賃貸物件で外国人によるトラブル例は?トラブルを回避する方法を紹介!

近年では外国人労働者の受け入れなども影響して、賃貸物件の需要も多様化しつつあります。空室対策の一手として外国人入居者を積極的に受け入れる考え方も挙げられますが、一方で文化の違いによるトラブルを懸念する声も少なくありません。 ここでは賃貸物件における外国人入居者によるトラブル例や、オーナー側ができる対策を紹介します。

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賃貸物件で外国人の需要は増えている!

外国人雇用届出の件数は、年々増加傾向です。雇用者数に比例して、賃貸物件の外国人需要も増加が期待できます。

近年は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、一時期外国人の入国が制限されていました。しかし現在は渡航制限が緩和され、コロナ禍前のように多くの外国人が旅行や就労、留学などの目的で入国しています。

また、賃貸物件の外国人需要が増加する理由として、入管法改正による影響も考えられます。2019年4月に新たな在留資格として設置された「特定技能」によって、人材不足が顕著な特定産業では、外国人労働者を即戦力として雇い入れることができるようになりました。

技能実習生として留学していた外国人も、法改正により引き続き労働者として日本国内で働けるようになっています。従来よりも就労目的での日本在留が容易となったため、長期入居できる住居の需要も増加が見込まれます。

賃貸物件に外国人が入居することで起こりがちなトラブル

外国人の入居需要の高まりは、空室対策としても期待できる一方で、トラブルを懸念しているオーナーも多いのではないでしょうか。

実際に外国人入居者を受け入れた場合に起こりがちなトラブルとして、次の5つが挙げられます。

騒音

騒音に対する意識は、人によって異なります。日本人にとっては「非常識」「うるさい」と思うような音が、外国人にとっては騒音と認識されないこともあります。

例えば、パーティーを頻繁に開くケースが挙げられます。海外では、パーティーは特別なイベントではなく、友人とのコミュニケーションのひとつという認識の国もあります。そのため、日常的にパーティーが開かれ、騒音問題に発展してしまうのです。入居者に日本人も多く含まれる物件の場合、外国人の生活音が苦情に発展するリスクが考えられます。

ゴミ問題

日本のゴミ出しのルールも、外国と大きく異なる点です。国によっては曜日や時間に関係なく所定のステーションに捨てられたり、分別のルールが守られていなかったりします。

日本のルールでは燃えるもの、粗大ごみ、資源ごみなど分別しなければならないうえ、収集の曜日や時間が決まっています。その点において、日本のルールを理解していない外国人の場合、ルール違反と気付かずに誤ったごみ出しを続けることとなり、異臭や害獣・害鳥による散乱などの問題に発展しかねません。

部屋の又貸し・多人数同居

日本では一般的に、ワンルームや1LDKに居住するのは1〜2人程度です。カップルの同棲などで一時的に増減することがあっても、多くの場合は賃貸借契約書を交わすときに確認した人数が入居します。

しかし、現在、外国人の入居を積極的に受け入れる賃貸物件が不足しているため、又貸しや多人数同居が起こることがあります。

又貸しや多人数同居は、オーナーが把握していないと、不特定多数の人間が同じ部屋を出入りするのを知らぬ間に放置してしまっている状態です。近隣住民に不安が生まれ、賃貸物件全体の評判にも影響を及ぼします。

家賃滞納

空室対策として入居を受け入れても、家賃滞納が起こってしまえば収支はありません。入居者がいる分、新たに集客できないデメリットも生じます。

日本では外国人の労働環境が安定していないケースもあり、家賃滞納のリスクにつながる可能性も考えられます。滞納が一定期間続き、なおかつ所定の手順を踏めば退去勧告できますが、その手続きも容易ではありません。

客観的に家賃滞納が悪質であると認められる必要があり、外国人の就労の難しさも考慮すると、滞納が恒常化していると判断できるタイミングを見極めるのは困難です。

突然の退去

外国人の場合、家賃滞納が続くと突然音信不通となり、いつの間にか退去されてしまうこともあります。母国へ帰ってしまえば、個人のオーナーが連絡をとることは困難です。

外国人入居者の行方がつかめない場合の損失は家賃の回収ができないだけではありません。部屋に残された荷物の片付け、クリーニング、原状回復など手間や費用の負担が数多く生じます。

