自分は不動産投資家に向いている?これから始める人が知るべきこと

不動産投資家は、資金さえあれば誰でもなることができます。とはいえ、不動産投資に関する最低限の知識や成功のコツを知ってから始めるのが理想です。 専門家に相談することもできますが、自分自身である程度判断できる知識を持っている方がリスクを軽減できます。 今回は、不動産投資家になるための手順や注意点を解説します。

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不動産投資家とは

不動産投資家とは、所有する不動産を人に貸し出して、家賃という形で収入を得る投資家のことです。不動産の種類は複数あり、マンション、アパート、一戸建てなどの住宅用不動産やオフィスビルなど事業用不動産も含まれます。

いわゆる「大家さん」も不動産投資家の一種といえます。大家さんは、自分が保有する物件を自分で管理するのが特徴です。相続した物件を自分で管理する、もしくは区分マンションの一室に自分が住みながら管理兼投資を行うこともあります。

一方で不動産投資家は、別に本業を持っている方が多く、不動産の管理を管理会社や不動産会社に任せていることが一般的です。また、相続ではなく物件購入から始めたり、複数の物件を保有したりすることも多いので、大家さんとは少し性質が異なります。

不動産投資家の平均年収

オンライン不動産ローンサービスを提供する会社の調査によると、不動産投資家の平均年収は1,064万円であるという結果が出ています。

参考:株式会社 MFS「【MFS公式調査レポート】約7割の不動産投資家は高い金利で借り入れを行なっている!不動産投資家に関する調査結果公開」

最多年収層は700万円台であり、平均年齢は43歳ですが、なかには20代など若手不動産投資家の存在も見て取れます。日本人の平均年収は433万円なので、平均より大幅に上回っていることが分かります。

