目次
「マンションの管理は管理会社に委託したほうがいいの?実際にどのような業務を委託できるの?」
「初めて賃貸用不動産を購入しようと考えているけれど、管理会社はどのように選べばいいの?契約方法も気になる」
賃貸用不動産のオーナーになると入居者の管理や建物の維持管理など、意外とやるべき業務が多くあります。
自分では管理が難しいし、管理会社に委託するべきか悩んでいるオーナーは多いのではないでしょうか?
賃貸用不動産の管理会社では、オーナーに代わって主に「入居者管理業務」と「建物の維持管理業務」を行います。
入居者管理業務 | 建物の維持管理業務 |
家賃回収や契約更新、問い合わせ対応など入居者に関連する管理業務 | 建物の清掃や修繕、空室時の管理など建物の安全性・清潔さを維持するための業務 |
・家賃の集金 ・延滞している家賃の回収 ・苦情・問い合わせ対応 ・契約更新業務 ・退去業務 ・入居者募集など | ・建物の点検や検査 ・共用部分や居室の清掃 ・設備の修繕 ・空室管理など |
※委託できる範囲は管理会社により異なります
オーナーは管理会社に業務委託をすると、管理にかかる負担を軽減できるメリットがあります。
また、マンションやアパート管理に関する知識やノウハウがなくても、トラブルを回避しながら維持管理ができるところも大きな魅力でしょう。
実際に約8割のオーナーが管理会社への業務委託を選択しており(サブリースを除く)、管理会社を活用しながら効率よく管理をしています。
管理会社に委託する3つのメリット |
・賃貸用不動産管理の手間を省ける ・トラブルを回避できる ・遠方の賃貸用不動産の管理ができる |
管理会社に委託するメリットやデメリット、具体的な契約方法などを理解して、自分に合う委託先を選択することが大切です。
そこでこの記事では、管理業務を管理会社に委託する方法やメリット、管理会社の具体的な選び方などをまとめて解説しています。
とくに、委託できる業務は分かりやすくまとめているので、管理会社に業務を委託するイメージが持てるようになります。
この記事を読むと分かること |
・賃貸用不動産管理を管理会社に委託するとは ・管理会社に委託できる業務 ・管理会社に委託する3つのメリットとデメリット ・管理会社への委託が向いているケースは? ・管理会社に委託する2つの契約方法 ・委託先の管理会社を選ぶときの4つのポイント |
この記事を最後まで読めば管理会社に委託するべきか判断でき、自分に合う管理会社を検討できるようになります。
賃貸用不動産の管理を円滑に行うためにも、ぜひ参考にしてみてください。
1.賃貸用不動産管理を管理会社に委託するとは
管理会社に委託するとは、賃貸用不動産の管理業務を自分で行うのではなく外部の会社に委託することを指します。
冒頭でも触れたように、賃貸用不動産の管理に欠かせない入居者募集から退去までの業務を委託先の管理会社が行います。
入居者管理業務 | 建物の維持管理業務 |
・家賃の集金 ・延滞している家賃の回収 ・苦情・問い合わせ対応 ・契約更新業務 ・退去業務 ・入居者募集など | ・建物の点検や検査 ・共用部分や居室の清掃 ・設備の修繕 ・空室管理など |
※委託できる範囲は管理会社により異なります
例えば、マンション1棟のオーナーである場合、全入居者の家賃管理や毎週の清掃作業を自分で行おうとすると時間と労力がかかります。
「仕事をしながらマンション経営をしたい」「複数のマンションを管理している」という場合には、非常に負担が大きいです。
そこで、賃貸用不動産の管理会社に委託すると管理業務の負担が軽減でき、無理なくマンション経営を継続できるようになります。
また、入居者に快適な住環境を提供しやすくなり、満足度の向上も期待できるでしょう。
管理会社を活用するオーナー側のメリット | 管理会社を活用する入居者側のメリット |
・管理業務の負担を軽減できる ・知識がなくても賃貸用不動産の管理ができる | ・いつでも気兼ねなく問い合わせができる ・清潔で安全な住環境を維持できる |
このように、不動産管理会社を活用することで、オーナーと入居者の双方が満足できる住環境を維持しやすくなります。
1-1.自己管理との違い
賃貸用不動産の管理方法には、「自己管理」と「委託管理」 の2種類があります。
種類 | 概要 | メリット・デメリット |
