不動産投資に役立つ資格10選!資格取得で注意したいポイント

不動産投資を始めたいけれど、経験も知識もないまま始めるのが不安な方は多いのではないでしょうか。そのような場合、不動産に関連する資格を持っておくと、不動産投資をスムーズに進められるかもしれません。 この記事では、不動産投資に役立つ資格と必要な知識について解説します。

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不動産投資に資格は必要ないが役に立つ!取得するメリット

不動産投資を行ううえで、何らかの資格が求められることはありません。特定の資格を有していなくても、不動産投資に関する知識をもっていれば不動産投資に挑戦できます。

とはいえ、取得した不動産関連の資格が投資に役立つ場合もあります。下記の2つは、物件のタイプや投資方法を問わず期待できるメリットです。

専門的な知識を身につけられる

資格取得のための勉強をとおして、法律や税金など不動産投資に役立つ情報を学べるのは不動産投資をしたい人にとって大きなメリットといえます。

勉強を進めるうちに専門的な知識を得られることで、不動産投資に対する疑問を解消できるでしょう。

また、知識があることで以下のようなトラブルを防止することにもつながります。

・購入時に不利益になる条件を提示される

・不当に高く管理費を取られる

資格取得のために勉強して得た知識を活用すれば、自信をもって不動産投資を始めることができますし、効率的に運用するのに一役買うでしょう。

取引相手からの信頼を得られる

不動産投資を始めるには不動産会社や金融機関など、いくつかの業者と取引をすることになります。

不動産投資に関して専門性の高い資格を取得していると、取引相手から信頼を得やすいメリットがあります。長い付き合いになる取引相手と良好な関係を築くことも、不動産投資を成功させる上では大切です。

また、商談において取引先と対等な立場で会話ができるので、不動産投資の条件で割に合わない損害を被るようなことなく、有利に進められる可能性があります。

【おすすめ】不動産投資をするうえで役立つ資格5選

不動産投資をするうえで、学んでおくと役立つのが運用方法や経理に関連する資格です。試験合格にまでいかずとも、学ぶだけで専門的な視点から不動産投資できるようになるため、勉強が無駄になることはありません。

ここでは不動産投資をする方におすすめの資格を5つ紹介します。

【不動産投資初心者向け】不動産実務検定

不動産実務検定は、不動産運用にまつわる実践知識を体系的に網羅した、不動産投資専門の資格です。「大家検定」とも呼ばれています。

ライフプランニングや不動産投資、満室経営、税金対策、建築、ファイナンス、土地活用コンサルティングなど、不動産投資を始める人が知っておくべき基礎知識を習得できます。

不動産運用設計に関する実務的な知識・技能を学びたい方におすすめの資格です。

【不動産業で人気の資格】宅地建物取引士

宅地建物取引士は不動産取引の専門家で、不動産の売買や賃貸に関する法律知識・税金知識を習得することができます。国家資格であり、不動産業界で需要の高い資格です。

宅地建物取引士の資格があれば、物件の購入の際に確認する「重要事項説明書」の内容や管理について深く理解できます。

また、購入した不動産を賃貸する際に必要な税金に関する知識を習得できるので、安心して運用に取り組めます。資格を不動産投資に役立てたいと思う方には、宅建士がおすすめです。

【賃貸住宅の知識が身に付く】賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅の管理に関する知識や技能を有する専門家です。

不動産投資は購入した物件を管理、運営して収益を得る必要があります。その際、賃貸不動産経営管理士があれば、物件の管理や運営をスムーズに進められるでしょう。

たとえば、以下のようなことが学べます。

・空室のときの入居付け

・賃貸借契約の締結

・家賃の集金や滞納時の処理

・物件の解約・明け渡し

不動産の所有者としてすべきことは何か、してはならないことは何か、といった知識を身に付けることが可能です。

また、建物や設備に関する知識も習得できます。建物の構造や設備にはどのようなものがあるのか、詳しく学ぶことができ、実務に応用できます。

購入した物件の管理・運営に役立つ知識を習得したい方におすすめの資格です。

【資産全般の知識が身に付く】ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーは、お金に関する知識の専門家です。

個人に関わる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険など、家計に関わる幅広い知識が身につきます。不動産投資における資産形成・資産運用の面で判断する際に役立つでしょう。

また、不動産投資にかかる税金についても学ぶことができ、確定申告時に役立ちます。確定申告についての基礎知識を学びたい方におすすめの資格です。

【収支管理に役立つ】簿記

簿記では、お金のやり取りの記録や、経営管理・分析に関する知識が身に付きます。

不動産投資は納税に際して確定申告が必要になりますが、青色申告で確定申告を行う場合は「複式簿記」による計算書類の提出が必要です。複式簿記には、簿記の技能が必要になります。

確定申告では、税理士に依頼して作成してもらうケースが多いと思いますが、簿記を勉強することで資料の内容が理解できるようになります。

物件を購入した後の確定申告が不安だと思う方におすすめしたい資格です。

不動産投資に役立てるなら日商簿記検定の3級もしくは2級の取得を目指しましょう。3級は財務諸表の作成方法や減価償却など、基礎的な部分を学べます。不動産投資において減価償却は節税対策のためにも覚えておきたい部分です。

