2023年は都市部が投資マンションの売却タイミング!判断基準紹介

「不動産市場において高額で売買されていると聞くけれど、投資マンションも今(2023年)が売却するタイミングなの?」 2023年は、バブル期の平均価格を上回るほどマンション価格が高騰している時代です。 「投資によるリターンを増やすには、売却するのもいいのかもしれない」と思うものの、「本当に今なのか?」決め手にかけて、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。 結論から言うと、今が投資マンションの売却タイミングと言えるのは都市部だけです。 円安の影響もあり、都市部の物件は海外投資家からも注目されていることで高く売れる可能性があります。 ですが、地方は地域による差が大きいため、そのエリアの市況を見て判断することが大切です。

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ただし、都市部も一概に「今が投資マンションの売却タイミング」とは言えません。

投資マンションの売却による利益を最大化したいのであれば、所有年数や売却活動を始める時期なども考慮して、売却タイミングを見極める必要があるからです。

タイミングがずれるだけで、支払う税金が多くなったり、売却価格が大きく下落したりする可能性があります。

そこで本記事では、投資マンションの売却タイミングについて、2023年現在の売却事情や、タイミングを見極める基準などを詳しく解説していきます。

本記事を読むことで、あなたが所有する投資マンションの売却リターンを最大化できるはずです。

モデルケースを例に、タイミングがずれるとどれくらい利益に影響するのかもシミュレーションしているので、売却タイミングを見極める参考にしてくださいね。

1.【2023年】投資マンションの売却タイミングが今なのは都市部のみ!

冒頭でもお伝えした通り、全体的な市場傾向としては、「今」投資マンションの売却タイミングと言えるのは都市部のみです。

地方は、地域によって状況が大きく異なり、場所によっては、今、売却すると損をする可能性があります。

なぜ都市部だけが売り時なのか、地方はどのように判断すれば良いのかを以下で詳しく解説します。

1-1.都市部は円安の影響で売却しやすい

都市部のマンションは、円安の影響で売却しやすい状況です。

割安感のある日本の不動産を海外の投資家たちが購入する傾向があり、高く売れる可能性があります。

以下は、国土交通省がクオーターごとにまとめている「不動産価格指数(全国・都市圏別などの区分で、不動産価格の動向を指数化したデータ)」です。

商業用不動産のマンション・アパート区分のみをピックアップしています。

参考:国土交通省「【公表用】不動産価格指数_住宅・商業_230829」をもとに作成

ご覧の通り、現在、都市部の価格は高止まりしている状況で、高額での売却が期待できます。

1-2.地方は市況を見て判断することが大事

地方は、売却したい投資マンションがあるエリアの市況を見て判断することが大切です。

例えば、同じ東京都でも多摩地区の南部に位置する稲城市では、他の地域と比べると中古マンションの取引価格が前年比で4%ほどマイナスで推移しており、同じ首都圏でも地域差があるからです。

以下のような市況が、地方都市における投資マンションを売却するかどうかの判断基準になります。

▼市況の目安

・近くに新駅建設の予定がある

・大きな商業施設がオープンする予定がある

・新築マンションの価格が高騰している

なかなか市況に関する情報が集まらないという場合は、全国の「宅地建物取引業協会」がまとめる不動産市況DIを活用しましょう。

不動産市況を指数化したデータから、直近のマンション販売事情を把握することができます。

2.投資用マンションの売却タイミングを見極める基準7つ

投資用マンションの売却タイミングについて、都市部と地方に分けて紹介しましたが、投資マンションの売却において注目するのは、地域だけではありません

不動産の状況によっては、売却タイミングに該当する可能性があります。

タイミングを見極める基準は、次の7つです。

見極める項目

タイミング

所有年数

5年以上

金利

低い

需要

引越しハイシーズンの4か月前

入居者

満室/居住者がいる

物価価格

市況の上昇傾向が見られる

築年数

築10~20年前後

大規模修繕工事

修繕前

リンクを設置しているので、気になる項目からもご覧いただけます。

ひとつずつ確認していきましょう。

2-1.所有年数が5年を超えるタイミング

投資用マンションの売却タイミングを見極める1つ目のポイントは、所有年数です。

なぜなら、所有年数によって、売却時にかかる税金が大きく異なるからです。

5年以内の売却と5年経過後の売却では、税金額が倍近く変わってきます。どれだけ高額で売却できても、支払う税金で損した気分にはなりたくないですよね。

残り1〜2年で所得年数が5年を超えるという場合は、

「大きな商業施設が閉館する」

「不動産取引価格の下落が続いている」

上記のような大きく価格が下落するような市況が見られない限りは、所有年数が5年を経過したタイミングで売却するようにしましょう。

2-2.金利が低いタイミング

投資マンションを高く売りたい場合は、金利が安いタイミングに売却をしましょう。

金利が安いタイミングは不動産取得の好機で、購入したい人の取得意欲が増しているからです。

2023年現在は、金融緩和により住宅や投資用のローンの低金利が続いています。

低金利の時期は、売却側にとってもスムーズに購入希望者を見つけられる高額売却できる絶好のチャンスであるため、所有年数が5年を超えているのであれば、売却のタイミングと言えます。

