それなりの期間がかかることを覚悟しておきましょう。
例えば、株式投資の場合は、どの株式にどの程度の金額をかけるのか、いつどのタイミングで売買するのかなど、細かな選択を重ねる必要があります。暗号資産取引の場合、専門知識を得るまでの間は少額から試すなどリスクマネジメントが重要です。
一発逆転で稼げるような不労所得はその分高いリスクを負うことになる点も理解しておく必要があります。
また、なかには不労所得を求める人を対象とした悪質な情報商材や詐欺もあり、万が一にも引っかからないよう情報を見る目を養う期間も必要です。
詐欺や悪質な商材に注意
不労所得では詐欺や悪質な商材に遭遇するリスクがあります。簡単に大金が稼げる・絶対に損をしない投資法といった甘い言葉で誘われるケースが一般的です。
被害に遭いやすいのは高額な教材や会員制度を売りつけられるケースです。近年では海外の投資案件や暗号資産関連の詐欺も増加しています。
被害を防ぐためには、まず情報の出所を確認し、信頼できる情報源からの情報のみを参考にしましょう。また、投資や事業の仕組みを十分に理解し、リスクを把握する必要があります。
不審に感じた場合は即座に取引を中止し、必要に応じて専門家や関係機関に相談してください。常に冷静な判断を心がけ、うまい話には慎重に対応しましょう。
不動産投資は不労所得におすすめ
不労所得を得たい初心者におすすめできる方法は、不動産投資です。
軌道に乗せることができれば毎月安定した家賃収入が見込め、会社員としての本業があれば不動産投資ローンの審査も通りやすく、自己資金以上の投資をすることも可能です。
また、不動産投資会社などプロのアドバイスを得ながら物件を運用することもでき、「相談相手がいる」という安心感を得ることもできます。同時に、所得税や住民税の減税を受けられるケースもあるので、こちらも税理士に確認しておくのがおすすめです。
また、不動産投資はインフレに強いなど、経済状況の変化にも対応できるなどさまざまなメリットがあり、誰にとっても始めやすい手法といえます。
まとめ
不労所得は労働時間に縛られない収入源として魅力的です。しかし、税金面での理解と適切な対策が重要になります。
不労所得を得られれば、経済的な安定性が高まるほか、自由な時間が増えます。将来的な資産形成にもつながるでしょう。
ただし、初期費用や詐欺リスクなどもあるため、十分に注意点が必要です。
正しい情報を踏まえ、自身の状況に合った不労所得の獲得方法を選択し、適切な税務管理を行いましょう。
不動産投資による不労所得を得たい方は、アセットテクノロジーにお任せください。不動産投資の手間となる管理業務全般を代行し、不労所得の実現をサポートいたします。
収益物件購入後の管理業務でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。