目次
自己資金1,000万円あれば不動産投資がおすすめの理由
自己資金1,000万円を運用する方法として、不動産投資がおすすめである主な理由は、次の4つです。
・レバレッジ効果で資産形成できる
・ミドルリスク・ミドルリターンで資産を増やすことができる
・インフレに強い
・相続税対策ができる
以下で、詳しい内容を解説します。
レバレッジ効果で資産形成できる
不動産投資では、レバレッジ効果を活かして資産形成をすることができます。
投資におけるレバレッジ効果とは、小さい資金で大きな投資効果を得るという意味です。不動産投資では、自己資金に銀行などから受けられる融資を加えて物件を購入することで、自己資金以上の資産運用効果を得ることができます。
1,000万円の自己資金があれば、不動産投資でレバレッジ効果を上手に活用することで、多額の資産形成をすることも不可能ではないでしょう。
また、1,000万円の資金があれば、購入できる物件の幅を広げられます。少ない資金では、選択肢は価格が手頃な築古物件などに限られるでしょう。しかし、1,000万円の資金があれば区分マンションへの投資や、複数物件への投資も視野に入ります。
ミドルリスク・ミドルリターンで資産を増やすことができる
不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」で資産形成できるため、投資初心者でも挑戦しやすいジャンルです。
投資のリスク・リターンの種類は、主に以下の3つに分けられます。
投資のリスク・リターンの種類 | |
ハイリスク・ハイリターン | 元本が保証されず、資金を全額失うリスクがあるが、 【代表的な投資方法】株式投資・FXなど |
ローリスク・ローリターン | 元本は保証されるが、利益も少ない 【代表的な投資方法】定期預金・国債など |
ミドルリスク・ミドルリターン | 元本は保証されないが、失敗してもすぐに資金を 【代表的な投資方法】不動産投資・金投資など |
上記の表から、比較的リスクを抑えて安定した利益を得られる不動産投資は、不動産運用や投資に関する勉強は必要ではあるものの、軌道に乗せられれば利益を得やすいので、初心者でも始めやすい投資といえるでしょう。
不動産投資ローンの審査に通りやすい
不動産投資で収益物件を購入する際には融資を活用できますが、不動産投資ローンの審査は厳しくなる傾向です。近年では金融機関の過剰融資や不適切融資が明るみになったことから、審査が厳格化しています。特に返済不能に陥らないよう、個人の年収や職業などの属性が重視される傾向です。
そのため、金融機関によっては融資するにあたって年収700万円以上の基準が設けられているともいわれています。
しかし、自己資金があればその限りではありません。年収が低くても1,000万円の自己資金があることで金銭管理能力が認められ、不動産投資ローンの審査に通りやすくなることもあります。もちろん、高年収の方でも自己資金が十分にあることは、審査で有利に働きます。
インフレに強い
不動産の現物を所有して行う不動産投資は、インフレ時も物価の上昇にあわせて物件価格や家賃上昇が期待でき、インフレのリスクに備えられます。
インフレとは、物価が上昇し貨幣の価値が下がる現象を指します。インフレになるとお金の価値は下がりますが、物の価値は下がらないため、現物資産である不動産は価値が下がりにくく安心です。
また、インフレにより実質的な借入額が減少することから、不動産投資も行いやすくなるといった利点もあります。
急な出費にも対応しやすい
不動産投資は、不動産を貸し出して家賃収入を得る投資手法です。基本的には、家賃収入から不動産投資ローンの返済や経費の支払いを行っていくという形になります。しかし、長期間の空室が発生すると、想定していた家賃収入を得られなくなります。
また、地震などで物件が損傷した場合は、突発的に大きな修繕費が必要になることもあるでしょう。
このような状況で、手元の資金が不足すると不動産投資ローンの返済が難しくなり、物件を売却せざるを得なくなります。自己資金が1,000万円あれば、家賃収入の低下や急な出費にも対応しやすくなるのです。
相続税対策ができる
1,000万円で不動産投資をするだけで、相続税対策になります。
相続税は、評価額から基礎控除額を引いたものに相続税率をかけるため、評価額が低いほど相続税も低くなります。不動産は課税時の評価額が低いので、相続税対策ができます。
現金で1,000万円を相続すると評価額は1,000万円ですが、不動産の場合、評価額は5〜6割、多くても7〜8割程度になります。1,000万円の不動産なら、課税評価額は高くても800万円程度です。1,000万円に対する相続税が、不動産に変換すると最大でも800万円に対する課税となるので、十分な相続税対策に成り得ます。
不動産に1,000万円投資をする方法
不動産に1,000万円投資する方法は、以下の通りです。
・1,000万円以内の不動産を購入する
・1,000万円を頭金にして融資を受ける
それぞれどのような方法なのか、具体的にみていきましょう。
1,000万円以内の不動産を購入する
1,000万円以内の物件を手持ちの資金で購入することで、不動産投資を始めることができます。
手元の資金で一括購入できるため、毎月のローン返済もなく、賃料収入がそのまま利益となるのが魅力です。借り入れの金利上昇による返済額の増加を心配する必要もなく、安定して収益を確保しやすい方法と言えるでしょう。