外国人入居者によるトラブルを回避するには

すべての外国人入居者が、前述したトラブルを引き起こすわけではありません。中には事前にインターネットや知人を介して日本のルールを学んだうえで、可能な限り適応しようとしている方もいます。

オーナー側の工夫次第で、マナーの良い外国人入居者と出会える可能性は引き上げられます。外国人の入居にともなうトラブルを回避するための方法は次の6つです。

入居審査での確認事項を決めておく

賃貸借契約を結ぶとき、一般的に入居審査が行われます。中には管理会社に一任しているオーナーもいます。しかし、トラブルリスクを軽減するためには積極的に自ら確認事項を精査することが大切です。

通常の入居審査とともに、外国人には在留資格の内容、勤務先、収入など、確認事項を設定しましょう。安定した収入(家賃の継続的な支払い)が期待できるかどうか、さまざまな要素から判断する必要があります。

また、トラブル時の対応がスムーズに行えるよう、どれくらい日本語を理解できるかも確認しておくと安心です。

入居前に念入りに説明してルールを理解してもらう

あらかじめルールを共有することで、少なくとも外国人入居者が知らずにトラブルにつながる行為をするリスクはなくなります。入居前の賃貸借契約書を交わすとき、契約書の内容や重要事項説明に加えて、日常生活のルールも説明しましょう。

とくにトラブルに発展しやすい騒音問題やごみ出しマナーなどは、共有すべき情報です。相手の国の言葉で説明して理解してもらうと、トラブルのリスクを軽減できます。

日頃からよくコミュニケーションを取る

賃貸借契約に限らず、人間同士のトラブルを回避するコツは、こまめなコミュニケーションによる相互理解です。日常的にあいさつをしたり、「何か困ったことはないか」と声かけをしたりと、良好な関係を築くとトラブル回避につながります。

信頼関係があれば、勘違いや文化の違いによるトラブルも話し合いで解決しやすくなります。

連帯保証人をつける

家賃滞納や音信不通、突然の退去などのトラブルに備えて、連帯保証人をつけてもらうことも大切です。連帯保証人がいれば、万が一家賃滞納などが生じても損失を最小限に抑えられます。

なかなか空室が埋まらないとき、オーナーによっては勤務先情報や相手の印象などで連帯保証人をつけずに賃貸借契約を急ぐことがあります。しかし、トラブル回避を重視するのであれば、入居を急がず連帯保証人をつけましょう。

保証人の文化に馴染みがない外国人も多いため、事前に説明して理解してもらうことも大切です。

保証会社のサポートを利用する

連帯保証人をつけるのが難しい場合や、家賃滞納リスクを軽減したい方は、保証会社の利用をおすすめします。保証会社の中には、外国人入居者に対応できる会社もあります。

外国人入居者の管理に精通している管理会社も増加傾向にあり、今後の空室対策として積極的に入居者の幅を広げようと考えているオーナーにおすすめです。

料金や知名度のみで決めず、サービス内容や評判も考慮して保証会社および管理会社を選ぶと良好な関係を築けます。

国のガイドラインを活用する

外国人労働者の増加にともない、国は民間賃貸住宅における入居のガイドラインを作成しています。オーナー向けに入居審査必要書類チェックシート、入居の約束チェックシート、各国語の契約書等見本などを無料でダウンロードできるので活用しましょう。

まとめ

特定技能に関連する就労者や技能性の増加など、さまざまな理由で日本に入国する外国人が増えつつあります。空室対策のひとつとして、外国人入居者を受け入れることは効果的ですが、文化の違いによるトラブルを考慮しなくてはなりません。

連帯保証人や保証会社の活用など日本人入居者と同じ対策をとり、国のガイドラインも参考にしてトラブルリスクを軽減させることが大切です。