リノベーション投資とは?メリット・デメリットを徹底解説

築年数の経った物件で不動産投資を行うときは、リノベーション投資を検討するのも一つの手です。リノベーション投資には、内装や設備を新しくする以外のメリットもあります。

今回はリノベーション投資について、メリットとともに実践するときのポイントをご紹介します。

この記事は約8分で読み終わります。

リノベーション投資とは?

リノベーション投資とは、中古物件を購入して新しく改修することで、時代やニーズに合った付加価値をつけ、より収益を得られる投資のことです。

リノベーションと類似したものにリフォームがありますが、リノベーションとリフォームは明確に違います。

リフォームは、物件が老朽化によって破損や汚損、機能が低下した場合に、元の状態に戻すための工事のことをいいます。一方、リノベーションは元の状態に戻すだけでなく、新しい付加価値を付けることであるため、両者は大きく異なります。

中古マンションを最適化!リノベーション投資のメリット

新築物件で不動産投資を開始するのではなく、中古物件を購入してまでリノベーション投資を行うメリットはあるのか、疑問を持たれる方もいるでしょう。

ここでは、リノベーション投資をすることで得られるメリットを紹介します。

新築より安く購入できる

リノベーション投資では、中古物件を購入することになります。中古であることから、新築より安く物件を購入できるメリットがあります。

また、新築の場合は、購入時から時間が経つにつれて劣化などが起こり、大幅に価値が下がることもあるでしょう。

しかし、中古物件では購入時の価値がはじめから低いこともあり、時間が経っても大きく価値が下がらないことが多いです。そのため、ある程度の価値を保ったまま収益をあげることができます。

利回りを高められる

物件の利回りを高められることもリノベーション投資のメリットです。

駅近などの好立地には、すでに中古マンションが建てられていることがほとんどです。しかし、このような中古物件は、築年数が経つにつれて価値が下がってしまいます。

リノベーションで新しい内装や設備、間取りなどの付加価値を与えられれば、立地の良さ以外の魅力が物件に備わります。

リノベーションによって新しい価値を加えれば、同条件の物件との差別化が可能です。物件そのものが魅力的であれば、家賃相場より約5~10%高い家賃を設定しても、入居者に選ばれる可能性が高くなります。

築年数の経った中古物件であれば、新築物件に比べて初期費用を安く抑えられる点もメリットの一つです。初期費用を抑えて相場以上の家賃収入を得ることができれば、高い利回りを得られます。

ターゲット層のニーズに合う物件にできる

リノベーションにより、ターゲット層のニーズに合わせた物件にできます。購入した物件を、ターゲットとしている層の好みに合う物件に変えられるので、入居者を募集しやすくなります。

また、購入前には人気のない物件であっても、リノベーションをすることで物件の価値が上がり、うまく集客につなげることもできるでしょう。

立地条件の良い物件が選べる

リノベーション投資には良い立地条件の物件が選べるメリットもあります。不動産は、他の資産のように移動ができません。そのため、良い立地にある物件は立て壊されることなく残ることが多いので、中古物件が多くなります。

中古物件でも、立地が良ければ高い入居率を見込めます。リノベーションによってさらに価値を高めることによって、さらに高い入居率が期待できるでしょう。

また、新築物件に比べるとエリアの選択肢も増えます。マンションのような大きな建物を建てるには、相応の面積が必要です。再開発が進みやすい駅近など好立地のエリアは、多くの都市部で新築マンションを建てられる土地が残っていません。

一方、中古物件であれば、前述のとおり好立地の物件も選びやすくなります。築年数にこだわらなければ、ほとんど全ての中古物件を投資先の選択肢に加えられます。

ターゲット層や任せたい管理会社の対応範囲なども考慮した、エリアを厳選した投資戦略が可能です。

4つのリスク?リノベーション投資のデメリット

リノベーション投資をすることでさまざまな恩恵を受けられますが、デメリットがあることも忘れてはいけません。

ここからは、リノベーション投資の4つのリスクを見ていきましょう。

大規模修繕のリスク

リノベーション投資のリスクで、代表的なものが大規模修繕のリスクです。リノベーション投資では、物件に劣化箇所があった場合、リノベーション費用に加えて修繕費がかかります。大規模な修繕が必要になったときには、多額の修繕費が必要となります。

リノベーション投資をする場合には、物件に大規模修繕が必要な劣化がないかどうか、前もって入念に確認しておくことが大事です。

リノベーション中の空室リスク

リノベーション中は入居者がいない状況となるため、家賃収入が発生しません。

リノベーション投資を始めて、しばらくの間は家賃収入がなくても良いように、他の収入や資金を準備しておく必要があります。

また、リノベーション期間が長ければ長くなるほど、家賃収入がない状態が続いてしまいます。どの程度の工事期間が続くのかを含めて、リノベーション期間の収支計画を立てておく必要があるでしょう。