自己管理 | 賃貸用不動産の管理業務をオーナー自身で行う方法 | ・コストを削減できる ・オーナーの負担が大きい ・知識がないと対応できないことがある |
委託管理 | 賃貸用不動産の管理業務を外部の会社に委託する方法 | ・オーナーの負担を軽減できる ・オーナー自身に知識やノウハウがなくてもアパートやマンションの経営ができる ・コストがかかる |
自己管理は、賃貸用不動産のオーナー自身が管理業務を行う方法です。
管理会社に支払うコストを削減できますが、オーナーの負担が大きい側面があります。
賃貸管理に関する法律や規則も熟知しなければならないため、誰でも簡単にできることではないでしょう。
一方で、委託管理は、先ほども触れたように賃貸用不動産の管理業務を外部の会社に委託する方法です。管理会社に支払う費用はかかるもののオーナーの負担を軽減でき、賃貸用不動産の管理がしやすい環境を構築できます。
国土交通省が実施した「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」によると、賃貸用不動産を所有しているオーナーの約8割が何らかの業務を管理会社に委託していることが分かります(サブリースを除く)。
賃貸用不動産の管理業務を行うときには、自己管理よりも管理会社に委託するほうが一般的だと言えるでしょう。
1-2.一部管理と全部管理の違い
管理会社の委託する方法には「一部管理」と「全部管理」の2つがあります。
管理方法 | 概要 | メリット・デメリット |
一部管理 | 管理業務の一部を委託する方法 例:入居者管理業務のみ委託する | ・コストを削減できる ・オーナー自身でできる範囲と委託するべき範囲のバランスが取れる ・一部屋のみの管理など負担が少ない場合におすすめ |
全部管理 | 管理業務のすべてを委託する方法 | ・ワンストップで委託できるためオーナーの負担を軽減できる ・1棟管理など負担が大きい場合におすすめ |
一部管理とは、管理業務の一部のみを委託する方法です。
例えば、入居者管理業務のみを委託する、建物の維持管理業務のみを委託するなど、オーナーにとって負担があると感じる業務のみを管理会社に任せられます。
数部屋のみや1部屋のみなど、オーナーの管理負担が少ない場合に向いています。
全部管理とは、管理業務のすべてを委託する方法です。
管理業務をワンストップで委託できるので、オーナーの負担が大幅に削減できるところがメリットです。1棟管理など管理負担が大きいケースに向いているでしょう。
国土交通省が調査した「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」を見ると、下記のように業務内容に応じて委託している割合が異なります。
業務内容 | 自己管理 | 委託管理 |
賃料等の集金 | 26.1% | 64.9% |
家賃の督促 | 19.9% | 70.6% |
賃貸借契約の更新 | 13.7% | 79.1% |
入居者からの苦情対応 | 25.1% | 69.2% |
清掃 | 23.7% | 61.1% |
建物の維持管理・点検・修繕等 | 21.8% | 68.7% |
入居時の契約支援 | 13.3% | 81.0% |
空室対策 | 25.1% | 62.6% |
※サブリースを除く
トラブルになりやすい契約更新や撤去時の対応、家賃の督促は委託する傾向が高いです。
一方で、賃料の集金や修繕積立金の管理などは、自己管理をしている割合が高くなっています。
委託の割合を見ると全部委託が主流ではありますが、管理会社によっては一部管理を委託することも可能です。
2.管理会社に委託できる業務
管理会社に委託できる主な業務は「入居者の管理業務」と「建物の維持管理業務」の2つです。賃貸用不動産の入居者募集から退去までに発生する一連の管理業務を委託できます。
入居者管理業務 | 建物の維持管理業務 |
・家賃の集金 ・延滞している家賃の回収 ・苦情・問い合わせ対応 ・契約更新業務 ・退去業務 ・入居者募集など | ・建物の点検や検査 ・共用部分や居室の清掃 ・設備の修繕 ・空室管理など |
ここでは、管理会社にはどのような業務を委託できるのか詳しくご紹介します。どのような管理業務を委託できるのか、事前に確認しておきましょう。
2-1.入居者管理業務
入居者管理業務とは契約更新や苦情対応、家賃の集金など入居者に関わる管理業務を指します。
