不動産クラウドファンディングの利益を利回りから計算する方法

不動産クラウドファンディングをする際は、利回りを計算し、可能な限りリスクの少ない投資をすることが大切です。あらかじめ利益を得られるか判断したいときの材料にもなるので、おおよその平均利回りや計算法は知っておいた方がいいでしょう。 今回は、不動産クラウドファンディングにおける利益を利回りから計算する方法を紹介します。ほかの投資先と比較する重要性にも触れるので、参考にご覧ください。

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不動産クラウドファンディングの平均的な利回りは「年率2%~8%程度」

不動産クラウドファンディングにおける平均的な利回りは、年率2%〜8%程度です。利回り4%前後のファンドが多く、5%以上であれば高金利案件と判断できます。

ただし、ファンドによって利回りは大きく異なるので目安程度に考えましょう。

不動産が生み出す期待収益・事業内容のリスク・その他の要因によって想定利回りは変動します。運用期間や運営事業者による部分も大きいので、実際に利回りを計算してから判断することが大切です。

不動産クラウドファンディングについては「LEVECHY」もご覧ください。

不動産クラウドファンディングで投資先を決める際に考慮する利回り

不動産クラウドファンディングにおいて、大きな指標となるのが4つの利回りです。投資先を比較する際に役立つので、違いや計算方法を知っておくことをおすすめします。前述した平均利回りと比較すれば、ファンド選びにも貢献します。

表面利回り

表面利回りは、グロス利回りと呼ばれることもあります。物件価格に対してどの程度家賃収入を得られそうか可視化する指標であり、不動産クラウドファンディングにおいて特に注釈なく「利回り」と表記される場合は表面利回りを指すことが多いです。

表面利回りの計算式は、「年間家賃収入(円)÷物価価格(円)×100」です。家賃収入だけで算出した利回りであり、満室状態を基本にしています。 経営するうえで必要な維持費・管理費などのコストを含んでいないため、シンプルかつスピーディーに利回り計算したいときに活用するのがおすすめです。

実質利回り

実質利回りは、ネット利回りまたはNOI(=Net Operating Income)利回りと呼ばれることもあります。都市計画税・管理費・修繕積立金・登記手数料・不動産会社に支払う仲介手数料など、不動産管理費用も含めて利回りを算出できます。

満室状態から運用にかかる収益を差し引けるので、よりリアルな利回り計算ができることが特徴です。

実質利回りの計算式は、「(満室状態の年間家賃収入(円)1年間の運用支出額(円))÷(物件価格+物件購入時の諸経費(円))×100」です。

実際の手取り収益をチェックしたいときに役立つ指標なので、収益性を正確に判断したいときに使います。

想定利回り

想定利回りとは、物件が全て満室であった場合の年間家賃収入の総額を物件価格で割った指標です。その物件で見込まれる最大の利回りを計算できます。

想定利回りの計算式は、「満室状態の年間家賃収入(円)÷物件価格(円)×100」です。

広告や宣伝物に掲載されている利回りの多くは想定利回りをベースにしており、満室を想定していることに注意しておきましょう。諸費用も含まれていないので、安易に飛びつくのは危険です。

ただし、十分な根拠をもって想定利回りを高く掲げている物件もあるので、数字に惑わされないよう、客観的なデータをもとに投資の可否を判断することが大切です。

現行利回り

現行利回りとは、現時点で得られる家賃収入を計算できる手法です。今空室になっている部屋の家賃は計算式に含まないので、リアルタイムかつ実際の収益性を判断するときに便利です。

現行利回りの計算式は、「現在入居している状態での年間家賃収入(円)÷物件価格(円)×100」です。

ほかの投資手法と利回りを比べることも重要

不動産クラウドファンディングは自己資金の範囲内で手軽かつ小規模な投資ができる手法として確立しましたが、他の投資手法と利回りを比べることも重要です。

特に「不動産投資信託」や「返戻率の高い保険」であれば、不動産クラウドファンディングと同じ程度の利回りで低リスクです。

ここでは、不動産クラウドファンディングの利回りが他の投資手法と比較して魅力があるか、探っていきます。

不動産投資信託の配当と比較した場合

投資信託とは、投資家から集めた資金をもとに運用会社が収益を上げる手法です。不動産に特化した不動産投資信託もあり、平均的な配当は3%〜4%程度です。

平均した場合の利回りは不動産クラウドファンディングより低くなることがわかります。

ただし、出資者は資金の提供だけ行い、その他の事務回りは全て運用会社に委託できるので、自身で不動産を取得するより手軽です。投資知識が浅くても利用しやすいこと、投資に割く時間を短縮しやすく、副業を考えている人でも始めやすいことなどもメリットとして挙げられます。

少額から挑戦できるので、自己資金が少なめな人でも始めやすいことでも注目を集めました。

注意点として、不動産投資信託は優先劣後システムに代表される元本保証制度がないことがあります。価格が日々変動するので大きく儲けられる可能性もありますが、価格の下落度合いでは元本割れを起こす可能性があるのです。

返戻率の高い保険への加入と比較した場合

返戻率の高い保険は、満期になれば確実に支払った金額より返ってくる金額の方が大きくなることが特徴です。

利回りの計算がしやすいので初心者にも人気であり、教育資金や老後資金など将来に向けた投資先としても人気になりました。そのため、不動産クラウドファンディング以上の利回りの高い保険商品を見つけられれば、効率が良いことがわかります。

ただし、不動産クラウドファンディングより長期での契約を前提とするケースが多く、途中で解約すると元本割れもしくは返礼率100%以下になることがほとんどです。

加えて、不動産クラウドファンディングより利回りの低い保険商品もあるため、見極めが重要になってくるでしょう。そのため、返戻率の高い保険商品への投資は、短期で投資したいか長期で投資したいかによって利用価値が異なります。

長期で投資ができ、かつ不動産クラウドファンディング以上に利回りの良い商品を見つけられたときにはお得と判断できます。

まとめ

不動産クラウドファンディングを始める前は、利回り計算の種類や手法を学び、ファンド選択に役立てることが大切です。

「表面利回り」「実質利回り」「想定利回り」「現行利回り」の4つがあることを理解し、それぞれの特徴を抑えて資産に役立てていきましょう。計算方法次第では広告に記載されている利回りとは別の結果が出るので、惑わされないよう注意することもポイントです。

また、不動産投資信託や返戻率の高い保険、どちらがメリットは多いか比較することも大切です。利回りだけでなく投資期間や利益が出るタイミングなども考慮しながら、自分が理想とする投資に近い手法を選び、利益を最大化していきましょう。

参考:1口1万円からスマホ1つで始められる不動産クラウドファンディング「投活