2-3.需要が高まる引越しハイシーズンの4か月前

引越しシーズン前も、投資マンションを売却するタイミングのひとつです。

入学や入社時期の4月、人事異動が多い9月の2〜3か月前は、一般的に引越しハイシーズンで、不動産が活発に動きます。

新生活に向けた居住や投資目的の不動産取得ニーズが高まることから、市場にも多くの不動産が揃うため、価格競争が起こりやすく、高額で売却できる可能性もあります。

4月の需要に合わせて売却するのであれば12月ごろ、9月の需要に合わせるならば、6月ごろに売却活動を始めるのがおすすめです。

2-4.入居者がいるタイミング

入居者がいる投資用マンションも売却タイミングです。入居率が高い物件は即収益につながるからです。

空室があると、投資用マンションを購入しても、その後入居者の募集費用が発生します。入居者が見つかるまでは家賃収入も0で、管理費用だけがかかってしまいます。

しかし、買い手は入居者がすでにいる物件を購入すれば、すぐに家賃収入を得る事ができます。

満室であれば、入居者募集のために家賃を引き下げる必要もないので、入居者がいる物件は買い手がつきやすく、売却しやすいタイミングと言えるのです。

なお、居住者がいる物件は、一般的に「オーナーチェンジ物件」と呼ばれ、書面上の手続きで売却できます。

2-5.物件価格が上昇しやすい市況タイミング

投資マンションの価値が高くなりやすい市況が見られるタイミングも、売却の好機です。

・再開発

・新駅

このような利便性の向上で地域のブランド力が高まり、不動産価格の値上がりが期待できるからです。

地域の価値は、国土交通省地価公示・都道府県地価調査の基準地価や公示地価などを確認することで把握できます。

2-6.築年数は築10~20年前後

投資用マンションの築年数も、売却タイミングを見極めるポイントです。タイミングとしては、築10年~20年前後が売却に適しています。

特にターニングポイントとなるのが、築20年です。

以下は、国土交通省がまとめた不動産投資における築年数の許容限界をまとめたグラフです。

出典:国土交通省「土地白書のポイント(案)」

ご覧の通り、築20年を超える物件に対して不動産投資を考える投資家は、半数を下回ります。

そのため、不動産としての資産価値があり、比較的価格が落ち着きやすい築10~20年に売却するのがおすすめです。

2-7.大規模修繕工事の前

投資マンションの維持管理に大きなコストがかかる前に売却するのも、スムーズかつ余計なコストを掛けずに売却するテクニックのひとつです。

マンションは、築10~20年の間に大きな修繕工事を行うのが一般的です。

昨今は、人件費や工事にかかる費用が値上がりしており、これまで積み立ててきた修繕積立金ではまかなえず、オーナーが不足分を負担するというケースも少なくありません。

負担額は工事の規模によりますが、数百万円を負担することになる可能性もあります。

大規模修繕工事を行わなければ、マンションの資産価値も低下しやすいため、大きなコストがかかる前に売却するのも、上手な投資マンション運営手段と言えるでしょう。

3.売却タイミングを見極めるためにシミュレーションをしよう

ここまで投資マンションの売却タイミングについて見てきましたが、今売却する場合と、数年後に売却した場合で、手元に入るお金がどれくらい違ってくるのか、想像できない人も多いのではないでしょうか。

不動産相場を予測するのは難しいですが、1つのモデルケースで「今(所有年数3年目に)売却する場合」と「3年後(所有年数6年目)に売却した場合」の家賃収入やローン残債、税金などを比較していきます。

売却タイミング

今売却した場合

3年後に売却した場合

所有年数

3年

5年

投資マンション購入価格

5000万円

年間家賃収入

(修繕積立金や管理費込)

334万円

(家賃15万円/管理経費2.5万円)

ローン借入期間

35年(金利1.65%)/頭金なし

(ローン金額:5082万円)

年間家賃収入×所有年数

(修繕積立金や管理費込)

334万円×3年=1002万円

(家賃15万円/管理経費2.5万円)

334万円×6年=2004万円

(家賃15万円/管理経費2.5万円)

年間ローン返済額×所有年数

188万円×3年=564万円

(残額:4520万円)

188万円×6年=1128万円

(残額:3955万円)

実収入×所有年数①

146万円×3年=438万円

146万円×6年=876万円

売却価格(譲渡価額)

4700万円

4300万円

譲渡益②

4248万円

(取得費5%、仲介手数料163万円、諸経費100万円含む)

3790万円

(取得費5%、仲介手数料147万円、諸経費100万円含む)