対応できる業務の範囲は委託する管理会社により異なりますが、主に下記のような業務を行います。
業務内容 | 概要 |
家賃の集金代行 | 入居者から家賃・共益費を集金する |
家賃滞納への対応 | 入居者が家賃を滞納したしたときの督促回収業務や家賃保証会社・債権回収会社に家賃回収依頼を行う |
苦情・問い合わせ対応 | 入居者からの問い合わせや苦情に対応する 例:設備故障の連絡があったときに修理業者に引継ぐ 騒音の苦情があったときに注意喚起や注意書面の投函をする |
契約更新業務 | 入居者が契約更新をするときの契約手続きを行う |
退去業務 | 入居者が退去をするときの手続きや確認をするときの立会いを行う |
入居者募集 | 空室が発生したときや退去が決まったときに入居者の募集を行い空室が続かないようにする |
入居者管理業務では、主に「家賃集金」「問い合わせ対応」「入居者募集」の3つの業務をオーナーに代わり行います。
家賃の集金は毎月発生するため、入居者が増える・継続した集金が必要となると意外と負担がかかります。
管理会社に委託すれば毎月忘れずに集金でき、延滞が発生した場合には然るべき対応を取ってもらえます。
また、入居者が快適に暮らすには、円滑に問い合わせ対応ができる環境が欠かせません。
自己管理で問い合わせ対応すると大きな負担になりますが、管理会社に委託すると24時間365日問い合わせ対応できる環境を整えられることがあります。
このように、不動産管理会社に委託すると、入居者に関する管理業務を任せることが可能です。
【不動産仲介会社との違い】 「管理会社でも入居者募集ができるなら、不動産仲介会社とどこが違うの?」と感じた方もいるでしょう。 不動産仲介会社は、不動産の売買や賃貸契約をサポートすることを主要業務としています。仲介手数料が利益となり、買主と売主・賃貸物件と入居者をマッチングする業務を行います。 一方で、管理会社は賃貸用不動産の管理全体をサポートすることを主要業務としています。入居者募集ができる管理会社もありますがあくまでも管理業務の一環で、主要業務ではありません。 また、管理会社との契約方法によっては入居者募集を不動産仲介会社に依頼し、広く入居者を募ることも可能です。 |
2-2.建物の維持管理業務
不動産管理会社は入居者管理と併せて、建物の維持管理業務も行います。
建物の維持管理業務とは入居者が安心して暮らせるように、建物の安全性や清潔さを維持する業務のことです。管理する建物により業務内容は異なりますが、主に下記のような業務を行います。
業務内容 | 概要 |
点検・検査 | アパートやマンションの設備を安心して使用できるように定期点検や検査を実施する 例:消火器やエレベーター、給排水の点検 電気設備の点検を外部に依頼するなど |
清掃 | 共用部分などの清掃を行う 例:階段やエントランスの清掃を行う 各居室の配管洗浄を実施する |
修繕 | アパートやマンションの設備に不備・故障があった場合に修繕をして住環境を維持する 例:エレベーターが故障したため修理する エントランスの劣化が進んできたので修繕する |
空室管理 | 空室が出た場合にトラブルが起こらないように管理する 例:定期的に室内の確認をする |
建物の維持管理業務では、主に「点検・検査」「清掃」「修繕」の3つの業務をオーナーに代わり行います。
点検・検査ではアパートやマンションの設備を定期的に確認して、安全に暮らせる環境を維持します。
例えば、避難経路や消火器などの設備を点検して、災害などが起きたときに安全性を確保できるようにしておきます。
また、清掃では、契約内容に応じた清掃作業を行います。階段や廊下などの共用部分の清掃などを行い、入居者が快適に暮らせる環境を維持します。
清掃や点検時に修繕が必要な箇所が見つかった場合には、オーナーやマンション組合と相談しながら、修繕を行います。
建物の維持管理は入居者の満足度や安全性に直結する部分ですが、オーナーが個人で行うには負担が大きいです。不動産管理会社に委託することで、住環境を維持しやすくなります。
3.管理会社に委託する3つのメリット
管理会社に委託できる業務が理解できたところで、管理会社に管理業務を委託するメリットをご紹介します。
管理会社に委託をするとオーナーの負担を大幅に削減でき、マンションやアパート経営がしやすくなります。どのようなメリットがあるのか、事前にチェックしておきましょう。
