不動産投資用の中古物件で築年数を重視すべき理由

不動産投資用の物件を選ぶときは、新築だけでなく中古の物件も検討することをおすすめします。中古物件のなかには、思わぬ「掘り出し物」や見た目以上の収益性を持つものが存在するためです。 今回は、不動産投資における物件の築年数や中古物件について解説します。

この記事は約5分で読み終わります。

不動産投資の物件選びで築年数を重視すべき理由

不動産投資において、物件の築年数は必ずチェックすべきポイントです。なぜなら、築年数次第で不動産の運用期間が判断できるからです。

古い物件は安く購入できるので、自己資金が少ない方やローンの借入金額を抑えたい方から人気があります。ただし、修繕費が積み重なってしまい、かえって運用コストが高くなる可能性があります。

また、古い物件は入居希望者が集まりづらく、家賃収入を安定させづらいデメリットも抱えます。中古物件を選ぶなら、運用期間がある程度残っていて、維持費・修繕費が高額でない物件を選択するのが理想です。

コストバランスの評価軸のひとつとなるのが築年数です。大規模修繕の時期も照らし合わせながら投資計画を立てましょう。

不動産投資におすすめの築年数は10~20年

中古物件で不動産投資する場合、おすすめは築年数10年から20年程度の物件です。

特に不動産は新築でなくなった瞬間(入居者が鍵を開けた瞬間)から価値が下がり続けるといわれていますが、10年間であれば比較的価値の下落幅も緩やかです。築年数10年から20年程度であれば資産価値が十分に残っており、底値となるまで10年近く運用できます。

また、1981年に施行された「新耐震設計法」を基準にする方法もあります。震度6以上の地震が起きても倒壊しないことを前提として定められた「新耐震設計法」を採用している物件であれば、リスクが少ないでしょう。一方、2022年時点で築41年以上経過している物件の場合、旧耐震基準となっていることがあるので注意が必要です。

【築年数別】投資用中古物件の特徴

ここでは、築年数別に投資用中古物件の特徴を紹介します。

あくまで一般的な傾向であるため、大体の目安として理解しつつ、それぞれの物件の様子は実際に目で見て確認する必要があります。

築年数10年未満の物件の特徴

築年数10年未満の物件は、大規模修繕の必要がなく設備が比較的新しいので、投資用物件として高い人気を誇ります。重篤な設備の痛みもないので入居者が集まりやすく、新築より安く入手できるのが利点です。

資産価値が高いのでローンも組みやすく、審査が通る可能性が高いです。減価償却費による節税効果も期待しているのであれば、長期間の計上ができるのでメリットがあります。

ただし、築浅なので中古の割に金額が高いこともあります。家賃収入で回収するとしても新築同様の賃料設定ができず、どれくらいの金額にすべきか迷う方が多いのも特徴です。プロに相談しながら、理想的な収益プランを組み立てていきましょう。

築年数11年〜30年未満物件の特徴

築年数11年から30年未満の物件は、築年数10年未満の物件よりさらに安く購入できます。ある程度資産価値は落ちるものの、家賃が安定しやすく、収支の計画を立てやすい点が魅力です。物件価格も底値に近いので、購入時と売却時の差を小さく抑えられることもポイントです。

一方で、大規模修繕のリスクがあることを把握しておきましょう。一般的に築15年から20年程度で大規模修繕をする物件が多く、購入のタイミング次第では思わぬ出費に悩まされるかもしれません。前のオーナーが修繕費を積み立てている場合もあれば、ほぼ全額が新オーナーの負担となる可能性もあります。

購入前に余計な負債などは存在しないか、物件情報をよく調べておく必要があります。特に前のオーナーが修繕費を未納していないかなど、見落としやすいポイントには注意しましょう。

築年数30年以上経つ物件の特徴

築年数30年以上が経つ物件の場合、物件価格が底値なので最も安く購入できます。デメリットとして、どうしても築年数分の傷みが目立ってしまうことが挙げられます。

設備が現代のニーズに適していなかったり、間取りが少し古めかしかったり、外観の汚れや傷みが気になったりと、物件の欠点が目につくおそれがあります。そのため、ターゲットとする入居者層がある程度絞られてしまいます。

ただし築年数が古い分、駅近など利便性の高い物件であることが多いです。どのような人をターゲットにできそうか考えながら購入すれば、大幅な損は防げます。

【築年数別】自分に合った投資物件の選び方

最後に、投資用物件の築年数別におすすめの人を紹介します。

自分に合った投資用物件を探すためには、さまざまな視点から不動産のメリット・デメリットを分析することが大切です。この記事では不動産をチェックするポイントのひとつとして、築年数ごとに分けています。

築年数10年未満の物件がおすすめの人

築年数10年未満の物件には、節税効果を狙いたい人が適しています。相続税対策がしたい場合、実際の売買価格より低く評価される不動産を使うのが効果的です。資産価値の高い築浅物件も購入しやすくなるので、試算してみることをおすすめします。

また、不動産の価値は減価償却費として計上できるので、所得税や住民税も節税できます。築浅物件であれば減価償却できる期間が長く残されているので、長期間の投資兼節税対策にも最適です。

築年数11年〜30年未満の物件がおすすめの人

築年数11年から30年未満の物件は、家賃収入を得ることが投資目的の人におすすめです。資産価値の下落が緩やかなので家賃収入の計画を立てやすく、大幅に家賃を下げずとも入居者を獲得できます。

ただし、大規模修繕の時期にはよく注意しておきましょう。設備メンテナンスが必要な時期に向けて修繕費の積み立てを見直したり、自己資金に余裕を持たせたりと運用に工夫が必要です。

築年数30年以上経った物件がおすすめの人

築年数30年以上の物件は、何よりも立地を重視して物件選びをしたい人や、将来的に転売を検討している人におすすめです。大規模修繕できる費用があれば、大幅なリノベーションをして入居者を積極的に募集することが可能です。

再開発など注目度が高まっているエリアの物件を購入し、地価が高まったタイミングで手放すこともできます。反対に、リノベーションせずに運用する場合は、空室率が高くなることを覚悟しておく必要があります。

また、地価の見定めが必ずしも当たるとは限らないので、ある程度不動産投資の経験を積んでからチャレンジすることが重要です。

まとめ

不動産投資をする際は、物件の築年数を必ず確認しておきましょう。大規模修繕や減価償却費の計上期間など、築年数ごとに異なる特徴が多いため、購入時は考慮することが大切です。

初めは不動産投資や管理のプロに教わりながら、自分に最適な投資用物件を探してみるのもおすすめです。