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【大阪】近年の地価は落ち着いている
下記は、2021年に「令和3年度 都道府県地価調査」として国土交通省が発表した、三大都市の地価に関する動向です。
住宅地 | 宅地見込地 | 商業地 | 工業地 | |
東京 | 0.1% | -0.5% | 0.1% | 2.3% |
大阪 | -0.3% | -1.3% | -0.6% | 1.7% |
名古屋 | 0.3% | - | 1.0% | 1.2% |
大阪の住宅地は2年連続で地価が下落していますが、下落率は少しずつ縮小しています。急激な増減もなく、比較的安定しているエリアと評価できます。
出典:「令和3年都道府県地価調査の実施状況及び地価の状況」(国土交通省)
大阪の地価が安定している理由
大阪の地価が多少の下落を見せつつも、大きな変動なく安定しているのにはいくつかの理由が存在します。下記で詳しくピックアップしますので、ひとつずつチェックしてみましょう。
オフィス街が大阪市内に集中している
大阪は、東京と並ぶ大規模オフィス街として知られています。大きなオフィス街が点在すること、大企業の本社や支社が多いことから、「ヒト」「モノ」「カネ」の資源が活発に行き交うようになりました。
東京など東日本側の大都市圏にも、福岡をはじめとする西日本側の大都市圏にもアクセスがよく、企業はもちろんビジネスマンなど個人が腰を据えるエリアでもあるのです。そのため、不動産投資の観点では、大阪の大都市圏におけるワンルームマンションの需要が期待できます。
企業が多いということは、その分そこで働くビジネスマンが多いということですので、ビジネスマン向けの住宅も増えています。
観光客や労働者の増加で需要拡大が期待できる
2018年度の国土交通省 観光庁による訪日外国人消費動向調査では、訪日外国人観光客が最も多いのは大阪府という調査結果が発表されました。
出典:「訪日外国人消費動向調査の結果概要」(観光庁)
世界的に有名なテーマパークがあるので、国内外問わず多くの観光客が訪れます。また、京都・奈良など日本古来の伝統文化に触れられる町とも近いことから、大阪を訪れる人が増えています。
2025年には万博の開催予定があること、カジノ法案の成立による総合型リゾート開発のニーズが高まっていることも注目すべきポイントです。多くの理由から、今後もさらに外国人観光客が増えると予想されるようになりました。
東京五輪が開催されると決まったときは、東京周辺の地価に大きな変動が現れました。同じ現象が大阪エリアでも起きる可能性があり、不動産投資家からの注目が集まっています。
大阪市を中心とした各地の再開発
大阪は、大阪市を中心に現在でも再開発が続くエリアです。JR大阪駅周辺のうめきた再開発は現在も進行しており、「うめきた2期地区開発プロジェクト」の一環として2023年には新たな駅の開通が予定されています。
なにわ筋線の延伸計画も進んでおり、北梅田駅をはじめJR難波駅や南海本線の新今宮駅をつなぐ路線が検討されるようになりました。今後さらなる人口流入が予想されており、個人で住む人も増加するのではないかと言われています。
今後予想される大阪の地価変動
大阪市の再開発をはじめ、今後も大阪エリアの需要拡大や人口流入が期待されています。現在も高層マンションが多数建設されており、企業が国内外から大阪に進出するに伴って居住する人も増えていく可能性が高いです。
とはいえ、前述した通り大阪府全体を見ると地価が下落していることも事実です。大阪の中心地に需要と人気が集まる傍ら、都心部へのアクセスに少し不便なエリアの地価は下落しており、二極化が進んでいるのです。
大阪の地価向上に期待して不動産投資を始めるのであれば、なるべく都心に近いエリアを選ぶのがポイントとなりそうです。
大阪市の今後の地価上昇が期待できるエリア
ここからは、大阪市で今後地価の上昇が期待できるエリアを紹介します。
大阪市年計画局が公表した「令和3年地価公示結果について(大阪市)」によると、大阪市内の地価変動は下記の通りでした。
上昇傾向エリア | 都島区・福島区・中央区など7区 |
横ばいエリア | 北区・西区・東淀川区・旭区など6区 |
下落エリア | 大正区など |
出典:「令和3年地価公示結果について(大阪市)」(大阪市都市計画局)
特に変動率が高いエリアとして、北区・中央区・福島区・天王寺区・東成区・都島区が挙げられています。下記でそれぞれの区の特徴を解説するので、チェックしてみましょう。
北区
大阪市北区は、2025年の大阪・関西万博に向けて再開発を進める関西地区の中心地です。梅田駅周辺のエリアでは複合商業施設を目指した再開発が今も続いていますが、2013年に完成したグランフロント大阪の存在感がここ数年で大きくなってきました。
2013年以降地価の平均額も右肩上がりであり、2018年には大手デベロッパーや電鉄会社などが、うめきた2期の開発事業者として名乗り出ています。梅田駅にアクセスのよい大淀北・中津・豊崎・天神橋・西天満・天満などの賃貸物件も多く、特に単身者に人気のあるエリアとして不動産投資家から注目されています。
中央区
大阪市中央区は、大阪府庁や大阪府警察本部などがある官公庁街として知られており、大阪取引所があることから金融街としての側面も持つエリアです。その一方、大阪城や大阪歴史博物館など国内でも有数の観光地としても人気であり、外国人からの注目が例年高いことが特徴です。
もともとはオフィスビルが多い場所でしたが、バブル崩壊以降はマンションが多くなり、夜間人口が増加してきました。一方、ファミリー向けの一軒家が少なく、住宅街のイメージがないことから単身向けの投資用物件を探す投資家から人気を集めています。
福島区
大阪市福島区は大阪の交通および商業の中心地であり、JR・阪神・大阪メトロなど多くの路線が乗り入れます。オフィスビルも多いことから、ビジネスマンのニーズが高いエリアとして評価されるようになりました。
一方、昔ながらの庶民的な雰囲気や現代的なおしゃれさが融合した新しい街としての人気も高まっており、女性単身者が多いことでも有名です。
天王寺区
大阪市天王寺区は、ファミリーに人気の高いエリアです。大阪教育大学をはじめとして幼稚園から大学まで70近い教育施設を有する区であり、教育熱の高い家庭が集まるようになりました。
当時日本一の高さを誇る百貨店の誕生や、天王寺公園周辺の公共施設のリニューアルオープンでさらに活気づくようになったエリアです。フットサルなどスポーツができる場所も多いことから、ファミリー向け投資物件の数が増えています。
まとめ
大阪で不動産投資をするのであれば、今後の動向やニーズを読み取って地価の変動を予測することが大切です。
人口が多くても、投資する物件と実際の住人の年齢層がかけ離れていれば、需要は生まれません。同じ大阪市でも区によって傾向が異なるので、情報収集しながら理想に近い投資用物件を探していきましょう。