管理会社に委託する3つのメリット |
・賃貸用不動産管理の手間を省ける ・トラブルを回避できる ・遠方の賃貸用不動産の管理ができる |
3-1.賃貸用不動産管理の手間を省ける
管理会社に賃貸用不動産の管理業務を委託すると、オーナーが不動産管理を行う手間が省けます。
「2.管理会社に委託できる業務」でも触れましたが、賃貸用不動産の管理には様々な業務が発生します。
管理する棟数や部屋数が多ければ多いほど、オーナーの大きな負担となるでしょう。例えば、仕事をしながら下記の業務を行うとなると、自由度の高い仕事でないと対応しきれません。
【賃貸用不動産管理業務の一例】 ・毎週共用部分の清掃作業を行う ・毎日入居者からの問い合わせに対応する ・エレベーターや消火器などの検査に立ち会う ・退去時の清算と立ち会い作業をする |
月曜日に共用部分の清掃作業を行い、火曜日に検査の立ち会いをします。
水曜日・木曜日に退去時の清算作業、内覧の案内などをしていると、1週間が賃貸用不動産の管理業務だけで終わってしまいます。
そこで、管理会社に委託すれば管理業務から手が離れるので、仕事やプライベートなどに支障が出ることがありません。今までのライフスタイルを維持したまま、賃貸用不動産の経営を行うことができます。
3-2.トラブルを回避できる
賃貸用不動産の管理は多くの法律が関わるため、知識がないと対応が難しいケースがあります。
賃貸用不動産の管理を行ううえで、オーナーが下記のようなトラブルを抱えて困った事例があります。
【賃貸用不動産の管理で起こったトラブル例】 ・家賃を滞納しておりなかなか払ってもらえないがどうしていいのか分からない ・入居者からの苦情や修繕要望にどのように対応すればいいのか分からない ・入居者に更新料の支払いを拒否されたままになっている |
例えば、家賃の滞納が起きた場合に、法律に沿った対処方法を把握していないと次のステップに踏み出せません。
また、騒音やゴミの捨て方などで入居者同士がトラブルになった場合に、知識や経験がないとどのような提案をすればいいのか分からず困ってしまうことがあります。
賃貸用不動産の管理業務に精通している管理業務に委託すれば、オーナー自身がトラブルに巻き込まれることを回避できます。
法律や規則に沿った対応ができるので、家賃滞納や苦情が起きても大きなトラブルに発展しにくいです。
実際にオーナーが管理会社に業務委託をする理由を見ても、オーナー自身に知識がなくトラブルに対応できないといった理由が上位を占めています。
管理業務を業者に委託している理由は? | |
1位(52.2%) | 契約更新・終了時のトラブルをなくしたいから |
2位(50.2%) | 自分自身の賃貸契約および管理に関する専門知識が不足していると感じるから |
3位(44.3%) | 建物に関するトラブル発生時に、適時適切に対応してほしいから |
※サブリース契約を除くデータ
管理会社に委託することでオーナー自身に知識がなくても適切な方法で管理できることは、大きなメリットだと言えるでしょう。
3-3.遠方の賃貸用不動産の管理ができる
オーナーが所有している賃貸用不動産の立地によっては、自身での管理が難しいケースがあります。
・相続したマンションで自宅から遠い
・入居者率を重視して立地のいいマンションを購入したいが自宅から遠い
・複数のマンションを所有しており自宅から遠いマンションがある
などの場合は、マンションの管理業務のために通うとなると時間と費用がかかります。
また、マンションでのトラブルはいつ何時起こるか分からないため、いざという時に駆けつけられないことも考えられるでしょう。
管理会社に委託すればオーナー自身ではなかなか足を運べない立地であっても、マンション経営ができます。入居者からの問い合わせや清掃作業なども任せられるので、住環境を維持することも可能です。
4.管理会社に委託するデメリット
管理会社に委託するデメリットとしては、費用がかかることや管理会社によってサービスの質が異なることが挙げられます。
管理会社に委託するうえで注意したいポイントでもあるので、事前に確認しておきましょう。
管理会社に委託するデメリット |
・不動産管理に費用がかかる ・委託先の管理会社によってサービスの質が左右される |