譲渡税③

1665万円

770万円

手元に残る金額

(①+②ー③)

3021万円

3896万円

\約875万円も多い/

※試算結果はあくまで概算です。

※空室がなかった場合で試算しています。

5000万円の投資マンションをローンで購入し、運用した場合の例で試算すると、最終的に手元に残る金額は、今と3年後では約875万円も変わってくることがわかりました。

もちろん、3年後までの間に、大きな修繕や空室期間が長くなると想定通りに進まない可能性はあります。

ただ、あくまで概算ではありますが、3年後も条件を変えることなく運用できた場合、不動産自体の価値が低下しても、売却後にかかる税率が下がり、最終的に手元に残る金額が多くなる可能性があります。

投資マンションにおける資金回収の期間は、5~10年が目安です。

家賃収入だけではなく、ローン残債や売却後の税金なども考慮し、よくシミュレーションした上で、売却するか否かを判断しましょう。

投資マンションを売ると決めたら早めに売却準備をしよう!

投資マンションに限らず、不動産は、いざ売却するとなると3~6か月はかかります。

また、売却準備をしている間に、取引価格が下落することもあるため、

売却すると決心をしたら、早めに準備をしましょう。

4.今後の投資用マンションの売却タイミングの動向

投資マンションの売却タイミングを見てきましたが、「今が売却タイミングではない」と判断したときにきになるのが、今後の動向だと思います。

2023年現在の状況からみた予測になりますが、次の3つの理由からマンション価格の高騰は、もうしばらく続くことが予想されます。

理由①:海外投資家の購買意欲はしばらく続く

円安はしばらく続くため、海外投資家による購買意欲が高まることが予想されます。

理由②:低金利の状況が続く

金融緩和の持続により、金利の上昇は起こりにくいと考えられます。

理由③:新築マンションの代替需要で中古マンションの需要も高い状況が続く

資材価格や人件費などの建築コストの高騰状態が続くため、

新築マンションの価格高騰も持続することから、

代替需要として中古マンションの価格も高くなる可能性があります。

もうしばらくは、不動産業界にとって有利な状況が続くことが予想されます。

ただし、社会情勢により、金利の動向が急に変化する可能性は0ではありません。売却の判断が難しい場合は、不動産会社や金融機関などと相談しながら、タイミングを図りましょう。

5.投資用マンションの売却タイミングは必ず複数の専門家に相談しよう

投資用マンションは、購入する前から損失を出さずに売却する「出口戦略」も含めて検討するのが一般的ですが、運用をしてみて状況が変わることもありますよね。

そのようなときは、迷わず専門家に相談すべきです。不安なまま売却を進めてしまうと、後々損をして後悔することになるかもしれないからです。

ただし、専門家とはいえ、聞く人によってアドバイスの内容も変わってきます。「大体これくらいですね」「今、売り時です」など、根拠のないアドバイスをしてくる人は信用できません

・周辺地域の売却相場を元に、シミュレーションをしてくれる

・投資マンションがあるエリアの市況に詳しい(再開発などの情報を知っているなど)

・売却後の税金を含め、ベストなタイミングを具体的に示してくれる

上記のように、具体的な話をしてくれる専門家がおすすめです。相談先を選ぶ際は、無料相談などを活用して必ず複数社に相談し、自分が一番信頼できると思える人に依頼しましょう。

▼相談内容別の専門家例

投資マンションの売却全般に関する相談をしたい場合

不動産会社

投資マンション以外を含め、総合的に判断してほしい場合

FP(ファイナンシャルプランナー)

投資マンションを売却するにあたりローンのことで相談したい場合

借入先の金融機関

6.まとめ

ここまで解説してきた通り、投資マンションの売却では、一部の情報だけで判断せず、さまざまな見極めポイントをもとに、一番損をせず収益を最大化できるタイミングを考えなければなりません。

特に所有年数と、マンションの築年数は、あなたの収益に大きな影響を与えます。

▼所有年数は5年を超えてから売却するのがベスト

5年以内に売却すると、場合によっては倍近くも税金額が変わってきます。

築年数や市況にもよりますが、築年数が浅く、市況的にも大きなマイナス要因がないのであれば、所有年数が5年を超えてからの売却を検討しましょう。

▼築年数は築10~20年までの売却がベスト

出典:国土交通省「土地白書のポイント(案)」

約9割の投資家は、築30年を超えると投資対象外として興味を示さなくなります。

比較的価格が落ち着きやすく、購買に対する抵抗が低い築10~20年のうちに売却するようにしましょう。

もし売却タイミングを判断できないときは、不動産会社やFPなど、専門的な知識のある人に頼りましょう。

ただし、みんな言うことが違うこともあります。必ず複数の人に相談し、アドバイスをもらいながら、あなたが納得できるベストなタイミングを見つけ、投資マンションを売却しましょう。