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不動産投資にはキャッシュフローが最重要
健全に不動産投資を運営していく上で、キャッシュフローを意識することは欠かせません。
その理由として、不動産投資が健全であるかどうかを判断する指標のひとつになることが挙げられます。
キャッシュフローが良い場合というのは、家賃が一定以上の金額であるということです。家賃が高い物件は、入居者がいればそれ相応の家賃収入も見込めるだけでなく、売却時にも有利に働きます。というのも、家賃の高い物件は、売却金額も高くなる傾向にあるからです。
ただ、キャッシュフローに対する考えが甘いと利回りがマイナスになるほか、生活費に影響が生じてしまうかもしれません。突発的に修繕の必要性が浮上したなどの急な支払いにも、対応できなくなってしまうでしょう。
キャッシュフローがマイナスでも大丈夫?
先述のとおり、キャッシュフローが悪いとさまざまなリスクがあります。では、キャッシュフローがマイナスとなってしまった場合、どのように考えれば良いのでしょうか。
一時的なマイナスは問題ない
中長期的な投資とされる不動産投資では、キャッシュフローがマイナスになってしまうこともあるでしょう。
結論からいえば、キャッシュフローは一時的なマイナスなら問題ありません。
よくあるケースとして、入退去に伴いリフォームや修繕費用がかさんだ場合にマイナスになることが挙げられます。
しかし、その後の入居率アップなどを加味すれば、それほど深刻になる必要はありません。
キャッシュフローがマイナスになったからといって、必ずしも投資が失敗したわけではないということです。
不動産投資は長期的に考えることも大事
不動産投資には、大きく分けて以下ふたつの方法があります。
・家賃収入だけで資産形成をする方法
・家賃収入でローン残高を減らし、売却時に利益を得る方法
このうち、後者の場合でも売却時に利益が出せる計画があれば、キャッシュフローの一時的なマイナスは問題ありません。目先のキャッシュフローだけにとらわれないようにしましょう。
また、売却時に利益を出すためには、リセール価格が落ちにくい物件を選ぶことも意識するようにしましょう。
たとえば、今現在郊外の辺鄙な場所にある物件であっても、近い将来、大型の商業施設が近隣に建つといった場合は、現在の相場に比べて高値で売れる可能性が高くなります。
そのため、不動産投資においては物件選びに力を入れることも大切です。
将来の周辺状況はもちろん、買おうとしている物件が住民の生活スタイル(ファミリー層が多いのに単身者向けの物件を選ぼうとしていないかなど)を考慮するよう心がけましょう。
不動産投資でキャッシュフローをプラスにする方法
ここでは、不動産投資でキャッシュフローをプラスにする方法を5つ取り上げてみました。
・頭金を多めに入れる
・ローンの返済期間を長めにする
・ローンの繰り上げ返済をする
・借り換えで金利を下げる
・管理会社選びを慎重にする
それぞれについて、見ていきましょう。
頭金を多めに入れる
頭金を多めに入れることで、銀行から借り入れる不動産投資ローンの元本と金利に対する支払いが少なくなります。その分ほかの費用に充当することもできるでしょう。
中には頭金を支払わずにローンが組めるケースもありますが、月々の返済負担額が大きくなることからキャッシュフローが悪くなるおそれがあります。
頭金を多く入れた場合も、投資開始時点でのキャッシュフローが悪化するリスクが高いため、頭金は手持ちに余裕がある範囲にすることが大切です。
ローンの返済期間を長めにする
ローンの返済期間を長めに設定することで月々の返済額が小さくなり、結果としてキャッシュフローが改善します。
一方で、返済期間を長くすればするほど完済までに時間がかかってしまうことに注意しましょう。
返済期間が延びると金利も高くなり、総合的な支払い金額が増えるのも注意です。
ローンの繰り上げ返済をする
ローンを繰り上げ返済すると、利息や返済額、返済期間を減らせるとともに、キャッシュフローがプラスになる効果も期待できます。
また、繰り上げ返済には以下2つの方法があるので、あわせて確認しておきましょう。
返済期間短縮型 | 毎月の返済額は変わらないが、返済期間を短くする |
返済額軽減型 | 返済期間は変わらないが、毎月の返済金額が減る |
金融機関によっては繰り上げ返済時に手数料や金額の制限を設けているところもあるため、契約内容を事前に見返しておくことをおすすめします。
借り換えで金利を下げる
低金利のローンに借り換えることで、キャッシュフローの利益を大きくできます。
金利が下がるとともにローンの返済額が総じて減少することから、当初の予定返済期間より早期での返済が可能でしょう。
借り換えには手数料がかかる場合があります。余分な費用を支払わずに済むよう、そもそも借り換えを検討しなくて済むよう、事前にローン検討時に毎月の返済額をシミュレーションしておくことも大切です。
複数の金融機関における返済プランを比較したのち、自身のニーズに見合う先を選ぶように心がけましょう。
管理会社選びを慎重にする
不動産投資では物件の管理を管理会社に委託するケースがほとんどです。
入居率の高い管理会社であれば安定した家賃収入が得られるため、キャッシュフローを良い状態で維持できるでしょう。
また、そうした会社は不動産に詳しい人が多い傾向にあり、運営に際してさまざまなアドバイスをもらえるかもしれません。
そのため、不動産管理会社を選ぶ際は入居率の高さに注目することはもちろん、担当者との相性をきちんと確認することをおすすめします。
まとめ
今回は、不動産投資においてキャッシュフローを重視すべき理由と、マイナスになってしまった際の考え方についてお伝えしました。
不動産投資において一時的なマイナスはそれほど気にする必要はありません。しかし、できるだけ早くプラスに転換できるように対策を講じることが大切です。
不動産投資で失敗を避けるためにも、キャッシュフローについて正しく理解することはもちろん、利回りを含め、周辺知識についても都度学んでいくように心がけましょう。