4-1.不動産管理に費用がかかる
賃貸用不動産の管理を管理会社に委託すると、管理手数料が発生します。自己管理の場合は発生しない費用なので、管理に費用がかかることはデメリットだと言えるでしょう。
管理手数料の目安は、家賃の5%程度です(一般管理契約の場合)。例えば、1ヶ月の家賃収入が50万円の場合は、2.5万円程度が管理手数料になります。
ただし、管理会社に支払う費用は依頼する業務内容により変わるため、コストを抑えたい場合は委託する業務内容を見直して相談してみるといいでしょう。
4-2.委託先の管理会社によってサービスの質が左右される
管理会社が行う業務や契約方法などは法律で定められていても、細かなルールは定められていません。
そのため、管理業務のサービスの質は管理会社によって大きく異なります。
私たちアセットテクノロジー株式会社が実施した「不動産オーナーの賃貸用不動産の管理に関する実態調査」では、半数以上のオーナーが管理会社に任せる上で悩み・不満を感じたことがあると回答しています。
具体例な悩みや不安を見てみると、コストや建物の維持管理の質、対応の悪さなど幅広い悩みを抱えていることが分かります。
この調査からも、管理会社ならどこに委託しても同様の質のサービスが受けられるわけではないことが分かるでしょう。
「7.委託先の管理会社を選ぶときのポイント」でも詳しく解説していますが、管理会社にとりあえず委託をするのではなく目的や課題に合う管理会社を見極めて委託をすることが大切です。
5.管理会社への委託が向いているケースは?
ここまで、賃貸用不動産の管理を管理会社に委託するメリットとデメリットを解説してきました。
「1.不動産管理を管理会社に委託するとは」でも触れたように、約8割のオーナーが管理会社への業務委託を選択しているのが現状です(サブリースを除く)。
賃貸用不動産の管理をするときには、管理会社に依頼をすることが主流の方法となっています。その上で、とくに管理会社への委託が向いているのは下記のようなケースです。
・自己管理の手間を省きたい ・賃貸用不動産の管理ができるスキルやノウハウがない ・遠方の賃貸用不動産の管理をしたい ・複数の賃貸用不動産を運用したい |
管理会社への委託は、何と言ってもオーナーの負担が軽減できることが大きな魅力です。
「賃貸用不動産の管理に時間をかけられない」「賃貸用不動産の管理方法を1から学んでいる余裕がない」という場合に向いています。
また、管理しなければならない賃貸用不動産が多い場合や手軽に管理できる距離にない場合にも、管理会社に委託したほうが継続した管理がしやすくなるでしょう。
6.管理会社に委託する2つの契約方法
賃貸用不動産の管理を委託する具体的な契約方法には「一般管理契約」と「サブリース」の2つがあります。
ここでは基礎知識として、双方の特徴やリスクをご紹介します。最後にはどちらの契約方法を選択するべきか述べているため、失敗しないためにもぜひ参考にしてみてください。
項目 | 一般管理契約 | サブリース |
概要 | 賃貸用不動産の管理業務を管理会社に委託する方法 | サブリース会社とオーナーが賃貸借契約を結び、サブリース会社が入居者と転貸借契約を結ぶ方法 |
収益性 | サブリースよりも高い | 低くなる傾向がある |
トラブル | サブリースより少ない | 多い |
6-1.一般管理契約
一般管理契約とは、賃貸用不動産の管理業務を管理会社に委託する方法です。
入居者とオーナーが直接賃貸借契約を結び、管理会社はオーナーのサポート役として委託された管理業務を行います。
一般管理契約 | |
概要 | 賃貸用不動産の管理業務を管理会社に委託する方法 |
費用 | 家賃収入の5%程度(振込手数料が発生する場合がある) |
メリット | ・一般的な委託方法 ・サブリースよりも収益性が高い ・委託したい業務のみ委託できるケースがある |
デメリット | ・サブリースと比較すると空室リスクがある |
一般的な委託方法で、費用は家賃収入の5%程度です。例えば、1ヶ月の家賃収入が20万円の場合は、1万円程度が費用としてかかります。
一般管理契約のメリットは、委託したい業務のみを選択できるケースがあることです。
入居者管理業務のみを委託するなど業務範囲を減らせば、費用を抑えられる可能性があります。
また、サブリースよりも収益性が高いため、空室対策さえしっかりとできれば収益を得やすいところもメリットだと言えるでしょう。