1,000万円を頭金にして融資を受ける
1,000万円を頭金として銀行などから融資を受けることで、高額な物件を購入する投資方法もあります。自己資金に銀行融資を組み合わせることで利益を倍増させられるのが、この投資方法の魅力です。
例として、利回り7%の物件について、利益を比較してみましょう。
【利回り7%の物件に不動産投資した場合の利益】
①自己資金1,000万円以内の不動産を購入する場合
1,000万円×7%=70万円
②融資を受けて3,000万円の不動産を購入する場合
3,000万円×7%=210万円
このように同じ自己資金でも、融資を受けた場合は、利益を3倍にすることができます。
加えて、借り入れ時に団体信用生命保険(団信)にも加入できるので、万が一の時でも安心です。
自己資産1,000万円で不動産投資する場合の選択肢
自己資金1,000万円で不動産投資する場合、以下の選択肢があります。
・区分マンションを購入する
・REIT(リート)を活用する
それぞれのメリット・デメリットを解説しますので、検討する際の参考にしてみてください。
区分マンション
区分マンションの一室を購入し、初期費用を抑えて手堅く運用するという選択肢もあります。区分マンションに投資する場合のメリット・デメリットを確認してみましょう。
メリット | ・初期費用や維持費を抑えることができる ・区分マンションを別の地区に複数持てば、リスク分散になる |
デメリット | ・一戸しか所有していない区分マンションが空室になると収益がゼロになる ・土地の所有権がほとんどないので、資産価値が下がりやすい |
アパート
アパート投資とは、アパートを一棟購入して賃貸に出し、入居者から家賃収入を得る不動産投資方法です。
アパート投資を行う方法としては、土地を取得して新築アパートを建築する方法と、中古アパートを購入して運用する方法があります。
アパート投資は、ローン返済後に建物の価値がなくなっても、土地という資産を残せるのが魅力です。
アパート投資には次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | ● 所有する戸数が多くなるため空室リスクを分散できる ● オーナーが最適だと思うタイミングで修繕やリフォームができる |
デメリット | ● 戸建や更地に比べて買い手が少なく売却が難しいケースがある ● こまめな建物の修繕が必要となりランニングコストがかかる |
戸建て
戸建て投資とは、1戸建て住宅を購入し、物件を賃貸に出したり売却したりなどで利益を出す不動産投資です。
新築の場合だと数千万円以上の費用が必要になりますが、中古であれば1,000万円以下で購入できる物件もあります。
戸建て住宅は、小さい子どもがいるファミリー層やペットと住みたい人などに需要があり、入居期間が長く、空き家リスクが低い点が特徴です。
戸建て投資には次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | ● アパートやマンションのように共有スペースの管理が必要ない ● 管理費や修繕積立金などのランニングコストがかからない |
デメリット | ● 物件によっては高額な修繕費やリフォーム費用がかかる ● アパートやマンションの一棟投資と比べてリスクの分散がしにくい |
民泊
民泊投資とは、アパートやマンションの空室、一軒家などを民泊施設として貸し出し、宿泊客から宿泊料金を得る不動産投資です。
不動産を自分で所有して民泊を行ったり、代行業者に委託したりなど、さまざまな方法で運用できます。
需要に合わせた料金設定が可能であり、ハイシーズンは価格を上げて収益を増やし、オフシーズンは価格を抑えて集客を図ることも可能です。
民泊投資には次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | ● 短期間の宿泊であるため長期間の使用による原状回復が少ない ● 立地の利便性が重視されるため築年数の影響が比較的少ない |
デメリット | ● 景気や季節、政府方式など外部の影響を受けやすい ● 宿泊者や近隣住民との間でトラブルが発生するケースがある |
民泊投資に関しては以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
⇒民泊で気をつけたいデメリットとは?メリットと合わせて詳しく解説
駐車場
駐車場投資とは、コインパーキングや月極駐車場などの駐車場を作り、利益を得る不動産投資です。
近年はカーシェアなどの普及でコインパーキングの需要が増しており、注目度が高まっている投資の一つとなります。
建物を必要とせず、土地と駐車場管理設備で始められるため、他の不動産投資に比べてローリスク・ローリターンです。
駐車場投資には次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | ● 狭小地や変形地などの土地でも不動産投資が始められる ● 地震や洪水などの災害が発生しても最小限の被害で済む |
デメリット | ● 他の不動産投資と違って減価償却による節税効果が期待できない ● 単価が小さく大きな収益を得ることは難しい |
駐車場投資に関しては以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
⇒不動産投資で注目の駐車場経営!メリットやデメリット、収益を上げるポイントは?