また、物件を6件以上保有している人もいますが、53%の方は1件に絞って不動産投資をしているようです。

参考:国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」

不動産投資に向いている人の特徴や属性

ここでは、不動産投資に向いている人の特徴や属性について解説します。

安定した収入を得ている人

安定した収入を得ている人は、不動産投資に向いているといえます。

不動産投資のローンは長期的に返済していくため、安定した収入を得られている人のほうが金融機関の審査が有利になります。

ただし、高収入を得ていない人であっても、公務員などは安定した収入が得られているため、ローンの審査が有利になる可能性が上がります。

ほかにも、医師や弁護士、上場企業のサラリーマンなども高収入かつ安定した収入を見込めるため、不動産投資に向いているといえるでしょう。

勤続年数が長い人

勤続年数の長い人もローンの審査が有利に動くため、不動産投資に向いています。

多くの金融機関では、勤続年数を申し込み要件として設定しており、最低でも3年以上の勤続年数が必要なケースがほとんどです。

もちろん、勤続年数が長ければ長いほど審査が有利に進みます。

不動産投資のローンは基本的に数十年単位で返済計画を考えるため、勤続年数の短い方は返済能力がないとみなされ、審査が通過しないケースがほとんどです。

自己資産が多い人

自己資産が多い人も不動産投資に向いています。

預金残高だけでなく、株式などの金融資産も審査の対象となるため、保有する自己資産が多い人ほど有利です。

また、自己資産が多い人は運用中に発生するトラブルにも対応しやすいメリットが挙げられます。

基本的にローンの返済は家賃収入から支払う計画を立てますが、不動産投資には空室リスクや滞納リスクがあるため、必ずしも入ってくるわけではありません。

家賃収入が途絶えた場合は自己資金から返済をしなければいけないため、自己資産の多い人のほうが円滑なキャッシュフローを実現できます。

また、物件の老朽化にともなう修繕費用も自己資産が多ければ無理なく支払えるため、入居者の満足度を維持しながら入居率アップを目指すことが可能です。

老後にも安定した収入を得たい人

老後に安定した収入を得たい人に不動産投資は最適です。

老後は会社からの給与がなくなり、年金とともに今までの貯蓄を削りながら生活をしていくのが一般的ですが、年金だけで余裕を持った生活を続けるのは簡単ではありません。

社会保険文化センターの調査によると、ゆとりのある老後生活を送るためには月額平均37.9万円が必要といわれています。

働けなくなった老後の収入減を年金だけに頼りたくないという方は、不動産投資がおすすめです。

不動産投資を始め、働けるうちにローンを完済できれば、老後の資金源として重要な役割を担うでしょう。

長期的な目線で利益を求められる人

長期的な目線で利益を求められる人は、不動産投資が向いています。

不動産投資には売却によってキャピタルゲインを得られる方法もありますが、基本的には購入した不動産を賃貸物件として貸し出し家賃収入を得る方法が一般的です。

しかし、家賃収入で大きな収入を一度で得ることはできません。不動産投資は数十年単位でローンを返済しながら、少しずつ利益を積み重ねていく投資です。

そのため、長期的なスパンで利益を求められるような人のほうが不動産投資に向いているといえるでしょう。

何ごとにも勉強熱心な人

何ごとにも勉強熱心な人は不動産投資に向いています。

不動産投資を始めるには、投資に関する基礎知識、税金、優良物件を見極める方法など、さまざまな知識が必要不可欠です。

不動産投資に関する知識がないまま始めてしまうのは、失敗してしまう原因となるでしょう。

また、不動産投資では情勢で変わる内容もあるため、不動産に関わる幅広い知識を積極的に勉強できる方が成功しやすいといえます。

成功する人の多くは、インターネットや不動産会社とのやりとり、セミナーへの参加などで不動産に関する知識を日々勉強しています。

不動産投資に向いていない人の特徴や属性

ここでは、不動産投資に向いていない人の特徴や属性について解説します。

年収が低く安定していない人

年収が低く安定していない人は、不動産投資に向いていません。

年収が低い人は返済能力がないとみなされ、ローンの審査通過が難しくなり物件そのものを購入できない可能性も十分に考えられます。

年収の金額について明確なルールはないものの、最低でも500~700万円以上あると審査が有利に進むといわれています。

なかには、年収500万円以下でもローンを受けられる金融機関もありますが、高金利が条件になっている場合が多いです。

高金利のローンを受けてしまうと、その後の利回りが悪くなり儲けがでない可能性もあるため注意しなければいけません。

また、年収が低いと借り入れできる金額も下がるため、優良物件の購入が難しくなってしまいます。

信用情報に問題がある人

信用情報に問題がある人は不動産投資に向いていません。

物件を購入するためにローンを受ける際、金融機関が個人の信用情報を調べます。例えば、過去にローンやクレジットの延滞、債務整理などがある人はローンの審査が通りにくいケースがほとんどです。

ただし、過去に金融事故があった方でもCICなどの信用情報機関に情報が登録されているのは最長5年間です。

もし信用情報の問題で金融機関のローンがおりない方は、5年以上の期間を空けてから申し込むとよいでしょう。

また、自分の信用情報を知りたい方は、各信用情報機関で開示請求が可能です。有料になってしまいますが、気になる方はローンの申し込み前にチェックしてみるのもよいでしょう。

人の意見に流されやすい人

人の意見に流されやすい人は、不動産投資を始める際に注意が必要です。

不動産投資では、不動産会社や不動産投資会社、金融機関など、さまざまな業界の方と関わる機会が増えます。

多くの方から不動産投資に関する情報や意見を聞く場面もありますが、すべてを鵜呑みにしていては成功につながりません。

ひとつの意見として取り入れる分には問題ないものの、最終的な判断は自分自身となるため、人の意見に流されないような知識が必要です。

また、人の意見に流されやすい人は投資詐欺の被害に遭う可能性が高まります。

「この物件は利回りが良い」「検討している人が多いからすぐにでも買ったほうがよい」など、巧みな話術に騙され結果的に損失を被るケースは決して少なくありません。

リスクなしで儲けたいと考えている人

リスクなしで儲けたいと考えている人は、不動産投資に向いていないといえます。

不動産投資は将来的に安定的な収入を確保するために有効な手段ですが、必ずしも利益が発生するわけではありません。

不動産投資には以下のようなリスクがあり、収入が入らずに赤字になってしまう可能性も十分にあります。

・空室リスク
・滞納リスク
・老朽化リスク
・災害リスク
・家賃下落リスク
・資産価値下落リスク
・金利上昇リスク
・管理会社倒産リスク

不動産投資を運用するにあたって、これらのリスクを避けては通れません。リスクと向き合い、対応策を検討しながら運用することが不動産投資成功のカギとなります。

不動産投資家になるためのステップ

ここでは不動産投資家になる流れを6つのステップに分けて解説します。

ステップ1.投資計画を立てる

まずは、不動産投資に充てられる手持ち資金がどれくらいあるか把握したうえで、自分にとって無理のない投資計画を立てます。将来のために安定して資産形成したいのか、リスクを覚悟の上で月々のキャッシュフローを増やして生活のレベルを上げたいのかなど、不動産投資の目的を明確にしましょう。

目的によって最適な方法や投資のペース配分が変わってくるので、自分自身の長期目標を自覚することが大切です。

ステップ2.情報収集する

投資目的を明確にしたら不動産投資に関する書籍や投資家のブログ、動画投稿サイトなどを参考に、情報収集します。

不動産会社主催のセミナーや勉強会、ウェビナーなどに積極的に参加するのも理想です。

セミナーや勉強会を通して初心者にも優しい不動産会社が見つかる可能性もあります。学ぶだけでなく、自分にはどんな不動産会社が合うのかをチェックしながら情報収集すると良いでしょう。

ステップ3.不動産会社・物件を選ぶ

パートナーとなる不動産会社を選定し、いよいよ物件を探し始めます。複数の不動産会社が同じ物件を扱っていることも珍しくないので、会社ごとのサポートや強みなどを調査しながら相談先を決めていきましょう。