6-2.サブリース(一括借上管理契約)
サブリース(一括借上管理契約)はサブリース会社とオーナーが賃貸借契約を結び、サブリース会社が入
居者と転貸借契約を結ぶ方法です。
一般的にはオーナーは、サブリース会社から一定率の家賃保証を受けられるところが特徴です。
サブリース(一括借上管理契約) | |
概要 | サブリース会社とオーナーが賃貸借契約を結び、サブリース会社が入居者と転貸借契約を結ぶ方法 |
費用 | 管理手数料は不要だがその分収益性が低い |
メリット | ・空室でも家賃収入が見込める |
デメリット | ・売却をしたくてもサブリース契約を解除できないことが多い ・トラブルが多く発生している ・収益性が低い |
サブリースは一見すると賃貸用不動産の管理負担がなく一定の収益得られるように見えますが、契約条件のトラブルが多発しており問題視されている背景があります。
賃貸経営を管理業者にいわば一任できるサブリース方式が普及していますが、家賃保証等の契約条件の誤認を原因とするトラブルが多発し、社会問題化しています。 |
出典:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の概要」
サブリースで契約してしまうと売却をしたくても契約を解除できないことが多く、後から後悔するケースが多いです。
それだけでなく、実際に下記のようなトラブルが起きたという声もあります。
【サブリース契約でのトラブル事例】 ・サブリース会社から、サブリース物件の収入や費用、契約内容の変更条件などが家主に十分な説明がないまま契約を求められた ・サブリース会社からサブリース契約の途中での大 幅な賃料減額等の予期せぬ条件変更を求められた ・サブリース会社から想定していなかった修繕費用などの請求を受けた |
このように、サブリース契約をするとリスクが大きく、賃貸用不動産の管理はできてもトラブルや収益の減少につながる可能性があります。
6-3.管理会社への委託は「一般管理契約」を選択するべき
「一般管理契約」と「サブリース」の特徴やリスクを見てみると分かるように、管理会社への委託は「一般管理契約」を選択するべきです。
サブリースにはトラブルが多発しており、社会問題化しています。
それだけでなく、サブリース契約してしまうと自分のタイミングで売却ができないことが多く、出口戦略にも困ることになるでしょう。
【サブリースを避けるべき理由】 ・契約条件などのトラブルが多発しており社会問題化している ・売却をしたくてもサブリース契約を解除できないことが多い ・収益性が低い傾向がある |
また、サブリースは満室の状態が続いても、通常よりも設定家賃が低い傾向があります。
礼金や更新料もオーナーが受け取れないので、結果的に収益性が低くなることが多いです。
このように、オーナーにとって不利な状況で賃貸用不動産の管理をしないためにも、管理会社との契約方法は一般管理契約かどうかを確認するようにしましょう。
7.委託先の管理会社を選ぶときの4つのポイント
「4.管理会社に委託するデメリット」でも触れたように、管理会社ならどこでも同じ質のサービスを受けられるわけではありません。
安心して賃貸用不動産の管理業務を任せられる管理会社を選択することが大切です。
そこでここでは、委託先の管理会社を選ぶときのポイントをご紹介します。
どのような点に着目して選べばいいのか分かるので、ぜひ参考にしてみてください。
委託先の管理会社を選ぶときの4つのポイント |
・委託したい業務が揃っている ・担当者と円滑なコミュニケーションが取れる ・オーナー目線のサービスを提供している ・料金体系が明確で追加費用が発生しにくい |
7-1.委託したい業務が揃っている
まずは、委託したい管理業務が揃っている管理会社を選定するようにしましょう。
契約方法によっては建物の維持管理と入居者管理を別の会社に分けることもできますが、オーナーの負担が増えます。
「どうしてもこの業務はこの会社に任せたい」という理由がない限りは、委託したい管理業務が揃っている会社を選定したほうが管理しやすくなるでしょう。
委託したい業務を確認するときは、できるだけ細かく確認しておくことがポイントです。
例えば「入居者管理業務」と「建物の維持管理業務」という大枠だけではなく、入居者管理業務ではどのような業務を委託できるのかまで把握しましょう。