2級では、より実践的な簿記を学びます。一般企業の経理でも2級の知識が役立つため、不動産投資以外の場面でも活用できます。

【より専門的に学ぶ】不動産投資をするうえで役立つ資格5選

不動産投資について、物件の購入や運用方法など専門的な知識を学びたい方は、次の5つの資格もおすすめです。

【マンション管理会社向け】管理業務主任者

マンションの委託契約に関係する重要事項の説明、管理事務報告などを行う際に必須とされる資格です。国家資格であり、マンション管理業務を行う会社は事務所ごとに管理業務主任者の設置が義務付けられています。

マンションの契約や経営・管理は、不動産投資の収支を大きく左右するポイントです。自身が専門的に学ぶことで、委託する管理会社を適切に選べるようにもなります。

【マンション管理組合向け】マンション管理士

マンション管理士は、マンションの維持管理に関して管理組合の立場で助言や指導を行う専門家です。マンション管理士は管理組合のアドバイザー的な立ち位置にいます。

区分マンション投資を検討している人におすすめの資格だといえます。

【ローンの知識が身に付く】住宅ローンアドバイザー

第三者の立場から公正に住宅ローンのアドバイスを提供できることを証明する資格です。民間資格であり、認定資格試験に合格するかもしくは指定の講座を受講すれば取得できます。

難易度が高くないとはいえ、住宅ローンに関する知識は不動産投資家にとっても重要です。投資用の不動産を購入する際に、住宅ローンを組む投資家は少なくありません。自分にとって良い条件か否かを判断できる知識を身につけると、住宅ローンに関するトラブルリスクを軽減できます。

【物件のメンテナンスに役立つ】住宅診断士

ホームインスペクターとも呼ばれ、不動産の売買において重宝される資格です。業務として建物の診断を行ったり、買主や売主にアドバイスを行ったりする際、住宅診断士の資格が求められます。

民間資格であり、日本ホームインスペクターズ協会が実施する認定試験に合格することで取得できます。

不動産投資家が住宅診断士の資格を有していると、自身の目で建物の劣化状況を判断できるため修繕費用や手間を考慮した物件選定が可能です。

【不動産鑑定の専門家】不動産鑑定士

不動産鑑定士は土地や建物など不動産の経済的価値を評価する高度専門家であり、国家資格です。土地の公示価格や基準地価、路線価を鑑定評価しているのも不動産鑑定士です。

不動産鑑定士の資格取得で得られる知識は、不動産のさまざまな情報を反映した価格が適正かどうかを判断するのに役立ちます。

また、相続税標準地や固定資産税標準宅地といった観点から不動産を評価できるようになります。資格取得のためには不動産に関する行政法規や鑑定評価、民法、経済学、会計学と、学ぶ範囲が幅広く及びます。

土地を担保に融資を得たい、不動産価格を判断できるようになりたいと思う方におすすめです。

不動産投資で大事なのは資格の有無だけじゃない

冒頭で解説したとおり、不動産投資をするのに資格の有無は求められません。資格はあくまで、専門知識を身につける過程でひとつの区切りとして取得するものです。大切なのは、どの資格を取得したかではなく、何を学んで、どのように知識を不動産投資に活かすかです。

不動産投資を始めるうえで、資格取得や試験合格を目的にしないように注意しましょう。資格取得の過程で学んだ知識を用いて、実践の場で利益獲得につなげることが重要です。

資格取得以外でも学べる不動産投資の勉強方法

不動産投資に関する知識は、資格取得の勉強以外から学べます。むしろ最短で不動産投資の知識を身につけたい場合、何らかの資格取得を目指すのは遠回りとなります。

資格取得以外で不動産投資について学びたい方におすすめの勉強方法は下記の3種類です。

・書籍

・不動産投資会社のセミナー

・Webでの情報収集

書籍を利用するメリットは、レベル別に多くの種類が販売されていることです。超初心者向けから中級者、上級者向けまで幅広く見つかります。中には不動産投資家が自身の体験を交えつつ解説している書籍もあるため、ストーリー仕立てでなければ読み進められない方にも安心です。

不動産投資会社のセミナーは、オンラインもしくは不動産会社が用意した会場で行われます。専門家や不動産投資家からの話を聞けるだけでなく、直接質問する機会に恵まれます。また、物件に関する情報も得られるので、掘り出し物件を求める方にもおすすめです。

本業で忙しい方や自分のレベルが分からない方にはWebでの情報収集から始める方法があります。お金をかけず自分に都合の良いタイミングで学べるので、マイペースに学びたい方や知りたいことのみを効率的に学びたい方に向いています。

まとめ

不動産投資では、必ずしも資格は要りません。とはいえ、知識もないままに大きな資金を動かすことはやはり不安ですし、実際に不動産や管理会社と話をしても内容がわからないかもしれません。

資格取得の勉強をすることで不動産投資に関わる幅広い知識がつき、専門家とも対等に交渉ができます。物件の管理など得意な分野があるなら、業者に依頼しなくとも自分ですることも可能になります。

自分の知りたかった内容や自分の投資スタイルについて詳しく学べる不動産関連資格があれば、ぜひ学んでみましょう。