なお、物件は利回りだけを重視するのではなく、自分の投資目的や資金に合わせて選定するのが大切です。

特に下記のポイントは事前にチェックし、思わぬ落とし穴がないか確認します。

・立地(ライバル物件の数)

・利回り

・築年数

・修繕の有無

・レントロール(運用実績)

購入前から手厚いサポートをしてくれる不動産会社であれば、投資用物件の選び方に関するアドバイスをもらえるでしょう。

ステップ4.ローン審査に申し込む

物件が決まったら、金融機関にローン審査を申し込みます。基本的に家賃収入を返済に充てるので、万が一空室が続いた場合や月々の固定費なども考え、借入額は生活を圧迫しない範囲に納めるのがポイントです。

なお、金利は金融機関、利用プラン、申し込み者の属性により変動します。不動産投資はたった0.1%の金利差で金額が大きく変わるため、少しでも有利な条件で借りられるよう、複数の金融機関をチェックするのがおすすめです。

ステップ5.物件引き渡し

物件購入の手続きを完了させたら、いよいよ引き渡しです。入居者トラブルへの対応、空室リスク対策、日々のセキュリティ向上のために管理会社選びも進めましょう。

良い管理会社が見つかれば、物件の状態を維持しつつ資産価値を守るためのサポートをしてくれます。反対に連携が難しく管理がずさんな会社の場合、クレームが相次いで空室が続いたり悪評が出回ったりする可能性もあるので要注意です。

ステップ6.運営開始

物件の引き渡しが完了したら、不動産会社や管理会社を通して入居者を募集して運営を始めます。オーナーチェンジ物件であれば既に満室に近いケースもあるので、最初から収益化しやすくなります。

個人や法人に直接貸し出す方法以外に、専門会社とサブリース契約を結ぶ選択肢もあるので、自分に合ったスタイルを見つけていきましょう。手法ごとのメリット・デメリットを把握しておくのも失敗を避けるためのポイントです。

不動産投資家になるうえで注意すべきポイント

副収入や老後の資金源確保のために、不動産投資家を目指す方は少なくありません。

しかし、不動産投資にはさまざまなリスクがあるため、安易な気持ちで始めてしまうのは危険です。

空室が続いて収入が減少、自己資金から返済しなければいけない状況に陥り、生活に支障をきたすほどの赤字になるケースもあります。

ここでは、不動産投資家になるうえで注意すべきポイントについて解説します。

不動産投資に関する知識が必要

不動産投資を始めるうえで、まず身につけるべきなのが知識です。

利回りの計算方法、優良物件の見極め方、税金、運用方法など、不動産投資にはさまざまな知識が欠かせません。

知識のない状態で不動産投資を始めると、成功する可能性が低くなってしまいます。

また、知識不足によって予期せぬアクシデントに対応できない可能性もあるため、実際の運用前から不動産投資に関する知識を学んでいきましょう。

リスクを考慮したうえでの計画が必要

不動産投資にはさまざまなリスクがつきものです。すべてのリスクは回避できませんが、発生したリスクに対応できるような計画が重要になります。

例えば、利回りのシミュレーションを行う際に、単純な表面利回りだけでなく、空室期間なども考慮したうえで計画を立てるとよいでしょう。

実際の運用に近いシミュレーションをしておくことで、キャッシュフローの悪化を防ぎ、万が一の事態にも備えられます。

味方となるビジネスパートナーの存在が重要

不動産投資では、味方となるビジネスパートナーの存在が重要です。

不動産会社や管理会社と円滑なコミュニケーションを取り、新しい情報を得たり、現状の運用方法について相談すれば、より効率的な不動産投資が可能となります。

特に管理業務を委託する不動産管理会社選びは大切です。万が一不動産管理会社選びに失敗していた場合、物件の管理を適切に行ってくれず空室リスク増加にもつながります。

安定した収益確保のためにも、さまざまな不動産管理会社を比較して、運用の味方になってくれるビジネスパートナーを見つけましょう。

 

まとめ

不動産投資家に向いているのは安定した収入があり、自己資産の多い人です。

不動産投資を始める際は、金融機関からローンを受けることが一般的なため、社会的信用度の高い人ほど有利に審査を通過できるでしょう。

ただし、不動産投資は安定した収入を期待できるだけでなく、逆に収入がなくなってしまうようなリスクも存在します。

リスク管理を徹底した計画を立てたうえで、不動産投資を始めましょう。また、不動産投資にはビジネスパートナーとなる不動産管理会社の存在が欠かせません。

アセットテクノロジーは、オーナー様のコンシェルジュとして煩雑な業務を代行してサポートいたします。

収支報告の管理や確定申告の書類整理などの手間も大幅削減可能となり、より効率的な不動産投資が可能になります。

不動産投資家を目指したいとお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。