委託できる業務は管理会社のホームページやパンフレットで確認できるため、気になる管理会社の業務を比較してみてください。
7-2.担当者と円滑なコミュニケーションが取れる
管理会社に賃貸用不動産の管理を委託すると、やり取りをする機会が増えます。
担当者と円滑なコミュニケーションが取れないと、管理状況が把握できず不安になるでしょう。
私たちアセットテクノロジーの実施した「不動産オーナーの賃貸用不動産の管理に関する実態調査」を見ると、賃貸用不動産の運営を管理会社に任せるときに悩み・不満を感じた点として営業や担当者への不満の声が挙がっています。
【賃貸用不動産の運営を管理会社に任せるうえでの不安や悩みの一例】 ・営業担当者の連絡が遅すぎる ・営業の力量が属人化している |
管理会社と契約した後に後悔しないためにも円滑にコミュニケーションが取れそうか、下記のようなポイントを確認しておくといいでしょう。
【担当者とのコミュニケーションをチェックするポイント】 ・担当者との連絡手段が複数ある(メール・電話・チャットなど) ・質問をしたときの返答が早い ・専門用語を極力使用しないで分かりやすく伝えてくれる ・オーナー目線に立った提案をしてくれる ・資料などを用いて説明してくれる |
とくに、担当者とのコミュニケーション方法が複数あるかどうかは大切なポイントです。
メールのみしか対応していない、営業時間内の電話しか受け付けしないなどの状況だと、どうしても連絡が遅くなってしまいます。
いつでも気兼ねなくコミュニケーションが取れる環境があるか確認しておくと安心です。
7-3.オーナー目線のサービスを提供している
管理会社に委託をしても、オーナーの手間となる業務が多いと負担感を軽減できません。
オーナー目線で手間を省けるサービスを提供しているかどうかも、確認しておきましょう。
一例としては、下記のようなサービスや工夫が該当します。
・クラウドサインに対応しており書類のやり取りが楽にできる ・賃貸不動産を管理する専用のアプリを使いスマートフォンから情報確認ができる ・社内での窓口が統一されており連絡先が絞られている |
例えば、確認が必要な書類が発生する度に郵送でやり取りをしていると時間がかかります。クラウドサインに対応していれば、オンライン上のやり取りで終了します。
また、業務ごとに担当者がわかれている場合、複数の担当者とやり取りする必要があり負担感が大きいです。
無駄なやり取りが発生しない統制の取れた管理会社を選択すると、効率よく賃貸不動産管理ができます。
このように、オーナー目線に立ち、負担感なく業務ができる工夫があるか確認しておくと、後悔を減らせるでしょう。
7-4.料金体系が明確で追加費用が発生しにくい
契約時に料金体系が明確でないと、契約後にトラブルになることがあります。
料金体系が分かりやすく、追加費用が発生しにくい管理会社を選択しましょう。
例えば、毎月の管理手数料が比較的低くても、費用内に集金業務と清掃業務しか含まれていなければそれ以外の業務を行う度に追加費用が発生します。
ベースとなる管理手数料が安くても、最終的には割高になる可能性があります。
このように、管理手数料のみを見て判断すると後悔につながることがあるので、
・管理手数料には何の料金が含まれているのか
・どのような業務に追加費用がかかるのか(緊急対応時の費用など)
をしっかりと確認して検討することが大切です。
8.賃貸不動産の管理会社に迷ったら「アセットテクノロジー」にお任せください
ここまで読み、アパートやマンションの賃貸管理をするときには、管理会社に委託したほうが理解できたかと思います。
「どのような管理会社に委託すればいいのか迷っている」「なかなか思うような管理会社が見つからない」という場合には、私たちアセットテクノロジーにお任せください。
アセットテクノロジーは賃貸管理業を通じて、オーナー様の人生を豊かにすることを使命に、賃貸管理サービスを提供しています。
ここでは、私たちアセットテクノロジーならではの強みを3つご紹介しますので、ぜひ確認してみてください。
アセットテクノロジー株式会社の3つの強み |
・「ダイレクト賃貸」でコストカットが見込める ・独自アプリで不動産管理の手間を削減できる ・2つのプランから選択できる |
8-1.「ダイレクト賃貸」でコストカットが見込める
