不動産投資を500万で始める方法とは?購入におすすめの物件の特徴も解説

将来の資金を確保するために資産運用を考えている方も多いのではないでしょうか。中でも不動産投資は物件を購入して運用する投資です。物件購入には多額の資金が必要な印象があるのではないでしょうか。しかし、自己資金500万円でも不動産投資を始める方法は多くあります。そこで今回は、自己資金500万円で不動産投資を始める方法や注意点などを解説します。

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500万円で不動産投資をする3つの方法

自己資金500万円で不動産投資をするには、主に3つの方法があります。

・収益物件を一括で購入する

・500万円を自己資金としてローンを組む

・不動産投資ファンドに投資する

この項目では、それぞれの特長やメリット・デメリットを紹介します。

1.収益物件を一括で購入する

自己資金500万円でも、条件次第では一括で購入できる物件はあります。ただし、物件の購入には仲介手数料や税金など、物件価格以外の費用が8%前後必要です。そのため、実際に購入できるのは400万円ほどの物件となります。

メリット

一括で購入するなら、ローンを利用する必要がありません。不動産投資のローンは、住宅ローンの審査と比較すると通過しにくいので、収入や購入時の借入状況によってはローンを組めない可能性は高いです。

一括で購入できるなら、ローンが組めないことから購入できないという事態を回避できます。また、現金一括なら、利息や手続き費用が必要ないので、ローンを利用するよりも安く済みます。

ローンを利用せずに一括で物件を購入すれば、税金や諸経費を差し引いた金額が全て利益になるため、安定したキャッシュフローが得られるでしょう。そのため、不動産投資でコツコツ収入を得たい方は、一括での購入を検討してみてください。

デメリット

手持ちの500万円だけで不動産投資を行うのでは、当然500万円以上の物件は一括購入できません。

また、手持ちの現金を一気に手放すことにもなるので、突発的な出費があった時には苦労する可能性があります。一括購入をするなら、手持ちの現金全てを不動産投資にまわすのではなく、ある程度は残しておくのが賢明です。

購入できる物件の例

自己資金500万円で一括購入できる物件の例として、次のような選択肢があります。

中古区分マンション

・地方の都市部や郊外の築30年超えの物件が主流

・よく探せば、築30年以下の物件を選ぶことも可能

中古の一棟アパートや戸建て住宅

・かなり築年数が経過している物件や、修繕がなされず放置されている物件であれば購入可能

・修繕やリフォームが必須なことが多く、知識が必要であるため、投資初心者は避けた方が無難

購入後にかかるコストや収益性まで念頭に置いて、物件を選ぶことが大切です。

2.500万円を自己資金としてローンを組む

自己資金に不動産投資ローンを利用して資金を増やし、物件を購入する人は多くいます。ローン額にもよりますが、物件の選択肢が広がるため、より希望に沿った形での投資が可能な方法です。

メリット

レバレッジ効果が見込めるのは、ローンで収益物件を購入する大きなメリットです。レバレッジ効果とは、少ない資金で収益性を高めることです。

例えば、500万円で利回り5%の物件を現金で一括購入した場合、年間収入が25万円になります。一方、500万円を自己資金として年利5%で2,500万円のローンを借り入れ、3,000万円で利回り5%の物件を購入した場合、利息を引いた年間収入は諸経費を抜いて105万円です。(金融機関によって年利は異なるため、数字が異なる場合があります。)

また、ローンの契約で『団体信用生命保険(団信)』に加入できます。団信とは、不動産ローン契約者が病気や事故で支払いができなくなった時に、残債を保険会社が代わりに支払う保険です。

デメリット

ローンを組むには審査があり、これに通過しなければ融資を受けられません。先述の通り、不動産ローンは住宅ローンよりも審査が厳しい傾向にあるため、審査に通過できないという可能性も十分に考えられます。

審査に通過したら融資を受けられますが、ローンには金利や手数料が必要になるなど、負担もあります。レバレッジ効果を狙ってローンを組んでも、金利の変動により逆レバレッジ (金利の支払いが収益を上回った状態)のリスクもあるので、注意が必要です。

購入できる物件の例

500万円を自己資金としてローンを組むと購入できる物件の例をご紹介します。

区分マンション

・都内中心部の新築や築浅のワンルームマンション

・郊外や地方であれば、広めのファミリー向け物件も選べる

一棟アパート

・立地が郊外や地方であれば、選択肢に入る

戸建て住宅

・地方の物件であれば、新築や築浅を選ぶことができる

築年数だけでなく収益性や周辺環境も念頭に置いて、物件を検討するのがおすすめです。

3.不動産投資ファンドに投資する

不動産投資は、自分で収益物件を購入したり、運用したりするだけが方法ではありません。不動産ファンドを活用し、不動産投資のプロに運用してもらう方法もあります。これは自己資金500万円からでも可能です。