トランクルーム
トランクルーム投資とは、コンテナを収納スペースとして貸し出し、レンタル料を得る不動産投資です。
利用者は屋内に収納できない荷物や敷地内に置けないバイクや自転車などを保管するなど、さまざまな用途に使えるメリットがあります。
建築物のコストがかかる不動産投資に比べ、土地とトランクルームがあれば投資できるため、少ない費用負担で始められます。
トランクルーム投資には次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | ● 非住居であるため騒音やニオイなどの住民トラブルのリスクがない ● 老朽化によって賃料が低下するリスクが小さい |
デメリット | ● 新規参入が多く供給過多によって価格競争が起こりやすい ● 居住用物件に比べると収入が少なく大きく儲けるのは難しい |
オーナーチェンジ物件
オーナーチェンジ物件投資とは、入居者がいる状態で売られている物件を購入し、利益を得る不動産投資です。
具体的には、中古物件のオーナーが賃貸借契約に基づく賃借権を維持した状態で、不動産の所有権を移転します。
入居者がいる状態で物件売却を行うことから、入居者は変わらず、オーナーのみがチェンジするという特殊な取引です。
オーナーチェンジ物件には次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | ● 入居者募集にかかる手間や費用、時間などがかからない ● すでに入居者がついているため購入した時点から家賃収入が入る |
デメリット | ● 家賃設定や契約内容を引き継がなければならない ● オーナーチェンジ後すぐに修繕が必要になるケースもある |
オーナーチェンジ物件のメリットやデメリットは以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
⇒オーナーチェンジ物件のメリット・デメリットとは?失敗事例から学ぶトラブル回避策
REIT(リート)
REITとは、不動産投資信託(不動産投資ファンド)と呼ばれる投資信託です。投資家から集めた資金で専門家が物件を運用し、賃料収入などを投資額に応じて投資家に分配します。少額から始められるので、全額を現物資産にせず、リスク分散でREITを活用するのもおすすめです。
REITには次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | ・株式市場でいつでも気軽に売買できる ・複数の不動産に分散投資することができる |
デメリット | ・株式市場の値動きの影響を受ける ・相続税対策にはならない |
自己資金1,000万円で不動産投資を始める際のポイント
自己資金1,000万円で不動産投資を始める際のポイントは、以下の3つです。
・投資目的を明確にする
・シミュレーションを行う
・分散投資を心掛ける
投資を成功させるために、これらのポイントを押さえておきましょう。
物件や周辺情報をチェックする
自己資金1,000万円で不動産投資を始める際には、収支シミュレーションと共に、現地で物件や周辺情報をチェックしましょう。
特に中古物件の購入を検討している場合は、建物の老朽化や修繕が必要な場所、入居者の様子などの雰囲気や空気感をつかんでおく必要があります。
また、駅から物件まで歩いて何分かかるかや、スーパーやコンビニが近くにあるかなど生活利便性も確かめておきましょう。
物件や周辺情報をチェックする際には、自身が住むと仮定してシミュレーションすることが大切です。
再開発の物件を選択する
不動産投資を始める際には、再開発計画があるエリアの物件を選ぶことで、将来的な賃貸需要が増える場合もあります。
再開発とは、街の区画変更や老朽化した建物を建て替えることで、安心・安全に住める街づくりが目的です。
賃貸需要が増すと空室リスクを抑えられるだけでなく、周辺の物件価格が高騰し、購入したときより高い金額で売却できる可能性もあります。
不動産投資を有利に進めていくためにも、再開発エリアの開発計画や進捗状況などを確認することも大切です。
投資目的を明確にする
不動産投資を始める際には、投資目的を明確にすることが大切です。投資目的が曖昧だと、目的を果たせない物件を購入することに繋がりかねません。
例えば、年金の不足に備えたいなら長期的に運用できる物件、インフレ対策であれば家賃収入と売却の両方を想定した物件を選ぶことが必要です。相続税対策であれば資産価値が下がりにくい物件を選ぶ必要がある上、そもそも物件を実際に所有しないREITは適さないため注意してください。