アセットテクノロジーでは、オーナー様と入居者様をダイレクトにマッチさせる「ダイレクト賃貸」サービスを提供しています。
ダイレクト賃貸では広告費がかからないので、オーナー様の費用負担を軽減できます。入居者側は初期費用と仲介手数料が無料なので、入居率向上や空室対策にもつながります。
8-2.独自アプリで不動産管理の手間を削減できる
この記事でも触れましたが、賃貸不動産を管理するときにせっかく管理会社に業務を委託してもオーナー様の負担感を軽減できなければ管理がしにくくなります。
アセットテクノロジーでは独自のアプリを導入しており、賃貸不動産の管理を一元化できます。
スマートフォンアプリの機能 | |
月次収支報告 | アセットテクノロジーの基幹システムと連携し、家賃集金管理状況や収益などを分かりやすく報告します。 |
メッセージ機能 | アセットテクノロジーとオーナー様が手軽にコミュニケーションの取れる機能です。電話や書面など複数の方法で連絡を取る必要がありません。 |
文書保管機能 | 更新契約書や入居時の手引きなどの書類を一元管理できます。 |
電子契約(オプション) | 賃貸借契約や更新契約などの契約を電子契約化できます。 |
アプリのメッセージ機能ではいつでもアセットテクノロジーとオーナー様が連絡を取れるので、電話やメールでやり取りをする手間を省けます。このように、オーナー様の目線に立ち、賃貸不動産の管理がしやすい工夫を取り入れています。
8-3.2つのプランから選択できる
アセットテクノロジーでは、管理業務内容に応じて2つのプランを用意しています。
・入居者募集 ・契約業務 ・家賃集金 ・クレーム処理 ・入居者への24時間サポート などの管理業務を行います。コストと管理業務のバランスが取れたプランです。 | 入居者管理と建物管理の業務全般を行うプランです。状況に応じて巡回清掃や保守点検などを提案することも可能です。 |
どちらのプランもコストを抑えて、オーナー様が必要とされる管理業務を安心して委託できるようになっています。
アセットテクノロジーはオーナー様の縁の下の力持ちとして、賃貸不動産の管理業務をサポートします。
信頼できる管理会社を探している場合やコストを抑えて管理業務を委託したい場合は、お気軽にお問い合わせください。
LINEでもお問い合わせを受け付けております。
9.まとめ
いかがでしたか?賃貸用不動産の管理を管理会社に委託するメリットや具体的な方法が理解でき、管理会社への委託を検討できるようになったかと思います。
最後にこの記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
〇管理会社に委託するとは、賃貸用不動産の管理業務を外部の管理会社に委託すること
〇自己管理と委託管理の違いは下記のとおり
種類 | 概要 |
自己管理 | 賃貸用不動産の管理業務をオーナー自身で行う方法 |
委託管理 | 賃貸用不動産の管理業務を外部の会社に委託する方法 |
〇一部委託と全部委託の違いは下記のとおり
管理方法 | 概要 |
一部管理 | 管理業務の一部を委託する方法 |
全部管理 | 管理業務のすべてを委託する方法 |
〇管理会社に委託できる業務は下記のとおり
業務 | 概要 |
入居者管理業務 | ・家賃の集金 ・延滞している家賃の回収 ・苦情・問い合わせ対応 ・契約更新業務 ・退去業務 ・入居者募集など |
建物の維持管理業務 | ・建物の点検や検査 ・共用部分や居室の清掃 ・設備の修繕 ・空室管理など |
〇管理会社に委託するメリットは次の3つ
・賃貸用不動産管理の手間を省ける
・トラブルを回避できる
・遠方の賃貸用不動産の管理ができる
〇管理会社に委託するデメリットは次の2つ
・不動産管理に費用がかかる
・委託先の管理会社によってサービスの質が左右される
〇管理会社に委託するときの契約方法は一般管理契約を選択するべき
〇委託先の管理会社を選ぶときのポイントは次の4つ
・委託したい業務が揃っている
・担当者と円滑なコミュニケーションが取れる
・オーナー目線のサービスを提供している
・料金体系が明確で追加費用が発生しにくい
賃貸用不動産の管理には、知識やノウハウがある管理会社のサポートが必要不可欠です。
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