不動産投資ファンドとは

不動産投資ファンドとは、複数の投資家や金融機関などから資金を集め、不動産投資の専門家であるファンド運営者に運用してもらう方法です。

実際に不動産を所有することなく不動産投資を行えるのが特徴で、手持ちが少額でも不動産投資を始められます。

メリット

不動産投資ファンドなら、個人では所有が難しいホテルや商業施設、オフィスビルなどの大規模物件も投資対象にできます。これらの収益物件も、不動産投資ファンドは小口化されているため、少額からでも投資ができます。

少額から始められるので、複数のファンドを購入して分散投資ができます。不動産投資では様々なリスクがあり、リスクヘッジは必要です。

不動産投資ファンドは、不動産投資の運用をファンド運営者が行うため、知識がなくても気軽に始められます。また、物件も所有しないため賃貸経営の手間もありません。

デメリット

不動産投資ファンドは少額から始められますが、それゆえに多数の出資者から資金を集めているため、分配金は少なくなります。

また、投資運用はファンド運営者が行いますが、それに伴う運営コストは投資家が支払います。直接不動産投資を行う場合も運営コストは発生しますが、自身で運営をしない不動産投資ファンドの場合でも同様に必要になるので、注意が必要です。

自己資金500万円で購入する方におすすめの不動産の特徴

自己資金500万円で不動産を購入しようとしている方には、下記の二つの物件がおすすめです。

・区分マンション

・立地が良い物件

それぞれの特徴やおすすめの理由を解説していきます。

区分マンション

区分マンションを購入する場合、新築物件と中古物件どちらもおすすめです。

新築物件の場合、中古物件よりも担保評価額が高いため、融資を受けやすく少ない自己資金でもローンを組んで購入できるメリットがあります。

また、新築物件は当面修繕が必要ないため、購入してすぐに修繕費用を支払う必要がなく、出費を抑えられます。

中古物件は建物の状態や築年数にもよりますが、新築よりも低い価格で購入できることが特徴です。そのため、立地が良いなどの好条件の物件も検討しやすくなります。

ただし、中古物件は担保評価が新築物件よりも低く、ローンでの融資が受けづらいため、自己資金を用意する必要があります。

新築に比べて修繕費がかかったり、空室リスクがあったりするため、物件選びは慎重に行うことが大切です。

立地が良い物件

立地が良い物件であれば、空室リスクが減り、家賃の下落が発生しにくくなるため、安定した賃料収入を期待できます。

設備の経年劣化は、リフォームやリノベーションで対策が可能ですが、立地そのものはどうにもできません。そのため、投資用物件を購入する際は「駅までの距離が近い」「大学の近く」など長期的に需要が見込める立地にある物件を選択してください。

ただし、立地が良い物件は投資家に人気な物件であり、先に購入されてしまうケースが珍しくないため、見つかり次第購入を検討してみましょう。

自己資金500万円で不動産投資をする時の注意点

自己資金500万円で不動産投資をする時は、次の3点に注意しましょう。

物件選びでは立地にこだわる

自己資金500万円で収益物件を購入したい場合、物件の対象は地方になりやすいです。ただ、地方都市は人口減少率が高いため、それに伴い空き家率も高いエリアがあります。

駅からの距離や周辺環境・賃貸需要などをよくリサーチして、借り手を確保できそうなエリアで物件を探すことで、空き家リスクを防ぐことが大切です。

中古物件は修繕費を用意しておく

自己資金500万円で購入する場合、選択肢の多くは中古物件です。中古物件は築年数が経過しているほど修繕費用は高くつくので、修繕費が思った以上に必要となることもあります。また、突発的な不具合により、予想外の修繕を必要とするケースもあります。

購入前に、定期点検や大規模修繕の実施状況を確認しておくと、購入後に大きな修繕箇所が見つかるリスクもなくなります。大規模修繕にかかる費用を抑えることにもなるので、限りある資金を節約できます。

古すぎる物件の購入は控える

金融機関は、融資をする際にその物件の収益性も判断基準にしているため、物件の築年数も判断項目に加えられています。そのため、あまりにも古い物件だと、金融機関によっては融資審査に通らない場合があります。

古い物件は物件価格が安く、表面利回りが高くなるものの、その分修理費用も高額になるため注意が必要です。

まとめ

自己資金500万円でも不動産投資は可能です。一括購入・ローンを組む・不動産投資ファンドを利用するといった選択肢があり、いずれの方法にもメリット・デメリットがあるため、目的に合わせて最適なものを選びましょう。

ただ、選べる物件は地方や中古物件が主な選択肢になりそうです。地方では人口減少から空き家率が高いエリアもあるため、選択を誤れば上手く収益できないかもしれません。また、中古物件は修繕費も必要など、注意が必要です。

購入前の確認を怠らず、自分に適した方法で運用してみてください。