シミュレーションを行う
不動産投資を成功させるには、綿密なシミュレーションが欠かせません。購入時の諸経費や年間経費を含め、キャッシュフローがどの程度確保でき、どのくらいの運用益が得られるかを計算しましょう。
入居率や家賃の変動、物件や設備の劣化、金利上昇なども想定して、複数のシミュレーションを行うことが重要です。シミュレーションは不動産会社からも提示されますが、今後のためにも自身で実際に計算した上での投資判断をおすすめします。
分散投資を心掛ける
不動産投資のリスクとして、空室によって家賃収入が入らなくなることや、災害によって物件に大きな損害を受けたりすることなどが挙げられます。これらのリスクに備えるために、分散投資を心掛けましょう。
不動産投資における分散投資は、複数の物件を所有することです。物件が1つであれば、空室が発生した場合や物件が棄損された場合には収入がゼロになります。しかし、物件が複数であれば1つで収入が入らない事態が発生しても他の物件から収入を得られるため、リスクヘッジに役立ちます。
分散方法には、異なるエリアの物件や、マンションとアパートのように異なる種類の物件を選択する方法などがあります。また、大きな修繕費がかかるタイミングが重ならないように、築年数の異なる物件を選ぶこともポイントです。
自己資金1,000万円で不動産投資を始める場合のリスクや対策
1,000万円の自己資金で不動産投資を始める場合は、どのようなリスクがあるかを把握し、対策を行う必要があります。
具体的には、不動産投資において以下のようなリスクを想定しなければなりません。
・空室リスク
・家賃滞納リスク
・家賃下落リスク
・災害リスク
・修繕費用リスク
これらのリスクは不動産投資を行ううえで想定しておく必要があり、リスクも含めた運用計画を立てることが大切です。
それぞれのリスクと対策のポイントを詳しく解説します。
空室リスク
マンション、アパート、一戸建てを対象に行う不動産投資では、空室が発生すると、その期間中は収入が減少します。
不動産投資を始めても、空室が続いて損失が増えてしまっては意味がないため、長期的に需要が見込まれる物件を選ぶことが大切です。
家賃滞納リスク
不動産投資では、入居者がいるにも関わらず家賃収入が入ってこなくなる家賃滞納リスクにも注意しなければなりません。
家賃滞納が発生すると、解決までに時間や費用がかかる場合もあるため、このようなトラブルが発生しないためのリスク対策が必要です。
具体的には、入居審査を厳しくしたり、家賃保証会社との契約を条件にしたりする方法があります。
家賃下落リスク
不動産投資では、景気の変動や建物の経年劣化などに伴い、運用途中に家賃が下落するリスクがあります。
家賃収入とローン返済を含めたランニングコストに差がない場合、家賃の下落によって赤字運用に転じる可能性もあるでしょう。
そうならないためにも、家賃下落を想定した収支シミュレーションを物件購入前に行っておく必要があります。
また、経年劣化による家賃下落リスクを軽減するために、劣化を感じさせないよう、日頃からメンテナンスに力を入れることも大切です。
災害リスク
不動産投資では台風や地震、火事などの災害リスクがあり、一瞬にして資産を失ってしまうリスクがあります。
災害はいつどこで発生するか予想がつきにくいため、万が一に備えなければなりません。
具体的には、火災保険や地震保険などの損害保険への加入に加えて、どこまで保証されるかも細かくチェックしておきましょう。
地震保険については火災保険で付帯できるケースが多くあるため、合わせて加入することをおすすめします。
修繕費用リスク
不動産投資では、投資不動産を所有して運用する際に何らかの事情によって修繕費用が発生するリスクがあります。
例えば、屋根や外壁、配管、水回り設備などは経年劣化しやすく、長期的に運用する場合は必ず修繕が必要となる部分です。
修繕費用の発生に慌てないためにも、不動産投資を始める際には、収支計画表にこれらの費用を見込んでおく必要があります。
まとめ
1,000万円あれば、ローンを組まずに不動産投資を始めたり、ローンを組んで大きな投資ができたりなど選択肢が広がります。
不動産投資はインフレに強く相続税対策にもなり、さらに長期的な資産形成の実現にもつながるでしょう。
一方、不動産投資にはリスクもつきものであるため、リスクの把握や対策を行ったうえで始めることが大切です。
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