不動産投資に適した年齢は?若いうちに始めたほうがよい理由や50歳を超えてから始める場合の注意点

不動産投資には年齢制限がなく、資金さえあれば始められる投資のひとつです。20代の若いうちだけでなく、まとまった資金を用意できる50代以降から始めても問題ありません。 ただし、20代から始める不動産投資と50代から始める不動産投資ではそれぞれメリットやデメリットが異なります。 この記事では、不動産投資を若い年齢のうちに始めたほうがよい理由、50代から不動産投資を始める際の注意点について解説します。

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年齢に関係なく不動産投資は始められる

不動産投資は年齢制限がないため、20代の若者から60代以上のシニア世代まで、誰でも始められます。

しかし、始める年齢によってメリットやデメリットが異なるため、自分の経済状況やライフプランに合わせて、適切な投資計画を立てることが重要です。

若い世代は長期的な視点で資産形成を目指せる一方、年配の世代は豊富な経験や資金を活かした投資ができるでしょう。また、不動産投資の方法は多様化しており、一棟マンションや区分マンション、戸建て投資など、年齢や資金力に応じて選択肢が広がっているのが現状です。

そのため、不動産投資は年齢を理由にあきらめる必要がありません。むしろ各年代の特性を活かした戦略を立てれば、成功の確率は高くなるでしょう。

不動産投資家は30代~50代が多い

野村不動産ソリューションズ(第14回 不動産投資に関する意識調査)によると、不動産投資家の年齢は30代〜50代が多数を占めています。具体的には50代が38.3%ともっとも多く、次いで40代が22.1%、30代が5.0%となっています。

この年齢層が多い理由は、安定した収入や一定の貯蓄があり金融機関からの信用度が高いからです。とくに40代前後から不動産投資を始める人が増加する傾向にあり、キャリアアップや収入の増加に伴い、まとまった資金を準備できるようになったためだと考えられます。

また、この年代は将来設計を考える時期でもあり、老後の資金確保や資産形成の手段として不動産投資を選択する人が多いといえます。

不動産投資を若い年齢のうちに始めたほうがよい理由

不動産投資を若い年齢のうちに始めたほうがよい理由は以下の通りです。

  • 不動産投資ローンの審査が通りやすい
  • 団体信用生命保険に加入しやすい
  • 不動産投資ローンの返済期間を長めに設定できる
  • 定年前に不動産投資ローンを完済できる
  • 失敗の経験を次に活かせる

ここでは、不動産投資を若い年齢のうちに始めたほうがよい理由について解説します。

不動産投資ローンの審査が通りやすい

若い年齢で不動産投資を始めるメリットのひとつに、不動産投資ローンの審査が通りやすい点が挙げられます。これは若い世代ほど返済期間を長く設定できるためです。

例えば、35歳で投資を始めれば、65歳までの30年間のローンを組めます。金融機関は長期的な返済計画を好む傾向にあるため、若い投資家は審査で有利になるでしょう。

また、若い世代は今後の収入増加が期待できるため、将来の返済能力も高く評価されます。

ただし、20代など勤続年数が短い場合は、安定した収入や十分な貯蓄を示さなければなりません。

団体信用生命保険に加入しやすい

若い年齢で不動産投資を始めた場合、団体信用生命保険に加入しやすいメリットが挙げられます。団体信用生命保険は、ローン返済中に借り手が亡くなった場合や重度障害を負った場合に残りの債務を保険金で返済するものです。

若い世代ほど健康リスクが低いため、保険会社は加入を承認しやすい傾向にあります。また、保険料も年齢が上がるほど高くなるため、若いうちに加入すればコストを抑えられるでしょう。

加えて、多くの金融機関が不動産投資ローンの条件として団体信用生命保険への加入を義務付けているため、加入のしやすさは融資の受けやすさにもつながります。

不動産投資ローンの返済期間を長めに設定できる

若い年齢で不動産投資を始めるメリットは、不動産投資ローンの返済期間を長く設定できることです。

長期間のローンを組むと月々の返済額を抑えられるため、キャッシュフローの管理がしやすくなります。

また、インフレによる貨幣価値の低下も考慮すると、長期のローンは実質的な返済負担を軽減する効果があるでしょう。さらに将来の収入増加や物件の価値上昇などのチャンスを活かしやすくなります。

定年前に不動産投資ローンを完済できる

若いうちに不動産投資を始めると、定年前にローンを完済できる可能性が高まります。これは老後の生活設計において大きなメリットです。

例えば、35歳で投資を始めて30年のローンを組んだ場合、65歳の定年前にローンを完済できます。完済後は家賃収入を自由に使えるため、年金と合わせてより豊かな老後生活を送れるでしょう。

また、定年前にローンを完済すれば、退職金を他の投資や旅行などの趣味に充てられます。万が一の場合に備えて、定年後の収入が減少しても返済の心配がないという安心感も得られるでしょう。