リノベーション後の空室リスク

空室リスクがあるのは、リノベーション工事中だけとは限りません。

リノベーションの後も空室が続く場合、経営が厳しくなります。原因として、リノベーションしたのにユーザーの需要と合っておらず、人気が出ないなど、見立てが間違っていることが考えられます。その場合はリノベーションにかけた費用も時間も無駄になってしまうでしょう。

リノベーションの計画を立てる際には、その地域の需要や周辺状況などを把握し、入念に確認することが大切です。

ローン審査を受けづらくなる

物件購入時は、ローンを利用する方が多いのではないでしょうか。リノベーション投資を前提に中古物件を購入するときは、新築物件と比べると積算評価が低くなることに注意しましょう。

物件の積算評価が低いと融資が受けにくくなったり、借り入れ条件が厳しくなったりするリスクがあります。

また、ローンで借り入れできるのは物件取得に関する費用のみとなる点も注意すべきポイントです。金融機関の不動産投資向けローンに、リノベーション工事の費用は含まれません。リノベーション工事の資金は、別の方法で調達する必要があります。

リノベーション投資で稼ぐためのポイント

ここからは、リノベーション投資で稼ぐためのポイントを見ていきましょう。

購入後の修繕リスクも確認する

リノベーション投資で稼ぐためには費用を抑えることも重要です。リノベーション投資は、中古物件をリノベーションすることで資産価値を底上げします。そのため、「どうせリノベーションするからなるべく安い物件を選べば良い」と考える人もいるかもしれません。

しかし、築年数が経っていればいるほど修繕リスクも高くなります。購入後にかかる費用があまりに高いと費用対効果が低くなり、割に合わないことも考えられます。また、耐震性に問題がある場合は大規模な耐震工事が必要なケースもあるでしょう。

リノベーション投資で選ぶ中古物件は、購入価格だけを参考にするのではなく、修繕リスクも確認し、長期的なキャッシュフローを意識することが大切です。

リノベーションできる範囲を確認する

リノベーションでは建物の構造上、希望通りにリノベーションできないことも少なくありません。物件によっては、リノベーションの範囲が制限されていることもあります。

希望通りにリノベーションできないと、当初の計画通りの収益を得ることが難しくなります。購入時に、どこまでのリノベーションが可能なのか確認しておくことが必要です。

とくに「実現したいデザインや間取りは可能か」は、重視したいポイントです。建物の強度を保つために重要な柱や壁は、リノベーション時に取り除けません。古い物件は天井が低く作られているものも多く、間取りや天井の大幅な変更ができない可能性があります。

マンションは配管の位置が決まっているため、勾配や配置などの関係で水回りの大幅な移動も難しくなります。

ニーズに合わせたリノベーションをする

リノベーションの目的は、物件の資産価値を上げるために、時代やニーズに合う付加価値をつけることです。そのため、ニーズに合わないリノベーションをしては、リノベーションを行う意味がなく、入居者の確保も難しいでしょう。

リノベーションにより、競合物件との差別化を図れると、入居者も確保しやすくなり、不動産投資を円滑に運用することができます。

リノベーション投資を失敗しないための物件選びのポイント

リノベーション投資で失敗しないためには物件選びが重要です。最後に、リノベーション投資用の物件選びで意識したいポイントをご紹介します。

物件の部屋タイプをチェックする

賃貸物件には、ワンルームタイプとファミリータイプの2種類があります。それぞれの物件は間取りや広さ、価格帯だけでなく、ニーズも異なります。

たとえば大学や専門学校、オフィス街などが多いエリアで入居を期待できるのは、一人暮らしの学生や会社員が住むワンルームタイプです。一方、郊外の商業施設や小中学校が近い、閑静な住宅街ではファミリータイプの需要が高くなります。

エリアの特徴や住民の年齢層などを参考に、どちらの部屋タイプの需要があるか判断した上で、適した物件を購入しましょう。

物件の立地をチェックする

物件そのものの立地とニーズのマッチ度も重要です。入居希望者のニーズにマッチした立地でなければ、空室率が高くなる恐れがあります。

立地の良さは、必ずしも駅近だけとは限りません。ターゲットが喜ぶ立地かどうかがポイントです。

たとえばファミリー層をターゲットとするなら、スーパーなどの商業施設に加えて、小児科のある病院や学習塾、公園などへの距離も付加価値となります。

単身世帯がターゲットの場合は、残業や飲み会で遅くなっても立ち寄れるコンビニや、深夜営業のスーパーがあるエリアの方が喜ばれます。

上記のように、入居希望者のニーズにマッチした強みのある立地を選ぶことが大切です。

まとめ

リノベーション投資は、好立地の物件で不動産投資に挑戦できる手法です。リノベーションで部屋そのものに付加価値を与えることで、立地以外でも差別化できます。

ただし、中古物件なら何でも良いわけではありません。立地や部屋タイプをしっかりと確認して、ニーズに合ったリノベーション投資ができる中古物件を選びましょう。