失敗の経験を次に活かせる

若い年齢で不動産投資を始めるメリットは、失敗の経験を次の投資に活かせることです。

投資には常にリスクが伴いますが、若いうちに経験した失敗は将来の大きな成功につながる貴重な学びになります。

例えば、物件選びの失敗から立地や需要の重要性を学んだり、テナント管理の難しさを経験したりすると、より効率的な運営方法を見出せるでしょう。また、若いうちは時間に余裕があるため、失敗から立ち直る機会が多く、リスクを恐れずにチャレンジできます。

さらに失敗を重ねれば、市場の動向を読む力やリスクマネジメント能力が向上するかもしれません。結果、長期的にみると安定した投資戦略を構築できるようになります。

20代から始める不動産投資の注意点と失敗を避ける方法を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

20代でも不動産投資は始められる!注意点と失敗を避ける方法とは

年齢が50歳を超えてから不動産投資を始める際の注意点

年齢が50歳を超えてからの不動産投資は、本人属性や資産状況が良好になるため、有利な運用が可能ですが、以下のポイントに注意しなければいけません。

  • 本人属性が高まる一方で不動産投資ローンの借り入れが難しくなる
  • 健康状態によっては団体信用生命保険の加入ができない
  • 定年退職後に返済が滞らないような計画が必要

ここでは、50歳を超えてから不動産投資を始める際の注意点について解説します。

本人属性が高まる一方で不動産投資ローンの借り入れが難しくなる

50歳を超えてから不動産投資を始める場合は、本人属性(信用力や収入など)が高まっている一方で、不動産投資ローンの借り入れが難しくなるというジレンマに直面します。多くの金融機関ではローンの完済年齢の上限を70歳から75歳に設定しているため、50代後半になると返済期間が短くなり、月々の返済額が高くなってしまいます。

例えば、55歳でローンを組む場合、15年から20年程度の返済期間しか設定できず、若い世代と比べて月々の負担が大きくなります。また、定年退職後の収入減少も考慮されるため、ローンの審査基準が厳しくなるでしょう。

これらの理由から、50歳を超えてからの不動産投資では自己資金を多く用意したり、収益性の高い物件を選んだりするなど、慎重な計画が必要になります。一方で、50代は職場での地位が安定し高い収入を得られるケースも多いため、この強みを活かした投資戦略を立てるのも重要です。

健康状態によっては団体信用生命保険の加入ができない

50歳を超えてから不動産投資を始める場合、健康状態によっては団体信用生命保険に加入できない可能性があります。

団体信用生命保険はローン返済中に借り手が亡くなった場合や重度障害を負った場合に、残りの債務を保険金で返済する保険です。年齢が高くなるほど健康リスクが増加するため、保険会社は慎重な審査を行います。とくに持病がある場合や過去に重大な病歴がある場合は、加入を断られる可能性が高くなるでしょう。

また、団体信用生命保険へ加入ができないと、多くの金融機関では不動産投資ローンの利用自体が難しくなります。そのため、50歳を超えてからの投資では健康管理に十分注意を払うとともに、自己資金を多く用意するなど、保険に頼らない投資計画を立てる意識も必要です。

また、代替策として個人で生命保険に加入し、その保険金をローン返済に充てる計画を立てるなど柔軟な対応が求められます。健康状態に不安がある場合は、事前に医療機関での健康診断を受け、結果を踏まえて投資計画を立てましょう。

定年退職後に返済が滞らないような計画が必要

50歳を超えてから不動産投資を始める場合は、定年退職後の返済計画を慎重に立てる必要があります。定年後は収入が減少するケースが多いため、ローンの返済が負担になる可能性が高いでしょう。

そのため、退職金や年金、その他の収入源を考慮に入れた長期的な資金計画が求められます。

例えば、定年前に一部繰り上げ返済をして退職後の返済額を減らしたり、退職金の一部をローン返済に充てる計画を立てるなどの対策が必要になるでしょう。

また、物件選びの際も安定した家賃収入が見込める物件を選ばなければなりません。例えば、学生や若手社会人の需要が高い地域の物件や、駅近くの利便性の高い物件など、空室リスクの低い物件を選ぶと安定した収入を確保しやすくなります。

さらに予期せぬ修繕費や空室期間に備えて、十分な資金的余裕を持つ姿勢も大切です。具体的には、数ヶ月分の家賃収入に相当する金額を緊急時の資金として確保しておくとリスクを回避しやすくなります。

定年後も安定した不動産経営を続けるためには、入念な計画と準備が不可欠です。不動産投資の専門家や税理士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、自身の経済状況や将来のライフプランに合わせた最適な投資戦略を立ててください。

50代から始める不動産投資の運用ポイントについて知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

50代からでも遅くない! 資産運用のポイントを解説

まとめ

不動産投資は年齢に関わらず誰でも始められますが、各年代によって特徴や注意点が異なります。若いうちに始めれば、ローンの借り入れや保険加入が有利になり、長期的な資産形成が可能です。

一方、50歳を超えてからの投資はローン借入や保険加入の難しさ、定年後の返済計画など考慮すべき点が増えます。しかし、どの年代でも適切な戦略を立てれば成功する可能性はあります。

重要なのは自身の経済状況やライフプランに合わせた投資計画を立てることです。不動産投資を検討している方は専門家のアドバイスを受けながら、自分にとって最適な投資戦略を見つけてください。

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不動産投資を始めようとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。